行動力

今回は、私たちの行動を支配しているもの、意思決定と行動のズレを生じさせる脳の働き方やその前提の誤りなど、パーソナルデザインにも大きく関わっていることについてです。

驚くほど生産性が向上する知識の一環です。あなたの仕事やビジネスにお役立ていただけたら幸いです。

行動力×脳科学

本を読んだりセミナーに参加して、いざ実行しようとしても具体的に何から始めたらいいのかがわからない。

自信が持てず、なかなか行動に移せないという経験はないでしょうか?

計画したものの、ほとんど実行しなかったという話はよくあることです。

私は今でも、時折そうした状態に陥ることがあります。

しかし、その対処方法がわかっているので、ながくても20分程度で元に戻ります。

でも、そうしたスキルのない場合は、実行に移さないままお蔵入りすることが多いでしょう。

ではなぜ、行動しようと思っても、直ぐに行動することができないのでしょうか?

これが、個人のライフデザインを手がけ始めた頃に私が抱いた疑問でした。

「お陰様で良いプランが完成しました」といいながら、実際にはそのプランを実行している人は稀だったのです。

どうすれば行動してくれるようになるのか?

それが研究の1つのテーマにもなりました。

参考▼

ライフデザインについては「ライフデザインのコーナー」で詳しく開設してるのでそちらを参考にしてください。

私たちの行動を支配しているもの

私たちには、私たちのために作動している複数の「脳」があります。

それは数億年以上をかけて進化してきたシステムであり、またそれらは連携して作動しています。

長い時間をかけて脳幹、大脳辺縁系、小脳、および大脳という大変複雑な「多脳」システムを完璧に進化させてきました。

またそれらの脳は、それぞれ異なった機能を有しています。

ここでは、あなたにとって最も大切である、2つの脳に焦点を絞って話を進めます。

2つの脳は、「扁桃」とか「爬虫類脳」と呼ばれています。

脳の区分では大脳辺縁系と呼ばれていて、脳の最も原始的な部分の1つと言われています。

扁桃は2億年ないし5億年前に存在していた複数の構成要素で構成されています。

これは、非論理的、自己保存的、前意識的な部分を司っています。

これが、いわゆる生存本能と言われているものです。

そこから発生する代表的な欲求が食欲や性欲です。

つまり、快楽を求め続ける本質的な部分です。

これは、何億年も前に、捕食者に食べられるのを回避したり、種族保存のために自然に備わった性質です。

自分が他界した後の自己の保存も含めた自己保存が行われています。

進化し続けてきた今日では、それらの意味はずっと広い範囲で作動しています。

もっと具体的に云えば、それが、脅威と機会を監視するためのものとなっています。

参考▼

人の本質的な部分については「心と体をよりクオリティーの高い次元へ導くパーソナルデザインの方程式」なども参考にしてください。

生を輝かせようとする力

この脅威と機会は、いずれも自身の生存の見込みを向上させる働きをもっています。

ですから、この脅威と機会に対する監視というのは、自分の人生をより良いものにしようとするために働いていることになります。

そして、この働きは本能レベルで起こっているので、ほとんど自覚することができません。

なぜかというと、脅威(menace)と機会(opportunity)の監視は、感情によって引き起こされた出来事を記憶し、それを保存するという仕組みになっているからです。

このような状況下で、あらゆる反応が本能によってなされています。

言い換えれば、すべての反応は自己保存の本能に根ざして引き起こされているということです。

買い物、情報処理、スポーツ、遊び、読書、恋愛、ゲームなどあらゆるシュチュエーションにおいてです。

こうした行動プロセスを最適化していくのが、インテグラル・デザインの役目でもあります。

パーソナルデザインとは、つまり、そのインテグラル・デザインの骨格を構成するものです。

参考▼

インテグラル・デザインについて詳しく知りたい方は「総体設計図最適化の研究!IDO(Integral Design Optimization )」などを参考にしてください。

