リスクと保険

今日はリスクマネジメントの基礎であるリスク・コントロールとリスク・ファイナンシングについてです。

保険商品や保障設計を考える際の出発点でも有るので、しっかり理解しておきましょう。

リスクと2つの手法について理解する

リスクとは不確実性によって起こること。

したがって未来には全てリスクが存在しているといえる。

ではリスクとはいったいなんだろうか。

リスクをどのうに解釈したらいいのだろう。

ファイナンシャルプランを進行していくにあたって、リスク・コントロールに関する知識は不可欠だ。

また、個人の家計分野においてキャッシュフローを安定化する上でリスク対策はとても重要になってくる。

そしてまた、会社を経営する上においてもリスクとは何たるかを把握し、そのリスクに予め備えておくことは、法人の価値と利益を守る上で極めて重要になってくる。

2つのリスクとその回避対策

まず、大きな括りとして経済的リスクとそれ以外のリスクに分類することが出来ます。

損失が価値の減少であると解釈したなら、その価値には経済的価値以外に社会的価値、文化的価値、政治的価値なども考えられるからです。

またリスクには測定可能なものと不可能なものがあります。

例えば、測定可能なものはサイコロの出目のように統計的にもとめられもの、過去のデータを観察することによって確率が経験的に求められたものなどがそれにあたります。

測定不可能なものは、発生頻度が少なく、不確実性要素が極めて高いものなど、例えば自然災害などがそれにあたります。

そしてまた、リスクが投機的リスクなのか、純粋リスクなのかという見方もあります。

投機的リスクとは損失、利得の両方が発生する可能性がありますが、純粋リスクは損失のみが発生する可能性のものを云います。

上記3つの応対するリスク、経済面、測定面、投機か純粋かにカテゴリー分けしたものを組み合わせてリスクマネジメントをしていきます。

例えば私たちに身近な保険の場合などはどうでしょうか?

保険はどのリスクをカバーしているのでしょうか?

わかりづらいのでちょっと図にしてみます。

保険は純粋リスクマネジメントの手法ですからAの部分、それがBの部分のリスクを対象とする商品(例えば変額保険)だと投機的リスクに該当します。

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上記図からもお分かりいただけるように、保険でカバーできるリスクは、日常生活の中の一部分だということがお分かりいただけたと思います。

コントロールとファイナンシング

そして、リスクの処理技術はリスクコントロールとリスクファイナンシングの2つの手法に別れます。

リスクコントロールは、損害頻度や損害規模自体を軽減させる、もしくは予知能力を高め不確実性を低減させる試みです。

一方、リスクファイナンシングはリスクそのものに着手するのではなく、保険などで損失を軽減する試みです。

シンプルに図式化すると以下の様な感じになります。

riskm

これから、上記リスクマネジメントの技術について簡単に説明させていただきます。まずリスク・コントロールの技術についてです。

リスク・コントロール

リスクコントロールには5種類の技術があります。

リスク回避

リスク回避とは、潜在的な損失を発生させないやり方、つまり、リスクを生じさせない、あるいは既に起こっているリスクを完全に消滅させるという方法です。

しかしながら、多くの場合、すべてのリスクを回避することは出来ません。

例えば自動車を運転している場合などは、事故のリスクと常に直面することになりますが、それを回避するために運転を完全にやめるということは難しいでしょう。

例え自分が運転をしていなくても同乗していたり、或いは他人から被害を被るということも考えられるからです。

また大地震の発生が高まったからといって、他県へ引っ越しをする、といったことも容易にはできないでしょう。

次にリスクの制御についてです。

リスクの制御

リスク制御には潜在的な発生頻度を軽減する損失防止と損失規模そのものを軽減する損失軽減の方法が考えられます。

例えば家に消火器を備えたりすることは防災活動の一つではありますが、損失頻度を軽減するものではありません。

しかしながら、消火器を備え、使用することによって潜在的な損失規模を軽減することはできます。

また火災発生の原因となりそうな行為やものを抑制することは損失頻度の軽減につながります。

リスクの結合

リスク結合とは、損失にさらされている危険単位の数を増やすことによって、リスク予知能力を高める方法です。

例えば保険会社が同様のリスクを抱える契約数を増やすことによって本来であれば不確実であるものを確実なものにすることが出来、リスクを管理することができるようになります。

多数自動車を所有しているタクシー会社や運送会社が保険に加入していないケースも有りますが、これは多数の自動車を所有することによって不確実性を軽減でき、ある程度の精度で損害額の予想がつくためです。

