今回は、消費者契約法、金融商品販売法、特定商取引法、割賦販売法等、消費者保護法、金融商品取引法とFP業務の関係についてです。

FP業務と法令の関係

消費者契約法の観点からすると、顧客とFP業務委託契約等の契約を締結する際には、契約条項に必要な情報をわかりやすく盛り込むことにとどまらず、その内容について十分な説明を行い、正しく理解してもらう必要があります。

顧客に事実と異なることを告げてはならないのは当然のこととして、自分に運用を依頼すれば必ず利益が出るといったことも断言してはなりません。

業務上、金融商品の販売・仲介に携わることもあると思いますが、その際には金融商品販売法の趣旨を汲んで、その重要事項などについて、顧客が十分に理解できるようわかりやすく説明する必要があります。

例えば、顧客との交渉過程を記録に残すなどしてお互いに再確認できるようにしておくといいでしょう。

事実確認書を作成して顧客から署名押印をもらっているケースもありますが、これは問題が生じたときの立証とはなりますが、それがそのまま真の解決手段とはならないでしょう。

FP業務(自分と提携先)を守る材料になったとしても、それが顧客との信頼関係維持にダイレクトに結びつくことにはないからです。

顧客との関係における規律

日本FP協会の規程をみてみると、FPとしての具体的な行動・業務に関する「業務基準規程」が定められています。

例えば、顧客との関係における規律では、「提供する業務の内容」「自己が必要かつ十分な業務を提供でき、かかる業務に関する他の専門家を関与させる能力があることJなどが契約の際の確認事項として挙げられています。

必要的情報開示事項

また、必要的情報開示事項として、「会員の有する保有資格その他それに関連する重要な情報」「会員が代理人として行動する場合はその権限の範囲」「法律で開示が求められている事項(当該法律が求めている方法で開示すること)」「会員が、フィーオンリーの開業者であるか、コミッションその他の経済的利益を得ているか否か」「報酬に関する事項」などなど・・・

これらを書面をもって明確に顧客に開示しなければならないとしています。

したがって、某らの契約が発生するケースにおいて、金融商品販売法、消費者契約法を十分に理解することが求められます。

参考▼

消費者契約法特定商品取引法、については消費者庁ホームページ。金融商品販売法については金融庁ホームページ。割賦販売法、については経済産業省ホームページを御覧ください。

特定商取引法

特定商取引法は、事業者と消費者間でトラブルが多発する取引類型について、 そのトラブルを防止するための規制を設けた法律です。

例えば、通信販売では、クーリングオフ制度がないなど取引類型ごとに規制内容が異なる点には注意を要する。

割賦販売法

割賦販売法は、消費者保護のために代金後払いの取引を規制する法律です。

FPとして最低限押さえておきたいことは以下です。

  1. 包括信用購入あっせんと個別信用購入あっせんに共通する制度として、販売業者・サービス提供業者に対する抗弁事由(無効・取消・解除等)をもってクレジット会社の支払請求を拒絶できること(抗弁の接続)
  2. 個別信用購入あっせん特有の規制として、クーリングオフ、販売業者が不実告知をした場合の取消権、訪問販売でかつ過量販売にあたる場合に過量販売撤回・解除権が認められていること。

例えば、訪問販売やクレジット等で不要な物を買ってしまい困っている顧客にクーリングオフの可否等を助言できるだろう。

※独立行政法人国民生活センターが毎年出している『くらしの豆知識』を参考にするといいでしょう。

著作権

FPの仕事には、著作権に関わる場面が多いので、著作権法に反しないよう注意する必要があります。

例えば、原稿執筆、ホームページ作成、論文、講義レジュメ、講演や講義などの日述の著作物、パワーポイントなどによる図、デジタル著作物であるコンピュータソフトなどがそれに該当します。

著作権を辞書(weblio)で見てみると、著作者が自己の著作物の複製・発刊・翻訳・興行・上映・放送などに関し、独占的に支配し利益をうける排他的な権利。著作権法によって保護される無体財産権の一種。原則として著作者の死後50年間存続する。とされています。

なお、著作権の権利内容は、財産権と人格的利益であり譲渡できない著作者人格権に分かれます。

著作者人格権とは、公表権・氏名表示権・同一性保持権などのことです。

具体的には、コピー・講演を録音するといった複製権、テレビ、ラジオ、インターネットなどを通じて自己の著作物を公衆に送信するといった公衆送信権、著作物を口頭で公衆に伝える口述権などのさまざまなものがあります。

