生命保険
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こんにちは、MSインテグラル・デザイン研究所の斉木です。前回は「コントロールとファイナンシングの2つの方法で、リスクを最大限小さくする」でした。今回は生命保険についてです。

生命保険とリスク研究:生命保険の仕組と経済的な効果

生命保険は、私達にとってとても身近な金融商品であるとともに、経済的な損失リスクをヘッジする方法としても有効であることは広く知られている。

しかしながら、その仕組や利便性においてはまだまだ知られてない部分も多いと思う。

そして、生命保険に関する知識はファイナンシャルプランを実行する上においてとても重要だ。

また、家計の見直しなど、キャッシュフローを改善する上でも欠かせない知識だ。

そして更に、会社経営等においても、生命保険の知識によって大きなアドバンテージを得ることができる。

生命保険の仕組みを知る

生命保険は大きな括りとして死亡保険、生存保険、生と死を混合した保険の3種類にわかれる。

この基本形を組み合わせたり、或いは特約というものを付加して生命保険商品が構成されている。

死亡保険

死亡または高度障害状態になった場合に保険金が支払われるタイプのものを指す。

代表的なものには、

  • 保証期間を限定した「定期保険」と一生涯保証する「終身保険」。
  • これら2つの特性を組み合わせた定期保険特約付き終身保険。
  • 利率変動積立型の終身保険に定期保険を組み合わせた保険。

これらの商品が死亡保険の範疇だ。

生存保険

被保険者が将来ある一定の時点で生存していた場合のみ保険金が支払われる保険商品のこと。

実際には生死混合保険商品として死亡保険と組み合わされているのが一般的。

生死混合保険

  • 死亡保険と生存保険を組み合わせたもので、死亡または高度障害状態になった時
  • 将来ある一定の時点で生存していた時にも保険金が支払われタイプのもの。
  • 満期金受け取り時に保障が消滅する養老保険や定期特約付き養老保険。

これらのものが生死混合保険に含まれる

定額保険

生命保険には保険契約期間中の運用実績に応じて保険金額が変動するものと変動しない定額のものとがある。

一般的には変額保険、定額保険と言われている。

現在販売されている保険商品のほとんどは定額保険に含まれまる。

そして、一定期間経過後に保険金額が増える逓増型やその逆の逓減型もこの定額保険のなかに含まれる。

変額保険

契約期間中の運用実績によって、返戻金額や保険金額は変動する。

運用実績が悪い場合でも死亡や高度障害に関しては、基本保険金額が保証される

ただし、満期金や返戻金の減少リスクは契約者が負うことになる。

生命保険の保険料はどんな内訳なの?

私たちが保険会社に支払う保険料は

  • 保険金支払の財源になる純粋保険料。
  • 保険会社が運営・管理していくために必要な経費に充てられる付加保険料。

上記の2つで構成されている。

純保険料の決定に関しては予定死亡率、予定利率を用いて計算する。

純保険料の計算方法には、

  • 毎年の収入保険料をベースにした自然保険料式
  • 保険期間を通じて毎年の保険料の額を一定にした平準保険料式

上記2つの計算方法がある。

付加保険料の部分は新契約費、維持費、集金費にわけらる。

付加保険料は、あらかじめ事業に必要な諸経費を見積もって求められた予定事業費率に基づいて計算されている。

責任準備金とは

これは保険契約に基づく将来の保険金支払いに備えるため、保険数理にもとづいて計算された金額のこと。

保険会社は毎年の決算期に責任準備金を積み立てなければならないことになっている。

この積立方式には、

  • 平準純保険料式
  • チルメル式

の2つがあるがここでは詳述を省く。

それぞれの保険会社のリスクの取り方が違うため、どちらの方が健全性が高いのかは一概には言えない。

契約者配当について

保険料は、予定死亡率・予定利率・予定事業費率という3つの予定基礎利率を用いて計算されている。

そして、毎年の決算の結果、この予定利率に基づいて算出された金額と実際の差によって利益が生じることがある。

実際に生じる利益には、

  • 予定死亡率と実質の支払い額の差異によって生じる死差益
  • 運用収益が予定利率を上回った時に生じる利差益
  • 予定よりも経費削減できた時に生じる費差益

上記3つがあり、この利益の一部が契約者配当として3利源などに応じ、有配当保険の契約者に割り当てられ、分配されたものを契約者配当金としている。

また配当金には、通常配当と特別配当があり、契約後1年を超え3年目の契約応当日から支払われる配当を通常配当としていましたが、最近では5年毎利差配当付き保険のように5年毎に配当を支払うタイプのものが増えてきた。

