ファイナンシャルプランニング

お金を増やす方法とファイナンシャルプランニング、№2

FP資格を有し、FP業務を提供するものにとってその業務の中心は、現在の経済状態を改善し、キャッシュフローを生みだし、そのキャッシュフローを有効に活用できるようにしていくことにある。

そして、個人の家計分野において生活の安定化を測る上でもその周辺知識は極めて重要になってくる。そしてまた、当然ながら会社経営においてもキャッシュフローは経営の要になる。

したがって、キャッシュフローマネジメントは、個人のライフデザインや事業のビジョンを実現するために必要な所得や利益を獲得するという役目を担っている。そして、そのキャッシュフローマネジメントの一部がファイナンシャル・プランニングということになる。

ファイナンシャル・プランニングと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、やはりお金そのものを運用することだろう。しかし、資産形成のプロの視点からすると必ずしもそうではない。最初からお金そのものをダイレクトに運用しようとは考えない。

しかしだからといって、金融知識はあって邪魔になるものではないし、知っておくことによって投資という行為そのものの全体構造を俯瞰する上では非常に役に立つ。

ファイナンシャルプランニングの目的

ファイナンシャルプランニングの目的は何か?

シンプルに云えば使えるお金(可処分所得)を最大限増やすことが目的です。

使える量を増やすためには、お金に働いてもらわなければなりませんが、同時にお金を守って、失わないようにしていくことも大切になってきます。

利殖とセキュリティーの両輪が働いてはじめてマネープランニングといえるのです。

ここで定説とされているのが、ライフプランに基いてマネープランを設計していく、つまり、人生上の目標や目的に合わせた運用方法や貯蓄方法を考えていくという考え方です。

この運用方法や貯蓄の手段を取り違えると将来に大きな差が生じてきます。

要するに、何のためにお金を貯めるのか、増やすのか、この「何のために」が大切だということです。

今回の投稿では、主に金融商品の特徴についいて解説していきます。

それでは、解説させていただきます。。。。。。

  • 金融商品の流動性
  • 金融商品の安全性
  • 価格変動のリスク
  • 金融商品の収益性
  • 資産をブレイクダウンする
  • ファイナンシャルプランニングの目的

金融商品には流動性・安全性・収益性という3つの特性がありますが、この3つの特性を兼ね備えた金融商品は今のところ存在していません。まずはこの3つの特性のから見ていくことにしましょう。

金融商品の流動性

流動性とは、換金のしやすさです。

現金に難なく変えられることができれば、流動性が高いことになります。

流動性の高い金融商品の代表はなんといっても普通預金です。

ATMからいくらでも引き出せますし、クレジットカードや送金などにも利用する事ができます。

定期預金や定額貯金なども流動性は高いです。

預け入れ日から6ケ月未満に解約した場合は、据え置き期間内払戻利率が適用され、満期時とは異なる利率が適用されますが元本割れすることはありません。

では、流動性の高い他の商品も見ていくことにしましょう。

普通預金と定期預金以外では、スーパー定期・大口定期預金、

こちらは、中途解約した場合、中途解約利率が適用されます。

これらは30日経過後、換金が自由、定額貯金は、6ケ月据置後は換金が自由です。

外貨定期預金の場合、原則として中途解約は認められませんが、日本の銀行では認められる場合もあります。

いずれにせよ換金性は非常に高いです。

どのような場面でも直ぐに使うことが出来る便利な金融商品です。

金融商品の安全性

安全性は投資した商品価値の変動の程度にって決まってきます。

リスクの程度、つまり不確実性の低い商品ほど安全性が高いといえます。

例えば、預金などは預け入れ先の金融機関が元利の支払いを保証し、預金保険制度もあることから他の金融商品に比べて安全性は高いといえます。

国債もまた満期まで保有していれば途中の利払いや償還は国が保証してくれますから、

安全性は高いといえます。

一方株式のように常に時価が変動しているものは安全性が低くなります。

価格変動の要因としては信用リスク、価格変動リスク、金利変動リスクの3つが考えられます。

信用リスクとは、予期の預け入れ先、債券の発行体(国、地方公共団体、企業など)、契約先、例えば保険会社などの信用低下や破綻によって債務不履行が発生するリスクをいいます。

