住宅プランとライフデザイン・シリーズ№3

住宅ローンには、公的融資と民間融資があります。

公的融資としては、住宅金融支援機構、財形住宅融資、自治体融資がありますが、住宅金融支援機構は、災害 復興住宅融資、住宅債券積み立て、住宅積立郵便貯金利用者への融資など一部の例外を除き、新規の融資は行っていません。

財形住宅融資は財形貯蓄を行ってい る勤労者を対象とした融資制度で、4つの方法があります。

詳細はこちらをご覧ください。

その他の公的融資としては、住民に住宅購入資金の融資や利子補給等を行う都道府県や市区町村が行う独自の制度がありますが、近年は多くの自治体で休止または廃止になっています。

  • 民間の住宅ローン
  • 住宅ローンの借り換え
  • 住宅ローンの繰り上げ返済
  • 借地上建築物と定期借地権付き物件への融資
  • 住宅ローンの返済計画
  • 返済計画のポイント

民間の住宅ローン

民間住宅ローンの特長
民間住宅ローンは金融機関によって異なりますが、大まかな内容としては、融資限度額が5千万~1億、最長返済期間は35年が多く、一部の金融機関では45 年、50年というところもあります。
融資年齢は20歳~60歳で完済時の年齢は70歳または75歳、各金融機関が指定する保障会社の保障が得られること、原則として団体信用生命保険に加入できることが条件になります。
融資金利は変動金利が中心ですが、固定金利期間選択型や固定金利型を扱うところもあります。
フラット35

フラット35とは住宅金融支援機構が民間金融機関の住宅ローン債券を買い取り、その債券を信託銀行等に信託し、それを裏づけとして住宅金融支援機構が資産担保証券MBSを発行し、投資家から代金を受け取ることによって、住宅ローン貸し出しのための資金を調達したものを貸し出す仕組のことです。

この仕組を活用することにより、長期固定金利の住宅ローンが民間金融機関でも可能になったわけです。フラット35住宅ローンの金利は住宅金融支援機構債券の利率等を元にそれぞれの金融機関が決定する事になっています。

なおフラット35には長期固定金利型のフラット35と変動金利型や固定金利選択型の住宅ローンを一体化したフラット35パッケージ。

民間金融機関が提供する住宅ローンに対して住宅金融支援機構が保険を引き受ける形のフラット35保証型。

「省エネルギー、耐震性、バリアフリー、耐久性・可変性」などの一定の要件を満たした住宅を取得するときに活用できるフラット35S

長期優良住宅の認定を受けた住宅に限って利用できる返済期間の上限を50年とするフラット50などがあります。

フラット35買取型と保証型の違い
買取型 保証型
ローンの貸し手 金融機関等、ただし、住宅ローンは融資後に
JHFA(住宅金融支援機構)が買い取る
金融機関
取扱い金融機関 344機関 5機関(4機関は休止中)
返済窓口 申込んだ金融機関 申込んだ金融機関
資金の使いみち 本人または親族が居住する①住宅の建設、②新築住宅の購入③中古住宅の購入または④住宅ローンの借換えのための資金 本人または親族が居住する①住宅の建設②新築住宅の購入③中古住宅の購入または④住宅ローンの借換えのための資金
融資金額 100万円以上8,000万円以下(1万円単位)で、建設費または購入価額(非住宅部分に関するものを除きます。)以内 8,000万円が上限
(建設費または購入価額の9割または10割まで。上限は取扱金融機関によって異なります。)
担保 融資対象となる住宅及びその敷地に住宅金融支援機構を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定が必要です。 融資対象となる住宅及びその敷地に金融機関を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定が必要です。
団体信用生命保険 機構団信特約制度を利用できます。団信特約料が別途必要です。 構機団信特約制度は利用できません。金融機関の提供する団体信用生命保険に加入する事になります。
(注)金融機関により取扱いは異なります。

