タックスプランで人生のアドバンテージを得る!?

タックスを理解する!

キャッシュフロー・デザインの目的は、収支を改善し、キャッシュフローを生みだし、そのキャッシュフローを有効に活用できるように循環させていくこと。

個人の家計分野において、収支の安定化を測る上でも周辺知識は極めて重要だ。

当然ながら会社経営において、キャッシュフローは経営の要になる。

つまり、理想のライフスタイル、あるいは各々のビジョンを実現するには、優れたキャッシュフロー・デザインが必要になる。

しかし、キャッシュフローには税負担がつきもので、これを免れることはできない。

生産されたもの全てを得ることはできない、というのが社会の仕組みなのだ。

したがって、この税金を負担した後の税引き後キャッシュフローをいかに獲得していくのか。

それが、キャッシュフロー・デザインにおいて重要なポイントになる。

タックスプランの基礎

税金には、個人の所得にかかる所得税・住民税があり、その租税には控除や特例など、時期・金額・内容などによってさまざまな選択肢がある。

これら税金の特性を知ることによって、人生設計に沿った形で合理的にキャッシュフローを得ることができる。

それが、タックスプランニングの目的のひつとだろう。

適切な判断と意思決定を行うためにも、その初歩として所得に関する税法を体系的に理解しておく必要がある。

タックスプランを人生設計に生かす!

人生設計、あるいはそのプラン実行過程でどのような税金が課されるのか。

また、その際にどのような選択ができるかを知っておくことは重要だ。

所得税、住民税、消費税に留まらず、自動車税や不動産取得税などさまざまな税金が関わってくる。

仮に所得税だけを取り上げてみても、雑所得なのか一時所得なのかで可処分所得が変わる。

ケースによっては、それが所得税ではなく、相続税扱いになったり、贈与税扱いになったりもする。

ここで一つ一般的な会社員の事例を観てみよう。

ケーススタディ:会社員の場合

  • 独身時代は収入は少ないが、それなりに税負担は一定に課せられる。
  • 統計によると、結婚して妻が専業主婦になると、税負担が5%ほど低下する。
  • その後子供が生まれて所得が順調に増加するにつれ、税負担は増加していく。

また、住宅を取得する頃には次のような控除がある。

  1. 住宅ローン控除。
  2. 子供が高校進学時には扶養控除。
  3. 大学進学時には特定扶養親族の控除。

しかし、住宅ローン控除が終わり、こどもが大学を卒業すると税負担は一気に増えピークに達する。

退職金を受け取る際に退職所得控除がある。

再就職をしない場合は、公的年金のみが収入源になるので、消費税以外の課税は殆ど考えられない。

生涯キャッシュフローの流れ

今度は税負担を含めた一般的な生涯キャッシュフロー・パターンをみてみみよう。

  1. 50歳代前半までキャッシュフローが右肩上がりに増えていく。
  2. 40歳代あたりに住宅ローンと教育費負担とともに租税と社会保険料の負担が大きな割合を占めるようになる。

※このときの住宅ローン控除と特定扶養控除の役割は大きい。

キャッシュフロー水準が一気に低下する老後は、公的年金控除により課税されることがほとんどなくなる。

こうした税負担の内容や各種控除、さらに特例制度しり、活用することによってキャッシュフローのアドバンテージを得ることができる。

ライフスタイルの多様化に沿ってプランする!

最近では、複数から収入を得る人が増えてきている。

ライフスタイルも一生独身、DINKS、共働きなどさまざまだ。

居住空間を視てみると、持ち家だけではなく、親からの相続、二世帯住宅でともに暮す、あるいは一生賃貸で暮らすとう選択肢もある。

雇用形態も、正社員、契約、嘱託、パート、アルバイトなどさまざまだ。

それに伴い賃金形態も年俸制、能力給、フルコミッションなど、さまざまな形態、環境下で働く時代へと変わった。

近い将来起業したい、独立したいという人も増え、キャリアデザインを真剣に考えスキルアップにお金を投じる人も増えている。

ライフスタイルが変われば、それに伴って税負担や各種控除、特例なども異なってくる。

それだけに、税制の動向を踏まえてたプランでなければならない。

しかし、現行税制では有効であっても、将来それが廃止される可能性もある。

こと法人に至っては、税制に関する無知が致命的な損失を招く場合もある。

したがって、定期的な点検と見直しは、プランニング、アプローチとともに重要になってくる。

租税とは!

