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こんにちは、MSインテグラル・デザイン研究所の斉木です。 今回は、年金制度の仕組みと保険料などについて解説しましょう。

ライフプランを考える上で年金の知識は欠かせない。

またキャッシュフローをシミュレーションするにあたっても、年金制度のことは是非ともおさえておきたいポイントだ。

年金対策プラン

年金制度の仕組みについて

年金制度は全国民に共通した国民年金を基礎に厚生年金などの被用者年金、厚生年金基金や確定給付企業年金などの3階建ての構造になっています。

その違いによって保障設計なども大きく変わってきますので、ライフプランをシミュレーションする際にも大きく影響してきます。

年金制度の仕組み

上記の図のように大きく4種類の年金があります。

国民年金

  • 一部の例外を除き国民全員が加入
  • 将来基礎年金が支給される原資
  • 第1号~第3号被保険者の3つの区分がある

厚生年金

  • 民間の適当事業所に使用される70歳に達するまでの人全員が加入
  • 将来老齢厚生年金が支払われる原資

共済年金

  • 国家公務員共済
  • 地方公務員等共済
  • 私立学校教職員共済(※すべての私立学校が加入しているわけではない)

※例えば早稲田大学や慶應義塾の教職員は厚生年金に加入している。

その他

  • 厚生年金基金
  • 国民年金基金
  • 確定拠出年金(個人型)
  • 各種企業年金(確定給付、確定拠出年金の企業型など)

国民年金の被保険者について

  • 20歳以上60歳未満で日本国内に住所のある人は全員加入。

ただし、20歳未満または60歳以上でも厚生年金の被保険者や共済年金などの組合員は原則として国民年金の被保険者になります。

第1号被保険者

  • 日本国内に住所のある人で第2、第3被保険者に該当しない人。

具体的には、自営業者、農業者、自由業者、無職の人、学生などです。

第2号被保険者

  • 厚生年金や共済年金の加入者・組合員。

国民年金の上乗せである厚生年金、共済年金があり、2階建て年金と呼ばれています。

第2号被保険者は65歳に達するまでの間とされていますが、老齢基礎年金の受給資格を満たしていない65歳以上の被用者年金加入者は国民年金の第2号被保険者になります。

参考▼

※被用者年金:厚生年金、共済年金のこと。

第3号被保険者

  • 厚生年金または共済年金の加入者・組合員の被扶養配偶者で、20歳以上60歳未満の人。

ただし、配偶者自身の年収が130万円以上ある場合は、第1号被保険者となります。

被保険者資格取得の提出が必要な場合は、第2号被保険者が勤務する事業主経由で行います。

任意加入被保険者

  • 住所、年齢などの基礎要件を満たしていて、強制加入の対象外となっている人。
  1. 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人。
  2. 日本国内に住所はないが、日本国籍を有する20歳以上65歳未満の人。
  3. 日本国内に住所を有しているが、老齢(退職)年金受給者であるために適用除外となっている20歳以上60歳未満の人。

特例による任意加入被保険者

昭和40年4月1日人で65歳に達した時に加入月数が不足していて老齢年金を受給できない場合には70歳に到達するまでの間で受給資格を満たすまで特例により加入することが出来ます。

なお、60歳以上65歳未満の間に任意加入した人が65歳に達した時に、受給資格がない場合、自動的に特例加入したものとみなされます。

  • 日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の人
  • 日本国籍を有し日本国内に住所がない65歳以上70歳未満の人

20歳前の国民年金加入

1,自営業をはじめて相当の収入がある場合

  • 20歳になるまでは、加入できない

2,民間の会社に正社員として勤めた場合

  • 第2号被保険者になる

3,結婚して第2号被保険者の配偶者になった場合

  • 20歳に達するまでは第3号被保険者にはなれない。

60歳以降の国民年金との関係

第1号被保険者
  • 60歳までは強制加入
  • 保険料の未納がある人は、65歳に達するまで任意加入できる
  • 65歳に達しても受給資格に満たない人は、70歳未満までの期間において受給資格に達するまで任意加入できる
注意点▼

※60歳以降、国民年金に任意加入した人は厳密に言えば第1号被保険者ではありませんが、計算やその他の条件は第一号被保険者と同じという意味で第一号被保険者と考えられます。

第2号被保険者
  • 70歳に達するまでは強制加入
  • 65歳に達した時に受給期間を満たしている場合は、それ以降は厚生年金のみの加入となる
  • 在職中でも65歳からは老齢基礎年金が受給できる
参考▼

