

今回は離婚に踏み切る前に知っておいてほしい事など、離婚プロセスについて分かりやすく解説します。
こんなはずでは。。。
誰しもがそう思う瞬間です。
相手の嫌なところばかりが目につく様になった。
相手の浮気、性格の不一致、セックスの悩み、経済的な不安。
DV、姑との関係が鬱陶しい、姑の性格そのものが嫌だ。
他にもいろいろな理由から離婚に至るケースがあります。
人口動態統計の年間推計(平成28年「厚生労働省平成29年12月22日発表」)によると、婚姻が620,531件、離婚が216,798件。
この数字だけみると、約35%近くが離婚している計算になります。
しかし、単純に12人中4人(約35%)が離婚しているという事ではないでしょう。
これまで2,000例以上の事案に携わってきましたが、そのうち既に離婚されていた方は20名ほど、婚姻中のクライアントで離婚を希望された方はわずか5名です。
また所属しているボランティア団体にも1,800組以上のご夫婦がいらっしゃいますが、この16年間でたったの3件です。
一方、私の知人の中に3回以上再婚している人が2名います。
これらを統計すると、年間約0.073%(15÷2,050÷10年)です。
もちろん、3回以上離婚している彼らの離婚回数も含めての数値です。
これは、個人が所属している環境によると思いますが、私の場合ここ16年間に限って言えば、この統計は当てはまりません。
しかし、離婚に至らずとも「一度は離婚を考えたことがある」という方は、おそらく相当な数に登ると思います。
私も結婚して28年目になりますが、3度ほど考えたことがありますし、実際、離婚調停をお願いしたこともあります。
私は法律の専門家ではありませんが、人生経験は豊富な方だと思っています。
またどういうわけか離婚に関するご相談も少なくありません。
ついでに相談できる気軽さがあるのかもしれません。
離婚には、お金の問題も絡んでくるからかもしれません。
離婚に至った理由もさまざまでしょう。
ともあれ、離婚は想像以上にエネルギーを必要とする行為です。
ということで、今回は離婚を考える上で、あらかじめ知っておいてほしい事などについて分かりやすく解説しましょう。
離婚前に抑えておくべきポイント!
安易に離婚の手続きを進めてしまった場合、どのよう損失が考えられるでしょうか?
まず、慰謝料に関して問題が発生するでしょう。
本来支払われる金額よりも低くなってしまう可能性が高いからです。
他には、養育費がちゃんと回収できなかったり、親権そのものが獲得できなかったりするケースも考えられます。
そのような事態を回避するために、これから紹介する様な知識は最低限必要でしょう。
ホテルを出入りする写真は、不倫慰謝料の証拠として有効!?
結論から言うと、必ずしも有効ではありません。
そもそも不倫に該当する行為とはどういったものでしょうか?
不倫とは、倫理から外れた事や人の道から外れた行為を意味します。
では、男女関係に限った場合はどうでしょうか?
結婚制度(一夫一婦制)から逸脱した男女関係、つまり、配偶者のある男女が、配偶者以外の異性と恋愛・性交が不倫に該当します。
しかし、不倫を原因とする慰謝料請求をする場合には、性行為があったことを証明する証拠が必要です。
ホテルに出入りした写真だけで、性行為が確実に行われたことを立証できるでしょうか?
そう、残念ながらできません。
証拠としては不十分と解釈されます。
では、単なるホテルではなく、ラブホテルだったら?
この場合、一般的には性行為が目的と想定する事ができます。
ですから、性行為があったものと判断され、不倫慰謝料請求の証拠として機能します。
では、慰謝料は何を基準に決定されるのでしょうか?
慰謝料は、相手の収入・離婚の原因・結婚期間などで概ね決定されます。
大体の相場は100万円~500万円と言われています。
しかし、100万円と500万円では大きな違いです。
請求する側としては、慰謝料を少しでも増やしたいところです。
慰謝料を少しでも増やすには?
そもそも慰謝料とはなんでしょうか?
精神的苦痛に対して支払われる金銭のことです。
では、その慰謝料の金額を高めるには?
