
今回は、起業に必要なこと、タイミング、犯しがちな誤りなどに触れながら、起業する人と起業に憧れを抱いたまま現状にとどまっている人との違いについて解説しよう。
将来のリスクと不安を軽減するために起業する!?
起業はリスクを背負うことではない、むしろ将来のリスクと不安を軽減するために起業する。
これは起業をサポートするコンサルタントや起業専門サイトなどでよく使われているフレーズです。
起業する、起業したい、できれば起業したい、起業は怖い・・・
あなたはどれ?
起業に必要なこと
ご存じのように難なく起業できる人もいれば、憧れを抱いたまま起業できないで終わる人もいます。
その違いはいったい何?
まずその要因の一つが、モチベーションの違いだと言われています。
モチベーションの違いによって、起業で成功したり失敗したり、起業できなかったりするわけです。
では、モチベーションとはどんな意味でしょうか?
これを「やる気」と解釈している人が、たくさんいるようです。
しかし、モチベーションの意味は「やる気」ではありません。
モチベーションを定義し直す
モチベーションとは「動機」です。
ですから、「下がる」とか「上がる」という表現には違和感を覚えます。
この「上がる」とか「下がる」という表現に必要以上に影響されてしまう方は多いようです。
では、起業する際のモチベーションにはどんなものがあるでしょうか?
- なぜその事業をするのか?
- なぜ自分でなければならないのか?
- なぜ独立できるのか?
まだまだありますが、これらは代表的なものでしょう。
モチベーションは最強の武器
その動機がスタートアップ、あるいは将来にわたって大きく影響します。
- この動機が曖昧なうちに起業してしまうと、成功したとしてもその成功は短命に終わる。
- 一度失敗してしまうと、チャンスを感知しずらくなる。
ですから、モチベーション「動機」は事業の根幹を成す最も重要な要素ということになります。
しかも、最強です。
サインを見逃さない
起業できない人の典型的な考え方は「準備が整わないと起業できない」というものです。
なぜそう考えるのか?
その考え方はいったいどこから来ているのでしょうか?
日進月歩スピード化している時代に準備が整うのを待っていたのでは、いつまでたっても先へ進むことができません。
このような考え方が、起業に憧れを抱いたまま人生を終える典型的なパターンを招きます。
「準備が整ってないからまだ早い」という裏に、実は「事実を捻じ曲げ、自分の言動を正当化しようとする」ルサンチマン的な感情が潜んでいます。
「準備が整ってないからまだ早い」という言葉でごまかしていますが、本当は起業することが怖くて、できれば起業したくないと思っているのです。
ただ、フラストレーションを和らげるために起業したいという言葉を発しているに過ぎません。
そうやって、葛藤としている心中のバランスを調整しているだけなのです。
「自分は起業する力があるし、周りもそう思っている。でもまだ準備が整ってない」と。
一方、起業して成功している人は、「動機」が明確です。
そして、常にそのモチベーションを確認しています。
そう、モチベーションを励みにしているのです。
常に事実関係を見極めようと努力もしています。
整うのを待つのではなく、改善し続けることを前提に始動します。
サインは些細なでき事のなかにある
また、「起業していいよ」というサインを見逃さなかった人でもあります。
それは本当に些細なでき事の場合もあります。
具体的には例えば、、、
- 予想以上に仕事が評価された
- 独立した人の話を聞いたときに自分でもできると思った
- 今の勤務体系を疑問に思った
- 自分の仕事にはもっと価値があると感じた
など、常に意識していないと見逃しがちな、一瞬のでき事だったり感情だったりします。
追い込まれた時こそチャンス!