リスクの分離

リスク分離とはリスク分散と解釈しても差し支えないです。

例えば投資運用で言うところのポートフォリオによるリスク低減などがそれにあたります。

また、収入源が幾つもあったり、お金を預ける先や保険契約を一つの会社にまとめないで、分散させるなどの手段もリスクの軽減につながります。

ただし、同じリスク特性をもったもの同士で分散してもリスク軽減はあまり期待できないでしょう。

したがって、相関関係にないもの組み合わせていくという考え方がここでのポイントです。

最後にリスクの移転についてです。

リスクの移転

リスクコントロールにおけるリスク移転には2つの方法があります。

一つ目は、損失にさらされているモノゴトを他の人や法人に移転させるという考え方です。

例えば、所有しているビルを他に売却すれば火災イスクを移転することができます。

2つ目は、ある種の条約などによって移転させるという考え方です。

例えば、建物の売買契約の際、一定期間内にその建物に瑕疵があった場合、その責任は売り手が負うといった取り決めをして、買い手のリスクを売り手に移転することが出来ます。

リスクファイナンシング

リスクファイナンシングの技術は大きく保有と移転の2つに分類されます。

保有は経済的影響を自ら負担するカタチであり、移転は経済的影響を他に負担してもらう方法です。

他に移転する方法としては保険と保険以外への移転にわけられます。

実際には、保有と移転が独立して行われるケースは少なく、2つを組み合わせてプランニングするのが一般的です。

損失にさらされているすべてを保険によって移転するかどうかは、保険会社が適用する割増率によって変動し、契約者のリスク対する態度によっても変わります。

したがって、すべてに保険で賄うといったことが、常にベストな方法とは限りません。

また、リスク移転によって生じるリスクというものも考えられます。

例えば、個人が経済的損失を回避するために生命保険を活用する、といったことはごく一般的なスタイルといえますが、それにあたっては契約者はリスクを回避するために生命保険会社との間で予め契約をしておく必要があります。

通常、保険契約期間は長期に及ぶことから、いざというときに本当にその保険会社が債務を履行できるか、つまり、保険金をちゃんと約束通り払ってくれるのか、といったリスクが発生します。

このようなリスクを信用リスクといいます。

保険会社が経営不振になって破断し、保険金支払額が削減されてしまったというケースは過去に何回もありました。

保険会社は大数の法則によって、損害率を確定的なものに近づける事ができますが、想定外のことはいつでも起こり得ます。

それによって保険会社が破断するということは十分に想像し得ることです。

また市場利回りが約定利回りを大きく下回ることによって保険会社が破断したことも1990年代、実際に起こりました。

保険会社が所有している株式の株価が下落した場合もこれと同じ状況が考えられます。

したがって、私達消費者が保険商品を選択する際、商品だけでなくその保険会社も同時に選択しているんだということを十分に意識しておかなければなりません。

生命保険の仕組と経済的な効果

生命保険は、私達にとってとても身近な金融商品であるとともに、経済的な損失リスクをヘッジする方法としても有効であることは広く知られている。

しかしながら、その仕組や利便性においてはまだまだ知られてない部分も多いと思う。

そして、生命保険に関する知識はファイナンシャルプランを実行する上においてとても重要だ。

また、家計の見直しなど、キャッシュフローを改善する上でも欠かせない知識だ。

そして更に、会社経営等においても、生命保険の知識によって大きなアドバンテージを得ることができる。

生命保険の仕組みを知る

生命保険は大きな括りとして死亡保険、生存保険、生と死を混合した保険の3種類にわかれる。

この基本形を組み合わせたり、或いは特約というものを付加して生命保険商品が構成されている。

死亡保険

死亡または高度障害状態になった場合に保険金が支払われるタイプのものを指す。

代表的なものには、

  • 保証期間を限定した「定期保険」と一生涯保証する「終身保険」。
  • これら2つの特性を組み合わせた定期保険特約付き終身保険。
  • 利率変動積立型の終身保険に定期保険を組み合わせた保険。

これらの商品が死亡保険の範疇だ。

生存保険

被保険者が将来ある一定の時点で生存していた場合のみ保険金が支払われる保険商品のこと。

実際には生死混合保険商品として死亡保険と組み合わされているのが一般的。

生死混合保険

  • 死亡保険と生存保険を組み合わせたもので、死亡または高度障害状態になった時
  • 将来ある一定の時点で生存していた時にも保険金が支払われタイプのもの。
  • 満期金受け取り時に保障が消滅する養老保険や定期特約付き養老保険。

