ライフプランを作成する時に役立つお金の知識(国民年金基金編)

国民年金基金について

個人事業主の公的な年金制度としては基礎年金に限られている。

そこで、個人事業主にもゆとりある老後生活を保障するものとして平成3(1991)年度に創設された。

  • 第1号被保険者のための上乗せ年金
  • 任意加入

加入形態

  1. 地域型基金
  2. 職能型基金

上記のいずれか一方を選んで加入することになる。

地域型基金

都道府県単位で組織し、都道府県単位の国民年金基金が基金の運営を図る。

職能型基金

同じ職種の人たちで組織し、全国に1職種1つずつ設立される。

加入条件と加入限度額

  • 保険料を納付している国民年金の第1号被保険者で60歳未満の人
  • 農業者年金基金加入者や国民年金の保険料免除者、国民年金の保険料滞納者は加入できない。
  • 60歳以上65歳未満の国民年金の任意加入者も加入可能。

月々の掛金

  • 上限は、6万8000円。

※平成3年4月1日以降の国民年金保険料の免除期間分を追納した人は、追納した期間と同じ期間(最高5年間)、掛金の上限を10万2000円にできる。

  • 個人型確定拠出年金に加入している場合は、その掛金と合わせて6万8000円以内。

資格喪失要件

  • 60歳になったとき
  • 65歳になったとき(60歳以上で加入した場合)
  • 国民年金の任意加入被保険者でなくなったとき
  • 第2号被保険者または第3号被保険者になったとき
  • 他の都道府県に転居したとき(地域型基金の場合)
  • 加入時の職種・業務を廃業したとき(職能型基金の場合)
  • 国民年金の保険料免除になったとき
  • 農業者年金基金の被保険者になったとき

国民年金基金の種類

終身年金2種類と確定年金5種類があり、給付の金額や年金の種類を自分で組み合わせることができる。

掛金

  • 年金払い込み満了年齢は59歳
  • 60歳以上で加入の場合は、64歳または任意加入被保険者でなくなるまで。

給付

  • 基本給付
  • ボーナス給付
  • 各基金の独自給付

※給付は物価スライドはない。

  • 1口目:終身年金A型かB型のいずれか1つを選択(掛金に男女差あり)。
  • 2口目以降:終身年金A型・B型と確定年金I型~V型の7種類の中から希望する型と回数を選択。
    ※確定年金(I~V型)の掛金には男女差はない。
  • 確定年金の加入年金額は、終身年金の加入年金額をこえることはできない。
  • 掛金は、月額6万8000円をこえてはならない。
    ※前記10万2000円の特例がある。
タイプ 受給開始年齢
A 終身年金(保証期間15年) 65歳支給開始
B 終身年金(保証期間なし) 65歳支給開始
Ⅰ型 15年確定年金 65歳支給開始
Ⅱ型 10年確定年金 65歳支給開始
Ⅲ型 15年確定年金 60歳支給開始
Ⅳ型 10年確定年金 60歳支給開始
Ⅴ型 5年確定年金 60歳支給開始

税の取り扱い

掛金

  • 全額(最高年額81万6000円まで)社会保険料控除。

年金受取り

  • 雑所得となるが公的年金など控除の対象。

※遺族に対する一時金は非課税。

国民年金基金と確定拠出年金

国民年金の第1号被保険者で保険料を納めている人は、国民年金基金と個人型確定拠出年金の両制度に加入することができる。

  • 掛金は両制度を合わせて月額68,000円が限度。

次回は小規模事業者のための年金制度などについてです。

ではまた。CFP® Masao Saiki
※この投稿はNPO法人日本FP協会CFP®カリキュラムに即して作成しています。

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