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こんにちは、MSインテグラル・デザイン研究所の斉木です。前回は「 老後の資産を増やす方法と老後の収入プラン、そして資産の承継」でした。今回は、老後のリスクプランとリスクについて取り上げてみました。

老後の対策は、ライフプランを考える上で極めて重要な意味を持っています。

収入の途絶えるこの時期をどう迎えるか?

その内容によって準備期間でもある現役時代をどう設計していくかが変わってくるからです。

豊な老後生活を目標とするのか、質素に過ごすのか、或いは一生現役を目指すのか、どんな老後を計画するか、ライフプランの中心はその期間のキャッシュフローを計画することにあるといっても過言ではありません。

今回は老後の生活設計の一部でもある老後のリスクとその軽減方法について解説しよう。

老後の資金計画

一般的に考えて退職後の収入の柱は公的年金ということになります。受給金額は生年月日と年金加入暦、現役時代の収入(厚生年金・共済年金の場合)によって異なります。

また年金の改正によって受給年齢が引き上げられるようになったため、受給開始時期も生年月日によって異なります。

従って、自分がいくら年金を受け取れるのか確認しておく必要があります。

年金の加入暦については基礎年金番号が分かれば日本年金機構のホームページや年金事務所の窓口で調べる事ができます。

記録の漏れや誤りを見つけたら訂正手続きを行ってください。

もし基礎年金番号が分からない場合は本人確認書類を持って年金事務所の窓口へ行ってください。

具体的な年金見込み額は、「制度共通年金見込み額照会回答票」で確認できます。

ただし、回答票や年金定期便には、共済年金加入期間や厚生年金基金加入期間に相当する「報酬比例部分」は記載されていませんので、別途っくにんが必要になります。

老齢基礎年金を受給する場合、繰上げ受給・繰下げ受給という選択肢があります。

参考▼

繰上の場合は60歳まで可能で、受給額は1ヶ月0.5%の割合で減額され、通常の70%になります。

繰下げの場合は、70歳まで可能で、1ヶ月0.7%の割合で増額され、通常の142%になります。

一度繰上請求をすると変更できませんので、慎重に選択してください。

なお、60歳代後半以降も厚生年金適用事業所に在職していると老齢厚生年金が減額される場合がありますので注意してください。

公的年金以外の老後収入プラン

「私的年金」つまり企業年金や個人年金、それから「仕事」「資産運用」「資産活用」などが考えられます。

改正高齢雇用安定法により企業には定年制の廃止、定年年齢の引き上げ、継続雇用制度の導入などが義務付けられています。

公的年金を満額受給できるまでの収入を得る方法としては最も現実的な方法でしょう。

ただし、雇用継続にあたっては、勤務時間の短縮や給与の引き下げなどの条件変更が行われるのが通例です。

またこれまでの経験やスキルを生かして新たな職場で働くという選択肢もあります。

一方、中高年の雇用環境は厳しいため起業という道を選ぶケースも目立ってきました。

事業種類によっては直ぐに収入を得ることの出来ないこともありますから、事前の資金計画が必要になります。

また資金が潤沢だとしても事業を継続していくことは並大抵なことではありません。

事業を継続していくためには、やはり能力も然ることながら、熱意、そして成功するまで諦めないといった忍耐力の方が重要だったりします。

「成功するまで諦めなければ失敗は無い」というのが成功者の哲学です。

再就職、起業の他に持っている資金を運用して収入を得るという方法も考えられます。

インフレに対応するためにもある程度必要だと思いますが、リタイア後では、現役時代と比べてリスク許容度が低くなるのが一般的です。

従って投資対象の商品リスクを十分理解した上で、安全性を重視した運用を心がける事が重要です。

老後資金が不足する場合や現在の場所以外に住む場合は、マイホームを資産として活用するという方法もあります。

住宅の買換えで得られた利益を老後資金に充てルことが出来、付随する費用も削減できる可能性があります。

或いは、転居によって空いた自宅を賃貸してキャッシュフローを得るという方法も考えられます。

増築やリホームをして一部を賃貸するするということも考えられます。

自宅を担保に資金の貸付を受け相続死亡時に精算する、所謂「リバースモーゲージ」等によって生活資金を確保していく方法も考えられます。

老後の資産運用

金融自由化により金融商品が驚くほど増えました。選択肢が大きく広がった分、商品の選択如何での格差がよりいっそう目立ってきています。

金融危機などにより大きな損失を抱えてしまった例も多くあります。

いろいろな消費者を保護する法律はありますが、結局、運用責任は個人にあります。

あくまでも自己責任だということを改めて、強く認識しなければなりません。

従って、自分がリスクに対してどの程度の許容範囲があるかを認識しておく必要があります。

ポイントとしては退職後のライフスタイルを重視して、リスク許容度に応じたポートフォリオに徹することです。

運用にのみではなく、分散、安全性、流動性、収益性のバランスを考慮しつつ組み立ててください。

注意点▼

分散というとペーパーアセットのみの方が大半ですが、それは本来の分散投資ではありません。

商品を進められるまま、限られた情報の中から選択しているからそのような事になるのです。

投資の可能性というのはもっともっと大きいです。広いです。

お金に色はありませんが、老後の生活に必要な「生活資金」「予備資金」「ゆとり資金」に色分けして、それぞれに見合った選択をすることが重要です。

「老後の生活資金」は第二の人生を送るための大切な資金です。

公的年金をはじめ、企業年金や個人年金、退職一時金などで確りと確保しておきましょう。

死後の整理資金や万一のための準備資金として予備資金を確保しておきましょう。

これらの費用は直ぐに必要になるものではありませんが、老後の安心の為に予め準備しておきましょう。

生活費、予備資金で手一杯!そんなこと言わないでくださいね。

第二の人生をエンジョイしてください。

ジェロントロジーのこと、思い出してください。

参考▼

ジェロントロジーについては、「老後の生活設計、セカンドライフ・シミュレーション」の中で解説していますのでそちらをご参照ください。

今からでも遅くはありません。

人生は愉しむためにある!