従ってそれぞれの財務・経営内容、及び格付けなどを常に意識するとともに、投資先を分けるなどしてリスクの分散を図っておく必要があります。

例えば預金は預金保険制度にって1金融機関ごとに合算して、預金者1人当たり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されていますが、それ以外は対象になりません。

対象外の部分については信用リスクがあるということになります。

価格変動のリスク

次に価格変動リスクですが、これは株式、債券、投資信託と云った時々刻々と価格が変動するもの、外貨預金のように為替レートによって変動するものが あります。

外国株式はこの両方の変動リスクを負っています。

このような個々の商品の変動リスクは銘柄や通貨、経済情勢によって異なってきます。

これらのリ スクを把握するには過去のどのような局面でどのように変動したかを分析することは大切ですが、捉えきれるものではありません。

しかし、価格の変動リスクも 分散投資によって一定の低減は可能になります。

ポートフォリオ(金融資産の組み合わせ)全体の価格変動リスクを考慮して、金融商品を選択する必要がありま す。

金利変動リスクとは、金利変動によって債券などの価格が変動するリスクです。

銀行預金などは直接的には課買う変動はあ りませんが、満期の長い定期預金などはその期に金利が上昇してもその恩恵を受けることはありません。

その逆も然りで、金利が低下しても当初の金利を受け取 る事ができます。

このように将来の金利動向がリターンに影響しますが、一般的には金利動向の予測は予め現在の金利に織り込み済みと考えられるため、金利変 動リスクと資金ニーズを考慮しながら金融商品の満期構成を考えていく必要があります。

金融商品の収益性

収益性とはリターンの大きさです。つまり購入時と売却時の価格の差、キャピタルゲインと利子、分配金、配当などのインカムゲインの和を投入金額で除した率によってリターンを表す事ができます。

預金など予め金利の決められているものはリターンが低い、株式など将来の価格が変動するものは将来に高いリターンを期待できますが、損失が発生する場合もあり、安全性は低い。

また、何かを購入するために貯金をしていても物価上昇が起こり貨幣価値が下がった場合、予定していたものが買えなくなるという機会損失もあります。また、輸入物価や為替、経済政策によってインフレが発生する可能性もあります。

例えば国債を満期まで保有した場合、途中の利払いや償還金額を国が保証していたとしても、貨幣価値が下落した場合は結果的に購買力が目減りしたことになります。

一方、商品先物や商品指数、金や原油価格に連動するものに投資しておけばインフレによる目減りはある程度コントロールできなす。

金融商品同士の収益性、安全性の比較は名目価値で行われますが、最終的には物価の変動を上回るリターンが実質的なリターンとなります。

資産をブレイクダウンする

資産の目的を分類するなら、直ぐに使える資産、万が一のために備える資産、運用するための資産に分配しておく必要があります。

また緊急予備資金も考慮しておく事が望ましいです。

運用するための資産以外は流動性の高い商品で運用しなければなりません。

一方、中長期的なもの、例えば住宅の取得やリタイアメントなどの資金がいつ、どの程度必要なのかを検討し、適切な商品で運用することが望ましいです。

また一般的に収益性の高い商品は安全性が低くなるので、ライフプランを検討し、損失が発生した場合のシミュレーションも行い、損失に耐えうる程度に応じて商品を選択しておく必要があります。

例えば金融危機が発生し損失が発生した場合でもその後のキャッシュフローでカバーしていくことが可能かどうか、キャッシュフローを生み出す労働力が残されているかどうか十分に検討しておく必要があります。

ファイナンシャルプランニングの目的

ファイナルプランニングの目的は、人生における様々な目的を果たすための財政的な基盤を構築していくことにあります。

そのためには財政面におけるいろいろな目標設定が必要になってきます。

例えば、結婚・子育て・教育・住宅取得・リタイア後の計画など各ライフステージに必要な資金を見積もり、現状と照らしあわせ、金融資産運用設計の考え方を用いて資産運用設計を立てるなどして、そのライフプランが実行可能かどうかを見極め、実行に移していくといったプロセスが必要です。

