
そのキャリアを終わらせないで!
長年同じ企業に勤め、その後は退職と年金で悠々自適の老後生活を送る、というプロセスは最早おとぎ話になった。
大手企業に就職できれば一生安定した生活が送れる、というストーリも過去の物語になりつつある。
まるで何処かの国を追従しているかのようだ。
その影に脅かされながらも、なんとなく私たちが憧れを抱いている国、米国。
その米国では平均4~5年の勤続年数だそうだ。
また、短期間に職務内容が大幅に変化することはよく知られている。
日本は米国ほど目まぐるしくはないが、それでもそうした傾向が日々強まっているようだ。
長年金融畑にいるからからなのか、そのあたりの変化を身近に感じる。
例えば、現在(2018年10月時点の推移)の米国の失業率を見てみると3.78%程度だ。
ちなみに同じ時点の日本の失業率は2.87%となっている。
いずれもIMFによる統計だ。
数値だけを見ると大きく改善したように見えるが、個々の生活に照らし合わせてみると、ほとんど改善していない。
なぜなら、実質所得の推移が、それを明確に物語っているからだ。
相変わらず低迷したままだ。
さらに、この後も改善する兆しが見えない。
※実質所得とは物価の変動による影響を取り除くように調整した所得こと。
そう感じている専門家は多いと思う。
つまり、働いていることと、損傷なく生活していけることは違う。
その背景には、労働に対する考え方や雇用形態が大きく変わり、さまざまな形が取り入れらるようになったこともある。
また、それらが変化した一因として、テクノロジーの飛躍的な進歩が挙げられるだろう。
つまり、自動化だ。
自動化によって、真面目に働いていれば必ず報われる、という仕組みは退化してしまった。
個人の進化が許されないかのように自動化が加速している。
このことは規模の大小を問わない。
雇用の概念そのものが都市伝説化しつつある。
働く側からしてみれば、忠誠心でもって会社に貢献していくことなど考えられないだろう。
生活のため、お金のためなど、恐怖心と不安を解消するために仕方なく組織に所属している形が増えていくだろう。
つまり、倒産リスクが高まるということだ。
逆に忠誠心とやりがいを見いだせれば、小さな会社でも十分チャンスはある。
例えば、10年前には存在しなかった会社に考えられないような評価額がついたり、多くの小規模ビジネスが誕生したりしている。
その要因は、かつて重要だったが今は忘れ去られてしまったものかもしれない。
雇用形態、仕事、キャリア、ライフスタイルなど、そのすべてが変化していることに、いち早く気づき、順応できたからかも知れない。
誰しも生活のため、お金のためだけに働くのは嫌だろう。
自分が惰性で労働していることに既に辟易している人もいるだろう。
そうした環境に、お金を稼ぐためなら何でもやる優秀な人材が集結し始めたらどうなるだろう?
既に始まっているのを、あなたも知っていると思う。
そうしたマインドセットを持った能力の高い人たちが、世界各地から日本に召喚されている。
さらに、プロジェクトごとに人が集まっては解散する、というワークスタイルへの移行も加速している。
プロジェクトそのものをプロ集団にアウトソーシングすることも頻繁に行われている。
どう考えても、今よりももっと短いサイクルで個々に大きな変化が起こるのは間違いない。
こうした変化に順応できるスキルを持ち合わせない場合、精神的にも物理的にもダメージが大きい。
したがって、変化の早さに戸惑うことなく、転換することができなければキャリアが終わる。
逆に、それができれば、それこそ大きなアドバンテージになる。
変化に抗っていては出遅れる。
一旦受け入れて順応する手段を考えよう。
未来はリスクがあるからこそ、花開く。
不確実性を予期するにはどうしたらいいか考えよう。
そのコツがつかめるようになると、柔軟性とチャレンジ精神が養われ、より自由自在に機会(チャンス)を生み出すことができるようになる。