租税は、国防・警察・社会福祉・教育・社会資本の整備などの公共サービスに必要な資金を調達するために、国民の財産の一部を国家に移したものと解釈されている。

国民の財産権とも言えるので、法律の根拠なしに勝手に賦課・徴収することはできない。

租税は、法律を根拠としているため頻繁に税制改正も行われる。

そして、この税制改正が行われる度に税引き後キャッシュフローが変動することになる。

したがって、税法の基本体系について理解しておく必要もあるだろう。

税法の体系を知る

租税に関する法の存在形式を法源(税法の体系)と呼んでいる。

その体系には、憲法・法律・命令・条例・規則などがる。

法源ではないが、これに加えて「通達」がある。

また、国際的な法源としては条約や交換公文などもある。

それでは、まずその大元である憲法から見ていくことにしよう。

憲法

国の最高法規であって、それに違反する法律や行政庁の行為は無効だ。

この憲法は大東亜戦争終結に伴うポツダム宣言を執行するために、日本で占領政策を実施した連合国軍最高司令官総司令部の監督の下で作成・修正されたものだ。

ちなみに施行されてから現在まで一度も改正されていない。

法律

課税要件の全て、租税の賦課・徴収の手続きは、原則として法律によって規定されている。

したがって、租税法では法律が最も重要だ。

なお、国税に関する法律は、「通則法」と「個別租税法」の2種類に大分される。

通則法

国税の納付義務の確定、納付、徴収、還付、附帯税、更正、決定、不服審査、訴訟など共通事項をまとめた法律のこと。

個別租税法

個別の国税に関する課税要件などを定めたもの。

原則として、所得税法や法人税法のように個別の国税毎に別々の法律を定めている。

ただし、相続税法のように相続税と贈与税の2つの租税について定めている例外もある。

命令・告示・通達

地方税については地方税法があり、通則的規定とともに各地方税の課税要件や賦課・徴収手続きについての規定を定めている

これに命令・告示・通達が加わったものが税法の体系ということになる。

納税義務

憲法は私的財産性が認める一方で納税の義務も定めている。

そこで国は租税法律主義を規定し、法律の規定によってのみ納税の義務を負うこととし、その財産権を保証している。

国際法規の尊守

また租税条約によって、国際間における二重課税などを避けるために、条約や国際法規の尊守がうたわれている。

この租税法によって、税制の仕組みや基本的重要事項が規定され、国税と地方税とに区分されている。

これに内閣が法律を実施するために制定する施行令(政令)、各機関の長が公示を必要とする場合に所轄の諸機関や職員に対して発する告示、通達が加わったものが租税体系だ。

国税と地方税

税金は、課税主体によって国税と地方税とに区分されるが、地方税はさらに道府県税と市町村税に区分される。

また、地方税は普通税と目的税に区分され、普通税は行政サービスの一般経費として、目的税は特定の経費にあてる目的でそれぞれ徴収されている。

直接税と間接税

所得税、相続税、固定資産税など、納税者と担税者が一致しているもの、というのが直接税の定義だ。

一方、消費税のように納税義務者が財貨やサービス価格に上乗せすることで税を転嫁(他になすりつける)することを予定している税金を間接税と定義している。

しかし、転嫁するかどうかどうかで区分するのは現実的ではない。

例えば、直接税である固定資産税などは、借地人や借家人に地代や家賃といったかたちで転嫁することは日常的に行われている。

それに、消費税を転嫁しないで価格を決定している企業もある。

したがって、最近では、所得や財産など担税力を直接表すものを直接税といい、消費や取引など、担税力を間接的にあらわす税金を間接税とする場合もある。

申告納税方式と賦課課税方式

租税に関する方式は、租税債務を確定させる主体の違いによって、申告納税方式と賦課課税方式に別れる。

申告納税方式

納付する税額を自分で確定することを原則とした方式で、所得税・法人税などの国税と法人事業税などの地方税で採用されている。

賦課課税方式

納付する税額を租税行政庁の処分により確定する方式で、主に地方税で採用されている。

租税の納付方式としては、申告納付、賦課納付、印紙納付、源泉徴収、普通徴収、特別徴収、証紙徴収がある。

また、租税の救済制度としては、更正の請求、不服申立て、再調査の請求、審査請求、訴訟などがある。

次回は社会の仕組が透けて視えてくるです。

ではまた。CFP® Masao Saiki
※この投稿はNPO法人日本FP協会CFP®カリキュラムに即して作成しています。

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