

起業する前は、会社とスタッフを成長させる事に生きがいを感じながら、儲かる仕組み創りに勤しんでいたことは以前お話しました。
自分のやる仕事を少なくしていって、自分のやるべき仕事に時間を集中させることを常に心がけ、ビジョンと組織の状態をすり合わせながら行動していたわけです。
生産性を重視していた主な理由は、個人的な快楽を満たすためでした。
同時に、できる上司のイメージを植え付けたいという気持ちもあったとは思います。
カッコいい存在であること、当時それが個人的なコンセプトだったからです。
ところが起業してからは、真逆の行動をとりはじめました。
「なんでこんな簡単な仕事ができないんだ!やる気あんのか!」と内心ではメンバーのやる気のなさを嘆きつつ、「いいよ、僕がやるよ」と、爽やかさを装って任せていた仕事をスタッフからどんどん奪っていきました。
スタッフへの不満と遠慮が混在した言動だったわけです。
実は経営者の中にはこうした言動の人が少なくありません。
これは、経営者の技量を明かしていることにもなります。
最初からやる気のない人はまれだからです。
たとえば、パラサイト・シングル(自立心が極めて弱く育ってしまった人)がいて、親が面倒を見ている状態と似通っています。
そのような関係を続けておいて、怠け者に仕立ててから解雇するというケースが数多あります。
しかしながら、経営者が間違って自分の態度は当然だと思うのも行き過ぎた考えです。
経営者も人間です、未熟なところがあるのです。
お互い未熟な部分を補い合うのが人間社会だと思います。
魅力を際立たせる2つのツール
事業コンセプトに魅力がない場合、怠け者の集団になる可能性は非常に高いです。
個人の人生設計にも同じようなことが言えるでしょう。
例えば、夢もなく目的の曖昧な人とず~と一緒にいたい、と思ってる人はいないと思います。
願わくば、何かに躓いたとしても、一緒に乗り越えていけるような人じゃないと。
同じような目的を持ち、お互いを高めあっていけるような人がいい。
ですから、個人の人生設計にも「魅力的なコンセプト」はとても重要な要素だと思います。
さらに、あなたのコンセプトをコアにしてストーリーを作り、それを伝え続けるといいでしょう。
コンセプトをストーリーに乗せて伝えると、とても素晴らしいことが起こり始めるからです。
コンセプトとストーリー、この2つはプロセスデザインを構築する際のポイントにもなります。
コンセプトとストーリーの重要性
私の場合も魅力を欠いたコンセプトとストーリーだったわけです。
そのため、最終的に1人で8割近い仕事を引き受ける羽目になり、精神的にも非常に辛い思いをしました。
私の個人的な願望が染み込んだ実益の伴わない弱い体質の組織に成り下がっていました。
ほぼ一人の力で、ほぼ全員の生活費を稼ぎ出さなければいけない。
そんな悲惨な状態を自ら招いてしまったのです。
起業前は、ビジョンを語っている自分がそこにいました。
起業後は、利益目標ばかりを連呼する自分がそこにいました。
「なんで、給料払いながら、こんな仕事まで僕がやんなくちゃいけないんだ!」
そうした思いが、言葉の端々にも滲み出ていたようです。
その結果、当初の目的とはまったく真逆の方向へと進み続け、徐々に情熱を失っていき、耐え難いストレスを感じながら、いつしか利益のことしか頭にない、従業員からは煙たがられるだけの存在になっていました。
このような思いに支配されている時の言動は非常にヤバイ。
己の言動(内声含む)によって、どんどん視野が狭くなり極めて内向的になり、被害妄想に陥って自滅していく典型的なパターンだからです。
プロセスとコンステレーションを見直しておこう!
ところで、プロセスの実行者やコンステレーションが、ほぼあなた自身になってないでしょうか?
もしそうだとしたら、間違いなく失敗のシナリオに従って、ものごとに取り組んでいることになります。
私の場合は、だんだん会社に行くのが辛くなって、イライラしながらスタッフと接するようになっていきました。
そのような心情も相俟(あいま)って、経営も行き詰まり、耐え切れなくなって、とうとうスタッフの雇用継続を条件に会社を譲渡するはめになりました。
年商は4億ほどありましたが中身はボロボロでした。
会社譲渡後に私に残されたのは、多額の借金と絶望感だけでした。
最悪だったのは、その1年後に会社が閉鎖になってしまったことです。
「従業員の生活だけは守りたいという僕の思いは?、そのために個人的な犠牲まで払ったのに・・・」
もうやりきれなくて、情けなくて・・・・
この時は橋の上から飛び降りる寸前まで行きました。
いよいよと思った時、娘の顔がちらついて辛うじて思いとどまりました。
コンステレーションとプロセスがほぼ自分で埋まってる。
その場合、私のような悲惨な事態を招いてしまう可能性もあるとうことです。
1人では、何事にも限界があります。
工程のほとんどが自分。
そのような時は、行動を起こす前に一度冷静になって環境状態を再度把握してください。
主に、プロセスとコンステレーションを確認してください。
プロセスとコンステレーション(布置・配置)の確認は、日常生活においても重要です。
健全なバランスを呼び覚ましてくれるからです。
その際、マインドマップを活用すると整理しやすいと思います。
上記の試用版を活用してプロセスとコンステレーションを再検討してみてください。