

ご存知のように私たちの細胞の98%以上が毎年入れ替わっている。
つまり、自覚のないまま、人体の98%以上は毎年自動的に新品になっている。
脂肪組織は常に代謝が行われ、3週間後にはすべてが入れ替わっている。
胃の内壁は5日毎に新しくなり、皮膚は5週間ごとに新しくなる。
骨は3ヶ月もすればすべて新品になっている。
こうした絶え間ない流れが量子力学的なレベルにおいて制御されているのだ。
そしてまた、彼らは、「私たち一人ひとりは他の人とは異なる独自の設計図を自然から与えられている
」と言っている。
性格と呼ばれているものに近いものかもしれない。
~体質というレッテル
幼いころアレルギー体質だから、卵をあまり食べさせないようにドクターから指示されたことがある。
それを母が真面目に実践していたら、著しい各臓器の老化現象とストレスによって、既にこの世に存在していなかったかもしれない。
医者が嘘つきだと言っているわけではない。
生命に関するほとんどのことが医学だけでは理解できない、といいたいだけだ。
例えば、私は4歳の時に盲腸を切除している。
それがその頃の医学常識だったからだ。
ところが、現代医学では切除すると免疫力が低下するから、切除は好ましくないとされている。
一旦切除した盲腸を元に戻すことができればいいのだが。。。
そのうち可能になるかもしれない。
「がん体質」という言葉も、ある意味常識化された表現だ。
だから、体質と遺伝はセットされたものだと思っている人は多いと思う。
「がん家系だからガンになるかもしれない」と考えてしまう人の気持も理解できる。
確かにがんは遺伝子の病気だが、遺伝によって必ず発生するものではない。
遺伝子の病気だからこそ、逆に予防しやすいという考え方があってもいいと思う。
なぜなら、すべての病気は遺伝子によるものだからだ。
親がそうだから自分もがんになる!!
でも、親が糖尿病だから自分も糖尿病になると思っている人は少ないだろう。
人間の遺伝情報の総体であるヒトゲノムは32億もの塩基対からなり、それが46本の染色体に分配されている。
確かにそのゲノムは親から受け取ったものだ。
親はまたその親からと、それをどんどんさかのぼっていくと生命の起源にたどり着く。
生命の起源から現在までの歴史がそのゲノムの中にすべて書き込まれている。
そこに思いを馳せる時、そのスケールの大きさに圧倒される。
そこには仏教で説くところの三世、つまり過去世・現世・来世といった世界観を感じる人もあるかもしれない。
そう考えると、私たちは既にあらゆる病気の遺伝子を持っていることになる。
ゲノムの世界では、これを病因遺伝子といっている。
病因といっても、その遺伝子がダイレクトに病気を作り出すわけではない。
本来この遺伝子は生体機能のためのタンパクを作っている。
そのバランスが崩れた時に病気のもとになるというわけだ。
ただそれだけのことなのだ。
病気が発生しないように制御してくれる作用。
また、それぞれの病因遺伝子には、抑制遺伝子が必ずセットになっている。
その抑制遺伝子は抑制タンパクを作り出し、病気が発生しないように病因遺伝子を制御している。
つまり、抑制遺伝子がちゃんと抑制タンパクを作れるようにしてあげればいいのだ。
そこにはやはりアミノ酸が関係してくる。
このアミノ酸の量が不足していると遺伝子の指令が実現できないからだ。
抑制遺伝子の指令を実現できるだけのアミノ酸がないと、抑制タンパクを作ることができない。
そこに隙間が生じて病気が発生するということになる。
要するに、タンパク質が不足していると、どんな病気になっても不思議はないということだ。
また、私たちは親から二通りの遺伝子を受け継いでいる。
そうなると、ガンの抑制遺伝子も2本所有していることになる。
遺伝によって抑制遺伝子の1本が変異している場合があるが、一本が頑張っていれば問題はないはずだ。
残る一本が活性酸素の攻撃を受けるとガン化するが、ガンが遺伝するという安直な考え方とは異なる。
がんになりやすい体質は遺伝するかもしれないが、がんそのものが遺伝するわけではない。
だから、バランスがとれていれば病気にはならないだろう。
したがって、完全なる健康とは、完全なるバランスのことだと言える。
食べること、行なうこと、話すこと、見ること、考えること、感じること、そのすべてが全体のバランスに影響している。
しかし、これらのすべてを意識してコントロールするのは不可能なように思える。
でも彼らはそれが可能だと言っているのだ。
個々の体質を知って、その体質にあった食事をとり、体質にあった運動を行なうなど、適切な方法を選択することによって、アンバランスのほとんどを修正できる。
そう断言している。
実に頼もしい固定点(存在)だ。