また金融や経済情勢の変化やライフプランの変更などに応じて、定期的にポートフォリオの投資比率の見直しなどを行っていくことが大切です。

経済動向を考慮した上で適切な金融資産運用のリターン値を考慮すると同時に不確実性も考慮して適宜対応していく必要があります。
ライフイベントに基づくキャッシュフローをシミュレートし、不確実性の要素を軽減していくことが肝要です。

目的リターンの算出

例えば、今の資産残高を500万円とし、今後20年にわたって年間収支額がプラス100万円、※リターン率が年1%~4%の各ケースを算出すると以下のようになります。

※不確実性を無視して、必ずこのリターンが毎年実現すると仮定する。ある年の金融資産残高(円)=前年の金融資産残高(円)×(1+リターン率/100)+その年の年間収支額(円)

将来のある特定時点の残高を目標値にしたい場合に、それに応じたリターンを算出することが計算上は可能です。

例えば、10年後に1500万円が必要な場合には、目標リターンは1%、20年後に4,000万円を目標とした場合には目標リターンは4%になります。

実際には経済動向など他の要素も考慮した上で対応していく必要があります。

ライフイベントに基づくキャッシュフローシミュレーションにより、適切な目標リターンを決定するとともに、リスクの高すぎる目標リターンを選択しないように注意しましょう。

リスク許容度の把握

先程のケースのリターンを4%に設定した場合、20年後の金融資産残高は計算上では4,073万円になります。

しかし、だからといって目標リターンを4%にすれば金融資産残高が4,073万円になるといった安易なアドバイスを顧客にしてはいけません。

なぜなら、不確実性の要素を完全に無視しているからです。

4%のリターンを20年間にわたって保証している金融商品などどこにも存在していないからです。

したがって、リスクをまったく回避した状態でこのリターンを長期に渡って実現させていくことは、金融商品だけでは困難であると言えます。

これまで説明させていただいたように商品の特性に従ってリスクの高低は様々です。

さらに特定の商品をみても具体的なリスクとリターンの関係性もまた、その時時の経済状況によって異なってきます。

何かの数式があってそこに当てはまれば自動的に結果が得られるといったものは存在しないのです。

したがって、金融に係る方は、顧客にアドバイスをする前に、まず最新の情報を基にして経済環境と各商品のリターンとリスクの関係を把握しておくことは、最低限必要なことです。

また、顧客のリスク許容度を対話のなかから汲み取ったり、情報収集により把握していくことはとても重要です。

もちろん顧客の希望もありますが、損失が大きくなった場合には生活基盤も損なわれかねないので、漠然としたものではなく、しっかりとした裏付けが必要です。

会話の中から汲み取る力が必要

例えば、生活水準を維持するための資金と万が一の時の備えも確保した上で、余裕資金の範囲で投資していくというのが鉄則ではありますが、いくらまでが余裕資金に該当するかは、その時点になってみないと実際にはわからないことです。

なぜなら、資産運用で常に成功し続けることは非常に難しいことだからです。

どの程度の損失にまでなら耐えられうるのか、これは経済的な面よりも精神的な側面のほうが大きいのです。

今までコツコツと貯めた500万円を投資経験の全くない顧客が初めて投資をした、その直後に200万円の損失を被った時の心情を的確に想像できるでしょうか?

そして、顧客がどの程度、金融商品に対する知識を持っているのかも把握しておく必要があります。

投資は100%自己責任であるだけに、顧客がよく納得して商品を選択しているかどうかを見極める必要があります。

そのためには、ファイナンシャルプランに携わる私たちが十分な知識を身に着けていることを前提に、さらに言葉になっていない部分を汲み取っていく能力が重要になってくるのです。

その他顧客の収入動向もリスク許容度に大きく影響します。

例えば、不況になれば所得減少と株式相場の下落が同時に発生する可能性もあります。

その影響によって最悪の場合、失業するということも十分考えられることです。

つまり、保有資産の減少とキャッシュフローの滞りが同時に発生することになります。

このような場合、顧客の年齢や家族構成も考慮に入れ、景気に対して安定的な収入なのか、転職や副業などによって所得を増やすことは可能なのか、起業は可能なのか、などリスクによる生活への影響を十分に把握した上でアドバイスを重ねていくことがFPとしては不可欠です。

