
今回のヘルスデザインはタイプを明確に把握する。対象をどう捉えるかによって次元が変わることについてだ。
これまで3つのタイプについて基本的なことについて解説してきた。
恐らくほとんどの人が、3つともどこか思い当たる節があったのではないだろうか。
だから、自分がどのタイプなのかはっきりしなかった人も多いと思う。
ほとんどの人は3つのドーシャを与えられて誕生するからだ。
自分が単一タイプだとはっきりと自覚する人はまれで、実際に単一タイプの人はほとんどいないといわれている。
大半は二型タイプに該当すると思って差し支えないだろう。
タイプが異なれば生活も変わる
通常人は3つのドーシャのバランスを維持して生活している。
どのタイプを考える場合でも、3つのドーシャのうちの1つ乃至2つが多くの部分を占めている。
それが表面上に現れる個性にもなっている。
タイプを決めている特徴を認識できるようになると有意義に過ごせる日々が多くなる。
ドーシャ(エネルギー)への理解は、日常生活において非常に役に立つ。
コミュニケーションを必要とする場面、人間関係の構築において大きなアドバンテージにもなる。
相手のタイプがわかれば、その相手の思考プロセスの違いがわかるようになるからだ。
解釈の違いがどのようなところで起こったのかもわかるようになる。
だから、人間関係に悩むことが減ってくる。
その個体差は体質は当然ながら、その類似性にも大きく影響してる。
これから二型タイプの解説に入るが、まずその前に単一3タイプの特徴について再度説明しておこう。
二型タイプは、それらの組み合わせだからだ。
動作支配タイプ(ヴァータ)
- 比較的細い骨格
- すばやい
- 変化する心
- 快活な振る舞い
- 予測不可能という印象
- ストレスを受けると興奮し、不安になる
代謝支配タイプ(ピッタ)
- 中程度の体格
- 理路整然とした心
- 力強い振る舞い
- 強烈という印象
- ストレスを受けると腹を立て険悪になる
構造支配タイプ(カパ)
- がっしりした体格
- 穏やか
- 安定した心
- 気楽な振る舞い
- くつろいでいるという印象
- ストレスを受けると黙って動かなくなる
思い出していただけただろうか?
例えば、ヴァータが優先していてカパの特徴がみられる人は、興奮しやすく穏やかだ。
ちょっと矛盾しているように思うかもしれない。
でも確かにこのような傾向がある。
つまり、一番強い支配的なドーシャによってその人の世界観が決定する。
二番目のドーシャの働きは、さまざまにその影響を表し、そのことによって思考、感情、行動などがさまざまに異なってくる。
ここで注意しておきたいことは、「2つのドーシャが混ざりあって平均化するようなことはない」ことだ。
つまり、細い骨格(ヴァータ)とがっしりした骨格(カパ)とが混ざりあって、中程度の骨格(ピッタ)になることはない。
ヴァータ・カパ体質の人は、ヴァータかカパどちらか一方の特徴を表す。
また、時には両方の特徴を交互にはっきりと表すこともある。
ヴァータ・ピッタ
- 細い体格の人が多い
- 動作が早い
- 友好的
- おしゃべり
- 進取(自ら進んで)の気性(ピッタ)
- 鋭い知性(ピッタ)
ヴァータ・ピッタの人は、極端なヴァータの人のように興奮しやすくないし、体もきゃしゃではない。
ピッタの影響で安定性を得ているので不規則でもない。
ピッタが血液の循環を良くしているので、単一ヴァータの人より強い消化力を持ち、寒さにもそれほど弱くない。
また、ヴァータの人ほど環境の変化に敏感ではないので、騒音やすきま風などの身体の不快適さにも耐えられる。
変化する衝動を他のドーシャによってコントロールしているといえるだろう。
ピッタ・ヴァータ
- 動作が早い
- スタミナがある
- 断定的な性格
- ヴァータ・ピッタ体質よりさらに消化力が強い。
- 排泄は規則的
- モノゴトは進んで挑戦する