また、時にはリストラ、病気、倒産など止むに止まれぬ事情で起業するケースもあります。
そのように追い込まれた時に「できそうだと思えるもの」を怖がらずテストしてみてください。
それが意外に性に合っていて起業に結びつくこともあります。
実は、そうした状況の方が成功する確率は高いのです。
もう起業するしか道が残されていない。
そのような時こそ本来のチャンスだと思って、思考をフル回転させてください。
これは私自身の体験でもあり、多くのクライアントさんと関わる中で確信に至った事実でもあります。
起業の動機やタイミングは千差万別です。
ですから、起業に本気で取り組んでみたいと思えるようになったら、可能な限り間主観的な視点で現状チェックすることをお勧めします。
起業する直前に取り組んでほしいこと
ここから先は、1年以内に起業しようと考えている人だけ読み進めてください。
「1年以内に」と期限を区切ったのにはわけがあります。
具体的な期限(数値)がない場合、時間を浪費するだけで終わってしまう可能性が高いからです。
あなたの貴重な時間を浪費してほしくないので、期限を区切ったわけです。
お金は無くなってもまた稼げばいいのですが、時間はそうもいきまりません。
フローを活用する
起業するのであれば、得意なことに集中する時間をどれだけ作れるかが勝負となります。
その基準を確りと自分で認識して、確実に実行する。
ただなんとなく日々の業務をこなしていてはダメです。
自分なりのフローを作成して、それに当てはめて判断していく作業が生産性向上には欠かせません。
生産性の低い仕事しかできない人をプロとは言いませんので、当然依頼も来ないわけです。
ですから、自ら作成したフローに従うことは、初期段階においてとても重要な作業なのです。
では簡単なフロー例を1つご紹介します。
上記はパレートの法則をフロー化したものです。
「自分のリストにいれるものは全体の20%以内、他の80%は捨てるかアウトソーシングする。」という思考を習慣化するために図式化したものです。
個人的には、これにパーキンソンの法則も考慮して生産性向上に役立てています。
パレートの法則、パーキンソンの法則の概要を知りたい方は自分で調べてください。
その他、削れる⇒自動化できる⇒任せられる⇒先延ばしできる
上記に該当しないことだけを自分でやる、というフローもあります。
※起業家の場合は義務の項目は外しても差し支えないでしょう。
自分の強み、リソース(資源)を確認する
- 自分の強み
- 自分が独立する上での資源
この2つは最低限把握しておいた方がいいでしょう。
強み、そう言われても思い当たらないかもしれません。
私は中学時代に陸上部に所属していました。(サッカー部が廃部になったので仕方なく)
最初は短距離走にエントリーしてましたが、成績がパットしませんでした。
そこで中距離走にエントリーし直したところ好成績につながり、それが勉強にも影響したという経験があります。
最初に短距離走を選択したのは私です。
自信があったからです。
でもそれは身勝手な思い込みで、ただの独りよがりだったということに気付き、教師と友人のアドバイスに従ったのです。
つまり自分の強みを勘違いして時間という貴重な資源を費やしていたわけです。
社会で揉まれているうちに、その環境やお手本に翻弄(ほんろう)され自己の強みが分からなくなってしまった。
よく聞く話ですね。
ですから、自分の強みを探そうと思ってもなかなか発見できません。
発見できたと思ったものがお門違い。
それで返って遠回りをしてしまった。
これもよくある話です。
モノとコトはちょっと事情が違う
”あると思って探せば必ず見つかる”
確かに物は簡単に見つかるかもしれませんが、コトの場合は容易ではありません。
発見困難なコトを無理やり探そうとすればフラストレーションも募ります。
これとよく似た現象に「やりたいこと探し」があります。
「やりたいこと探し」をしている人ほどうまくいっていない。
そのような話をあなたも聞いたことがあると思います。
あなたも一度信頼のける人に相談してみてください
「今の自分の状態を見てどう思うか」と。
やりたいことを自問自答しても時間とエネルギーを浪費するだけ。
他者と関わる中で認識を深めていった方が効率的です。
それでも自分で強みを見つけたい人のために
時間がかかってもいいから、自問自答して解決してみたいという方。
実は私はこちらのタイプです。
全く人を頼らないわけではありませんが、極限まで自問自答します。
エキスパートにアドバイスを求めた場合、料金が高い上クライアントを厳選しているので直接コンタクトを取ることが難しいという事情もあります。
また、彼らは具体的なアドバイスはあまりなく、非常に抽象度の高い視点からのアドバイスが多い。
「なぜ?」と繰り返されるだけで、お金が消えていくことも。
私の場合、その程度の方が心地よいのですが。
強みではなく弱みを追求する
自分では強みがわからない。
であれば、強みではなく二項対立、つまり、「弱みに焦点をあてること」をお勧めします。
この方法は、成熟したコンサルタントやコーチがよく用いる視点です。
例えば、あなたが子供の頃言われていた弱みは?
たとえば。。。
- 優柔不断
- 極端に内向的
- 男の子なのに色白
- 主張できない意気地なし
- なんでそんなに頭が悪いの
- お前にそんな才能があるわけない
これは私が言われてきたことですが、それを自分なりに探求してきたから今の私があるわけです。
まっ、大した今でもありませんけど。
脱構築すれば弱みは強みでもあります。
- 臨機応変(優柔不断)
- 自分より他者を優先できる(主張できない)
- 知識を吸収すればもっと飛躍できる(頭が悪るい)
- ちょっとした事でも注目される(才能がない)
この考え方が誰にでも当てはまるわけではありませんが、強みが明確になったら、その強みの周りにスイートスポット
を創造していきます。
※スイートスポットとは、メンターが発見した言葉で私のものではありません。
スイートスポットの作り方についてより詳しく知りたい方は「ビジネスコーチングの王道」をご参照ください。次回は起業に失敗しない基本ステップです。
ではまた。