老後のライフデザインⅣ

今日は、老後プランに欠かせない年金制度の仕組み、年金給付の種類、保険料やその納付などについてです。

キャッシュフローをシミュレーションする際にも、必要になる内容なので確り理解しておいて欲しい。

では早速解説しよう。

年金制度について

年金制度は3階建ての構造になっています。

具体的には、国民年金を基礎として、そこに厚生年金などの被用者年金、厚生年金基金や確定給付企業年金などを上乗せした構造になります。

どの年金を受給できるかによって金額も異なるのでライフデザインにも影響します。

年金の種類は下図で示すとおり、7種類あります。

一つ一つ詳しく視ていくことにしましょう。

なお、個人年金などについては「リスクをマネジメントする!」を参考にしてください。

年金制度の仕組み

国民年金

  • 一部の例外を除き国民全員が加入
  • 将来基礎年金が支給される原資
  • 第1号~第3号被保険者の3つの区分がある

厚生年金

  • 民間の適当事業所に使用される70歳に達するまでの人全員が加入
  • 将来老齢厚生年金が支払われる原資

共済年金

  • 国家公務員共済
  • 地方公務員等共済
  • 私立学校教職員共済(※すべての私立学校が加入しているわけではない)

※例えば早稲田大学や慶應義塾の教職員は厚生年金に加入している。

その他4種類

  • 厚生年金基金
  • 国民年金基金
  • 確定拠出年金(個人型)
  • 各種企業年金(確定給付、確定拠出年金の企業型など)

国民年金の被保険者について

20歳以上60歳未満で日本国内に住所のある人に、加入が義務付けられているのが国民年金です。

※厚生年金の被保険者や共済年金などの組合員は自動的に国民年金の被保険者になります。

第1号被保険者

日本国内に住所のある人で第2、第3被保険者に該当しない人が対象。

具体的には、自営業者、農業者、自由業者、無職の人、学生などです。

第2号被保険者

厚生年金や共済年金の加入者・組合員が対象。

国民年金の上乗せる形で2階建て年金と呼ばれています。

2階建て年金は、厚生年金・共済年金の2種類です。

第2号被保険者は65歳に達するまでです。

ただし、老齢基礎年金の受給資格を満たしていない65歳以上の被用者年金加入者は、国民年金の第2号被保険者になります。

ちなみに被用者年金とは厚生年金、共済年金のことです。

第3号被保険者

厚生年金または共済年金の加入者・組合員の被扶養配偶者で、20歳以上60歳未満の人が対象。

被保険者資格取得の提出が必要な場合は、第2号被保険者が勤務する事業主経由で行います。

※配偶者自身の年収が130万円以上ある場合は、第1号被保険者となります。

任意加入被保険者

住所、年齢などの基礎要件を満たしていて、強制加入の対象外となっている人。

  1. 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人。
  2. 日本国内に住所はないが、日本国籍を有する20歳以上65歳未満の人。
  3. 日本国内に住所を有しているが、老齢(退職)年金受給者であるために適用除外となっている20歳以上60歳未満の人。

特例による任意加入被保険者

昭和40年4月1日以前に生まれた人で、65歳に達した時に加入月数が不足していて老齢年金を受給できない人がいます。

その場合には、70歳に到達するまでの間で受給資格を満たすまで特例により加入することが出来ます。

なお、任意加入した人が65歳に達した時に受給資格がない場合には、自動的に特例加入したものとみなされます。

日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の人、日本国籍を有し日本国内に住所がない65歳以上70歳未満の人が対象になります。

20歳未満の場合

1,自営業をはじめて相当の収入がある場合

  • 20歳になるまでは、加入できない

2,民間の会社に正社員として勤めた場合

  • 第2号被保険者になる

3,結婚して第2号被保険者の配偶者になった場合

  • 20歳に達するまでは第3号被保険者にはなれない。

60歳以降の国民年金との関係

第1号被保険者

  • 60歳までは強制加入
  • 保険料の未納がある人は、65歳に達するまで任意加入できる
  • 65歳に達しても受給資格に満たない人は、70歳未満までの期間において受給資格に達するまで任意加入できる
注意点▼

※60歳以降、国民年金に任意加入した人は厳密に言えば第1号被保険者ではありませんが、計算やその他の条件は第一号被保険者と同じという意味で第一号被保険者と考えられます。

第2号被保険者

  • 70歳に達するまでは強制加入
  • 65歳に達した時に受給期間を満たしている場合は、それ以降は厚生年金のみの加入となる
  • 在職中でも65歳からは老齢基礎年金が受給できる
参考▼