※国民年金に加入していないからと言って保険料を減額されるわけではなく、それまでと同様、給与と賞与に基いて計算されます。

※厚生年金では老齢給付の受給資格を満たしていない70歳以降のための高齢任意加入の制度もあります。

第3号被保険者

配偶者が被用者年金に加入中であっても60歳以降は第3号被保険者にはなれません。

60歳以降も加入する場合は、保険料を負担して任意加入するこtになります。

また、被用者年金加入中の配偶者が65歳を超えた場合、配偶者は第2号とされないため、本人は第3号の資格を喪失します。

国民年金第1号・第2号・第3号被保険者間の変遷例
ある女性の事例 該当
大学に入学し20歳に達した 第1号
大学を卒業して民間の会社に就職 第2号
夫は会社員、出産とともに専業主婦になる 第3号
私立学校に再就職 第2号(共済年金
退職して個人事業主になる 第1号
個人事業主をやめ専業主婦になる 第3号
夫が60歳で退職 第1号
60歳に達する 資格喪失

上記のように人は国民年金の第1号から第3号の間を移り変わるのが一般的です。

したがって、その都度、手続きを確実に行う必要があります。

特に配偶者が退職したときや、第2号被保険者でなくなったときなど、自分が第1号被保険者になるときには注意が必要です。

年金法上の家族

法律上の夫婦は当然ですが、婚姻の届け出はしていないが、事実上婚姻関係と同じ事情の人も年金法上の配偶者です。

子の場合は、未婚の18歳に達する日以降の3月31にまでの子、未婚で1級又は2級の障害認定をされた20歳に達するまでの子です。

そして、未入籍の子、認知していない子は年金法上の子とは認められませんので、子は同じ戸籍であることが必要です。

生計同一関係と生計維持関係

生計同一関係とは、住民票上の住所が一緒であり、生計を同じくしている関係です。

また、単身赴任や病気入院のため一時的に住所が別になったとしても、生計同一関係とみなされます。

生計維持関係とは、被扶養者のことですが、年金上ではその配偶者や子が加給年金額の対象者になるかどうかの判断基準になります。

生計維持関係の配偶者と子の基準は健康保険の被扶養者基準とは異なり以下のようになります。

  • 老齢年金の受給権を取得した当時、その者と生計を同じくしていた人で、前年の年収が850万円未満または前年の所得が年額655.5万円未満であること。
  • 一時的な所得がある時はこれを除く。
  • 上記に該当しないが、近い将来、年収が850万円未満または所得が年額655.5万円未満になると認められること。

年金給付の種類

公的年金制度には3種類の給付があります。

  1. 老齢になった場合の老齢給付。
  2. 病気やケガで障害を有するようになった場合の障害給付。
  3. 年金受給権者または被保険者が死亡した場合の遺族給付。

給付の名称は制度によって異なりますが、主な給付としては、

  • 老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金
  • 厚生年金では老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金
  • 共済年金では、退職共済年金、障害共済年金、遺族共済年金

上記がそれぞれ支給されます。

  • 老齢年金には老齢基礎年金の上乗せとして第1号被保険者のみ普通の保険料の他に付加保険料を収めた人にだけ支給される付加年金
  • 共済年金には上乗せとして職域相当部分

国民年金には第1号被保険者の死亡の場合、遺族基礎年金に代わる寡婦年金、死亡一時金もあります。

公的年金制度の保険料について

(1)第1号被保険者

保険料は定額制となっていて平成28 (2016)年4月現在16260円。

この保険料は国が発行した納付書により、下記の方法で納付が可能です。

  • 金融機関
  • 郵便局
  • 年金事務所
  • 一部のコンビニ

また、金融機関での口座振替もでき、前納による割引制度もあります。

保険料の負担については免除制度及び学生や30歳未満の若年者に対する納付の特例制度があります。

①保険料の前納

月々の現金納付ではなく、前納制度を利用すると割引になります。

a)口座振替による前納

  • (1)2年前納(4月~翌々年3月分)
  • (2)1年前納(4月~翌年3月分)
  • (3)6カ月前納(4月~9月分、10月~翌年3月分)
  • (4)当月末振替(早割) ※本来の納付期限よりも1か月早く口座より振替する方法です。
  • (5)翌月末振替 ※保険料の割引はありません。

の5種類から自由に選んでお申し込むことができます

  • まとめて前払い(前納)すると、割引が適用される。
参考:平成28年度の振替方法別割引額
振替方法 1回あたりの納付額 割引額 2年分に換算した割引額 振替日
 2年前納 377,310円 15,690円 5月2日
 1年前納 191,030円 4,090円 8,180円 5月2日
 6カ月前納 96,450円 1,110円 4,440円 5月2日
10月31日
 当月末振替
(早割)
16,210円 50円 1,200円 毎月月末
 翌月末振替
(割引はありません)
16,260円 なし なし 翌月末
注意点▼

