
月1回だけのセンチメント点検──配分と積立を壊さない「3群チェックリスト」
この記事の目的(最初に結論)
- センチメントを“相場予想”に使わず、積立と配分を壊さない装置にする
- 点検は月1回だけ(それ以外のタイミングで触らない)
- 見る順番は信用 → 恐怖 → 期待(この順を崩さない)
- 結論は「買う/売る」ではなく、やっていい行動を限定する
センチメント指標が厄介なのは、情報として“面白い”ところです。面白いものは見たくなる。見たくなるものは触りたくなる。触りたくなるものは、いずれルールを壊します。
そこで、この記事は逆をやります。指標の解説ではなく、指標に触れる回数と、触れた後に許可する行動を固定します。
目的は一つ。配分と積立を、気分で壊さないこと。
1)ルールは「月1回だけ」。頻度を固定すると、判断が静かになる
まず、ここが本体です。
センチメント点検は月1回だけ。 それ以外の日は、ニュースも指数も見てもいいが「配分は触らない」
月1回に固定する理由はシンプルです。市場は日々揺れるからです。日々揺れるものを日々見れば、人間の判断も日々揺れます。
センチメントは、日次で追跡すればするほど「当てたい」気持ちを煽ります。資産形成に必要なのは当てることではなく、規律が崩れないことです。
2)見る順番は「信用 → 恐怖 → 期待」。道路状況を見てから、空気を見る
3群を提案したのは、情報を増やすためではありません。見る順番を固定するためです。
- 信用(Credit / Stress):市場の“詰まり具合”=道路状況
- 恐怖(Fear):投資家の“逃げたさ”=ブレーキの強さ
- 期待(Hope):投資家の“乗りたさ”=アクセルの強さ
この順序を逆にすると、危険です。期待や恐怖を先に見ると、感情が先に立ち、信用ストレスのような構造要因の判断が雑になります。
3)月1点検の「コピペ用チェックリスト」
ここから先は、文章ではなく実務です。月に一度、同じ日にこれをコピペして点検してください。5分で終わる形にしてあります。
【月1点検】センチメント3群チェックリスト(コピペ用)
0)今日の日付:________
0)点検に使う時間:最大10分(超えたら中止)
① 信用(Credit / Stress):市場の詰まり(資金の通り)
- 信用ストレスは 低い / 中 / 高 のどれ? → ___
- 先月より 改善 / 悪化 / 変化なし? → ___
② 恐怖(Fear):逃げたさ(投げの圧)
- 恐怖は 低い / 中 / 極端 のどれ? → ___
- 先月より 弱い / 同程度 / 強い? → ___
③ 期待(Hope):乗りたさ(過熱の圧)
- 期待は 低い / 中 / 極端 のどれ? → ___
- 先月より 弱い / 同程度 / 強い? → ___
④ 今日の結論(行動だけ選ぶ)
- 積立:継続 / 増額(条件あり) / 減額(条件あり) → ___
- 配分:触らない / リバランス(条件あり) → ___
- スポット追加:しない / 分割で少しだけ → ___
4)判断を迷わせない「分岐ルール」:許可する行動だけを固定する
上のチェックリストを書いたら、次は分岐です。ここでも大事なのは、「買い/売り」の号令ではなく、許可された行動の範囲を選ぶことです。
分岐ルール(結論は4パターンだけ)
A:信用ストレス「高」
- 許可:積立は継続(止めない)。配分は触らない。追加は原則しない(やるなら極小・分割)。
- 禁止:一括の大きな追加/短期の勝負/配分の大改造。
B:信用ストレス「中」+恐怖「極端」
- 許可:積立は継続。追加は「分割」で少しだけ(回数を先に決める)。
- 禁止:怖さを消すための全部売り/怖さを取り返すための一括投入。
C:信用ストレス「低」+期待「極端」
- 許可:積立は継続。配分は触らない。リバランスは“戻す”目的だけで検討。
- 禁止:増額で追いかける/集中投資を増やす/レバレッジを足す。
D:それ以外(平常)
- 許可:積立は継続。配分は年1回 or 乖離条件のルールどおり。
- 禁止:ニュース反応での微調整(触るほど効果が薄れる)。
5)「見る回数」を守るための工夫:点検日を固定し、残りは“何もしない”
月1点検は、知識よりも運用が難しい。なぜなら、知っている人ほど、見たくなるからです。
そこで、実務的な工夫を3つだけ置きます。
- 点検日は固定:毎月第1土曜など、同じ日にする(迷いを作らない)
- 点検時間は10分:伸びたら“当てに行っている”サインなので中止
- 結論は行動:「買い/売り」ではなく「許可する行動の範囲」を書く
終わりに:相場を読むより、自分の“崩れ方”を先に読む
センチメントの情報は、鋭く見えるほど中毒性があります。だからこそ、扱い方を間違えると、知識が武器ではなく刃になります。
月1回だけ点検する。見る順番を守る。許可する行動を限定する。
この3つは地味です。でも、地味な仕組みだけが、長い時間に耐えます。



