不動産の価格は、不動産の効用や相対的希少性、そして不動産に対する有効需要に影響を与える諸要因の相互作用によって形成されることは先に申し上げましたが、その形成の過程において基本的な法則性を認めることができます。

これらの法則性は価格形成という経済現象のなかで見出されるものです。

いずれも一般の経済法則に基礎を置くものですが、鑑定評価の指針として用いられるものなので、鑑定評価の立場からこれらを捉え、表現したものということになります。

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諸原則と不動産投資

具体的には、以下のような11の原則が不動産市場に影響しています。

①需要と供給の原則

②変動の原則

③代替の原則(代替性を有する財の価格は相互に影響する)

④最有効使用の原則(不動産の価格は最有効使用を前提に形成される)

⑤均衡の原則(構成要素の均衡により最有効となる)

⑥収益逓増及び逓減の原則(追加投資の判断)

⑦収益配分の原則(収益は資本・労働・経営・土地に配分される)

③寄与の原則

⑨適合の原則(周囲の環境との適合により最有効となる)

⑩競争の原則

⑪予浪1の原則があり、相互に関連している

公的土地評価について

土地面格の種類

土地については、公的な価格がそれぞれの目的に応じて設けられています。

  • 国土交通省土地鑑定委員会が公表する「公示価格」
  • 都道府県知事が公表する「基準地標準価格」

上記2つが一般的な価格指標として公開されています。

その他には、

  • 相続税評価に用いられる「相続税路線価」
  • 固定資産税等の課税標準のもととなる「固定資産税評価額」

土地価格には、以上の公示価格・基準地標準価格、相続税路線価、固定資産税評価額に実際の売買実例より推定される実勢価格を加えて四種類の価格があるとされています。

図表4‐2 公的土地評価の比較一覧表

公示価格 基準地標準価格 相続税路線価 固定資産税評価額
評価

目的
①一般の土地取引の指標
②公共事業の適正補償金の算定基準
③毎年公示(毎年1月1日時点)
①国土利用計画法による土地取引の適正かつ円滑な実施
②一般の土地取引の指標
③毎年公表(毎年7月1日時点)
①相続税、贈与税、地価税課税のため
②毎年評価替え(毎年1月1日時点)
①固定資産税等課税のため
②3年に1度評価替え
評価
方法
標準地について2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、国土交通省に設置された土地鑑定委員会がその結果を審判し必要な調整を行って正常な価格を評定し公示 基準地について、都道府県知事が、1人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、知事がその結果を審査し、必要な調整を行って公表 市街地的形態を形成する地域において公示価格、精通者意見価格、売買事例価格等をもとに、国税局長が各路線、各地域のバランスをとって路線価を評定 売買事例価格から求める正常売買価格をもととして適正な時価を求め、これに基づき評価額を算定し、市町村長が固定資産課税台帳等に登録
評価割合は公示価格の8割程度(平成6年分より) 評価割合は公示価格の7割程度(平成6年
分より)
価格

定義
地価公示法第2条第1項「土地鑑定委員会は、……一定の基準日における標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示する」 国土利用計画法施行令第9条第1項「都道府県知事は、一定の基準日における当該画地の単価面積当たりの標準価格を判定するものとする」 相続税法第22条「相続、遺贈または贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価による」 地方税法第341条第5号「価格適正な時価をいう」

公示価格、基準地標準価格の調査方法

公示価格、基準地標準価格の性格等については上記図表4-2のとおりです。

国土交通省の土地鑑定委員会では、標準地の毎年1月1日現在の価格(公示価格)を3月下旬の官報に公示しています。

基準地標準価格については、毎年9月下旬に公報として発表されますが、各市町村の担当課でも閲覧できます。

参考▼

なお、国土交通省のホームページで、全国の公示価格と基準地標準価格が公開されていますので参考にしてください。

標準地の概要の記載例を以下の図表4-3に示します。

図表4‐3 標準地(住宅地)の概要(例)

