

譲渡した会社が閉鎖されると知った時から私の状態はさらに悪化していきました。
「僕の人生これからどうなっちゃうんだ?」
内面は外面に現れると言いますが、目線が下がり、背中はだんだん丸まっていきました。
答えを導き出せないまま、もがき苦しむ日々が何日も何日も続きました。
全てのことが難しく思え、そして全てのことが良い結果に結びつきません。
「いったい何がどうなっちゃったんだ?」
自分がだんだん価値のない存在になっていくような気がする。
「なぜ、こんな状態に追い込まれてしまったんだ、こんなパターンで自殺してしまう人って結構いるだろうな・・・」
ネガティブなことしか考えられない日々が非常に長く続いたわけです。
問題とは理想と現実のギャップのこと。
この時はセルフイメージが最悪な状態でした。
安っぽいプライドが邪魔をして現状を素直に認められない。
そのことが、さらにセルフイメージを傷つけていたようです。
つまり、敗北感から抜け出せない環境を自ら作り上げていたわけです。
その環境がコンフォート化されたため、長い間気づくことができませんでした。
人は本来は利己的な生き物。
その性分が、自分に都合のいいコンフォートゾーンを構成し、さらに心身バランスの悪化を招く。
この時痛いほど体験しました。
事実を捻じ曲げ、物事を自分の都合のいいように解釈し、正当化して、そこ(パラノイア世界)に固定点を持ちながら抗い続ける。
素直に認められない現実と幻想的な理想とのギャップに苛まれ続け、それがコンフォート化してしまった。
問題を抱えたままの状態が、安住の地となってしまったのです。
持つべきは良縁、察知すべきはシグナル!?
その後、また転職して全国で430店舗展開している小売店に勤め始めました。
この会社の創業者は業界でも超有名な経営者。
人をうまく働かせることで有名でした。
彼の格言に「修羅のごとく仕事する」というのがありました。
それを社員にまで浸透させようと試みていたらしいのです。
それを知り得た理由は、後ほどご紹介するとして・・・
他には、、、
- これでいいということはない
- 問題は前に進んで解決しろ
- 赤信号、早朝だから無視しても大丈夫
- 一方通行、バックしてでも時間を短縮しろ
- 本部はお店のためにある
- 現場に赴いて、困っていることを即解決してあげろ
- 売れ筋探す前に死筋を撤去しろ
- 入荷した日を現場で聞いてみろ
- 何が売れているかを現場で聞け
- まだ5分ある
- もっと考えてみろ
- 答えを探すな、質問を見い出せ
- 社長のまねをしろ、社長のようにやってみろ
まだまだありますが、このくらいにして先に進みます。
メンターとの違いをしっかり認識する!
この創業者に2年間マークされ、その際に店舗マネジメントの考え方も叩きこまれました。
また、なかなか学ぶことができないであろう重要なことも学びました。
それは、成功する人と失敗する人の考え方の違いです。
なぜなら、かつて会社を経営していた方が数十名在籍してたからです。
中には「えっ、この人がここに?」そんな方もいらっしゃった。
カリスマ創業者とその人たち(私も含む)との違いは何か?
それを臨場感のあるライブで学ぶことができたのです。
業種や経営規模の違いはさまざまでしたが、つぶれた原因は粗一緒。
- 数年前から経営に限界を感じて創業当時の情熱を失っていた。
- 社員との温度差がありすぎて、雇用しているのがバカらしくなった。
・・・・どこかで聞いたような話。
そう、私と同じような状態に陥ってしまったわけです。
この会社で知りえた多くの事例とそれまでの経験が相応して、ひとつ能力が備わりました。
予知ではありませんが、かなり高い確率でその人が将来どうなっていくのかを察知できるようになったのです。
それは、表面化する少し手前のところで発見することができます。
まず、言葉を使用する形に明確に現れるからです。
重要な部分は、発信している言葉の暗示的な要素です。
つまり、その言葉が何を言ってないか?
そこに、物事の本質があります。
訓練を重ねていくとできるようになるようですが、私の場合は経験則から想定できるようになりました。
世の中には、こういうセンスが際立っている人がおりますが、尋常じゃなく仕事ができたり、人気があったりもします。
微妙なシグナルを見逃すな
そしてこの時、愚かな考え方に嫌気が差し始めました。
「ここにいたらいけない」そう思うようになりました。
この瞬間、明らかにスイッチが切り替わったのです。
その翌年独立に踏み切り、ほぼ無休で一日15時間以上働きました。
「閾値をこえたゾーン設定を計画に落とし込み、ズレが生じないように自ら言動をコントロールする。」
カリスマ経営者から叩きこまれた方法を、他で実践する機会でもありました。
出店を重ね、3年間で9店舗の設立とマネジメントを手がけ、年商も3億をこえました。
「こんな感じでやれば、うまくいくんだな!」そう実感していた直後、、、、
経営方針の相違から辞任退職に追い込まれたのです。
どうやら彼は、私を共同経営者だとは思ってなかったようです。
「休みも返上して、必死に働いてここまでしたのに!」
「でも・・・あんな卑劣な人間達から離れられてラッキーだったかもしれない。」
「僕がいなくなったら、すぐ潰れるだろう。」
ちなみに500日後にこの会社は倒産しました。
「でも、どうしてまた・・・」
怒り、憤り、虚しさ、そして開放感とが共存した妙な感覚でした。
精神的にも相当ショックだったのでしょう。
それ以降全く行動する気力がなくなりました。
医師に診てもらったら多分「うつ病」と診断されたでしょう。
当時は、そのような病名があることすら知りませんでしたが、それを不幸中の幸いというのかもしれません。
なぜなら、医師に依存していたら、薬漬けにされて再起業できなかったと思うからです。
私は、この鬱陶(うっとう)しい状態をカウンセリング、マインドフルネス・ストレス低減法、リアリティーセラピー、アーユルヴェーダ、マクロビオティック、心理学や分析哲学などによって克服することができました。
私はその道のプロではありませんが、数人の改善事例もあります。
もちろん、薬物は一切使用していません。
この時の経験や習得した技能が、その後のミッドライフ・クライシスを克服する方法やコンサルティング技能などにもつながりました。
そして、6か月間無職だった期間があった事も返ってよかったようです。