これらのものが生死混合保険に含まれる

定額保険

生命保険には保険契約期間中の運用実績に応じて保険金額が変動するものと変動しない定額のものとがある。

一般的には変額保険、定額保険と言われている。

現在販売されている保険商品のほとんどは定額保険に含まれまる。

そして、一定期間経過後に保険金額が増える逓増型やその逆の逓減型もこの定額保険のなかに含まれる。

変額保険

契約期間中の運用実績によって、返戻金額や保険金額は変動する。

運用実績が悪い場合でも死亡や高度障害に関しては、基本保険金額が保証される

ただし、満期金や返戻金の減少リスクは契約者が負うことになる。

生命保険の保険料はどんな内訳なの?

私たちが保険会社に支払う保険料は

  • 保険金支払の財源になる純粋保険料。
  • 保険会社が運営・管理していくために必要な経費に充てられる付加保険料。

上記の2つで構成されている。

純保険料の決定に関しては予定死亡率、予定利率を用いて計算する。

純保険料の計算方法には、

  • 毎年の収入保険料をベースにした自然保険料式
  • 保険期間を通じて毎年の保険料の額を一定にした平準保険料式

上記2つの計算方法がある。

付加保険料の部分は新契約費、維持費、集金費にわけらる。

付加保険料は、あらかじめ事業に必要な諸経費を見積もって求められた予定事業費率に基づいて計算されている。

責任準備金とは

これは保険契約に基づく将来の保険金支払いに備えるため、保険数理にもとづいて計算された金額のこと。

保険会社は毎年の決算期に責任準備金を積み立てなければならないことになっている。

この積立方式には、

  • 平準純保険料式
  • チルメル式

の2つがあるがここでは詳述を省く。

それぞれの保険会社のリスクの取り方が違うため、どちらの方が健全性が高いのかは一概には言えない。

契約者配当について

保険料は、予定死亡率・予定利率・予定事業費率という3つの予定基礎利率を用いて計算されている。

そして、毎年の決算の結果、この予定利率に基づいて算出された金額と実際の差によって利益が生じることがある。

実際に生じる利益には、

  • 予定死亡率と実質の支払い額の差異によって生じる死差益
  • 運用収益が予定利率を上回った時に生じる利差益
  • 予定よりも経費削減できた時に生じる費差益

上記3つがあり、この利益の一部が契約者配当として3利源などに応じ、有配当保険の契約者に割り当てられ、分配されたものを契約者配当金としている。

また配当金には、通常配当と特別配当があり、契約後1年を超え3年目の契約応当日から支払われる配当を通常配当としていましたが、最近では5年毎利差配当付き保険のように5年毎に配当を支払うタイプのものが増えてきた。

また長期継続契約のものに保険金支払いや解約といった契約消滅時に特別配当金が支払われる場合のある。

契約者貸付

解約返戻金のある保険種類に加入している場合、その解約返戻金の一定範囲内で保険会社から貸付を受けることができ、定額保険は解約返戻金の9割、変額保険では8割程度が一般的となっています。

貸付金には所定の利息がかかりますが返済期限は定められていません。したがって、死亡保険金や満期保険金が支払われる時、或いは解約時などにそれらを精算するということも可能です。

ただし、貸付を受けている途中で元利合計額が解約返戻金を超過してしまった場合は利息を支払わらないと保険契約そのものが失効してしまうこともありますので気をつけましょう。

保険内容の見直し

生命保険は通常何十年といった長期契約が一般的です。したがって、契約期間の間に家族構成や収入の変化、或いは環境によって保険内容を見直す必要が生じることもあります。

保障額や保険料の増減、貯蓄機能や保障の追加、削減など生命保険の見直しには様々な方法があります。

保障額を期間内に増額したいケースとしては、妻の退職、子供の誕生、脱サラで公的保障制度の変更がある場合などが考えられます。

中途増額の引受条件は保険会社によって若干異なり、いつでも受け付ける会社と一定期間が過ぎないと増額できない保険会社とがあります。

また、保険種類によって中途付加できる特約に制限が設けられている場合もあります。

定期保険特約付き終身保険などで、終身部分と定期特約の部分の倍率が予め定められている場合は、増額するにあたって終身部分も増額しなければならないケースもでてきます。

減額する場合は期間を定めている保険会社はほとんどありませんが、特約部分と終身保障部分の倍率が予め定められている保険会社の場合は、同じ比率で減額する必要がありますので、注意が必要です。