※振替日が休日の場合は翌営業日に振替されます。
※割引額は年利4%の複利現価法によって計算した額です。

b)口座振替による早割

  • 通常の納付期限より1ヵ月早く口座振替。
  • 毎月50円、年間であれば600円割引。

c)現金での前納

現金での前納を利用すると、

  • 年度分を現金払いで前納すると「3,460円」の割引。
    (1年度分の保険料額195,120円が191,660円へ)
  • 6カ月分を現金払いで前納すると790円の割引。
    (6カ月分の保険料額97,560円が96,770円へ)
②付加保険料

老齢基礎年金に上乗せされる付加年金の原資となるものです。

通常の保険料のほかに400円の付加保険料を納めておくことにより、老齢基礎年金を受け取るときには1ヵ月分の年金に200円が加算されます。

したがって、老齢基礎年金を2年間受け取るだけで、払い込んだ付加保険料分を受け取ることができる計算になります。

a)付加保険料を20年納付した場合の払込総額

400円×12ヵ月×20年= 96,000円

b)上記の場合に、1年間に上乗せされる付加年金の総額

200円×12ヵ月×20年= 48,000円

同じく、5年間に上乗せされる付加年金の総額

200円×12ヵ月×20年×5年= 240,000円

注意事項としては、

  1. 付加保険料の納付は、申し込んだ月分から。
  2. 付加保険料の納期限は、翌月末日。
  3. 納期限を経過した場合でも、期限から2年間は付加保険料を納めることができる。
  4. 付加保険料を納付することを希望しない場合は、付加保険料納付辞退申出書の提出が必要。
  5. 国民年金基金に加入している場合は、付加保険料を納めることはできない。
  6. 月末が土曜日、日曜日、休日等にあたる場合及び年末の納期限は、翌月最初の金融機関等の営業日となる。

その他、第1号被保険者の場合、確定拠出年金(個人型)に加入できるのは国民年金の保険料を納めている人であり、付加保険料を納めている場合の確定拠出年金の拠出限度額(月当たり)は、付加保険料あるいは国民年金基金の掛金と合わせて68,000円までです。

申込単位が千円単位であるため、付加保険料を払っている人は67,000円か最高額となります。

(2)第2号被保険者

厚生年金の保険料(共済の場合は掛金)は、健康保険と同様に月例給与(標準報酬月額)、及び賞与(標準賞与額)に対し、同率の保険料率により賦課徴収されます(総報酬制)。

平成28年4月現在の厚生年金の保険料率(東京都)は1000分の178.28 (船員、坑内員は1000分の179.36)で事業主と被保険者の折半となります。

参考▼

※詳細は全国健康保険協会の280213tokyoを御覧ください。

①標準報酬月額

厚生年金では、加入者が受け取る※給与を一定の幅で区分した報酬月額にあてはめて決定した標準報酬月額を、保険料や年金額の計算に用います。

(※給与:基本給のほか残業手当や通勤手当などを含めた税引き前のもの)

  • 現在の標準報酬月額は、1等級(5万8000円)から34等級(62万円)までの30等級に分かれている。
②標準賞与額

厚生年金の標準賞与額とは、

  • 実際の税引き前の賞与の額から千円未満の端数を切り捨てたもの。
  • 賞与額が150万円を超えるときは150万円となる(健康保険の標準賞与額とは算定方法・限度額が違う)。

(3)第3号被保険者

第3号の保険料は配偶者の給与から個別に納付しているのではなく、第3号被保険者の基礎年金に関わる費用として、厚生年金、共済年金という制度全体が「基礎年金拠出金」という形で負担しています。

従って、第3号被保険者自身の個人での保険料負担はありません。

注意点▼

3号の届出について未済の人もおり、みすみす権利を放棄しているヶ-ヌもありましたが、平成16 (2004)年の年金改正で平成17 (2005)年4月以降、届出を行えば遡及して保険料納付済期間として認められる特例措置が行われています。

(4)保険料水準固定方式の導入

平成16年の年金改正で給付と負担の見直しが行われました。

その具体的な方法として保険料水準固定方式が導入されました。

保険料水準固定方式とは、最終的な保険料(率)の水準を法律で定め、その負担の範囲内で給付を行うことを基本に、少子化などの社会経済情勢の変動に応じて給付水準が自動的に調整される仕組みを組み込む方法です。