思考を働かせようとする力

このシステムにおけるもう一方の脳は、大脳または大脳皮質と呼ばれているものです。

大脳皮質は、「爬虫類脳」を取り囲み、複雑に折りたたまれた大きな半球状の塊です。

この大きな半球状の塊の内部で、意識的な思考や創造的な機能が働いています。

そして、言語や問題解決能力のようなものが保存されている場所でもあります。

こ の「理性的な脳」は、視覚的なものから論理的なものまで、あなたが認識したものすべてを処理しています。

つまり、推論や創造なども含め、思考に関するすべてのことがここで行われているわけです。

しかし、この2つの機能の連携に少し問題があります。

感覚器官が「爬虫類脳」に送り届ける情報のうちのほんの少ししか処理出来ないという事情があるのです。

言い換えれば、情報のほとんどが「理性的な脳」に届いていない。

脳のシステムを理解する

ですから、スムーズに行動するためには、この連携がどのように機能するのかを理解する必要があります。

これを理解できないと、行動できないことが、ダイレクトにフラストレーションに結びついてしまいます。

不満と不安が必要以上に増長されてしまうのです。

ということで、そのことについて、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。

「理性的な脳」は、進化し続けきましたが、それでもまだ爬虫類脳(本能)に従属的です。

また、それは脳が進化するにつれて役割が大きく変わりました。

あらゆる感覚受容器から送られてきたデータをすべて受け取り、そのデータにどう対応するかを決定する脳になったのです。

つまり、前意識的な働き方をしているということです。

何を「理性的な脳」に引き渡すかを「爬虫類脳(本能)」が決めているのです。

要するに、「爬虫類脳」は、セキュリティーを司り、何を拒否するかを決める役割に変わったということです。

情報が錯綜する環境下の中で、自己保存の機能を守る役割を果たすためにそのように進化したのです。

ですから、その情報が安全なものだと爬虫類脳が判断すれば、通過することができますが、そうでなけばシャットアウトされます。

これが、理解できていないと不満と不安が必要以上に増長される、という理由です。

情報がほとんど結びついていない

  • 自分の欲望に従ってしかモノゴトを見ようとしない。
  • 自分の言動を正当化するために自分の都合のいいように事実を捻じ曲げている。

これまでにもこのような人間の本質について話してきました。

しかし、そのことについて、あなたがちゃんと腰を下ろして、なぜそうなのか?それは何を意味しているのか?ということを、じっくりと考えたことはあるでしょうか?

どういうことかというと、、、

あるものが「爬虫類脳」の本質的な欲望を刺激するものでなければ、理性的な脳に到達することはないということです。

つまり、「本能のフィルター」は事実や記号といった論理、つまり情報に反応しているわけではないのです。

圧倒的なデータや完璧な論理をもってしても、「本能のフィルター」を通過することはできないのです。

本能フィルターの特徴を知る

もっと厄介なことは、この脳は完全に独立した状態で作動しています。

つまり、あらゆることを無視できるということです。

具体的には例えば、、、、

  • 自分にとって好ましいものだけに関心がある
  • 比較を行うのが、決定のための最も容易で最も速い方法を探す
  • 明確で具体的なものを探している
  • 最初と最後に焦点を当てている
  • 視覚を重視している
  • 常に欲望に駆られている

といったことが特徴として言えるでしょう。

参考事例▼

私がロスのトーランスという街に1週間ほど滞在し、

ちょうど犯罪ルポのTV番組を見ていた時に間近で銃声のような音がしました。

私の爬虫類脳は、今まで処理していたTVの情報を突然遮断し、この入力を大急ぎで大脳皮質に送ります。

大脳皮質はこの入力を受け取り、それを一連の記憶と照合し、最後には「誰かが撃たれた」という結論にいきあたります。

そして、大脳皮質は状況を評価して、自分に危険が差し迫っているかどうかを判断します。

自分は完璧なセキュリティーのなかにいて安全なのだと判断できると、もうそれ以上の行動は要請されない。

その一方で、残りの情報は、すべて無視されました。

これが自己保存の反応、不要だと判断したものは完全無視!

本能フィルターを説得できる内部機能はない

爬虫類脳はこのすべてを一瞬で行うことができます。

そして、脳は送り届けられたものすべてに対してこの処理を行います。

あなたが情報を得て速やかに行動するためには、この本能フィルターに立ち向かわなければならないということを意味しています。

では、どのようにして立ち向かったらいいのでしょうか?

