
借金する人がいなくなると世の中からお金が消える!
あなたもどこかで聞いたことがあると思います。
全ての借金が返済されることは起きないと思いますが、理論上はそうです。
ですから、借金する人がいなくなると困った事態になります。
ちょっと記憶も薄れましたが、2007年に起こったでき事。
サブプライム危機、リーマンショックを思い出してください。
住宅を購入した人たちがローンの支払い不能に陥り、借金の膨張が止まり、債券市場が暴落して大規模な金融危機を招きました。
そして、破産や資産が激減するという事態に直面し、多くの人が手痛い思いを被りました。
しかし、一方ではこの事件を機に大金持ちになった人たちも。。
リーマンショックを題材にした映画「マネー・ショート」にその様子がよく描かれています。
この映画の登場人物のように行動するのは難しいでしょうし、その動機となる情報を見つけ出すことも簡単にできることではありません。
私たちが入手できる情報は誰かの解釈を介したもので、事実を知ることが困難だからです。
時間の経過とともに更に、その歪みは大きくなっていく。
私たちは、その情報を基に自分の類似性に沿って判断を下します。
事実から遠のいた情報をもとに、自分の都合のいいように解釈して判断しているのです。
世の中には、そのねじ曲がった情報を適正に変換していく類似性を持った人たちもいます。
もちろん、彼らは私たちと同じ人間です。
彼らが入手した情報は同じもの。
ただ、その見方が異なっているのです。
彼らがフォーカスしていたのは投資情報ではなく世界のお金の動きでした。
しかし、一般的には専門家たちが提供する投資情報を当てにするでしょう。
つまり、自分の頭で深く考えようとしない。
例えば、借金がそうです。
際限のない米国の歳出をヨーロッパ、中国、日本などの国が支えている。
今デフレ状態が続いていますが、これは消費が低迷しているからです。
その一つの原因が、借金をする人や会社が激減したこと。。。
どんな経済政策も消費が伴なわなければ軌道に乗りません。
そのことについては前回の投稿の中で解説してるので、そちらを御覧ください。
確かに今の日本経済には不安材料がたくさんあります。
さらに、それを余計に煽っている人たちもいるので、借入を起こしてまで夢や目的をかなえようとする人や会社が激減するのも仕方ありません。
しかし、私たちが必要以上にローンを組むのをやめたり、お金を使わなくなったり、投資をしなくなったらどうなるでしょうか?
この冷え切った経済状況がさらに長引くことになります。
やがて他国に完全に支配された国になってしまうかもしれません。
本来であれば個人的な懐具合と関係のない日本国政府が、もっと積極的に投資をするべきだと思います。
しかし、大半の国民がそれを許さないというジレンマもあります。
誤った情報が跋扈しているからです。
その誤りを正し、もっと国を豊かにしようという気概のある政治家もいません。
マスコミなどによる偏った情報提供、金もうけに明け暮れる御用学者たちも国を衰退させている原因のひとつになっていると思います。
借金をする人の方が早くお金持ちになれる!?
理にかなった借金は、お金持ちなるスピードを加速してくれます。
なぜなら市場に流通しているお金の本質は借金だからです。
知識があれば、貧乏になる借金ではなく、お金持ちになる借金ができるようになります。
あらかじめお膳立てされた仕組みにコツコツとお金を積み立て続けてもお金持ちにはなれません。
例えば、確定拠出年金(iDeCo)などはどうでしょうか?
これは日本版401Kといわれているものです。
401Kとは米国内国歳入法の条項名(401(k))にちなみ、退職所得補償金積立に対する課税上の特典が与えられているもで1978年に導入されました。
ちなみに日本では2001年10月に導入され17年が経過しました。
米国と比較すると経験値は乏しいと言えます。
米国が401k導入する以前の企業年金制度はDB、つまり確定給付型でした。
これは日本も同じです。
従業員だった人に生涯にわたって一定額の年金を給付する制度です。
一方、確定拠出型(DC)年金は、従業員が生涯のお金を自分で貯めなければならない制度です。
受け取れる年金の額は、退職時のその年金口座の残高によって決まります。
つまり、プランそのものに無理があったり、株式市場が暴落すると資産が激減する可能性があるということです。
残念ながら、米国でその悲劇が起こりました。
当然ながら、それは全て自己責任です。
日本も今その方向にどんどん進んでいます。
このDC年金への移行は、株式市場という不確実な世界にたくさんの人々を誘いました。
つまり、情報弱者が必ず負ける構造の真っ只中へ放り込まれたわけです。
問題は十分な投資・運用教育がなされていなかったことです。
そして、今もその状況は変わっていません。
買う側にわかりやすく、売る側にとって都合のいいその仕組みは、市場を席巻し続けています。
今世界中の労働者が、引退後の資金不足という有り難くない可能性に直面しています。
更に深刻なのは、その世界がほとんど金融知識のない人たちによって構成されているということです。
彼らは安定した老後を想定してお金を預けているのですが、それが銀行と株式市場にお金を放置していることに他ならない、ということに気づいていません。
つまり、金融危機の大半を引き起こした仕組に依存しているわけです。
今のままだと将来貧乏になることは目に見えています。
そのような悲惨な事態にならないための知識をこれからご紹介しましょう。
財務諸表を理解する
はじめの一歩は、財務諸表を理解すること。
財務諸表とは、企業の健康診断書のようなものです。
例えば、投資対象の企業がどのような状態なのかをチェックすることができます。
その財務諸表は、主に貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の3つの計算書でなりたっています。
資産と負債を適切に区別する
次は資産と負債の解釈についてです。
多くの人がお金で苦労している理由は、お金の解釈が間違っているからです。
その一つに負債を資産と勘違いしていることがあげられます。
負債を資産だと思い込ませる罠がコモディティ化(一般化)した仕組みなので、なかなか気づくことができません。
2008年のリーマンショックによってそのことに気付くことができたわけですが、わかってない方もいると思うので説明します。
これはクリントン大統領の政権下で起こったでき事です。
このとき投資対象の価値が上昇することが前提でした。
その投資対象の矛先がマイホーム購入に集中していました。
つまり、購入したマイホームの値上がりが前提で、無理な貸し出しが行われていたのです。
ところが、本来なら値が上がるはずのものがどんどん下がり始めました。
資産だと思って購入したはずのものが、この時一気に負債に変わってしまったんです。
最悪だったのは、金融工学のエキスパートたちが、このローン債権を証券化していろいろな金融商品に取り込んで、安全で健全な商品として市場に流し込んだことです。
商品の「格付け」をある意味偽装したわけです。
格付けとは、売りだされた商品の安全性の指標です。
この商品はとても安全ですよ!という信頼感が被害を大きくしました。
しかし、実際には違いました。
計算違いをしたのか、知っていて仕組んだのかは定かではありませんが、権威への過信が起こした悲劇です。
それ本当に資産ですか?