そしてまた、予め定められている最低保険金額を下回って減額することは出来ません。

契約転換制度は3種類

この他に契約転換制度というものがあります。

これは、現在契約している生命保険の解約返戻金や積立配当金を基にして同一生命保険会社の新しい保険契約の保険料の一部に充てるという方法です。

保険契約を中途解約して新たに加入するよりもこの転換制度を利用した方が一般的には有利ですが、現契約ものとは条件も利率も違うわけですから慎重に選択したいところです。

転換の方法には、転換後の保険の終身部分に充当する「基本転換方式」、定期特約部分と終身保険部分の両方に充当する「比例転換方式」すべてを定期特約部分に充当する「定特転換方式」の3種類があります。

いずれにしても転換後の保険料は転換契約時の年令にしたがった保険料率や利率が適用されるため実質的な保険料は変わります。

転換後の内容が仮に同じ内容だとすると「定特転換方式」が一番安く、「基本転換方式」が一番高くなります。

貯蓄性を持たせたい場合には終身保険部分に転換価格を投入する基本転換方式が適しています。

また、現在加入している保険契約の予定利率が高い場合、転換によって予定利率が下がるケースがあることに留意するする必要があります。

保険契約の解約

保険の契約者はいつでも解約することができます。

解約返戻金のあるものは保険契約を解約すると保険種類や加入年数に応じた解約返戻金や配当が支払われ、契約は消滅します。

解約返戻金の額は保険会社に積み立てられている責任準備金の額を基準に計算されますが、契約してから直ぐに解約した場合は、未回収の新契約費を回収するため、一定の割合で解約控除が適用されます。

保険金の受取

被保険者が契約期間中に死亡した場合は、死亡保険金が支払われます。

死亡保険金の受取人を指定する場合は、妻や子と言った法定相続人を指定するのが一般的です。

また被保険者が高度障害状態になった場合は、死亡保険金と同額の高度障害保険金が支払われることになります。

高度障害状態とは、経済的には死亡に準ずる状態のことをいいます。

また満期保険金のあるものは、保険期間満了時まで被保険者が生存していた場合には満期保険金が支払われます。

満期保険金の受取り人に注意

満期保険金の受取人を契約者以外にしていると贈与税の対象となるケースがありますので、要注意です。

結婚や出産などの事情によって、保険契約者や保険金の受取人を変更する場合がありますが、この場合被保険者の同意と保険会社の承諾を必要とします。

保険金受取人の変更は保険会社の承諾は必要としません。ただし、被保険者の変更はできません。

そして、保険法の改定によって遺言により保険金の受取人を変更することができるようになりました。

ただし、保険金や給付金、解約返戻金などの請求は、その支払い事由が発生してから3年を経過すると権利が事項となり消滅してしまうということに注意してください。

生命保険商品の特徴

生命保険には、こども保険、貯蓄保険、利率変動型保険、定期保険、変額保険といったいくつかの商品がありますが、ライフプランを考える上でこれらの保険商品の特徴を知っておく必用がある。

死亡保障に重点を置いた保険

死亡保障を重視した生命保険を大きく括ると下記の7種類になります。

  1. 定期保険
  2. 終身保険
  3. 利率変動型積立終身保険
  4. 定期保険特約付き終身保険
  5. 収入保障保険
  6. 条件体保険
  7. 無選択型保険

1,定期保険

定期保険とは5年や10年など保険期間を決めて契約し、その期間内に死亡または高度障害状態になったときにのみ死亡保険金や高度障害保険を受け取れる保険です。

  • 期間と保証内容を限定しているため保険料が安い。
  • 終身保険や養老保険などの特約として付加できる。
  • インターネット上で契約を完結できるものもある。

保険期間は5年、10年、20年など年数で満期を設定する場合と60歳、70歳など年齢で設定する場合がありますが、年満期設定のものは、健康状態にかかわらず自動更新によって継続できるものが多いです。

また、期間の経過に応じて保険金額が減っていく逓減定期保険や逆に経過に応じて保険金額が増えていく逓増定期保険や保険金を一時金ではなく、年金として受け取るスタイルの収入保障保険(生活保障保険)など、定期保険にはいくつかのバリエーションがあります。

