
今回は、体調バランスを整える秘訣、発酵食品が誰にでも有効なわけではないことなどについて解説しよう。
素質に基づいた対策ができてないと、あらゆるシチュエーションにおいて苦労が絶えない。
その素質の大半は類似性と持って生まれた体質から構成されている。
脈に数秒触れただけで、そのタイプを正確に判断できる達人がいる。
この領域に達すると、ドーシャがまるで見えているかのように対処できる。
もっとも効果的なセラピーを!
お隣の韓国では、脈診を基本としている。
韓国時代劇が好きな方にはお馴染みのシーンだと思う。
数分間脈に触れ、その人の体質を仮定して治療を施していく。
私も貿易やななんやらでこれまでに50回以上韓国に行っているが、最近では医療観光がメインだ。
今は機械を併用する医院が大半だが、人の手によって脈診することを怠らない。
ここで使用している機械は以前話したドイツの波動療法のように治療を施すものではなく、あくてまで測定に留まる。
因みに日本にはAWGという波動で治療する機械が存在する。
施術をおこなっているところは少ないが、機械をレンタルすることもできるので興味のある人は検索してみるといい。
私も数年前にこのAWGを半年ほど体験したことがあり、治療後はスッキリした覚えがある。
男性は背中、女性は腹部
また、韓国では、四象体質という理論に基いて脈診と機械を併用した結果によって、治療方法、処方箋、そして食事内容を指導しているところもある。
「四象体質」に関しては、また別の機会に詳しく解説しようと思う。
興味のある人は四象体質医学の原点ともいわれている以下の本を読んでみてもいいと思う。
男性の場合、背中が治療ポイントになることが多いが、私の場合は腹部を重点的に治療したほうがいいということになり、腹部を入念に治療してもらったことがある。
私が男性でありながら女性脳を所有していることや、冷性のピッタドーシャが主体であるということも関係している。
だからといって、女装が好きだったり、男性との恋愛に興味があったりするわけではない。
ただ、ファッションデザインへの興味は薄れることなく、美しいものに取り分け目を奪われ、情緒的フィルターと論理的フィルターを同時に作動させるという、女性脳特有の思考プロセスをしているだけのことだ。
ヨーグルトや発酵食品が必ずしも体にいいわけではない
また、朝食はお餅を食べ、コヒーを麦茶に変え、デザートにヨーグルトを取るのはやめた方がいいとも言われた。
私の体質にヨーグルトがあわないことは知っていたので、積極的に取ってはいなかったが、その韓医が指摘してくれたエネルギーのバランスが私に適していることは直ぐに理解できた。
ピッタドーシャの乱れは、排泄器官である膀胱や腎臓に障害を起こす原因になり、ピッタが過剰になると体が酸っぱくなる。
つまり、ヨーグルトはピッタ主体の人にはあまり適さない食べ物だ。
ヨーグルトだけでなく、酸っぱい食べ物や発酵させたものはピッタ主体の人には適さない。
これらを過剰摂取すればピッタ主体の人はひとたまりもない。
かえって健康を害する原因になる。
お酒やコーヒーなどもピッタを刺激し、アンバランスを助長するので、漢方薬を飲んでる間は、お酒、コーヒー、もやしなどは摂取しないように指導されるのが定番だ。
なるほど、そのようにしてみると確かにその日の活力が違う。
今はそれほど気を配る必要もなくなったが、思い出した時には暫くの間そうするようにしている。
マクロビオティックという考え方
今から14年前の話だが、一時期マクロビオティックという考え方に傾注していた時もあった。
これは食文化研究家であった桜沢(おおさわ)氏が、石塚左玄(明治時代の医師&薬剤師)が提唱していた陰陽、身土不ニ、一物全体などの考え方をベースに考案した食事方法と言われているが、その本質は実に深い。
提唱当時は、日本では受け入れてもらえなかった。
しかし、その理念はフランスで開花した。
日本で拒絶され、フランスで受け入れられたことが返ってよかったとも言える。
マクロビオティクの世界観もやはり古代医術や四象体質医学と類似している部分は多い。
私は彼の書籍をほとんど読み、実践して他の人にも勧めていた。
今はその方法を用いていないが、非常に効果的な食事療法であることは言うまでもない。
興味がある人はオーサワジャパンなどで販売されている食材を試してみるといい。
手っ取り早くダイエットしたい方には、そこで販売されている1週間体験セットをお勧めする。
この商品で私も知人も1週間で7kg以上減量できた。
ただし、主食である玄米が体質に合わない人もいる。
また、副食に注意しないと体調を崩す原因にもなりかねないので気をつけてもらいたい。
やはり、試す前にあらかじめ体質を把握しておいた方がいいだろう。
今回はマクロビオティックについて詳細に記述しないが、機会があったら書いてみたいと思う。
いずれにせよ、東洋医術の観点からすれば、病気というのは長い時間をかけて自ら招いているものに過ぎない。
なんらかの異常が起こるまでは健康だとする、西洋医学の基準とは大きく異る点だろう。
早く確実に治癒するコツ!?