平成26年8月1日現在:住宅金融支援機構サイトより引用

住宅ローンの借り換え

公的融資は借り換え利用ができませんので、借り換えの場合は全て民間金融機関ということになります。

同一金融機関内での変動金利型から固定金利型・固定金利選択型への借り換えは原則として出来ません。また借り換えは新規融資扱いになるため担保評価により融資額がきまります。

担保価値としては実勢価格の70%~80%が限度で、評価割れの場合は新規融資が受けられず借り換えが実行できないケースがあります。

そして、借り換えの効果が期待できるのは、一般的なデータからすると「新規融資との金利差が1%以上、残り期間10年以上、ローン残高以上」が目安になります。

また、他の借り入れにより抵当権等が設定されている場合は、抵当権の順位変更登記の承諾が必要になります。

担保評価額を上回って融資可能な金融機関もありますが、担保評価額を超えた分は無担保融資になります。

他に借り換えに際しての費用の把握もしておく必要があります。

費用としては、印紙税・抵当権抹消費用・新規融資に対する抵当権設定費用・司法書士手数料・保証料・事務手数料などがあります。

借り換えに当たってはこれらの諸費用も含め、返済負担の軽減効果があるかどうか判断してください。

住宅ローンの繰上返済

住宅ローンの繰上返済とは、現在返済しているローン元金部分の一部や全部を返済する事により返済期間の短縮や返済額の軽減をすることで、期間短縮型と返済額軽減型があります。

期間短縮型とは毎回の返済額は変えずに返済期間を短縮する方法です。

ただし、ステップ返済(一定期間返済額を抑えている)などを利用している場合には繰上返済の翌月から返済額がアップする場合がありますので注意が必要です。

返済額軽減型とは返済期間を変えずに毎回の返済額を少なくする方法です。

ただし、変動金利型の住宅ローンの場合は内入れ時(返済時)の金利水準によっては、必ずしも返済額がすくなるとは限りませんので注意してください。

その他にボーナス支払月の変更、ボーナス時併用払いから毎月払いへ、毎月払いからボーナス時併用払いへ変更やボーナス時払い部分のみの一括返済、元利金等返済から元金均等返済へ、その逆パターン、ステップ返済から通常返済への変更も可能ですが、繰上返済には手数料が必要な場合がありますので予め借入先の金融機関に確認しておいてください。

繰上返済をする際には住宅の現在の資産価値が住宅ローン残債をどの程度上回っているか、リタイアまでに完済する場合、どのくらいの期間の繰上返済をすればいいのか、その際の資金は幾ら必要なのかんどを確認しておいた方がいいでしょう。

繰上返済をする場合は”ライフプランに基づき繰上返済額を決める”ということを忘れないでおいてください。

借地上建築物と定期借地権付き物件への融資

借地建築物への融資
親や親戚からの借地にマイホームを建てたいときなどに利用でき、賃貸借・使用貸借どちらでも利用できます。
「住宅に関する地主の承諾書」と地主の印鑑証明書、借地の賃貸契約書が確認できれば住宅建設資金が借りられます。
親の土地を借地として利用する場合の使用貸借では、無償で使用し、返還する約束なので、使用嫌悪価値は0として取り扱われ贈与にはなりませんが、原則として抵当権の設定は必要です。
また、親が借りている土地を利用する場合は、親の借地権を無償で借りても贈与にはなりませんが、親と土地所有者と土地利用者の 3人で作成した「借地権の使用貸借に関する確認書」を所轄の税務署に届け出る必要があります。
定期借地権付き物件への融資

定期借地権付き分譲住宅は50年後に返還するなどの条件はありますが、所有権付き住宅価格の約6割程度と割安です。

フラット35の場合、通常の借地権、定期借地権について建物取得費と借地権取得地の9割までが融資の対象となっています。

いずれの取得費も地上権設定契約書または賃貸契約書により対価の支払いを確認できること、原則として保証金、敷金返戻請求権に住宅金融支援機構を質権者として質権設定することが必要です。

なお名義書換料、承諾料は融資の対象にはなりません。

フラット35以外の民間住宅ローンの場合、一般定期借地権についてはローンを組めない場合がありますが、なかには定期借地権に対するローンとして専用の定期借地権付き住宅ローンを扱っている金融機関もあります。