※国民年金に加入していないからと言って保険料を減額されるわけではなく、それまでと同様、給与と賞与に基いて計算されます。

※厚生年金では老齢給付の受給資格を満たしていない70歳以降のための高齢任意加入の制度もあります。

第3号被保険者

配偶者が被用者年金に加入中であっても60歳以降は第3号被保険者にはなれません。

60歳以降も加入する場合は、保険料を負担して任意加入するこtになります。

また、被用者年金加入中の配偶者が65歳を超えた場合、配偶者は第2号とされないため、本人は第3号の資格を喪失します。

国民年金第1号・第2号・第3号被保険者間の変遷例
ある女性の事例 該当
大学に入学し20歳に達した 第1号
大学を卒業して民間の会社に就職 第2号
夫は会社員、出産とともに専業主婦になる 第3号
私立学校に再就職 第2号(共済年金
退職して個人事業主になる 第1号
個人事業主をやめ専業主婦になる 第3号
夫が60歳で退職 第1号
60歳に達する 資格喪失

上記のように人は国民年金の第1号から第3号の間を移り変わるのが一般的です。

したがって、その都度、手続きを確実に行う必要があります。

特に配偶者が退職したときや、第2号被保険者でなくなったときなど、自分が第1号被保険者になるときには注意が必要です。

年金法上の家族

  1. 法律上の夫婦
  2. 婚姻の届け出はしていないが、事実上婚姻関係と同じ事情の人

子の場合は、未婚の18歳に達する日以降の3月31にまでの子、未婚で1級又は2級の障害認定をされた20歳に達するまでの子です。

そして、未入籍の子、認知していない子は年金法上の子とは認められませんので、子は同じ戸籍であることが必要です。

生計同一関係と生計維持関係

生計同一関係とは、住民票上の住所が一緒であり、生計を同じくしている関係です。

また、単身赴任や病気入院のため一時的に住所が別になったとしても、生計同一関係とみなされます。

生計維持関係とは、被扶養者のことですが、年金上ではその配偶者や子が加給年金額の対象者になるかどうかの判断基準になります。

生計維持関係の配偶者と子の基準は健康保険の被扶養者基準とは異なり以下のようになります。

  • 老齢年金の受給権を取得した当時、その者と生計を同じくしていた人で、前年の年収が850万円未満または前年の所得が年額655.5万円未満であること。
  • 一時的な所得がある時はこれを除く。
  • 上記に該当しないが、近い将来、年収が850万円未満または所得が年額655.5万円未満になると認められること。

年金給付の種類

公的年金制度には3種類の給付があります。

  1. 老齢になった場合の老齢給付。
  2. 病気やケガで障害を有するようになった場合の障害給付。
  3. 年金受給権者または被保険者が死亡した場合の遺族給付。

給付の名称は制度によって異なりますが、主な給付としては、

  • 老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金
  • 厚生年金では老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金
  • 共済年金では、退職共済年金、障害共済年金、遺族共済年金

上記がそれぞれ支給されます。

  • 老齢年金には老齢基礎年金の上乗せとして第1号被保険者のみ普通の保険料の他に付加保険料を収めた人にだけ支給される付加年金
  • 共済年金には上乗せとして職域相当部分

国民年金には第1号被保険者の死亡の場合、遺族基礎年金に代わる寡婦年金、死亡一時金もあります。

第1号被保険者

保険料は定額制となっていて平成28 (2016)年4月現在16,260円。

この保険料は国が発行した納付書により、下記の方法で納付が可能です。

  • 金融機関
  • 郵便局
  • 年金事務所
  • 一部のコンビニ

また、金融機関での口座振替もでき、前納による割引制度もあります。

保険料の負担については免除制度及び学生や30歳未満の若年者に対する納付の特例制度があります。

①保険料の前納

月々の現金納付ではなく、前納制度を利用すると割引になります。

a)口座振替による前納

  • (1)2年前納(4月~翌々年3月分)
  • (2)1年前納(4月~翌年3月分)
  • (3)6カ月前納(4月~9月分、10月~翌年3月分)
  • (4)当月末振替(早割) ※本来の納付期限よりも1か月早く口座より振替する方法です。
  • (5)翌月末振替 ※保険料の割引はありません。

の5種類から自由に選んでお申し込むことができます

  • まとめて前払い(前納)すると、割引が適用される。
参考:平成28年度の振替方法別割引額
振替方法 1回あたりの納付額 割引額 2年分に換算した割引額 振替日
 2年前納 377,310円 15,690円 5月2日
 1年前納 191,030円 4,090円 8,180円 5月2日
 6カ月前納 96,450円 1,110円 4,440円 5月2日
10月31日
 当月末振替
(早割)
16,210円 50円 1,200円 毎月月末
 翌月末振替
(割引はありません)
16,260円 なし なし 翌月末
注意点▼