ゆとり資金を確保して、旅行、趣味、創作活動、ボランティア活動などに是非、活かして下さい。

老後のリスクマネジメント

成年後見制度について

成年後見制度とは、認知症や知的障害のために判断能力や意思能力(自己の行為の結果を判断・予測できる知的能力)が不十分な状態にある人を支援し、その権利譲渡を図る制度です。

近年、休息に高齢化が進んでいます。

参考▼

平成26年度の障害者白書によりますと知的障害者74万1千人、精神障害者320万1千人となっています。

そしてその数は更に増加すると予想されて、同時にその保護者たる両親の高齢化という新たな問題も発生しています。

一方、意思能力に障害を持つ人達の保護のありかたとしては、「自己決定の尊重」「残存能力の活用」「ノーマライゼーション」などの新しい理念に基き欧米諸国では成年後見制度の改革が行われました。

こうした内外の状況に対応するため日本においても従来の制度を抜本的に改めた新しい成年後見制度の創設が求められました。

参考▼

従前の禁治産・準禁治産制度は、思考能力に障害のある人を取引の場から排除することによって本人の財産の財産を保全すると共に取引の安全を図るという点に主眼が置かれていましたが、成年後見制度では、社会生活の中で可能な限り本人の意思と能力を生かし、その自立を支援することを重視しています。

成年後見制度は介護保険制度の導入と同時に施行され、この介護保険制度によって福祉サービスのあり方が「措置から契約へ」と転換しました。

これまでのように行政の判断で与えられるものではなく、自分の意志で選択し、契約を経て利用するものに変ったのです。

従って判断能力が不十分な場合は契約できないということになり、そのままでは福祉サービスを受けることが出来なくなってしまいます。

その様な方が安心してサービスを受けられるように支援することが成年後見制度の大きな役割の1つになっているのです。

つまり介護保険制度を導入するためには成年後見制度の創設が不可欠だったというワケです。

施設や福祉サービスを利用するときには、当事者が福祉サービスを提供する指定事業者・施設と契約を交わす必要があります。

それだけに成年後見制度の役割は大きなものとなっています。

この成年後見制度は従前の禁治産・準禁治産制度を大幅に改定した「法定後見制度」と「任意後見制度」からなりたっています。

従来の戸籍への記載を取りやめ、それに変るものとして「成年後見登記制度」を設けています。

法定後見制度

後見・保佐・補助の3種類の制度が設けられています。

判断能力が不十分な人に対して審判の申し立てにより家庭裁判所が成年後見人・保佐人・補助人を選任する制度です。

このうち後見は精神上の障害により判断能力を欠く状況にある人を保護対象とする制度で家庭裁判所が申し立てを受けて後見開始の審判を行い、後見人を選任します。

後見人は財産に関するすべての法律行為について本人を代理し、本人が自ら行った法律行為は取り消す事ができます。

ただし、「自己決定の尊重」の観点から日用品の購入その他日常生活に関する行為は除外されます。

保佐は、精神上の障害により判断能力が著しく不十分な人を保護対象とする制度で家庭裁判所が申し立てを受けて保佐開始の審判を行い、保佐人を選任します。

保佐人は民法第13条1項に規定する行為についての同意権・取消権が付与されます。

また審判によってそれ以外の行為についての同意権・取消権や当事者が申し立てにより選択した「特定の法律的行為」についての代理権を付与することもできます。

「自己決定の尊重」の観点から、代理権の付与については本人の申し立てまたは同意が要件となります。

本人が保佐人の同意を得ずに「民法第13条1項に規定する行為」を行った場合にはその行為を取り消す事ができます。
参考▼

民法第13条第1条(保佐人の同意を要する行為等)の条文

第13条(保佐人の同意を要する行為等)

1、被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

(1)元本を領収し、又は利用すること。

(2)借財又は保証をすること。

(3)不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。

(4)訴訟行為をすること。

(5)贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。

(6)相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。

(7)贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。

(8)新築、改築、増築又は大修繕をすること。

(9)第602条に定める期間を超える賃貸借をすること。

2、家庭裁判所は、第11条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその 保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

3、保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。

4、保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

補助は、精神上の障害により判断能力が不十分な人を保護対象とする制度で家庭裁判所が申し立てを受けて補助開始の審判を行います。

それによって補助人を選任し、個別の審判によって当事者が申し立てにより選択した「特定の法律的行為」についての代理権または同意権・取消権を付与されます。

また、代理権と同意権・取消権の双方の付与も可能です。

代理権の対象行為に制限はありませんが、同意権の対象行為は民法第13条1項に規定する一部の行為に限られます。

本人が補助人の同意を得ずに同意権の対象となる本人が自ら行った特定の法律行為は取り消す事ができます。

ただし、「自己決定の尊重」の観点から各審判においては本人の申し立てまたは同意が要件となっています。

注意点▼

なお、成年後見人・保佐人・補助人が本人に代わり居住用不動産について売却、賃貸、賃貸借の解除または抵当権の設定その他これに準ずる処分を行う場合は家庭裁判所の許可が必要です。

次回は、国のリバースモーゲージ制度や賃貸用不動産の投資などについてです。

ではまた。

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