
PATHOS FORES DESIGN
マインドマップ:混沌を“問い”でほどく実践ガイド
アイデアや情報が頭の中で渋滞していると、創造力はブレーキがかかったままです。PFD(Pathos Fores Design)は、マインドマップを単なる発想術ではなく、問い直し型ライフデザインのコアツールとして扱います。事実と感情の“二重帳簿”を可視化し、損得だけに流されない、納得のある選択を設計していきます。
なぜマインドマップか:数字の整合だけでは、前に進めないから
意思決定の壁は、情報不足ではなく整合不足──価値観・感情・タイミングとのズレにあります。マインドマップは、中心テーマから放射状に枝を伸ばすことで、頭の中の“塊”をほどきます。PFDでは、単語を並べるだけで終わらせず、問い・事実・感情・制約・仮説の5レイヤーで思考を配置します。こうすることで、思いつきが企画へ、企画が行動へ変換されます。
基本:マインドマップの仕組み(おさらい)
- 中心にテーマ:紙やキャンバス中央へ。例:「住み替え」「働き方」「新規事業」
- 第一階層の枝:主要観点を配置(事実・感情・資源・リスク・関係者・時間軸など)
- 第二階層以降:具体を展開。色・図形・アイコンで意味づけし記憶定着を促進
PFD版フレーム:二重帳簿で“もつれ”を解く
発散だけでは混沌の形が変わるだけ。PFDは、次の5レイヤーを必ず入れます。
- 問い(QUESTION):このマップで解きたい中核の問いを1文で。
例:「“住宅ローン控除が終わる年”に何を優先すべきか?」 - 事実(FACTS):数値・期日・条件など検証可能な情報のみ。
- 感情(FEELINGS):違和感・期待・不安。強度(1〜10)も併記。
- 制約/資源(CONSTRAINTS/ASSETS):時間、予算、関係者、スキル、健康など。
- 次の実験(NEXT EXPERIMENTS):最小リスクで検証できる行動仮説。期限・担当を明記。
この構造にすると、感情を抑え込まずに扱えます。感情は“ノイズ”ではなく“センサー”。数値化できないが重要なシグナルとして、選択の重みづけに反映します。
作り方:PFDワークのステップ
ステップ1:中心に“問い”を書く
「テーマ」よりも「問い」を推奨します。問いは方角を与え、枝の増殖を意味ある方向へ制御します。例:「いまの働き方で、3年後の自分は誇れるか?」
ステップ2:第一階層を5レイヤーで固定
QUESTION / FACTS / FEELINGS / CONSTRAINTS-ASSETS / NEXT EXPERIMENTS の5つを第一階層に置きます。以降は自由に増殖。
ステップ3:自由連想と“言語の粗さ”を許可
発散段階では、完璧な言い回しを目指さない。スピードを優先し、30〜90秒/枝のテンポで。色とアイコンで“塊”を見分けやすく。
ステップ4:関連線と優先度タグ
離れた枝同士に関連線を引き、#MUST
#SOON
#PARK
の3タグで優先度を仮置きします。タグは後で変えてよい前提にします。
ステップ5:1つだけ実験に落とす
マップの最後に、最小の実験を1つだけ採択(例:「住宅ローン繰上の3案を家計シートで比較し、土曜に家族ミニ会議」)。意思決定は“過程”として設計します。
視覚化のコツ:記憶に残すためのデザイン
- 色:レイヤーごとに色分け(例:FACTS=青、FEELINGS=橙)。
- 図形:事実は四角、感情は雲形、実験は菱形など形で機能を固定。
- シンボル:⚑期限、◎決定、△保留。視認性が上がり見返しやすい。
テンプレ(コピーして使える雛形)
【QUESTION】 - 【FACTS】 - 【FEELINGS】 - - - 強度(1-10): 【CONSTRAINTS / ASSETS】 - 【NEXT EXPERIMENTS】 - - 確認日:
まずは40分、今の“もつれ”を言語化する。
マインドマップの「問い立て」と「整合チェック」を一緒に。数値も感情も見落とさず、次の実験まで落とし込みます。