今回の老後プランのガイダンスは、公的年金にかかる税金、源泉徴収制度、確定申告の際の注意事項、年金担保貸付制度などについてです。

公的年金にかかる税金

老後の収入基盤である年金も税金がかかる。

したがって、老後プランを考える場合、税金の種類と計算方法を知って、実質手取り額を正確に把握しておく必要があるだろう。

支払い保険料

支払った年金保険料は、全額が社会保険料控除の対象になる。

具体的には、所得税・住民税を計算する際に所得控除の対象なる。

また、法人が支払った公的年金の保険料は、損金として全額計上できる。

公的年金等

所得税法上は「公的年金等」として雑所得扱いとなるが、遺族給付、障害給付については非課税扱いになる。

公的年金等には、公的年金の他、厚生年金基金、適格退職年金及び特定退職金共済等から受ける年金などが含まれる。

具体的には下記に示すとおりだ。

  • 国民年金、厚生年金。
  • 国家公務員・地方公務員・私立学校教職員等の共済年金。
  • 独立行政法人農業者年金基金法に基づく年金。
  • 厚生年金基金
  • 適格退職年金(自己負担部分を除く)
  • 企業年金基金
  • 規約型企業年金の年金
  • 恩給(一時恩給を除く)
  • 過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金
  • 特定退職金共済団体の年金
  • 中小企業退職金共済法による分割共済金
  • 小規模企業共済法に基づく分割共済金
  • 確定拠出年金の年金等

以上が公的年金等に該当する。

公的年金等の雑所得の金額

他の雑所得と区分して、公的年金等にかかる雑所得の金額が計算される。

  • 公的年金収入金額―公的年金等控除額=雑所得

適格退職年金、自社年金等で本人負担の掛金がある場合は以下の通りだ。

  • 公的年金等の収入金額から差し引ける額=支払い年金額×本人負担総額/年金支給総額(見込み額)

なお、厚生年金保険料の本人負担額については、全額が所得税・住民税の所得控除として、既に差し引かれている。

図表2-42 公的年金等控除額

その年中の公的年金等の収入金額の合計額(A) 65歳未満 65歳以上
130万円未満 70万円 120万円
130万円以止 330万円未満 (A)×25%+37.5万円
330万円以上 410万円未満 (A)×15%+37.5万円
410万円以上1770万円未満 (A)×15%+78.5万円
770万円以上 (A)× 5%+155.5万円

源泉徴収制度

公的年金等が支給される際には、源泉徴収が行われ、税引き後の金額を受給する。

源泉徴収の対象となる人の年金額。

  • 65歳未満が108万円以上
  • 65歳以上が158万円以上(厚生年金基金など一部のものは80万円以上)

①源泉徴収税額

源泉徴収

  • [公的年金等の支給額―控除額]×5%(扶養親族等申告書を提出した者)

※扶養親族等申告書を提出しなかった人は10%。

②控除額

a)「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」を提出した場合。
  • [基礎的控除額注1+人的控除額注2]×支給額の計算の基礎となった月数

公的年金等の基礎的控除額

受給者の年齢 控除額
65歳以上 公的年金等の支給金額の月割額×25%+6.5万円(計算した金額が13.5万円1未満の場合には13.5万円)
65歳未満 公的年金等の文給金額の月割額×25%+6.5万円(計算した金額が9万円未満|の場合には9万円)

公的年金等の人的控除額

区分 内容 控除額(月割額)
本人にかかるもの 障害者(特別障害者)にあたる場合 2万2500円(3万5000円)
控除対象配偶者及び扶養親族にかかるもの 控除対象配偶者(老人控除対象配偶者)がいる場合

3万2500円(4万円)

扶養親族(特定扶養親族、老人控除対象配偶者)がいる場合 1人につき:3万2500円
老人扶養親族:4万円
特定扶養親族:5万2500円
上記の人が障害者に当たる場合 1人につき:2万2500円
特別障害者:3万5000円
同居特別障害者:6万2500円

※特定扶養親族は16歳以上23歳未満の人。

※老人扶養親族は70歳以上の人。

b)「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の提出がない場合の控除額
  • 控除額=公的年金等の支給額×25%

具体的には、源泉徴収税額=公的年金等の支給額×75%×10%。

③公的年金等の受給者の扶養親族等申告書

  1. 公的年金等の受給者は、毎年最初に公的年金等の支払いを受ける日の前日までに
  2. 「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」を
  3. その支払者まで提出しなければならない。

注意!適格退職年金、特定退職金共済年金、自社年金等の受給者は提出することはできない。

確定申告の時

  • 雑所得として課税される。
  • 年末調整の制度はない。

社会保険料・生命保険料・地震保険料・医療費その他の所得控除の適用を受ける場合や年金以外の収入がある場合は、所定の期間に確定申告する必要がある。

雑所得の計算

雑所得を計算する際は、公的年金等にかかる雑所得とそれ以外の雑所得を合算する。

  • 雑所得の金額=(A)十(B)
    (A)=公的年金等にかかる雑所得
    (B)=公的年金等以外の雑所得

※(B)の金額が赤字の場合には(A)の金額から差し引くことができる。

注意!雑所得の金額の計算上、損失を生じてもその損失額は、他の所得から差し引くことができない。

(3)年金所得者の申告手続不要制度

平成23(2011)年度の確定申告より、その年分の所得税について確定申告を要しないこととなった。

要件は以下の1,2とも満たすもの。

  1. 公的年金等の収入が400万円以下
  2. その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下

しかし、所得税の還付を受けるためには、確定申告をする必要がある。

注意!住民税にはこのような申告手続不要制度はない。

したがって、申告していないと課税(所得)証明書等の発行を受けられない。

年金担保貸付制度について

  • 対象者は、国民年金や厚生年金保険、船員保険の年金を受けている人。
  • 年金を受ける権利を担保にして、小日資金の融資を受ける制度。

取扱機関

独立行政法人社会福祉医療機構(窓回は銀行などの金融機関)。

貸付条件

  • 国民年金証書、厚生年金保険年金証書、船員保険年金証書を持っている人が対象。
  • 現在、年金の支払いを受けている人。
  • 老齢福祉年金を受けている人は利用できない。

貸付額

支払年金額の1.2倍以内で、最低10万円から250万円までの範囲内(1万円単位)。

返済方法

  • 年金支給額のうち、指定した一定の金額(定額、1万円単位)。
  • 全額を返済に充てる方法(満額返済)は平成22(2010)年2月から廃止された。

注意!年金を担保に資金調達をするのは、よほどの事情がない限り避けた方がいいだろう。

次回は「退職後の医療制度の選択によって老後プランは変わる!?」です。

ではまた。

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