まとめ

資産運用の大前提はリスクをマネジメントして目標リターンを目指していくことにあります。

そして、金融資産運用においてのリスクマネジメントとは、損失額を許容できる範囲内に抑えることです。

そのための一つの手段に分散投資と呼ばれているものがあります。

具体的には、株式の1銘柄だけに投資した場合、最悪の場合、その会社の破断などによって価値が0になってしまう可能性がありまが、多数の銘柄に分散投資すれば、そのすべての銘柄の株式価値が同時に0になる可能性は小さくなるとしたものです。

このような考え方を理論化したものをポートフォリオ理論と呼んでいます。

通常はリスクのある資産に全資金を投入せず、安全な資産とリスクのある資産に分散して資産運用を行います。

所得が定期的にある場合には貯蓄をする際に安全資産とリスクのある資産に分散していくことが望ましく、このような積立を行なうメリットとして、金融資産を一度に失うことを防ぐことが可能、少しずつリスクのある資産の残高を増やしていくことにより、投資経験も同時に蓄積できるなどが考えられます。

しかし、これらはあくまでもポートフォリオからの視点であり、投資そのものの視点に立っていません。

資産運用の大前提が「リスクをマネジメントして目標リターンを目指していくこと」にあるとするなら、ファイナンシャルプランの目的が「可処分所得を最大限に増やすこと」にあるとするなら、ポートフォリオ理論はその目的からややズレているように思えます。

実際に資産を増やしている人の特徴として、「分散しないで得意な分野に集中して投資している」という傾向が見られるからです。

彼らからしてみれば、分散こそが、資産を脆弱化させる要因なのです。

現在は金融自由化が進み、金融商品のバリエーションも相当豊富になり、個人でもデリバティブ、オプション、外国の金融商品などへの投資が可能な時代になりました。

ポートフォリオ理論を優先させるのではなく、何が一番その人に適していて、張り合いを感じながら、長く取り組んでいけそうなのか、サポートする中でそれらを明確にし、メンタルな部分を補っていってあげられるような能力が、これから更に重要になってくるのではないでしょうか。

さいごに

個人や社会の状況は時々刻々と変化しています。

リスクとリターン
PDCAサイクル

時間そのものが変化を一定の単位を持って区切ったものに過ぎないからです。

したがって、経済環境はいつも変化しています。

マクロ経済に大きな変化が見られなくとも、その視点を個別企業の経営状況に向けてみれば、その変化は明らかに分かるはずです。

あなたの家計の状況はどうでしょうか。

よく目を凝らしてみると、何気ない日常生活の中にもその変化を見て取ることができるはずです。

例えば、あなたが所有している家や車の資産価値は毎日変動していますし、あなたが利用しているスーパーに陳列されている食材(生鮮)のプライスも変動しています。

それらの小さな変化の蓄積が、大きな変化へとつながっていくことはあなたもよくご存知のはずです。

ポートフォリオ理論からすれば、本来ならばその変化にともなって運用対象や資産配分も見直す必要性があります。

少なくとも資産の時価はある程度の頻度を持って確認しておく必要があるのです。

資産価格の変動によって最初に意図した配分比率から乖離する場合もあるからです。

例えば、株式に50%、債券に50%の配分比率で運用するポートフォリオにおいて、株価が他の資産よりも上昇すると時価ベースでの株式の配分比率が上昇することになります。

したがって、この見直しのために、超過分の株式を売る、または過小となった債券を買うなどの売買を行ってポートフォリオを整ていく必要がでてきます。

自分が意図した配分比率との乖離が大きくなるということは、意図しないリスクを保有しているという意味になるからです。

しかしながら、そう度々売買を行っていては、売買コストも大きくなる可能性があるという心配も浮上してきます。

これらの一連の過程をPDCA(上図)サイクルというものを適用して考えてみるのもいいでしょう。

※ポートフォリオ理論では、リターン、リスク、時間が共通軸になります。

次回は、ファイナンス理論、将来価値からの視点と現在価値からの視点について解説していきます。

この投稿はNPO法人日本FP協会CFPカリキュラムに沿って記述しています。

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