「当てる」より「壊れにくい」── PFDが提案する投資の意思決定

私たちの暮らしは、予測の当たり外れで左右されがちです。けれどPFDが重視するのは、外しても壊れにくい器を先につくること
美しい理論に寄りかからず、現実のゆらぎに耐える設計を丁寧に積み上げる。それが、これからの時代の“信頼できる投資”だと考えています。

1. 理論の安心感に寄りかからない

枠組みそのものを否定する必要はありません。ただ、前提が崩れた瞬間に最適解は姿を変える――その事実を出発点にします。
「説明できるから正しい」のではなく、壊れにくいから信頼できる。PFDの設計はこの順番を守ります。

2. 分布を仮定しないサイズ設計──“最大損失から逆算”

口座を100としたとき、1つのアイデアに許せる損失をまず「1〜2」に固定します。次に、最悪を見込んだ下落率(スリッページ込み)で割り、エントリー額=最大損失 ÷ 想定下落率としてサイズを決定。
ここでは確率推定を置きません。さらに、時間ストップ(例:21営業日で材料ゼロなら半分縮小)と、二段の逆指値(浅め・深め)で“尾”を鈍らせます。

実務メモ(例):最大損失=1、想定下落率=12% → エントリー額≈8.3。
逆指値:-7%(浅)/-13%(深)。時間ストップ:21営業日進展なし→半分縮小。

3. 事実トリガーで“玉の大小”を決める

勘や主観確率ではなく、事実の数でサイズを変えます。イベント仮説なら、たとえば次のチェックを事前に用意。
①大量保有の新規5%超、②IR文言の変化(資本構成の最適化 等)、③包括提携→資本提携の進展、④M&A色の社外取締役、⑤自社株の取得/消却強化。
点灯数0=見送り、1〜2=小、3=中、4〜5=大。再現可能なルールで、説明のための“理論寄り”から距離を置きます。

  • 0個:見送り(入らない)
  • 1〜2個:小ロット(最大損失上限の50%)
  • 3個:中ロット(同100%)
  • 4〜5個:大ロット(同150%まで/相関管理を厳格に)

4. 因子まで分散する──「同じ理由で同じ日に負けない」

銘柄の分散だけでは不十分です。テーマ(AI、電力、光、冷却、FA商社 等)と因子の分散を両立し、同一因子への偏りを避けます。
完璧なヘッジは不要でも、ざっくり半分打ち消す薄いペアで尾の厚みは確実に減ります。目的は、生き残る確率を上げること

5. 負け方を先に決める──価格・時間・ニュースの三本柱

エントリーの巧拙より、撤退の統一が先です。価格ストップ(直近安値割れ−8〜−15%)は機械的に。
時間ストップ(X日/週で材料ゼロ→半分縮小)。ニュースストップ(否定IR/当局差し戻し→即フラット)。
これらを発注と同時にセットすれば、相場中に迷わない。撤退は失敗ではなく、次の機会に資金を渡す行為です。

6. 上は開き、下は固める──“オプション的”な形を現物でも

ボラの見立てに頼らず、損失は限定・上方は開放のペイオフを、現物でも擬似的に作れます。
小さめ現物+深め逆指値/分割利確のトレーリングなど、複雑な仕組みに頼らずとも“形”はつくれる。鍵は、先に損失関数を決めることです。

7. 伴走の型──お客さまとの対話を「器づくり」へ

PFDの面談では、最初に「当てる話」をやめます。代わりに三つの問いを置きます。
① 前提はいつまで有効か(寿命の確認)
② 外したらどう壊れるか(負け方の共有)
③ 誰がやっても同じ手順か(再現性の確保)
ここから設計図(最大損失%・逆指値幅・時間ストップ日付・ニュース分類)を一枚にまとめ、ご家庭の文脈に沿った“壊れにくい器”を整えます。

まとめ──「予測」ではなく「設計」で信頼をつくる

当てに行くほど、外れたときの傷は深くなります。PFDは、最大損失から逆算するサイズ、事実トリガーの運用、因子分散、価格/時間/ニュースの三本柱で、
外しても折れない意思決定を標準化します。説明のための理論ではなく、暮らしを守るための設計を――それが私たちの約束です。

まずは“あなたの器”を一緒につくりましょう

面談では、ここで紹介した設計をあなたの状況に合わせて一枚の「投資プレイブック」に落とし込みます。
最大損失%・逆指値・時間ストップ・ニュース分類まで、その場で具体化します。


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