今回は、小規模企業共済制度の概要、特徴と取扱い上の注意点、及び税の取り扱い方法についてです。

小規模企業共済について

小規模企業共済とは、国の作った「事業主の退職金制度」のこと。

  1. 従業員が20人以下(卸売業・小売業・サービス業は5人以下)。
  2. 企業の事業主や役員が事業を廃業・退職した場合の備え。

生活の安定のための資金や事業の再建などのための資金をあらかじめ準備しておくための共済制度。

独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営。

一定の要件を満たせば、個人事業主の配偶者や継従者など共同経営者も2名までなら加入できる。

小規模企業共済の特色

  • 掛金は全額所得控除。
  • 共済金は一時払いまたは分割払いと一時払い、分割払いの併用。
    ※分割払の場合は一定の要件がある。
  • 一時金は退職所得扱い、年金は公的年金等として雑所得扱い(公的年金等控除の適用あり)

契約者貸付制度

  • 納付した掛金の範囲内で、契約者貸付制度を利用できる。

契約者貸付制度には、

  1. 一般貸付け
  2. 傷病災害時貸付け
  3. 創業転業時の貸付け
  4. 新規事業展開等貸付け
  5. 福祉対応貸付け
  6. 緊急経営貸付
  7. 安定貸付け
  8. 事業承継貸付け

などがある。

毎月の掛金

  • 月額1000円から7万円まで500円きぎみで設定できる。
  • 増額は可能だが、減額は一定の要件が必要になる。
  • 掛金は預金口座振替で納付する。

小規模企業共済金の支払い

共済金には以下の4種類がある。

  1. 共済金A
  2. 共済金B
  3. 準共済金
  4. 解約手当金

共済金A、共済金B

  • 掛金納付月数が6カ月以上の場合に給付
  • 一時払いまたは分割払い(分割払いの場合は死亡を除く)、または一時払いと分割払いの併用

準共済金、解約手当金

  • 掛金納付月額が12カ月以上必要
  • 一時払いで支払われる。

共済金の分割払いを選択できる加入者

  • 共済金額が300万円以上で、共済事由が生じた日に満60歳以上である人。
  • 10年間または15年間(加入者の選択による)にわたって毎年3カ月ごと(2月、5月、8月及び11月)に支払われる。

共済金の一時払いと分割払いの併用

  • 分割で受け取る共済金等の額及び一括で受け取る共済金等の額が、一定の金額以上であることが必要。

共済金の受取り例(掛金月額1万円の場合)

共済事由等 事業をやめたとき(個人事業主の死亡。会社等の解散を含む。)注:配偶者、子ヘの譲渡及び現物出資により個人事業を会社へ組織変更した場合を除く。 ・会社等の役員の疾病、負傷または死亡による退職(任意または任期満了による退職を除く。)
・老齢給付(年齢が満65歳以上で、掛金を15年以上納付した人は、請求することにより受け取れる。なお、老齢給付として受け取らずに、共済契約を継続することもできる。)
・会社等の役員の任意または任期満了による退職
・配偶者、子への事業譲渡
・現物出資により個人事業を会社へ組織変更し、その会社の役員にならなかったとき
・法人成りした場合
 ・任意解約
・掛金12カ月分以上滞納したとき
・現物出資により個人事業を会社へ組織変更し、その会社の役員になったとき(なおこの場合において小規模企業者でないときは、準共済‐事由となる。)
年数 合計額  共済金A  共済金B  準共済金  解約手当金
5年  600,000円  621,400円  614,600円  600,000円 掛金納付月数に応じて、掛金合計額の80~120%相当額が受け取れる。掛金納付月数が240カ月(20年)未満での受取額は、掛金合計額を下回る
10年 1,200,000円 1,290,600円 1,260,800円 1,200,000円
15年  1,800,000円 2,011,000円 1,940,400円 1,800,000円
20年  2,400,000円 2,786,400円 2,658,800円 2,419,500円
30年  3,600,000円 4,348,000円 4,211,800円 3,832,740円

出所:独立行政法人中小企業基盤整備機構ホームページに加筆

税の取り扱い

掛金

全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)

給付

  • 年金受け取りの場合は公的年金等の雑所得として課税。

雑所得を計算(算出)する際に、公的年金の収入額に応じて、一定の金額が控除される。

  • 退職一時金として受け取る場合は退職所得課税。

※退職所得控除があり、他の所得とは分離して課税される。

次回は財形年金の活用方法などについてです

ではまた。

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