変額年金保険などと投資信託の課税の違い

変額年金保険・変額保険も投資信託も長期にわたって有価証券に投資することは変わらない。

変額年金保険・変額保険は投資信託で運用される生命保険であるため、投資信託にはない税制上の特性もある。

換言すれば「保険機能付きの投資信託」とも言える。

ということで、保険機能が付加されると、どのようなメリットが発生するのかを観てみよう。

保険料は生命保険料控除の対象

所得税などにおける一般の生命保険料控除の適用を受けることができる。

ただし、個人年金保険料控除の適用を受けることはできない。

当たり前だが、投資信託の掛け金には、生命保険料控除の適用はない。

運用益への課税が繰り延べできる

変額年金などの運用益は、一般の生命保険の運用収益と同様、運用中は課税されず受取時に課税される。

投資信託の運用益には、20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税率で課税される。

中途解約時は一時所得扱いになる

変額年金などを解約した場合は、一時所得として所得税などが課税される。

※総収入金額ー収入を得るために支出した金額ー特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額

つまり、特別控除を受けることができる。

ただし、全期前納で年金の受取方法が終身年金以外の場合には、契約後5年以内に解約すると20.315%の税率で源泉分離課税される。

※一時払変額年金は、全期前納など一時払の条件を満たす場合も含む。

投資信託を解約して売却益が発生した場合、20.315%の税率で課税される。

年金受取時は雑所得扱い

変額年金などによって、受け取った年金は雑所得として所得税などが課税される。

※総収入金額ー必要経費=その他の雑所得

投資信託は本来は年金で受け取る設計の商品ではない。

しかし、漸次解約することによって年金的な受け取りは可能だ。

ただし、受け取り時の解約により売却益が発生した場合、20.315%の税率で課税される。

死亡給付金受給時

変額年金などで死亡給付金を受給した場合は、契約形態によって、所得税など(一時所得)または相続税・贈与税の課税対象となる。

※相続の場合、相続人が保険金を受け取る場合に限り、「500万円 X 法定相続人の人数」が非課税。

投資信託は保険商品ではないので、死亡給付の機能はない。

注意
変額保険のレポートなどに騰落(とうらく)率の記載がありますが、これは実際の利回りとは異なります。
騰落率とは、一定の期間に価格がどの程度変動したのかをパーセンテージで表したものです。
例えばスタート時点で100円だったものが1か月後に110円になれば、その期間の騰落率は10%になります。
繰り返しますが、騰落率はその期間の最初と最後の変化率です。
一つの参考指標にはなりますが、騰落率のみで判断するのは危険です。
期間中にどのような値動きがあったかなども併せて確認しておきましょう。

次回は、法人生命保険の税務などについてです。

ではまた。CFP® Masao Saiki
※この投稿はNPO法人日本FP協会CFP®カリキュラムに即して作成しています。

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