あなたのマイホームは資産でしょうか?
それとも負債でしょうか?
住宅を購入していいかどうか?
そのアドバイスを求めて来る人は多いです。
その方たちはマイホームが資産であると確信していました。
また、購入目的が曖昧で、収支バランスを診断すると購入に耐えうるかどうか心配になる方が大半でした。
なぜ、無謀ともいえる買い物をする人が後を絶たないのでしょうか?
人間は、自分の欲望に準じた提案をしてくれる人を歓迎します。
それが判断を誤りやすい環境を作り出します。
一方、資産形成の上手いクライアントは、マイホーム購入は負債を抱えることだと考えています。
それを証拠に数十億円の資産を持ちながら個人は賃貸住まいという方も多くいます。
そして、家賃の全部または一部を経費として計上しています。
なぜ彼らはマイホームを負債だと断言するのでしょうか?
資産と負債、それぞれの定義が一般的なそれとは異なるからです。
彼らは、お金を常に自分に運んできてくれる仕組みそのものが資産、逆にお金を自分から奪っていく仕組みは負債、と定義しています。
ましてやローンを組んで負債(マイホーム)を購入するなど考えられないわけです。
ローンを組んでマイホームを購入した時点のバランスシートを観るとそれがよくわかります。
なぜなら、金利と諸費用分が赤字です。
たとえば新築物件の資産価値は居住した時点で即座に下がります。
つまり、マイホームが資産だと思い込まされてる人たちは、お金の流れがどんどん滞っていきます。
それ誰のための借金?
例えば、ローンを組んでマイホームを購入した直後の収支は、4,000万円の物件+ローン金利1,000万+諸経費で、初期1,000万円+諸経費が赤字分です。
その赤字分は100%あなた以外の人のためのお金です。
誰もあなたの代わりに、あなたの赤字分を返すために働いてはくれません。
値上がりして黒字になった時に売却すれば、資産といえるじゃないか!
そんな声が聞こえてきそうです。
では、その時にマイホームをタイミングよく手放すことができるでしょうか?
また、完済した後、そのマイホームはお金を運んできてくれるでしょうか?
残念ながら、お金を運んできてくれません。
逆に所有している限り諸経費や税金を支払い続けなければなりません。
例えば、何年かに一度は、高額なメンテナンス費用が必要になるでしょう。
もちろん、マイホームを購入する目的は資産形成目的だけではないでしょう。
しかし、その資産以外に得たいと思っている目的は、マイホームを取得しないと得られないものなのでしょうか?
かなえられないものなのでしょうか?
今一度慎重に考える必要があると思います。
フランスかどこかの諺だったと思います。
『一日だけ幸せでいたいならば、床屋にいけ。一週間だけ幸せでいたいなら、車を買え。一カ月だけ幸せでいたいなら、結婚をしろ。一年だけ幸せでいたいなら、家を買え。一生幸せでいたいなら、正直でいることだ。』
お金持ちになっていく人は、お金を運んでくる仕組みづくりのために働いています。
一方それ以外の人は、負債を資産と思い込まされて他の誰かのために働いています。
マイカーを買い、マイホームを購入して、収入が増えると更により高級な車を買い、より大きな家、立地条件の良い場所に住み換えようとします。
そうやって、自分以外の人の為にもお金を使い続けていきます。
そして、想定外の風が吹いたときにこう思うのです。
こんなはずではなかった、と。
私の知人にマイホームを2度購入した方がいらっしゃいます。
その方は70歳を過ぎた今でも住宅ローンを支払い続けています。
不動産ブーム時に投資家気取りで参入した多くの方は、その後どうなったか?
記憶に残っている方もいらっしゃると思います。
負債を資産と思い込まされ、キャピタルゲインに目を奪われ、キャッシュフローの重要性を軽視してしまった結果どうなったか。
『散髪が必要かどうかは床屋に聞いちゃいけない。』
『リスクはあなたが何をやっているか理解していない時に起こる。』
ByWarren Buffett