ドーシャに注意していると、その人の健康状態を早く的確に知ることができる。
3つのドーシャは例外なくすべての細胞において働いている。
そして、それぞれのドーシャが働く主要な場所がある。
その場所を知っていると、体を蘇生させていく過程でも便利だ。
ドーシャがアンバランスになると、その最初の兆候が主要な場所に表れることが多いからだ。
例えば、腸内のガスや痛み、便秘などはヴァータが過剰になった時の典型的な症状だ。
上腹部の不快な灼熱感(ビリビリと熱を発している感じ)や痛みはピッタの増悪が原因であることが多い。
胸部の 血流の障害により静脈内に血液がたまった状態であるうっ血、せきや風邪などはカパの増悪が原因だ。
ヴァータのアンバランスによって痛みが結腸あたりに集中して、腰痛や生理痛となって現れたりすることもある。
どのドーシャも体のあらゆる部分に存在しているものなので、ヴァータのアンバランスが移動していって頭痛、筋肉痛、喘息などさまざまな症状となって表れることもある。
このように、ドーシャのアンバランスによって病気が誘発されているということが理解できるようになると、的確に予防できるようになってくる。
それぞれの体質の強さや弱さというのはめったに変わるものでなないからだ。
したがって、一度理解できてしまうと、簡単に対処できるようになる。
たとえば、ヴァータの人は不眠に悩まされ、カパの人は覚える速度が遅いといった具合に。
その人の体質がどのタイプに該当するのか明確に把握できれば、どんな病気でも予防できるようになるというのが彼らの理論なのだ。
1つ1つ順序よく調整しても無意味
そしてその予防方法は1つ1つを順序よく細かく調整していくということではない。
ドーシャに基づき全体のバランスを同時にとるといった方法で行なうのだ。
3つのドーシャは密接に関係していて、3つ同時に動いているからだ。
1つのドーシャの修復に取り掛かったとしても他の2つのドーシャが連動して動く。
だから、包括的な視点で治療していくというのが彼らの常識なのだ。
例えば、私は韓国の辛いインスタントラーメンが好きだが、それを食べた時は、熱ドーシャであるピッタが上昇し、冷ドーシャであるヴァータとカパの数値は下がる。
冷たい水を飲めば今度はヴァータとカパが上昇し、ピッタが下がるといった具合になる。
このようにドーシャは永遠に関連しあって、命のあるものは例外なくその特有の動きを相互に続けている。
変化と不変が交互に作用するようにする
ドーシャ全体の動きは、ヴァータがリードして他の2つのドーシャを引っ張っていくというカタチになっている。
これらのバランスを整えるときは、ちょうど動き続けている映像を調整するような感覚だ。
つまり、3つのドーシャが動的につりあっている時にのみバランスが取れているのだ。
したがって、変化と不変が交互に作用するようにしていく必用がある。
この状態にするためには、自然のいたるところに見られる「恒久的な性質」に基づくことが大切だと彼らは指摘している。
それらの基本的な性質は「グナ」と呼ばれていて、25種類に分類される。