自分が精神的苦痛を受けたことをわかってもらう必要があります。
この場合、理解を求めるのは裁判官です。
例えば、精神的苦痛から病気になってしまったとしましょう。
その場合、診断書が精神的苦痛を証明する証拠となります。
これを判断するには、法律的知識や経験が重要です。
注意!慰謝料を請求するのが確定しているなら、私のようなエセ(似てはいるが本物ではない)者ではなく、弁護士に相談するといいでしょう。
軽微なら、無料で対応してくれる弁護士さんもいます。
請求する側の資産・収入が少ないほどもらえる金額が高くなる傾向があります。
例えば、年齢が高い、初婚の場合、再婚の可能性が低いなど、何よりも精神的苦痛を類推させる事情がある場合は金額は高くなります。
では、請求される側はどうでしょう?
年齢が高い、社会的地位や収入が高いと思われる職業に就いている、婚外子がいる、生活費を支払っていなかった、関係修復の努力をしていない、などがあると支払う金額が高くなります。
その他、不倫相手が一人の場合より複数の場合の方が悪質とみなされます。
当然、慰謝料の金額も多くなるでしょう。
また、婚姻期間が長い、婚姻中の協力度が低い、子供がいるなどの事情がある場合も高くなります。
W不倫の場合はどうなる?
一般的な不倫という言い方も変ですが・・・
その場合、不倫の被害者は、既婚者側の当事者の配偶者1人です。
しかし、ダブル不倫の場合は、不倫の当事者双方が既婚者ということになります。
つまり、その不倫の被害者は、当事者双方の配偶者2人ということになるわけです。
こうなると、ちょっと話がややこしくなります。
ただ単に被害者の数が2人に増えたという話ではないからです。
これは重大な相違です。
慰謝料請求が可能か否かという問題になってくるからです。
慰謝料を請求できるのは誰でしょうか?
もちろん、被害者ですよね!
ここで問題です。。。
被害者のA子は、A雄(A子の夫)とB子(B男の妻)に慰謝料請求をすることができるでしょうか?
法律的には成立するようです。
しかし・・・・・
- A子がA雄と離婚するつもりか否か、
- 離婚するつもりがない場合、B男・B子が離婚するか否か、
- もう1人の配偶者であるB男がダブル不倫を知っているか否か
など、その事情によって、慰謝料請求だできるかどうかが異なってきます。
A子が離婚を決意している場合
A雄にもB子にも、慰謝料請求をすることができます。
A子が離婚をしない場合
B男もダブル不倫の被害者ということになるので、A雄に対して慰謝料請求する可能性があります。
どういうことかというと、、、、
B男・B子も離婚しない場合
A子がB子に対して慰謝料請求をした場合、それを知ったB男はB子を守るため、A雄に対して慰謝料請求をするかもしれません。
こうなってくると、慰謝料請求をする意味がなくなります。
なぜなら、経済的に何も変わらないからです。
法律的に見ればA男とA子は別人格です。
ですから、A雄に慰謝料請求をされてもA子に関係ないよに思われるかもしれません。
しかし、事実上は夫婦の共有財産からの支出なので、A子の懐も痛むことになるわけです。
また、A雄には黙ってB子に対して慰謝料請求していたような場合、B男からA雄に対する慰謝料請求がされることで、A子のB子に対する慰謝料請求が露見してしまい、夫婦の不和を招くという事態も想定できます。
ですっから、A子が離婚せず、かつ、夫婦生活の維持を考える場合は、慰謝料を請求するにあたって慎重に判断する必要があります。
いろいろな事情があると思いますが、専門家の指示を仰いだ方が賢明でしょう。
高額な慰謝料になる!
精神的苦痛が大きければ大きいほど請求できる慰謝料の金額も大きくなる、これが慰謝料の基本です。
不倫期間が長かったり、結婚期間が長い場合、相手方の不倫行為より受ける精神的苦痛は大きくなると解釈されます。
したがって、不倫期間・結婚期間が長いほど慰謝料は高額になります。
簡単に離婚できない!?
簡単に離婚できない場合があります。
お互いの合意があれば、あとは離婚届を書いて提出するだけでなので話は簡単です。
しかし、一方が離婚したくない場合で、なおかつ離婚を迫られている側に非がない場合、簡単に離婚できません。
男性側からの要求だとさらに難しいようです。
結婚期間が長いほど財産分与は高くなる傾向がある
財産分与とは、婚姻生活中に夫婦が協力して増やしてきた財産をその財産形成した貢献度に応じて分けることをいいます。
しかし、実務的には、2分の1とされることが多いようです。
一般的に考えれば、結婚期間が長くなり年配になっていくほど所得も貯金も増えますから、分与対象となる財産が増えるため、財産分与の額が高くなる傾向があります。
国や地方公共団体などから支援を受けられる!?