- 熱意をもって問題に取り組む
- 攻撃的になる
ヴァータ・ピッタの人もそうだが、ピッタ・ヴァータの人も、この2つのドーシャの否定的な感情である恐れと怒りの両方を経験する傾向が強い。
アンバランスになると2つの感情が組み合わされ、緊迫感を感じ不安に駆られることが多くなる。
だから心臓関係の疾患者は、この2つのタイプの人が多い。
どちらかと言えばピッタ・ヴァータの方が多いが、その差はわずかだ。
ピッタ・カパ
- 振る舞いにはピッタの強烈さが現れ、体にはカパの堅固さがうかがわれる。
- ピッタ・ヴァータよりもさらに筋肉質で、筋肉が隆々としていることも少なくない。
- 通常は怒りと批判の徹底的な傾向のピッタの力が勝っていることが多い。
- ピッタ・カパの人は食事を抜かすと苦痛に感じる。
カパの持久力にピッタのエネルギーと推進力が加わるので、運動選手には特にふさわしいタイプ。
ピッタの強い消化力とカパの抵抗力とが組み合わさって、極めて健康な体であることが多い。
カパ・ピッタ
- 優れた筋肉質をしているが、ピッタ体質やピッタ・カパの人よりも脂肪の割合が多い。
- 体や顔はふっくらとしていることが多く、ピッタ・カパの人よりの動作がゆったりしている。
- カパが優勢に働いていることから、スタミナやエネルギーの安定性においても優れている。
- 不快活さや鈍さといったカパの傾向を中和しているので、規則的な運動を快適に感じる。
しかし、ピッタ・カパの人と比較すると、あまり活動的ではない。
ヴァータ・カパ
このタイプを見極めるのは非常に困難だ。
なぜなら、2つが相反する二項対立的な特徴を示すからだ。
そして、ヴァータの中心的な特徴が「変化」でもあるのでなおさら確定しにくい。
一般的な見方からすると、
- 細い体格で、そこに気楽な振る舞いが組み合わさっているといった感じだ。
これは純粋なヴァータの人には決して現れない特徴だ。
じっとしていられないヴァータとは違って、内的な安定感を備えており、外見にもそれが現れている。
- 穏やかな心持ちでいることが多いが、ストレスを受けるとヴァータの過敏な反応を示すことがある。
- 行動が必用なときには早くて効率的にこなすが、カパのグズグズしている傾向があることを自覚している。
- 基本的には冷たいドーシャなので、寒さが嫌いで、消化が不規則であったり、ゆっくりだったりする。
カパ・ヴァータ
- 体は比較的堅固で動作はゆっくりしている。
- おだやかな性格でヴァータ・カパ体質の人よりもくつろいでいる印象がある。
- スタミナがあり、スポーツマンタイプの人が多い。
- ヴァータ・カパ同様、不規則な消化力に悩むことがあり、寒いのは苦手だ。
三型タイプ
このタイプは、バランスを維持するのに最適な条件を備えて生まれてきたといえる。
3つのドーシャの力がほぼなどしいからだ。
だから、一生、優れた健康と理想的な免疫力、長寿であることが多い。
それだけに一旦アンバランスが生じ始めると、どのタイプよりも厄介だ。
回復するためには3つのドーシャすべてに配慮しなければならないからだ。
そもそもドーシャは変化しやすく、非常に複雑に絡み合い影響しあっている。
だから、誕生した時にそれらがなどしいというのはごくまれ(まれ)なことだ。
また、ドーシャは目に見えるものではないので、そのものを視覚的に見ることはできない。
ドーシャそのものは物質的なものではないが、体のあらゆる物質的な過程を支配している。
そして、ドーシャは非常に具体的であり、動き回り、増加し、そして減少する。
ドーシャという言葉そのものが移動・増加・減少とう意味でもある。
だから、体の組織に「くっつく」こともあれば、本来あるべきではないところに移動することもある。
つまり、ドーシャというものは、物質的なものと非物質的なものとの境界に位置する。
生命そのものに目を向けた時、はじめてドーシャがどのようなもかがわかってくる。
ではまた。。