市場関係者は合理的か?

前節では、資産価格の形成に関して、利用可能な情報が価格に反映している度合いによって、市場の効率性というものを判断した。

現代資本市場理論は、効率的市場を仮定した上で発展してきた理論だが、多くの実証によって市場が必ずしも効率的ではないということが明確になってきた。

つまり、市場にはアノマリー(法則・理論からみて異常、または説明できない事象や個体等)や歪みが存在していて、投機バブルが起きる可能性もあるということだ。

したがって、市場が効率的であるためには、情報が適切に価格に反映されている必要がありる。

そのためには、次のような意思決定プロセスを経て、情報を価格へ伝達する必要がでてくる。

意思決定プロセス

意思決定のプロセスは、情報⇒認識⇒分析⇒評価⇒価格という順序になる。

情報が適切に価格に反映されるためには、投資家サイドが合理的でなくてはならないからだ。

投資家が合理的であるということは、この意思決定プロセス(認識・分析・評価)において、

  • 認識・・・意思決定に関わるあらゆる情報を入手することができ、
  • 分析・・・偏見や感情などによって客観性を失うことなく、情報を分析し、
  • 評価・・・効用関数に基づき期待される効用を最大化するように行動する

これらを満たし、すべての投資家が同質的であると仮定する必要がある。

しかし、これらの仮定が実際に成り立っていると考えるには無理がある。

例えば、インターネットなどの発展によって多くの情報をすばやく誰でも入手することが可能になってきたが、投資家自身の情報収集許容量と時間的制限からみて、とてもすべての情報を入手できるとは考え難いだろう。

要するに、投資家に限らず多くの人は過去の経験から情報を取捨選択し、自分にとって有益であると解釈した情報のみを入手していことになる。

したがって、一般的に考えて、投資家の投資判断は過去の経験やある特定の情報に基づき、それが有益であると認識したものに大きく影響される。

例えば、大きな地震が起きると、その後一定期間、地震保険の加入者が増加することが知られている。

また、株価暴落を経験した人と、そうでない人ではリスクに対する態度が異なることもある。

さらに、投資行動は、利益が出ているときは「このような状況はいつまでも続かない」、損失を出しているときは「何とかして損失を挽回したい」といったストレスに常にさらされていることになる。

このため利益の出ているポジションを早々にクローズしてしまったり、損切りするタイミングが遅くなって損をするといぅたことが頻繁に起こる。

ちまり投資行動は、常に自己の感情(精神状態)との戦いなのだ。

行動ファイナンスとは、このような観察される多くの非合理性を前提とし、「合理性」がそもそも限定的にしか成り立たないという人間の投資行動に主眼をおいた金融理論だ。

非合理的な情報処理

特にトレーダーのような職種で市場に参加する者は、日々何度も瞬時の意思決定が求められることになる。

トレーダーに限らず、それが個人投資家であったとしても、相場が大きく動いたときなどは、瞬時に意思決定を行わなければならない状況に追い込まれるだろう。

インターネットなどの普及によって、望みさえすれば大量の情報を瞬時に得ることはできる。

しかし、個人投資家であれば尚更その情報処理に携わることのできる時間は限られるだろう。

何らかの効率的な情報収集を行うためには、情報の複雑さを減少させ、最終的に迅速に判断を下す必用がある。

この投稿は日本FP協会CFP®カリキュラムに添って記述しています。

本文「効率的市場仮設(EMH)と行動ファイナンス、そしてプロスペクト理論について」よりクローズアップ!

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