これにより厚生年金の保険料率は平成16年10月より13.58%から毎年0.354%ずつ、国民年金の保険料額は、平成17年4月より13,300円から毎年原則として280円ずつ引き上げられることになりました。

したがって、図表2-3のように、平成29 (2017)年度以降の厚生年金は18.30%になり、国民年金は16,900円となります。

厚生年金、国民年金 保険料
図表2-3 厚生年金及び国民年金の保険料(率)の引き上げ

保険料免除制度について

国民年金第1号被保険者の保険料の納付義務者は、被保険者本人が原則ですが、本人に収入がない場合、世帯主及び本人の配偶者は連帯して負担する義務があります。

ただし、第1号被保険者の保険料には「法定免除」と「申請免除」の2種の免除の制度があります。

また免除とは異なりますが、、学生に対する「学生納付特例制度」や20歳台の人への「若年者納付猶予制度」などもあります。

(1)法定免除

  • 障害基礎年金または被用者年金の障害年金(3級を除く)を受けているとき
  • 生活保護法による生活扶助を受けているときなど

法定免除には、半額免除の制度がなく、すべて全額免除です。

なお、法定免除に該当する障害者や寡婦でも、保険料を納めることや半額免除の申請をすることも可能です。

(2)申請免除

①4種類の免除

申請免除には多段階免除制度といって、「全額免除」など4種類の免除があります。

市区町村長経由で国(厚生労働大臣)に申請し、下記所定の基準に該当し、認められればその期間は免除となります。

  • 所得が一定以下であるとき
  • 地方税法に定める障害者または寡婦であって、前年の所得が125;万円以下であるとき
  • 生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けているとき
  • ア)震災、風水害、火災などの災害によって、財産の価額のおおむね2分の1以上の損害を受けたとき
    イ)失業などによって保険料を納めることが著しく困難となっているとき

申請免除には全額免除に加え、被保険者の負担能力に配慮して、平成14 (2002)年4月から半額免除の制度、平成18 (2006)年4月から4分の3免除、4分の1免除の制度を新設しています。

②申請免除の所得制限

被保険者またはその世帯の人の前年の所得の額により免除の可否が判定されます。

  • 全額免除(前年の所得が次の額以下)(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円(扶養親族加算)扶養親族等がいない場合……前年の所得が57万円以下4人世帯の場合……前年の所得が162:万円以下
  • 4分の3免除(前年の所得が次の額以下)78万円十扶養親族等控除額十社会保険料控除額等
  • 半額免除(前年の所得が次の額以下)118万円十扶養親族等控除額十社会保険料控除額等
  • 4分の1免除(前年の所得が次の額以下)158万円十扶養親族等控除額十社会保険料控除額等
注意点▼

※扶養親族等控除額は「扶養親族等の数×38万]で計算します。

下記は免除の対象となる所得の目安

世帯構成 全額免除 一部免除(一部納付
3/4免除 半額免除 1/4免除
4人 162万円 230万円 282万円 335万円
2人 92万円 142万円 195万円 247万円
単身 57万円 93万円 141万円 189万円
③申請免除の留意事項

受給資格期間への算入

全額免除など4種類ともその期間中は、保険料を滞納しているわけではないので、受給資格期間に算入される。

なお、保険料の滞納期間は、受給資格期間に算入されない。

免除されていない部分は、納付しなければならない。

この納付をすることにより受給資格期間に算入される。

免除期間中の老齢基礎年金の支給率

保険料の免除割合及び免除期間が平成21 (2009)年3月以前と平成21年4月以降によって、老齢基礎年金の額の計算が異なり、平成21年4月以降の免除期間の老齢基礎年金年金額が有利となった。

追 納

免除された保険料は追納(後から納付すること)できる。直近の10年前の分まで追納ができる。

付加年金の保険料

付加年金は任意加入につき、保険料(400円/月)の免除はない。

半額(200円/月)免除などもない。

学生への非適用

全額・4分の3一半額・4分の1免除は学生には適用されない。

免除申請窓口

市区町村役場(申請受理と審査)経由で厚生労働大臣の承認を得る。

免除承認期間

7月から翌年6月まで、毎年の申請が必要。

免除の申請があったとき、「厚生労働大臣の指定する期間」とされているが、免除申請が遅れた場合でも、7月までの期間において必要と認められれば、さかのぼって免除が受けられる。

