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リスクマネジメントと保険、№1

リスクとは不確実性によって起こること。

したがって未来には全てリスクが存在しているといえる。

ではリスクとはいったいなんだろうか。リスクをどのうに解釈したらいいのだろう。

FP資格を有し、FP業務を提供するものにとって、リスク・コントロールに関する知識は不可欠だ。

また、個人の家計分野においてキャッシュフローを安定化する上でリスク対策はとても重要になってくる。

そしてまた、会社を経営する上においてもリスクの概要を把握し、そのリスクに予め備えておくことは、法人の価値と利益を守る上で極めて重要になってくる。

そこで今回は、リスクに関する基本的な知識を解説しよう。

リスクについて

まず、大きな括りとして経済的リスクとそれ以外のリスクに分類することが出来ます。

損失が価値の現象であると解釈したなら、その価値には経済的価値以外に社会的価値、文化的価値、政治的価値なども考えられるからです。

またリスクには測定可能なものと不可能なものがあります。

例えば、測定可能なものはサイコロの出目のように統計的にもとめられもの、過去のデータを観察することによって確率が経験的に求められたものなどがそれにあたります。

測定不可能なものは、発生頻度が少なく、不確実性要素が極めて高いものなど、例えば自然災害などがそれにあたります。

そしてまた、リスクが投機的リスクなのか、純粋リスクなのかという見方もあります。

投機的リスクとは損失、利得の両方が発生する可能性がありますが、純粋リスクは損失のみが発生する可能性のものを云います。

上記3つの応対するリスク、経済面、測定面、投機か純粋かにカテゴリー分けしたものを組み合わせてリスクマネジメントをしていきます。

例えば私たちに身近な保険の場合などはどうでしょうか?

保険はどのリスクをカバーしているのでしょうか?

わかりづらいのでちょっと図にしてみます。

保険は純粋リスクマネジメントの手法ですからAの部分、それがBの部分のリスクを対象とする商品(例えば変額保険)だと投機的リスクに該当します。

risk

上記図からもお分かりいただけるように、保険でカバーできるリスクは、日常生活の中の一部分だということがお分かりいただけたと思います。

コントロールとファイナンシング

そして、リスクの処理技術はリスクコントロールとリスクファイナンシングの2つの手法に別れます。

リスクコントロールは、損害頻度や損害規模自体を軽減させる、もしくは予知能力を高め不確実性を低減させる試みです。

一方、リスクファイナンシングはリスクそのものに着手するのではなく、保険などで損失を軽減する試みです。

シンプルに図式化すると以下の様な感じになります。

riskm

これから、上記リスクマネジメントの技術について簡単に説明させていただきます。まずリスク・コントロールの技術についてです。

リスク・コントロール

リスクコントロールには5種類の技術があります。最初のリスク回避とは、潜在的な損失を発生させないやり方、つまり、リスクを生じさせない、あるいは既に起こっているリスクを完全に消滅させるという方法です。

しかしながら、多くの場合、すべてのリスクを回避することは出来ません。

例えば自動車を運転している場合などは、事故のリスクと常に直面することになりますが、それを回避するために運転を完全にやめるということは難しいでしょう。

例え自分が運転をしていなくても同乗していたり、或いは他人から被害を被るということも考えられるからです。

また大地震の発生が高まったからといって、他県へ引っ越しをする、といったことも容易にはできないでしょう。

次にリスク制御についてです。

リスク制御には潜在的な発生頻度を軽減する損失防止と損失規模そのものを軽減する損失軽減の方法が考えられます。

例えば家に消火器を備えたりすることは防災活動の一つではありますが、損失頻度を軽減するものではありません。

しかしながら、消火器を備え、使用することによって潜在的な損失規模を軽減することはできます。

また火災発生の原因となりそうな行為やものを抑制することは損失頻度の軽減につながります。

リスク結合とは、損失にさらされている危険単位の数を増やすことによって、リスク予知能力を高める方法です。

例えば保険会社が同様のリスクを抱える契約数を増やすことによって本来であれば不確実であるものを確実なものにすることが出来、リスクを管理することができるようになります。

多数自動車を所有しているタクシー会社や運送会社が保険に加入していないケースも有りますが、これは多数の自動車を所有することによって不確実性を軽減でき、ある程度の精度で損害額の予想がつくためです。

