シングルマザーの就労状況と経済的支援について

前回の投稿ではシングルマザーの持つマルチタスク能力などについて解説しました。

今回はシングルマザーの就労状況や手当など、最近のシングルマザー事情についてです。

厚生労働省の平成25年度「母子家庭の母および父子家庭の父の自立支援施策の実施状況によりますと、母子家庭・シングルマザーになる理由の80%以上は離婚です。

就労状況はこれもまた80%。

そのうち正規の従業員が39.4%、自営業2.9%、パート・アルバイト47.4%となっており、父子家庭・シングルファザー (正規雇用67.2%、自営業15.6%、アルバイト8%)と比較するとパート・アルバイトの比率が圧倒的に高いことがわかります。

シングルマザーの平均年間収入は223万円。

そのうち就労収入は180万円で、こちらもまた父子家庭の就労収入360万円と比較すると低い水準です。

これらの状況について詳しく見てみましょう。

シングルマザーの就労状況について

シングルマザーの就労状況

厚生労働省雇用均など・児童家庭局福祉課が平成27年9月に作成した資料(平成23年度全国母子世帯など調査)によると、母子家庭の就労割合は81%、父子家庭は91%です。

ここで海外のひとり親家庭の就労状況をのぞいてみることにしましょう。

  • アメリカ   66.4%
  • イギリス   52.7%
  • フランス   68.8%
  • イタリア   71.6%
  • オランダ  74.2%
  • ドイツ    64.9%
  • 日本    85.9%
  • OECD平均  66.5%

出典:OECD Family Databaseより(2011年の数値・日本の数値は2007年)

※OECD(経済協力開発機構)とは、ヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め34 ヶ国の先進国が加盟する国際機関のことです。

ご覧のように、他の国に比べて日本の就労率は高いようです。

「日本の失業率が世界一低い」というのもうなずけます。

正規雇用・それ以外の比率を比較してみると以下のようになります。

  • 就労母子家庭のうち、「正規の職員・従業員」は39%、「パート・アルバイトなど」は47%
  • 就労父子家庭のうち、「正規の職員・従業員」は67%、「パート・アルバイトなど」は8%

シングルマザーの収入状況

シングルマザーの収入状況

シングルマザーの平均年収は、先ほども申し上げた通り223万円。

そのうち就労による収入は181万円です。

このうち生活保護を受給しているシングルマザー世帯は約1割です。

養育費と面会交流の状況については以下のとおりです。

  • 養育費の取り決めをしている  約38%
  • 養育費を現在も受給している  約20%
  • 面会交流の取り決めをしている 約23%
  • 面会交流を現在も行っている  約28%

このように年収と養育費の受給状況をみてみると、経済状況が苦しいシングルマザーの方が、圧倒的に多いということが浮き彫りです。

では、シングルマザーになる前後の就業状況や雇用形態はどうでしょうか?

  • 母子家庭になる前の不就業は25.4%、現在は15%で、10.4ポイント減
  • 母子家庭になる前の正規雇用は29.5%、現在は39.4%で、9.9ポイント増
  • 母子家庭になる前の非正規は57.4%、現在は52.1%で、5.3ポイント減

シングルマザーの所得状況で特筆すべきは、稼働所得が少ないことです。

母子家庭は平均179万円。

児童のいる世帯の平均稼働所得603万円に対して30%前後です。

実際に稼働できる時間が限られているシングルマザーが多いようです。

ですから、周りの支援や援助がなければ生活が成り立たないわけです。

ということで、ここからは、支援策や援助団体などについて解説していきます。

まず、ひとり親家庭の子育て・生活支援関係の主な事業についてお話します。

ひとり親家庭の子育て・生活支援関係の主な事業

  • 母子・父子自立支援による相談・支援事業
  • ひとり親か家庭など日常生活支援事業
  • ひとり親か家庭など生活向上事業
  • 母子生活支援施設
  • 子育て短期支援事業