住宅ローンの返済計画

住宅ローンの金利

ローンの申し込み時や契約時点で返済終了まで金利が予め決まっているものを固定金利型といいます。

返済期間によって金利が異なり、返済期間が短いほど金利も低くなっています。

借りる側にとっては低金利時は有利、高金利時は不利ということになります。

市場金利の変動に伴ない金利が変動するものを変動型といいます。

金利は6ケ月ごとに改定させますが、毎回の返済額は5年ごとに見直されるのが通常であるため、返済額が変わらない5年間に金利変動により利息の未回収(未払い利息)が生じた場合は、次の5年間で調整することになります。

ただし新返済額は旧返済額の1.25倍までを限度としているため、超えた分は更に次の5年間で調整するという決まりになっています。

変動金利型は他のタイプに比べて金利が低いのがメリットですが、金利の上昇に伴なって金利負担が重くなるかもしれないというデメリットあります。

そこでそのデメリットを解消するために登場したのが固定金利期間選択型です。

変動金利型のローンでありながら一定期間は金利が固定されるというものです。

選択期間は2年~10年程度と銀行によって異なり、固定期間が短いほど金利が低いという仕組になっています。

選択期間が終了した段階で、再び変動型か固定型か選択できます。

ただし、固定型から変動型に切り替えが出来るケースと出来ないケースがあるなど各銀行で商品プランが異なります。

また、市場金利がどのように変動してもあらかじめ設定された上限金利以上にはならない上限金利付き変動金利型(キャップローン)というものもあります。

未払い利息の発生はありませんが、通常の変動金利型よりも金利が高く設定されています。

この他に固定金利と変動金利のミックス型」もあります。

複数の金利タイプを組み合わせられるようになっているところも有り、1本のローンの中で金利タイプを分けられるところと、複数のローン契約をするかたちになるところがあるので事前に確認しておいてください。