国や地方公共団体はさまざまな制度を設けています。
例えば、離婚後の母子家庭が受けられる児童扶養手当や母子家庭のための住宅手当などです。
その他、母子家庭・父子家庭に限らず、最低限の生活をすることが難しい方のための生活保護などもあります。
離婚してシングルマザーになったとしても、現在ではさまざまな手当や助成金などが用意されているわけです。
母子家庭が受けられる手当などについて詳しく知りたい方はシングルマザーは、今や女性の1つの生き方!
を参考にしてください。
離婚しても子どもの姓は変わらない
結婚時に姓が変わった側は、離婚しても婚姻時の姓を名乗り続けることもできますが、基本的には旧姓に戻ります。
しかし、旧姓に戻った側が親権を獲得していても、子どもの姓が自動的に変わるわけではありません。
ですから、「子の氏の変更許可」を家庭裁判所で得る必要があります。
戸籍についても、自動的に移るわけではありません。
つまり、親権を持つ親と同じ姓にした上で、役所に届け出なければ同じ戸籍に入ることができません。
増えた財産のうち半分はもらえる!?
婚姻生活中に夫婦が協力して増やしてきた財産を、その貢献度に応じて分けることになります。
これを財産分与と呼んでいます。
専業主婦であっても、夫婦の共同財産の増加に貢献しているわけですから、当然分与されます。
セックスレスだと慰謝料請求できる
以外に知られていませんが、セックスレスの場合も慰謝料請求ができます。
しかし、EDなどが原因でセックスレスになってしまった場合などは、夫への慰謝料請求は難しいです。
セックスレスは離婚の立派な原因となります。
たとえ相手が離婚を拒んでいたとしても、セックスレスを理由に調停や裁判で離婚に持ち込むことは可能です。
セックスレスの慰謝料の相場は100万程度ですが、この金額をもっと上げることは可能です。
セックスレス特有の理由としては、、、例えば、
- 性行為をしようとする努力がない。
- セックスレスの期間が長い(一般的には3年以上が長期)。
- 婚姻してから一度もセックスがない。
- 原因が相手方の浮気。
- 夫婦間ではセックスレスなのに浮気相手とはセックスしていた。
などの事情がある場合は、もっと慰謝料が高くなる可能性があります。
彼らの場合はまだ離婚を考えていないようですが、離婚という話になった場合、慰謝料を請求されることになるでしょう。
生活費を請求できる
あなたに収入を得る手段がない場合、相手(収入がある側)に対して婚姻費用分担請求をすることができます。
婚姻費用とは、衣食住、交際費、娯楽費、医療費、養育費など日常生活をする上で必要な費用のことです。
婚姻費用の算出に当たっては、年収、自営業か会社員、子どもの人数、子どもの年齢などが影響します。
また、家庭裁判所は婚姻費用算定表を使って婚姻費用の算出を行います。
- 子どもの人数と年齢から利用すべき婚姻費用算定表を選ぶ。
- 支払う側の年収を確認。
- もらう側の年収を確認。
- 両者の年収が交差するポイントが婚姻費用の金額。
離婚の際に不利になること
正当な理由もなく自分の都合で家を出てしまうと、財産分与や慰謝料として請求できる金額が低めになってしまう可能性があります。
後悔が大きくなる可能性!?
怒りなどの感情のまま、勢い余って離婚してしまうと後悔することが多いようです。
特に専業主婦の場合は、注意してください。
離婚後の生活をしっかり支えていくためには、生活に必要なお金を貯めたり、仕事を探したり、離婚後の住居を確保したりなど、必要なことがたくさんあります。
夫婦関係調整調停に必要な書類
その他、収入印紙、切手、夫婦関係など調停申し立て書のコピーが必要です。
※収入印紙、切手の金額は直接所轄の家庭裁判所にお尋ねください。
次回は「離婚したくなる9つの理由!?」です。
ではまた。