※振替日が休日の場合は翌営業日に振替されます。
※割引額は年利4%の複利現価法によって計算した額です。

b)口座振替による早割

  • 通常の納付期限より1ヵ月早く口座振替。
  • 毎月50円、年間であれば600円割引。

c)現金での前納

現金での前納を利用すると、

  • 年度分を現金払いで前納すると「3,460円」の割引。
    (1年度分の保険料額195,120円が191,660円へ)
  • 6カ月分を現金払いで前納すると790円の割引。
    (6カ月分の保険料額97,560円が96,770円へ)
②付加保険料

老齢基礎年金に上乗せされる付加年金の原資となるものです。

通常の保険料のほかに400円の付加保険料を納めておくことにより、老齢基礎年金を受け取るときには1ヵ月分の年金に200円が加算されます。

したがって、老齢基礎年金を2年間受け取るだけで、払い込んだ付加保険料分を受け取ることができる計算になります。

a)付加保険料を20年納付した場合の払込総額

400円×12ヵ月×20年= 96,000円

b)上記の場合に、1年間に上乗せされる付加年金の総額

200円×12ヵ月×20年= 48,000円

同じく、5年間に上乗せされる付加年金の総額

200円×12ヵ月×20年×5年= 240,000円

注意事項としては、

  1. 付加保険料の納付は、申し込んだ月分から。
  2. 付加保険料の納期限は、翌月末日。
  3. 納期限を経過した場合でも、期限から2年間は付加保険料を納めることができる。
  4. 付加保険料を納付することを希望しない場合は、付加保険料納付辞退申出書の提出が必要。
  5. 国民年金基金に加入している場合は、付加保険料を納めることはできない。
  6. 月末が土曜日、日曜日、休日等にあたる場合及び年末の納期限は、翌月最初の金融機関等の営業日となる。

その他、第1号被保険者の場合、確定拠出年金(個人型)に加入できるのは国民年金の保険料を納めている人であり、付加保険料を納めている場合の確定拠出年金の拠出限度額(月当たり)は、付加保険料あるいは国民年金基金の掛金と合わせて68,000円までです。

申込単位が千円単位であるため、付加保険料を払っている人は67,000円か最高額となります。

第2号被保険者

厚生年金の保険料(共済の場合は掛金)は、健康保険と同様に月例給与(標準報酬月額)、及び賞与(標準賞与額)に対し、同率の保険料率により賦課徴収されます(総報酬制)。

平成28年4月現在の厚生年金の保険料率(東京都)は1000分の178.28 (船員、坑内員は1000分の179.36)で事業主と被保険者の折半となります。

参考▼

※詳細は全国健康保険協会の280213tokyoを御覧ください。

①標準報酬月額

厚生年金では、加入者が受け取る※給与を一定の幅で区分した報酬月額にあてはめて決定した標準報酬月額を、保険料や年金額の計算に用います。

(※給与:基本給のほか残業手当や通勤手当などを含めた税引き前のもの)

  • 現在の標準報酬月額は、1等級(5万8000円)から34等級(62万円)までの30等級に分かれている。
②標準賞与額

厚生年金の標準賞与額とは、

  • 実際の税引き前の賞与の額から千円未満の端数を切り捨てたもの。
  • 賞与額が150万円を超えるときは150万円となる(健康保険の標準賞与額とは算定方法・限度額が違う)。

第3号被保険者

第3号の保険料は配偶者の給与から個別に納付しているのではなく、第3号被保険者の基礎年金に関わる費用として、厚生年金、共済年金という制度全体が「基礎年金拠出金」という形で負担しています。

従って、第3号被保険者自身の個人での保険料負担はありません。

注意点▼

3号の届出について未済の人もおり、みすみす権利を放棄しているヶ-ヌもありましたが、平成16 (2004)年の年金改正で平成17 (2005)年4月以降、届出を行えば遡及して保険料納付済期間として認められる特例措置が行われています。

保険料水準固定方式の導入

平成16年の年金改正で給付と負担の見直しが行われました。

その具体的な方法として保険料水準固定方式が導入されました。

保険料水準固定方式とは、最終的な保険料(率)の水準を法律で定め、その負担の範囲内で給付を行うことを基本に、少子化などの社会経済情勢の変動に応じて給付水準が自動的に調整される仕組みを組み込む方法です。

これにより厚生年金の保険料率は平成16年10月より13.58%から毎年0.354%ずつ、国民年金の保険料額は、平成17年4月より13,300円から毎年原則として280円ずつ引き上げられることになりました。

次回は保険料免除制度などについて解説する予定です。

ではまた。

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