リスク分離とはリスク分散と解釈しても差し支えないです。

例えば投資運用で言うところのポートフォリをによるリスク低減などがそれにあたります。

また、収入源が幾つもあったり、お金を預ける先や保険契約を一つの会社にまとめないで、分散させるなどの手段もリスクの軽減につながります。

ただし、同じリスク特性をもったもの同士で分散してもリスク軽減はあまり期待できないでしょう。

したがって、相関関係にないもの組み合わせていくという考え方がここでのポイントです。

最後にリスクの移転についてです。

リスクコントロールにおけるリスク移転には2つの方法があります。

一つ目は、損失にさらされているモノゴトを他の人や法人に移転させるという考え方です。

例えば、所有しているビルを他に売却すれば火災イスクを移転することができます。

2つ目は、ある種の条約などによって移転させるという考え方です。

例えば、建物の売買契約の際、一定期間内にその建物に瑕疵があった場合、その責任は売り手が負うといった取り決めをして、買い手のリスクを売り手に移転することが出来ます。

リスクファイナンシング

リスクファイナンシングの技術は大きく保有と移転の2つに分類されます。

保有は経済的影響を自ら負担するカタチであり、移転は経済的影響を他に負担してもらう方法です。

他に移転する方法としては保険と保険以外への移転にわけられます。

実際は保有と移転が独立して行われるケースは少なく、2つの組み合わせでプランイングされるのが一般的です。

損失にさらされているすべてを保険によって移転するかどうかは、保険会社が適用する割増率によって変動し、契約者のリスク対する態度によっても変わります。

したがって、すべてに保険で賄うといったことが、常にベストな方法とは限りません。

また、リスク移転によって生じるリスクというものも考えられます。

例えば、個人が経済的損失を回避するために生命保険を活用する、といったことはごく一般的なスタイルといえますが、それにあたっては契約者はリスクを回避するために生命保険会社との間で予め契約をしておく必要があります。

通常、保険契約期間は長期に及ぶことから、いざというときに本当にその保険会社が債務を履行できるか、つまり、保険金をちゃんと約束通り払ってくれるのか、といったリスクが発生します。

このようなリスクを信用リスクといいます。

保険会社が経営不振になって破断し、保険金支払額が削減されてしまったというケースは過去に何回もありました。

保険会社は大数の法則によって、損害率を確定的なものに近づける事ができますが、想定外のことはいつでも起こり得ます。それによって保険会社が破断するということは十分に想像し得ることです。

また市場利回りが約定利回りを大きく下回ることによって保険会社が破断したことも1990年代、実際に起こりました。

保険会社が所有している株式の株価が下落した場合もこれと同じ状況が考えられます。

したがって、私達消費者が保険商品を選択する際、商品だけでなくその保険会社も同時に選択しているんだということを十分に意識しておかなければなりません。

保険料の仕組みについて

私たちが支払う保険料の内訳がどうなっているのかといいますと、私たちが受け取る保険金の財源となる純保険料、保険会社が管理・運営のための経費となる付加保険料から構成されています。

純保険料は満期金を支払うための貯蓄保険料と死亡保険金を支払うための危険保険料とにそれぞれわかれ、付加保険料は、契約を維持管理するための予定維持費、保険料を集金するためにかかる経費として予定集金費、新契約の締結や成立に必要な経費である予定新契約費にそれぞれわけて管理されています。

そしてまた、それぞれが当初予定していたよりも実質の支払い額や経費が削減できた場合、契約者配当として相応の配当金を受けることになっています。

各保険会社は、保険契約に基づく将来の保険金支払いに備えて、毎決算期に責任準備金を積み立てなければいけないことになっています。責任準備金の積み立て方には平準純保険料式、チルメル式があります。

方式についてはここでは詳述しませんが、予定死亡率や予定利率が変化すること、危険準備金、価格変動準備金等に対するリスクの捉え方が各生命保険会社によって違うため、どちらの方式がより健全性が高いのかということは一概には言えません。

さいごに・・・契約者配当金ってなに?

配当金については、先ほど少し触れましたが、実は、保険料は3つの予定基礎率を用いて計算されていて、その予定基礎率に基づいて仮定したものと実際との差異によって利益が生じたものが配当金の源となります。

一つには実際の死亡率が予定死亡率よりも低くなった場合に生じる死差益、それから保険会社は私たちが支払ったお金をどこかで運用しているわけですから、実際の運用収入が予定より上回った場合は利差益が発生します。

これに予定よりも経費が削減できた場合に生じる費差益の3つです。

ではまた。

 

日本FP協会 CFP®教育カリキュラムに基づき作成しています

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