
老後プランを考える前に-Ⅱ
老後プランはいつ頃から考え始めたらいいのでしょうか?
置かれた環境によって異なると思いますが私の場合は38歳でした。
考えざるを得ない状態に追い込まれてしまったからです。
老後のイメージは人それぞれだと思います。
楽しみにしている人もいれば、不安をいだいている人もいるでしょう。
私は38歳の誕生日記念に収支バランスをシミュレーションしてもらったんですが・・・
その結果を知って唖然としました。”ヤバイ”と思いました。
70歳で資金が枯渇してしまうシミュレーションだったからです。
年利3%で運用できれば問題ないというアドバイスでしたが、当時は運用する方法を知らなかったので焦りました。
それで「60歳以降でも収入を得られる手段を得るために今から準備する」という考えに至りました。
それまでの人生と将来を真剣に見つめ直した結果、もう一度起業する道を選択しました。
「一生涯お金の流れが滞らない仕組みを所有したい」と思ったからです。
何度もくじけそうになり絶望的な状態にも陥りましたが、3度目の起業から15年経った今(2016年現在)、あのときの決断は間違いではなかったと確信してます。
※3度の起業経験から学んだことや大失敗については「こちらのデザイン戦略」を御覧ください。
年を重ねたからこそ生かせる特性がある!?
通算26年の経営経験、心理学・哲学・ファイナンシャル理論を生かして、起業やビジネス戦略のアドバイスを今から(2016年)12年前に始めました。
その間、ある問題をずっと抱えてきました。
それは、「50代後半の人たちのライフデザインがうまく改善できない」という問題です。
ですから、それについては既に結論を出してました。
「60歳近くにもなると融通が利かなくなり、思考や習慣を変えるのは至難の業。だから私はこの領域の人はクライアントにしない」という結論でした。
つまり、お互いフラストレーションが募るばかりで、ビジネスにならないと思っていたのです。
クライアントの成果(成長)=ビジネス成果だからです。
でも自分自身の事となるとそうは言ってられません。
矛盾しているかも知れませんが、まだまだ成長し続けたいし、できるはずだとも思っていました。
自分にはまだまだ伸びしろがあると・・・・
そうでなければ、このビジネスを続ける資格がないと・・・
それでいろいろ模索しているうち脳神経化学の分野にたどり着きました。
そこで多くの研究事例を知り、加齢に対しての考え方がガラッと変わりました。
例えば、そこにはこういうことが書いてあったのです。
「確かに年をとると記憶力は落ちる。
しかし、その一方で年を重ねるにつれて際立ってくるある特徴がある。
それは注意力が向上するということと、何でもポジティブに転換できる能力。
他にも若いときより有利な特長はあるが、特にこの2つは際立っている。」
今となっては至極当然のことですが、当時は探求する気も起こらなかったわけです。
ですから、依頼があってもそれとなくお断りしていました。
思えば、年齢にボーダーラインを設けてしまうというのは全く滑稽な話です。
脳年齢にあったアプローチが必要
今、私を訪ねてくるクライアントさんの中心は40代・50代の方ですが、65歳をこえた方も多数いらっしゃいます。
私自身も50歳半ばをこえたこともあり、脳年齢にあったアプローチ方法が必要であることを日々痛感させられています。
それまでに私が用いていた技能は、どうやら非常に遅れた脳化学(米国の脳科学研究費の20分の1の予算)と古い心理学をベースにしたものを活用していたようです。
それが最新のもどだと思い込んでいたので、その間違いに気づく術もありません。
全くお恥ずかし限りです。。
思えば、柔軟性のある若年層にさえ効果が薄いものを、多くの経験によって培われた思考を所有する方たちにも、使いまわししていたわけです。
今は、クライアントとともに私自身も大きな変化を体験することができるようになりました。
例えば、コーチング開始から2ヵ月で、単価350万円のコンサル契約を獲得し、起業するに至った59歳の男性。その他、ブティックのオーナー、建設会社の社長、ハウスクリーニング経営者、デザイナーなどなど・・・
予想以上の結果なので私も驚きましたが、一番驚いていたのはご本人たちでした。
しかし、これは私の技能が勝れているからではありません。
ただ、ご本人に自身の能力を自覚してもらっただけですからね。
※その方法については「デザイン・コーチング!」や「ビジネスをデザインする」を参考にしてください。
例えば、以前にも話したことがありましが、ジェロントロジーという学問をご存じでしょうか?
寿命を延ばすことから生活の質を高めることへ!
ジェロントロジーとは老年学ないし加齢学と呼ばれていて、高齢者と高齢社会を総合的・学際的に研究する学問です。
それは高齢者研究の課題が寿命を延ばすことから生活の質を高めることに移行した段階で登場したもので、高齢者のポジティブな可能性に光を当てることを目的としています。
このジェロントロジーを主導する概念は「サクセスフル・エイジング」という考え方で、単に偶然に幸せになったという意味ではなく、成功裏に老いるという加齢のプロセスが含まれています。
そして成功裏に老いた人たちを調査した結果、サクセスフル・エイジングは先天的なものではなく、後天的に獲得できるもであるということが明確になりました。
この研究によって「老いることは病むこと」「老人に新しい技術を覚えさせることはできない」「高齢者の健康増進は手遅れ」「老化は遺伝によってほとんどが決まっている」といったことが偏見であることが実証されつつあります。
例えば、過去に比べて高齢者がかかる病気の平均数が劇的に減少していたり、動脈硬化、認知症、高血圧、脳卒中などが大きく減少したりしています。
記憶力は衰 えるものの、加齢と経験により智慧や判断力など思考における賢さは増します。高齢期でも運動により身体能力、筋肉の大きさ、体力を向上させることができま す。
そしてまた、身体的老化のうち遺伝によるものは30%以内にとどまり、他は環境とその人のライフスタイル次第で疾患の進行見込みに多大な影響を持つこ と が実証研究により明らかにされています。
ジェロントロジーの示すところの3つの鍵
- 病気を避ける
- 高い精神的・身体的機能の維持
- 人生における熱心な活動
これらのことが実行できれば、人間は100歳をこえて生きられる可能性があるといわれています。
「老後なんていう言葉はもうこの世に存在しない!」
そのぐらいの考え方でちょうどいいのかもしれません。
これから巷で言われている老後の常識についてお話しますが、是非ジェロントロジー的な視点に立って俯瞰してみてください。
※健康管理や増進、生命に関しては「ちょっとスピリチュアリティな健康法」を参考にしてください。
それではまた。