など、大きく分けて5つの支援事業などがあります。

母子・父子自立支援による相談・支援事業

シングルマザーなどに対して、就業相談から就業支援講習会の実施、就業情報の提供など一貫した就業支援サービスの提供を行うとともに、弁護士などのアドバイスを受 け養育費の取り決めなどの専門的な相談などができるように設けられた支援事業で、職務内容を以下の通りとなっております。

  • 母子および父子および寡婦福祉法および生活についての相談指導など
  • 職業能力の向上および求職活動などの就業についての相談指導など
  • その他自立に必要な相談指導
  • 母子・父子・寡婦福祉の貸しつけに関する相談・指導

上記のうちもっとも多いのは経済的支援・生活援護で、年間440,570件、実に全体の59.9%におよびます。母子・父子の割合は39.7%・12.5%で、やはり母子家庭の方が圧倒的です。

あとの項目につきまして紙面を割けるようでしたら、また述べさせていただきます。

と申しますのも先に知っておいていただきたい事があるからです。それは経済的支援制度と養育費の受給問題に関してです。

シングルマザーへの経済的支援について

シングルマザーへの経済的支援

まず、経済的支援制度の種類を以下に記します。

  • 児童手当
  • 児童扶養手当
  • 特別児童扶養手当
  • 児童育成手当
  • 生活保護
  • 住宅手当
  • ひとり親家庭など医療費助成制度(マル親)
  • 義務教育就学児の医療費助成
  • 母子父子寡婦福祉資金貸付金

ケースによっては、遺族年金の制度も活用できますが、それについてはまた別途投稿させていただきたいと思います。

児童手当とは?

中学高終了まで国内に住んでいる児童が対象となる手当で、受給額は以下の通りです。

なお、児童手当は母子家庭だけに支給される助成金ではありません。

  • 3歳未満:月額 15,000円
  • 3歳以上:第1子、第2子 月額 10,000円、第3子以降 月額 15,000円

詳細は(内閣府・厚労働省資料)をご参照ください

児童手当制度

児童扶養手当制度とは?

18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童(障害児の場合は20歳未満)を監視する母、監視し、かつ生計を同じくする父または養育するもの(祖父母など)

支給要件

父母が婚姻を解消した児童、父または母が死亡した児童、父または母が一定程度の障害の状態にある児童、父または母の生死が明らかでない児童などを監視していることなどが条件です。

手当て月額

  • 児童一人の場合:全部支給42,000円 一部支給41,990円~9,910円
  • 児童2人以上の加算額:[2人目]5,000円[3人目以降1人につき]3,000円が支給されます。

所得制限限度額(収入ベース)があります
本人:全部支給(2人世帯)130万円 一部支給(2人世帯)365万円
扶養義務者(6人世帯)610万円

特別児童扶養手当とは?

20歳未満で精神または身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母などに支給される手当です。

支給月額はなど級別です。

  • 1級・・・・・51,100円
  • 2級・・・・・34,030円

支払時期

特別児童扶養手当は、原則として毎年3回、4月、8月、12月に、それぞれの前月分までが支給されます。

所得制限

受給者もしくはその配偶者または扶養義務者の前年の所得が一定の額以上であるときは手当は支給されません。

詳細は厚生労働省資料をご覧ください

児童育成手当とは?

都内に住所があり、以下のいずれかの状況にある、18歳になった最初の3月31日までの児童を養育している人に支給されます。

  • 父または母が死亡した児童
  • 父または母が重度の障害を有する児童(身体障害者手帳1級・2級程度)
  • 父母が離婚した児童
  • 父または母が生死不明である児童
  • 父または母に1年以上遺棄されている児童
  • 父または母がDV 保護命令を受けている児童
  • 父または母が法令により1年以上拘禁されている児童
  • 婚姻によらないで生まれた児童
  • 父母ともに不明

児童1人につき、月額13,500円が支給されます。

所得制限があります。詳細は公益財団法人東京都福祉保険財団ホームページをご参照ください。

住宅手当とは?

