
今回は、すべての病気は1つのアンバランスから始まること、アンバランスを最初に察知する機能、胃潰瘍の本質的な原因などについてだ。
1つからはじまる
心臓病やがん、脳疾患といった病気は、1つのドーシャのアンバランスによるものではない。
しかし、1つのドーシャのバランスが崩れたと時、それを放置しておくと、他が引きずられて他のドーシャのバランスも崩れ始める。
例えば、風邪と喘息の場合を考えてみよう。
その病状の重さは異なるが、そのプロセスと症状は互いによく似ている。
最初にヴァータのバランスが乱れ、それにともなってカパが増悪するパターンが多いからだ。
つまり、どのドーシャがどのドーシャを引っ張るのかが分かれば、簡単にバランスを回復することができる。
私の場合、瞑想の中でその兆候を察知することが多いので、瞑想の中で完結させてしまうことが多い。
NLPやマインドフルネスストレス低減法、あるいはキネオソロジー、EFTなどの技術に長けた人の中にも、これに似たやり方で病気を克服してしいる人もいる。
もう12年ほど前の話になるが、マインドフルネスストレス低減法によって数名のうつ状態を改善(薬物不要)した経験がある。
とは言え、5名足らずの話なので、私がその技術に長けているというわけではない。
だから、薬を使わないでうつ状態を改善したいという人は、各専門家の指導を受けて欲しい。
過度のストレス状態においてよくあることだが、怒りと不安を同時に顕す人がいる。
これはヴァータのバランスが乱れ、それに引きずられてピッタが乱れた状態だといえる。
だから、薬によって抑制しなければならない、といった類のものでもないだろう。
アンバランスを最初に察知するのは心
体のアンバランスを最初に見つけるのは私たちの心だ。
体のバランスがいい時は、心は機敏で澄んでおり、敏感で幸福感に満ちているといった感じだ。
しかし、ドーシャのバランスが失われると、これらの特徴は衰退し、飲み込まれていく。
先日、世界的に著名なマーケターの会話に、これに似た話があった。
「仕事が成功したからといって幸せにはなれないが、幸せになれたら仕事は必ず成功する」そう彼は言っていた。
社会基準においては、人は幸福でなくても正常であるとみなされるが、自然の基準からみればそれは成立しない。
幸福でないということは、将来の病気を避けるために今何かをしておく必要があるということを意味する。
幸福ではない。
それは、いずれ事業で失敗することを意味している。
◯◯症・病という名
3ヶ月前、知人が乳がんで亡くなった。
手術、抗がん剤、放射線療法など、色々と手をつくしたようだが最後はあっけなかった。
同時期に乳がんになった友人は体調も改善して、毎日畑仕事に勤しんでいる。
彼女はとても大柄でガッシりしていて見るからにカパ的な女性だ。
カパ的な人は一般的に健康に恵まれていることが多いが、手術のような大きな障害が体に与えられた時はヴァータが異常に増悪する。
ヴァータの増悪は、痛みだけではなく不眠症を併発することもある。
そこで睡眠導入剤など処方された日にはひとたまりもない。
ヴァータのバランスを回復するには、食事もさることながら、休息や瞑想療法などを加えていくと効果がある。
その痛みの名称を知って〇〇症だと認定されると、そこで症状が固定してしまう。
だから、その診断が回復の妨げになることさえある。
大切なのは、今日一日、どのような状態で過ごすかということではないだろうか。
これはパーソナルデザインを確立する上でのポイントでもある。
胃潰瘍という名
ドーシャのことを理解していると、他の方法によって説明できないことを分析する上で、大きな手助けとなる場合が多い。
例えば胃潰瘍などがそうだ。
胃潰瘍を経験した人は多いと思う。
私もその一人だった。
従来の医学では、その原因が何であるかはっきりしていないところがある。
医学的に見た場合、胃潰瘍は大きく急性胃潰瘍と慢性胃潰瘍にわかれる。
急性胃潰瘍の原因は、ストレス、飲酒、タバコなどの嗜好習慣によるものなどがあげられる。
慢性胃潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリと呼ばれる菌によるものだとされている。
一方で、ある人たちの胃の内壁は、自分自身の自然な分泌物によって胃を侵食されてしまう。
このようなことがなぜ起こってしまうのだろうか?
不適切な食事、ストレス、遺伝的な素因、性格などさまざまなことが言えるだろう。
そして、胃潰瘍を発症するのは支配層ではなく、命令を受ける側の方が多いことがわかっている。
胃潰瘍とストレに関する研究はたくさんあるが、一度発症してしまった胃潰瘍が再発するのを止めることは難しい。
また、胃潰瘍の患者は、痛みを和らげるために強い制酸剤やは胃酸の分泌を抑える薬などが処方されるケースが多い。
あなたもよくCMなどでH2ブロッカーという名前を聞いた事があるだろう、ガスターはその胃酸の分泌を促すH2受容体をブロックすることで胃酸の分泌を止めるという仕組みになっている。
胃潰瘍が悪化する原因
胃潰瘍患者は、アルコールやタバコ、コーヒーといった刺激物はやめるように。
また、仕事の重圧も軽減するように言われる。
だが、胃潰瘍にかかりやすい人に対して、こうした自己管理を中心にした方法は不適切だ。
なぜなら、既に過度の自制によって苦しんでいる人たちだからだ。
自分自身を厳しくチェックし、自分の間違いに対して非常に批判的になるという傾向がある。
こうした行為がアンバランスを誘引したり、潰瘍を悪化させたりすることはよく知られている。
胃潰瘍の人に対して、さらに厳しく自己管理しろという助言は非常に酷な話だ。
過度のストレスによって情緒的な混乱が生じたまま、薬を試しても再発を防ぐことはできないだろう。
こうしたこっとが理解できていないと、パーソナルデザインも誤った方向へ進んでしまう。
胃潰瘍の本質的な原因
胃潰瘍は、ピッタのアンバランスによって生じていることが多い。
ピッタの増悪が起きた時に見える特徴としては、消化管の炎症、胃酸過多、怒り、敵意、緊張、消化管の焼けるような感じ、体の酸性過多などだ。
この特徴は、胃潰瘍の症状そのもの。
ピッタのアンバランスによって必ず胃潰瘍になるというわけではない。
だが、強いピッタ的な人には胃潰瘍が多いことは確かだ。
病気に至るすべてが自己責任だ、とはいい難いが、病気とは別なところに私たちが存在するわけでもない。
だから、病気の犠牲者にならないようにするためにも、もっと積極的に病気に関与していく必用がある。
同じ風邪のウイルスに出会ったとしても、実際にひどい症状に見舞われてしまう人はそう多くはないはずだ。
これは、内側のバランス状態が決定的な要因であることを物語っている。
つまり、ドーシャを健康的に保てるかどうかがポイントになる。
次回は、「障害をドンドン引き寄せてしまうアンバランスのトリガー」です。
ではまた。