(1)
標準地番号
(2)
標準地の所在及び地番並びに住居表示
(3)
標準地のlm2当たりの価格(円)
(4)
標準値の地積(㎡)
(5)
標準地の形状
(6)
標準地の利用の現況
横浜○○-12 ○○台1丁目××番△2 400,000 280 1:1:2 宅住W2
(7)
標準地の周辺の土地利用の現況
(8)
標準地の前面道路の状況
(9)
標準地についての水道、ガス供給施設及び下水道の整備の状況
(10)
標準地の鉄道その他の主要な交通施設との接近の状況
(11)
標準地に係る都市計画法その他法令の制限で主要なもの
中規模の一般住宅が多い区画整然とした住宅地域 南6.5m樋市道 水道、ガス、下水 ○○台620m 1低専(40、60)

一般的な土地評価のプロセスについて

ー般の人は土地の売買にあたってどのような方法でその土地価格を把握しているのでしょうか。

恐らく売買の対象となる土地の周辺で土地の売買(取引)の事例がないかを調べることでしょう。

そして事例があれば、どこで、いつごろ、いくらで取引されたかなどを知ることができます。

もし、取引事例がない場合は、売り希望価格や買い希望価格から取引価格の見当をつけようとするでしょう。

このようなプロセスが一般的な方法であり、土地評価の基本的な形だといえます。

取引事例の価格を基準にして、取引事例と対象地との条件等を比較し、それに両者の取引時点での地価の変動を考慮して、対象地の価格を求めることになります。

このプロセスは最も重要な部分になるので、専門的な知識も必要とされることから、実際には専門家に依頼することも多いはずです。

以上の基本型を簡易な式で示すとすると、例えば次のようになります。

取引事例地の売買価格×時点修正率×対象地の条件/取引事例地の条件=対象地の価格

公示価格等の利用方法

(1)公示価格の利用

取引事例の価格は、それぞれの特殊な要因を含んでいることも多い。

例えば、売主については資金繰りに追われてやむなく相場に比べて安く売ったかもしれない。

また買主については営業上の利便性のためどうしてもその土地が必要であり、割高を承知で購入したかもしれないのである。

このような事情があるため、一つの取引事例だけから価格を求めるのではなく、数多くの取引事例を集めて、これらの価格と比較して取引のための価格を求めることになる。

しかし、一般の人が数多くの事例を集めることは簡単ではない。

そこで、こういう場合に取引事例に代えて、「一般の土地取引の指標」となるものとして、公示価格が設けられている。

公示価格を用いて対象地の価格を求める簡易な式は次のようになる。

公示地(標準地)の公示価格×時点修正率×対象地の条件/公示地の条件=対象地の価格

例) 公示価格210,000円/㎡ ×時点修正率 103%×要因比較90※2/100≒ 対象地の価格195,000円/㎡

注意点▼

※1 :1月1日(公示価格の基準日)以後価格時点まで3%の地価上昇と判断した場合
※2 :公示地を基準として対象地の要因が10%劣ると判断した場合

(2)基準地標準価機の利用

都道府県地価調査の基準地は地価公示の標準地(以下「公示地」という)と同じような性格であり、公示地の不足地点と調査時点を補う性格のものである。

公示価格は毎年1月1日の価格が公表されるが、基準地標準価格は毎年7月1日時点のものである。

基準地は原則として公示地の設定されていない地域に設定されるのであるが、公示価格の価格時点からの地価変動(半年間)を示すために、公示地と同一地点が基準地として設定される場合もある。

公示価格は国土交通省土地鑑定委員会、基準地標準価格は各都道府県知事の所管となっているが、両者は評価の仕方も類似しており、互いに均衡がとれるように決定されています。

したがって、基準値標準価格は公示価格と同様「一般の土地取引の指標」などとして活用できます。

次回は、相続税法や財産評価の原則と仕組みを学んで不動産投資を成功させることについてです。

ではまた。CFP® Masao Saiki

この投稿はNPO法人日本FP協会CFPカリキュラムに沿って記述しています。

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