そして、病気になるリスクが小さい健康体の人ほど保険料が割り引かれるリスク細分型の定期保険もあります。

注意点▼

※解約した時点で責任準備金がある場合は返戻されます。(長期契約の場合)

2,終身保険

死亡保障・高度障害保障を目的とした保険であり、解約しない限り一生涯その保障が得られます。

  • 保険料は高い。
  • 一生涯保障が続く。(必ず保険金が受け取れる)
  • 年金や介護保障に移行できるケースもある。
  • 解約返戻金を受け取ることができる。

保険料の払込み方法には、有期払込と終身払込、一時払いがあります。

終身払込を利用するケースとしては毎回の保険料の負担を軽減できるというメリットはありますが、払込総額は増えます。

また、契約当初の一定期間、保険料を低く設定し、期間経過後の保険料を高く設定するステップ払込方式もあります。

終身保険は養老保険などのように満期がありませんので、満期保険金を受け取ることは出来ません。

しかし、保険料のうち積立部分に充当される金額が多いので、途中で解約すると加入期間に応じた解約返戻金を受け取ることが出来ます。

有期払込の場合、保険料の払込終了後も当然に保障が継続しますが、それを年金や介護保障に移行するなど、いくつかのコースを選択できる場合もあります。

3,利率変動型積立終身保険

利率変動型積立終身保険は保障設計が自由であり、保障内容を見直す必要が生じた場合、転換や増減によるのではなく、契約の内容そのものを必要に応じて見直していくタイプのものです。

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なぜそうしたことが可能なのかというと、この保険は利率変動型積立終身保険と定期保険特約などの保険部分からなっているからです。

したがって、保険料の払込期間中は、定期保険特約や医療保障特約などの保障のみで終身の保障はありませんが、保険料の払込が終了した時点で積立部分にプールされていたお金を元にして終身保険などに移行する仕組みになっています。

また、予定利率が固定されていた従来の保険とは異なり、所定期間ごとに見直されます。

注意点▼

※設計の自由度が高い商品だけに、ライフプランとの整合性が特に問われる商品。

4,定期保険特約付き終身保険

一生涯の保障に定期保険を特約として付加したものが、定期保険特約付き終身保険です。

  • 定期保険特約の付加期間中は高額な保障が得られる
  • 定期保険特約の期間終了後も一定の終身保障がえられる

定期保険特約付き終身保険には満期時に定期保険部分を自動更新する更新型と払込期間を保険期間とする前期型があります。

加入当初の保険料は前期型の方が高い。

更新型は更新時に更新時の年齢に従って保険料を再計算するので保険料がその都度アップする。

注意点▼

※主力商品を利率変動型積立終身保険に切り替え、販売を中止にする保険会社が増えている。

5,収入保障保険

収入保障保険とは保険金を一時金ではなく、年金というかたちで受け取るタイプの保険のことです。

保険会社によっては生活保障保険、あるいは家族収入保険などと呼んでいます。

この保険は単独のものと、利率変動型積立終身保険の特約として付加されているものがあります。

保険金の受け取り方には、5年、10年、15年、20年などのほか、年齢が設定されている場合がありますが、いずれも受け取りには、最低保障年数が設けられています。

したがって、もし仮に年金の受取り回数が満期までに満たされなかったとしても、最低保証年数分の年金は受け取れることになっています。

例えば、最低保証年数を10年で設定した契約において被保険者が満期までの期間を5年残して死亡した場合には、最低保証年数分である10年分(残り5年分がプラス)の年金を受け取ることができるということです。