障害基礎年金・遺族基礎年金の保障

免除期間中に、障害基礎年金または遺族基礎年金の受給権が発生した場合には、いずれも満額の年金が保障される。

(3)退職(失業)による特例免除

退職(失業)した場合には、退職した日の膕する年度と、その翌年度に特例免除の制度があります。

前記(2)の申請免除にかかわらず、被保険者(申請者本人)の所得を除いて審査します。

(4)学生の納付特例制度
  • 前年の所得が118万円以下の学生については、申請により保険料全額の納付を要しない。
  • 納付特例を受けた月から10年以内の追納可。この特例期間は老齢基礎年金の受給資格期間に算入されるが、前記(1)~(3)の免除とは異なり、追納しないと老齢基礎年金の額の計算の対象期間には含まれない。
  • 特例期間中(在学中)の事故については、保険料納付要件が充足される限り、障害基礎年金または遺族基礎年金が保障される。
  • 在学中はこの特例制度が優先され、現行の免除の適用は受けられない(この納付特例と免除の違いを理解しておくこと)。
  • 納付特例の承認期間は4月から翌年3月までで、毎年の申請が必要。学生納付特例における「厚生労働大臣の指定する期間」は、4月までにおいて必要と認められた期間とされ、さかのぼって免除が受けられる。
  • 家族の所得の多寡は問われない。
  • 免除対象の学生とは、大学(大学院を含む)、短期大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校(高等部に隕る)、専修学校にれに準ずる教育施設を含む)の生徒または学生である。昼間部だけでなく、定時制、通信制課程の学生も含む。
  • 平成20 (2008)年4月から、在学する大学等が学生納付特例事務法人の指定を受けている場合は、その大学などの窓口でも申請手続きが可能となった。
(5)育児休業等期間中の被保険者の保険料

被用者年金でも、平成17 (2005)年4月から、育児介護休業法による育児休業期間中の被保険者、事業主とも保険料は免除されます。

なおこの場合、将来の年金が減額になることはありません。

また、育児による短時間勤務などで標準報酬が低下した場合でも、届出により従前の報酬額を適用するなどの措置がとられます。

ただし、労働基準法上の産前産後休業は、育児休業等ではないので保険料の免除はありません。

育児休業等の範囲は、産後休業が終了してから子が3歳になるまでの育児休業等を行う期間は保険料は免除されます。

(※男性が育児休業をとる場合は、子が生まれたときから)

年金額の計算にあたっては、育児休業等期間中の保険料の徴収の特例を受けた期間は、保険料納付済期間として扱われます。

また、子が3歳になるまで、短時間勤務等をして給与が下がり、標準報酬月額が下がったとしても、年金額に反映させる標準報酬月額は出産前の高い額のままです。

この場合、支払い保険料は、下がった標準報酬月額で計算されます。

※申出は事業主が行う。

(6)若年者納付猶予制度

学生を除く30歳未満の第1号被保険者で、本人の前年の所得が一定以下の人に対して、保険料全額を猶予し、負担できることになった時点で保険料追納を可能とする制度です。

※既婚者の場合、配偶者と合算所得

一所得基準は、前記(2)②の全額免除と同じ基準です。

  • 納付猶予期間は、受給資格期間に含まれるが、老齢基礎年金の額の計算には含まれない。
  • 親と同居している、いないにかかわらず20歳台の者が対象となり、平成17 (2005)年4月から平成27 (2015)年6月までの時限措置である。
さいごに▼

保険料の追納

保険料の免除を受けた人が、保険料の納付が可能になったときに、免除されていた期間の保険料の全部または一部を後から納付することができる制度です。

保険料を免除されていたとはいっても法定免除・申請免除では年金額が削減され、学生納付特例や若年者納付猶予は年金額に反映されません。

そこで、老齢基礎年金の年金額の増額が図れるように追納制度があります。

  • 10年前までさかのばって追納ができる。

一部の追納の場合は、原則は学生納付特例等の年金額が反映されない期間、法定免除・全額免除と年金額の減少幅が大きい期間から優先追納することになります。

ただし、追納には10年という時効があることから、先に経過した月の分の保険料から追納してもいいことになっています。

  • 追納する額は、追納するべき額に政令で定める額を加算する。
  • 追納する日が、免除月がある年度の翌々年度以内であるときは、この政令で定める額の加算はない。

注意したいことは、追納は免除期間について可能な制度ということ。

保険料滞納期間は保険料を追納することができません。

参考までに、通常の保険料についての納付の時効は2年ですが、この場合、保険料のほかに延滞金が徴収されます。

注意点▼

平成24 (2012)年10月1日から3年間に限り、過去10年分までの国民年金保険料の未納部分について納付することができるようになりました。

  • 3年以上遡る部分には加算金がかかる。
  • すでに年金を受給している人は、この特例の対象にはならない。

ではまた。

 

この投稿はNPO法人日本FP協会CFPカリキュラムに沿って記述しています。

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