例えば、、

銃声と同じような意図的なメッセージを作り出すことができれば、速やかに行動できるはずです。

でも、行動を促すために、その種の急速な身体的な脅威を人工的に作り出し、認識させることは極めて困難でしょう。

本能フィルターの影響力は社会的側面にも及ぶ

なぜなら、自己保存はもはや単純な生存に限ったことではなくなったからです。

地位や出世といった社会的な側面もまた包含するようになったのです。

私たちのすべての決定事項は、本質的に「自己保存的」です。

  • 危険を察知してそこから逃げるのも
  • 社会的な地位を高めようとしていろいろなことを試みるのも

それらはいずれも「自己保存」つまり、本能を主体として考えているのです。

ここで重要なポイントは、、、

あなたのメッセージが、本能フィルターを通過できない限り、何も起こらないということです。

あなたが時間を投資して得た情報や買い求めた教材は、一時的に記憶に留まっているだけで役に立たないのです。

その記憶は時がたつに連れ薄れていき、そのうち忘れてしまうのです。

「爬虫類脳」があなたが得たものを「論理的な脳」に送らない限り、論理的な脳はあなたのメッセージを知ることはありません。

そして、理性的な脳に本能フィルターを通過させる機能はありません。

野生の動物が、必要最低限の行動しかとらない様子からもそのことが理解できるはずです。

「野生の動物は美しい。彼らからしてみれば、私たちはきっと不細工に映っているに違いない」

と整体師でもある師匠が、そのように言っていたことを思い出しました。

個人差

また、人の顔かたちがそれぞれ違うように、脳の働き方には個人差があります。

言いかえれば、脳の働き方が違うから顔かたちが違っているとも言えるでしょう。

全ての脳は最初、女性脳らしき状態からスタートし、受精後7週間を過ぎて男性脳らしきものが誕生します。

ニューロン(神経細胞)が4倍の脳があ り、比較的女性にこの傾向が多いことから、この脳の状態を女性脳と表現している方もいらっしゃいます。

ニューロン4倍脳は、合理的フィルターと情緒的フィルターの両方を同時に使って、情報を処理 しています。

また、男性だから必ず男性脳ということではないというところもポイントになります。

ですから本来であれば男性脳とか女性脳という表現の仕方は誤解を招く恐れがあります。

これに個人差が加味されるわけですから、脳の働き方は千差万別ということになり、この人は◯◯脳と断定するのは極めて難しいでしょう。

これらの脳の働き方に大きく影響している1つの要因がセルフイメージだと言われています。

セルフイメージ

セルフイメージとは、過去の経験や体験にによって形成された自分のイメージです。

  • そのセルフイメージに自分という存在が正しく投影さ れているでしょうか。
  • あなたのセルフイメージは、どの時代のどんな場面に強く影響されているでしょうか。
  • セルフイメージにはクリエイティブで成功する自分が投影されているでしょうか。
  • それともどちらかと言うと成功できそうにない自分が投影されているでしょうか。

もしそうだとしたら、クリエイ ティブで成功するイメージに変える必要があります。

それにはまず現在の自分の良い面と悪い面を正確に確認しておく事が重要です。

自分の短所らしきものや長所らしきものを書き出す。

まず、自分の短所らしきもの、改めたいと思っているところを書き出してください。

そして、自分の長所らしきものを書き出してく ださい。

世界中が全部同じ人だったら

今度は、何もかも全部同じ人間が住んでいる世界を想像してみて下さい。

つまり何千人、何万人という人間の顔や体つき、能力、年齢、技術、目標などが全部同じ人間の世界です。

その顔や体つき、能力、年齢、技術、目標などを考えてください。

その結果を簡単に書き出してください。

さいごに

全てが同じ人間の世界が想像できたら、今度はその人間と自分がどのように違い、また自分にどんなユニークな特長があるかを書いてください。

おわかりいただけましたでしょうか?

誰ひとりとしてあなたと全く同じ人はいない、ということを再認識していただくことが出来ましたでしょうか。

次回は「成功者のマインドセットを擦り込むパーソナルデザイン・コーチング手法」です。

ではまた。CFP&Life Coaching Masao Saiki

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