また長期継続契約のものに保険金支払いや解約といった契約消滅時に特別配当金が支払われる場合のある。

契約者貸付

解約返戻金のある保険種類に加入している場合、その解約返戻金の一定範囲内で保険会社から貸付を受けることができ、定額保険は解約返戻金の9割、変額保険では8割程度が一般的となっています。

貸付金には所定の利息がかかりますが返済期限は定められていません。したがって、死亡保険金や満期保険金が支払われる時、或いは解約時などにそれらを精算するということも可能です。

ただし、貸付を受けている途中で元利合計額が解約返戻金を超過してしまった場合は利息を支払わらないと保険契約そのものが失効してしまうこともありますので気をつけましょう。

保険内容の見直し

生命保険は通常何十年といった長期契約が一般的です。したがって、契約期間の間に家族構成や収入の変化、或いは環境によって保険内容を見直す必要が生じることもあります。

保障額や保険料の増減、貯蓄機能や保障の追加、削減など生命保険の見直しには様々な方法があります。

保障額を期間内に増額したいケースとしては、妻の退職、子供の誕生、脱サラで公的保障制度の変更がある場合などが考えられます。

中途増額の引受条件は保険会社によって若干異なり、いつでも受け付ける会社と一定期間が過ぎないと増額できない保険会社とがあります。

また、保険種類によって中途付加できる特約に制限が設けられている場合もあります。

定期保険特約付き終身保険などで、終身部分と定期特約の部分の倍率が予め定められている場合は、増額するにあたって終身部分も増額しなければならないケースもでてきます。

減額する場合は期間を定めている保険会社はほとんどありませんが、特約部分と終身保障部分の倍率が予め定められている保険会社の場合は、同じ比率で減額する必要がありますので、注意が必要です。

そしてまた、予め定められている最低保険金額を下回って減額することは出来ません。

契約転換制度は3種類

この他に契約転換制度というものがあります。

これは、現在契約している生命保険の解約返戻金や積立配当金を基にして同一生命保険会社の新しい保険契約の保険料の一部に充てるという方法です。

保険契約を中途解約して新たに加入するよりもこの転換制度を利用した方が一般的には有利ですが、現契約ものとは条件も利率も違うわけですから慎重に選択したいところです。

転換の方法には、転換後の保険の終身部分に充当する「基本転換方式」、定期特約部分と終身保険部分の両方に充当する「比例転換方式」すべてを定期特約部分に充当する「定特転換方式」の3種類があります。

いずれにしても転換後の保険料は転換契約時の年令にしたがった保険料率や利率が適用されるため実質的な保険料は変わります。

転換後の内容が仮に同じ内容だとすると「定特転換方式」が一番安く、「基本転換方式」が一番高くなります。

貯蓄性を持たせたい場合には終身保険部分に転換価格を投入する基本転換方式が適しています。

また、現在加入している保険契約の予定利率が高い場合、転換によって予定利率が下がるケースがあることに留意するする必要があります。

保険契約の解約

保険の契約者はいつでも解約することができます。

解約返戻金のあるものは保険契約を解約すると保険種類や加入年数に応じた解約返戻金や配当が支払われ、契約は消滅します。

解約返戻金の額は保険会社に積み立てられている責任準備金の額を基準に計算されますが、契約してから直ぐに解約した場合は、未回収の新契約費を回収するため、一定の割合で解約控除が適用されます。

保険金の受取

被保険者が契約期間中に死亡した場合は、死亡保険金が支払われます。

死亡保険金の受取人を指定する場合は、妻や子と言った法定相続人を指定するのが一般的です。

また被保険者が高度障害状態になった場合は、死亡保険金と同額の高度障害保険金が支払われることになります。

高度障害状態とは、経済的には死亡に準ずる状態のことをいいます。

また満期保険金のあるものは、保険期間満了時まで被保険者が生存していた場合には満期保険金が支払われます。

満期保険金の受取り人に注意

満期保険金の受取人を契約者以外にしていると贈与税の対象となるケースがありますので、要注意です。

結婚や出産などの事情によって、保険契約者や保険金の受取人を変更する場合がありますが、この場合被保険者の同意と保険会社の承諾を必要とします。

保険金受取人の変更は保険会社の承諾は必要としません。ただし、被保険者の変更はできません。

そして、保険法の改定によって遺言により保険金の受取人を変更することができるようになりました。

ただし、保険金や給付金、解約返戻金などの請求は、その支払い事由が発生してから3年を経過すると権利が事項となり消滅してしまうということに注意してください。

次回は生命保険商品の特徴についてです。

ではまた。。

日本FP協会 CFP®教育カリキュラムに基づき作成しています

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