参考▼

なお、保険金を年金というかたちではなく、一時金で受け取る選択もできますが、その場合は、年金で受け取る合計額よりも保険金は減額されます。

6,条件体保険

条件体保険とは、健康状態に問題があり通常の条件では加入できない人のためのものです。

生命保険会社によっては、限定告知型・条件緩和型などとも呼ばれています。

なお、通常の生命保険で条件体とされた場合には、特別条件付保険特約を付保することで対応がなされます。

主な特徴としては、以下のことが挙げられます。

  • 告知書だけで危険選択が行われるので、医師による審査は必要ない。
  • 条件体であるため通常の保険に比べて保険料が高い。

終身保険

契約後一定期間内に死亡すると、経過年数に応じて一定割合しか死亡保険金が支払われない。

医療保険

契約後一定期間内に支払い事由に該当した場合、給付金が削減される。

そして、終身保険の場合は、ケースによっては受け取れる死亡保険金よりも、支払う保険料総額のほうが多くなることもあります。

しかし、契約を条件体に限定しているため、同じ条件の人であれば、無選択保険(健康状態のいかんを問わない)よりは安くなります。

7,無選択型保険

無選択保険とは、健康状態のいかんを問わず加入できるタイプのものです。

生命保険会社が危機選択を行う保険で、終身保険や医療保険に多く用いられています。

  • 危険選択を行わないので、医師診査も告知書も不要。
  • 無選択型であるため、保険料は高い。
  • 終身保険:契約後一定期間内に死亡すると、既払込保険料相当額しか保険金が支払われない。
  • 医療保険:既に発生している病気などに関しては不担保になるケースもある。

通常の保険に加入することができる人からしてみれば、割高になるなどの問題がありますが、生命保険会社からすると、健康な人も一定程度加入することを前提としています。

健康な人がまったく加入しなくなると、収支相当の原則が成り立たなくなる恐れがあるからです。

契約者サイドからしてみれば、まったく納得の行かない話です。

保障性と貯蓄性を兼ね備えた保険

保障性と貯蓄性を組み合わせた保険には以下の3種類があります。

  1. 養老保険
  2. 定期保険特約付養老保険
  3. 生存給付金付定期保険

1,養老保険

契約満期までの保険期間中に死亡または高度障害になった場合には保険金として支払われ、満期の時点で生存していた場合には、死亡保険金額と同額の満期保険金を受け取れるものが養老保険です。

つまり、養老保険とは、同一保険期間で、死亡保険金と生存保険金が同額である定期保障と生存保障を組み合わせたものです。

保険料の大部分が積立に充当される貯蓄性の高い保険商品です。

しかしながら、長引く低金利の影響もあって養老保険の貯蓄性は低下しており、以前のように貯蓄を目的に加入するケースは少なくなっています。

2,定期保険特約付養老保険

養老保険に定期保険特約を付加したものです。

保険期間中は高額な死亡保障が得られ、満期時には満期保険金が受け取れる仕組みになっています。

3,生存給付金付定期保険

定期保険の一種で、2年、3年、5年などの一定期間ごとに祝い金やボーナスなどの給付を受け取るタイプの保険商品です。

保険契約が継続している限り、生存給付金が支払われますが、定期保険のみの場合よりも保険料が高い。

貯蓄性の保険

貯蓄性に重点をおいた保険商品は以下の2種類です。

  1. こども保険(学資保険)
  2. 貯蓄保険

1,こども保険(学資保険)

子どもの教育資金の準備を目的にした保険商品です。

契約者は親、被保険者は子どもといった形になりますが、親も被保険者としての性質を持つ連生保険でもあります。

15歳、17歳といった一定年齢に満期を定め契約、満期になるとまとまった保険金額を受け取ることができる仕組みになっています。

その他、子どもの入学時毎に生存給付金(祝い金)を受け取ることができるものや大学時代に保険金を分割して受け取ることができる商品もあります。

契約者である親が死亡した時は、それ以降の保険料の払込は免除となり、契約内容はそのまま継続されます。

また育英年金や養育年金と呼ばれている特約を付帯できる商品もあります。

貯蓄性の高さに重点を置いた保険会社では、子どもが死亡した場合は、既払込保険料相当額が支払われるのが一般的です。

2,投資性の強い保険(変額保険)

変額保険とは、加入後の運用状況によって保険金額が変動するタイプの生命保険です。

変額保険以外の保険は一般勘定で運用されていますが、変額保険の場合は他の保険商品とは区分して特別勘定で運用されています。

注意点▼

※特別勘定とは、生命保険会社の資産・負債を経理するための勘定のうち、変額保険等にかかわる資産・負債を経理するために区分された勘定のこと。

変額保険は運用がうまくいけば加入当初を上回る保険金を受け取れ、逆にうまくいかなければ運用積には契約者が負うことになりますが、その場合でも死亡保険金には最低保障があるので、それを下回ることはありません。

変額保険には満期のある有期型と満期のない終身型と2つのタイプがあります。

有期型の場合には運用の良し悪しには関係なく満期が到来しますので、タイミングによっては損失を被ることもあります。

終身型の場合、運用状況が悪い場合でも、基本保険金額だけは最低保障されています。

次回はライフデザインと個人年金保険商品とのミスマッチについてです。

ではまた。CFP® Masao Saiki

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