20歳未満の子供を養育しているシングルマザーで、月に1万円以上の家賃を払っている場合に適用される助成制度ですが、国から支給されるものではありません。

また、収入で判断される制度となり、誰でも受けられるわけではありませんので、あらかじめ居住地域の福祉課に確認してください。

生活保護とは?

厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されます。

ひとり親家庭など医療費助成制度(マル親)とは?

児童を監護しているひとり親家庭などの母または父や両親がいない児童などを養育している養育者。

または、ひとり親家庭などの児童または養育者に養育されている児童で、18歳に達した日の属する年度の末日(障害がある場合は20歳未満)までの方が対象です。

助成の範囲は、国民健康保険や健康保険など各種医療保険の自己負担分から一部負担金を差し引いた額を助成します(住民税非課税世帯は、医療保険の自己負担 分 を助成します。)

ただし、入院時食事療養・生活療養標準負担額は助成しません(区市町村によって助成している場合もあります。)

義務教育就学児の医療費助成とは?

都内各区市町村内に住所を有する義務教育就学期にある児童(6歳に達する日の翌日以後の最初の4月1日から15歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者)を養育している方が対象です。

入院に関しては、国民健康保険や健康保険の自己負担額が助成対象です。

ただし、入院時食事療養標準負担額を除くきます。

注意点▼

区市町村によって助成している場合もあります。

通院に関しては、国民健康保険や健康保険の自己負担額から一部負担金(通院1回につき200円(上限額))を控除した額が助成の対象です。

なお、区市町村によって助成範囲が異なるため、詳細については、直接各区市役所・町村役場へお問い合わせください。

注意点▼

調剤および訪問看護は対象になりません。

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度とは?

配偶者のいない女子で現に児童を扶養している方つまり母子家庭の母がこの制度の対象です。

貸付金の種類

  1. 事業資金
  2. 事業継続資金
  3. 就学資金
  4. 技能習得資金
  5. 就業資金
  6. 就業支度資金
  7. 医療開業資金
  8. 生活資金
  9. 住宅資金
  10. 転宅資金
  11. 就学支度資金
  12. 結婚資金

以上12種類です。

貸付条件など

利子

貸付金の種類、連帯保証人の有無によって異なりますが、無利子または年利1.5%

償還方法

貸付金の種類によって異なりますが、一定の据え置き期間の後、3~20年

それでは、ここで冒頭にお話しました支援事業に関して簡略にご説明させていただきます。

ひとり親家庭など日常生活支援事業とは?

母子家庭、父子家庭、寡婦の方が、修学などや病気などの事由により、一時的に生活援助・保育サービスが必要な場合または生活環境などの急激な変化により日常生活を営むのに支障が生じてしまった場合に、家庭生活支援員の派遣などをしてくれる制度です。

注意点▼

制度を設けていない都道府県もございますので、確認が必要です。

以下のように8つの支援が活用できます。

  1. 乳幼児の保育
  2. 児童の生活指導
  3. 食事の世話
  4. 住居の掃除
  5. 身の回りの世話
  6. 生活必需品などの買い物
  7. 医療機関などとの連絡
  8. その他必要な用務

ひとり親家庭など相談支援事業とは?

就業や家事など日々の生活に追われ、児童のしつけ・育児または自身や児童の精神面・身体面の健康管理などさまざまな面において困難に直面しているひとり親家庭などの方に対し、相談に応じたり、必要な助言・指導を行うとともに、各種の行政支援策などの情報の提供などを実施します。

相談については、出張相談や訪問相談、電話相談などのほか、平日夜間や土日祝日においても応じます。

また、相談を受けている間、児童をお預かりする託児サービスを実施します。

子供の病気

もし保育園にこれから入所される予定であれば、入園前に役所で病児保育をしているかどうか確認してください。

それから「ひとり親家庭ホームヘルパー派遣制度」があり、家で保育をしてくれます。

参考▼

小学校3年生までと制限しているところが多い

所得が非課税の場合は無料です。

また少し利用料は高くなります が、ファミリーサポートセンター(粗、1時間800円~900円)を利用するのもいいでしょう。

いずれも不測の事態に備えて前もって手続きをしておきましょう。

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