他人の著作物を限定された範囲、例えば自分や自分の家族、あるいは数人程度の親しい友人にコピーして渡すといった行為は「私的使用目的」にあたり著作権法に反しません。

しかし、その範囲を超える集会などで配布する行為は私的使用目的とは云えません。

例えば、勉強会やセミナーなどで無断で使用する行為は著作権法に反します。

したがって、そうした場合は、予め著作権者の承諾を得ておく必要があります。

また、たとえ私的使用目的であったとしても、無断で録画機器を用いて録音・録画する行為は著作権者を侵害したことになります。

したがって、既に公表されている著作物を引用する場合は、次の要件を満たしている必要があります。

  1. 引用が正当な慣行に合致するもので、かつ、報道・批評・研究等の引用目的上正当な範囲内であること。
  2. 引用する部分をカギ括弧(「 」)などで明確に区別すること。
  3. 引用する部分が従で、自分の著述部分が主であること。
  4. 出典・出所、著作者名を明記すること。
参考▼

法令・条例・通達・判例などは著作権がないので自由に引用できる。また、国や地方公共団体が公表している広報資料、統計資料、「経済白書」「国民生活白書」といった報告書などは許諾なしに転載することができる。※むしろこれらを改ざんして使用する方が問題になる。

個人情報保護法

個人情報保護法は、個人情報取扱事業者に対し個人情報の適正な取り扱いについての義務を定めた法律であり、これに違反した場合は行政処分等になります。

ただし、事業の用に供する個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数の合計が過去6月以内のいずれの日においても5000人を超えない事業者は除きます。

参考▼

個人情報とは氏名や住所のように個人を識別できる情報や、その他の情報と照合することによって個人を識別できる情報のこと。

この法律では「個人情報」を取り扱う場合、本人の承諾なしに第二者に提供することを禁止していますが、法律の有無にかかわらず相当な注意を持って取り扱うべき事柄でしょう。

相談業務は顧客が情報開示してくれるからこそ成り立つ仕事です。

そうしたことを十分認識した上で取り扱わなければなりません。

日本FP協会では、FP相談業務を行う上で留意すべき点を次のように掲げています。

  • 顧客情報は、保管する書類収納庫について必ず施錠する、FAXでのやり取りは行わない、廃棄する場合はシュレッダーもしくは溶解によって処分するなど、漏洩がおきないような安全管理措置を行い、その措置内容を顧客に開示・説明する。
  • 顧客情報を利用する予定がある場合は、あらかじめ利用目的を明示し、本人の同意を得る。また、利用目的を変更する場合の通知方法を明示し同意を得る。
  • 顧客情報は原則コピーしない。やむをえずコピーする場合は必ず顧客の承諾を得る。
  • 執筆や講演で特定の顧客の事例は話さない。例示をする場合は、必ず本人の承諾を得る。
  • 証券や保険代理店営業のためのDM等案内の発送は、本人の承諾なしに行わない。
  • あらかじめ苦情の連絡先を明示し、苦情があった場合は真摯にかつ迅速に対応する。

なお、日本FP協会の会員倫理規程第5条には守秘義務が規定されており、この順守義務があることの説明を行うことによって顧客と信頼関係を深めることもできるでしょう。

金融商品取引法

金融商品取引法が制定された背景には、法律の隙間をついた悪質な投資商品などが現れたことにある。

そして、これらの悪質な商品によって多くの投資家が被害に遭ってしまった。

その原因として、商品ごとに証券取引法・金融先物取引法など別々の法律で規制されていたことにあった。

そのため、各商品の規制に不均衡が生じたり、どの法律の規制対象にもならない仕組みが創作され、販売されていたのだった。

そこで、その不埒な仕組みから投資家を保護すべく、横断的な法律が制定された。

金融商品取引法の主な目的は以下だ。

  • 投資性の強い金融商品に対して横断的な勧誘規制をして投資家保護を図る
  • 開示規制を拡充する
  • 東京証券取引所・ジャスダックなどの金融商品取引所の自主規制を強化する
  • インサイダー取引などの不公正取引に厳正な対応をする

現時点からすれば当たり前のことだが、それ以前は上記に反する行為が頻繁に行われていたわけだ。

一部の悪質な行為によって、多くの被害者を出すとともに業界そのものの信用も失った。

その悪質なイメージは今も拭いきれず、正当な後進の活躍の場を奪ってしまった。

ではまた。

※この投稿は、日本FP協会CFPカリキュラムに基づき作成しています。

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