元利金等返済と元金均等返済の違い

住宅ローンの返済方法には、代表的なものとして「元金均等返済」と「元利均等返済」の2つの方法があります。

民間住宅ローンでは、「元金均等返済」はあまり一般的ではありませんが、フラット35や財形融資ではいずれの返済方法も利用可能です。

それぞれに次のような特徴がありますので、返済終了までを見据え、収入・支出の見込みや定年・退職の時期などを考慮した返済方法や返済期間を選びましょう。

詳細はこちらを参照してください。

また、元金の返済を据え置いて金利だけを返済していく「元金据置型返済」という方法もあります。

通常は一定期間経過後、元利金等返済に移行するようになっています。

借り入れ期間終了後に一括して返済する方法もありますが、こちらは投資用や節税対策として利用されているケースが目立ちます。

元金を据え置いている間はローン残高が全く減らないため返済期間が長いほど返済額が多くなります。

返済計画のポイント

以前は金融機関の住宅ローン融資限度額が物件価格の80%以内ということもあり、自己資金の目安は物件価格の30%以上というのが通常でした。

しかし、最近では住宅ローンの融資限度額が90%~100%となってきたため、自己資金無しでも購入が可能になってきました。

そして低金利が続く昨今、自己資金の必要性は薄れてきたといえるでしょう。

とはいえマイホーム取得にあたっての諸費用(各税金、保険料、手数料等)が10%程度必要です。

ゆとりのある資金計画が必要であることは否めません。

住宅ローンの返済は長期にわたるため金利差は返済額に大きく影響します。

そのため出来る限り低い金利の融資を利用したいところです。

となると変動金利という事になりますが、変動金利は将来の金利が上昇するかもしれない可能性があります。

金利が上昇すれば返済額が増加しますので、ある程度の上昇を加味した計画が必要です。

「いつ上昇するか分からない」そうした心理的な不安も考慮に入れておく必要があります。

低金利時代の場合には、固定金利を選択してしておくのが安全です。

将来金利が上昇するのであれば結果的に有利になる可能性もあります。

しかしまた金利が上がらない可能性もありますし、更に下がる可能性もあります。

変動金利、固定金利選択型などど組み合わせを考えるのもひとつの方法かも知れません。

ライフプランに沿った返済シミュレーションを何通りか作成して、借入先を比較検討してください。

次に返済額の目安ですが一般的には収入の20%~25%です。

返済可能額は年齢、家族構成等によって大きく変わりますが、通常はその個人の収入をベースに審査され融資が実行されます。

住宅ローン以外にもマイカーローンやカードローンなどがあればそれらも含んで計算しておく事が大切です。

また会社の業績によって変動するボーナス返済の比率はできる限り少なくしておいた方が無難です。

住宅購入以外にも出産、子どもの進学、結婚、定年退職などキャッシュフローに大きく影響するライフイベントが有ります。

昨今の日本の経済状況では収入の大幅な増加は期待できないでしょう。

その一方で増税、子どもの成長と共に増える教育費、そうした中でマイホームを取得していくわけです。

マイホームを手に入れたはいいが住宅ローンで生活が苦しくなって、ライフイベントが達成できかったとしたら、それでは本末転倒です。

教育費や老後資金などを考慮に入れ、ライフプランを立てた上で住宅購入を検討しましょう。

マイホーム用の借金はなるべくしないほうがいい
インフレが進行し金利が上昇すれば変動金利や固定金利選択型のローン金利が上昇し返済額が大きく増えます。
自己資金を確り確保し、借金はなるべくしない方が無難です。
住宅ローンという表現だとなんだかかっこよく聞こえます。
そしてローンを組むのが当たり前、そのような解釈も生まれます。
しかし、住宅ローンは借金以外の何物でもありません。
市場金利が上昇し場合、繰上返済に資金を使うよりも他の方法で運用したほうが有利になります。
そのような環境になった場合、住宅ローンは間違いなく足かせになります。
住宅ローン返済に困ったとき

不況に伴なう倒産による解雇、リストラなどで住宅ローン返済が困難になった人に対して返済期間の延長や元金据置などの返済条件の変更が出来るようになっています。

返済に困った時は早めに相談に行く事が大切です。

定収があり住宅ローンを除く債務総額が5000万円以下の個人債務者を対象に破産せずに生活を再建するための支援制度である改正民事再生法が2001年からスタートしました。

収入から最低限の生活費を差し引いた金額の2年分以上を原則3年間で分割返済し、債務の内この金額を上回る部分は返済が免除されるというものです。

住宅ローンの場合は免除はありませんが、70歳を上限として返済期間を10年間まで延長することができます。

まとめ

  • 民間住宅ローンは金融機関によって異なりますが、大まかな内容としては、融資限度額が5千万~1億、最長返済期間は35年が多く、一部の金融機関では45年、50年というところもある
  • 原則として団体信用生命保険に加入できることが条件、融資金利は変動金利が中心、固定金利期間選択型や固定金利型を扱うところもある
  • フラット35は、投資家から住宅ローン貸し出しのための資金を調達したものを貸し出す仕組
  • 市場金利の変動に伴ない金利が変動するものを変動型
  • 金利は6ケ月ごとに改定され、毎回の返済額は5年ごとに見直されるのが通常
  • 5年間に金利変動により利息の未回収(未払い利息)が生じた場合は、次の5年間で調整することになる
  • 固定型から変動型に切り替えが出来るケースと出来ないケースがあるなど各銀行で商品プランが異なる
  • 市場金利がど変動しても設定された上限金利以上にはならない上限金利付き変動金利型(キャップローン)というものもある
  • 元金の返済を据え置いて金利だけを返済していく「元金据置型返済」という方法もある
  • 変動金利、固定金利選択型などど組み合わせを考えるのもひとつの方法

ではまた。

この投稿はNPO法人日本FP協会CFPカリキュラムに沿って記述しています。

初回カウンセリング

小さな改善で大きな成果を!

将来が漠然としているからこそより大きな成長が期待できる。もしも、既に適切なプランがあるとしたら一気に飛躍できる。

あなたのライフデザインについて一緒に考えてみませんか?