
スピリチュアルな探求は、個人の内面だけで完結しません。行動・関係・制度・自然環境まで
立体的に結び直すことで、初めて持続する変化が生まれます。本稿では
AQAL(All Quadrants, All Levels)の見取り図を用い、実生活で機能する
「統合的スピリチュアリティ/エコロジー/生活実践」へ落とし込む方法を解説します。
AQALの骨子:4つの視点で世界を見る
アーユルベーダ体質(ドーシャ)を3分でセルフチェック
いまのあなたの傾向(ヴィクリティ)を簡易判定。
結果はPDFレポートで保存でき、日々のセルフケアのヒントもついてきます。
- Vata / Pitta / Kapha の割合を可視化
- 暮らしの整え方(食事・睡眠・運動)の要点
- そのまま PDF で保存・印刷 可能
※ 医療的診断ではありません。セルフケアの参考情報としてご活用ください。
個人の内面(I)
体験・感情・価値観・意味づけ。「私」の世界。
個人の外面(It)
行動・スキル・生理指標・習慣。「見える私」。
集団の内面(We)
文化・共通価値・物語・空気感。「私たち」の世界。
集団の外面(Its)
制度・ルール・インフラ・経済・技術。「それら」の世界。
統合とは、どの象限にも手を打つ設計です。瞑想(I)だけでは足りず、行動習慣(It)、
人間関係(We)、制度・環境(Its)にも同時に働きかけることで変化は安定します。
統合的スピリチュアリティ:内面の静けさを社会につなぐ
統合的スピリチュアリティは、身体・感情・知性・霊性を調律しながら、
自己(I)・関係(We)・自然/制度(Its)へ循環させる実践です。
I:内面の整え
- 呼吸3分+短い瞑想で状態をリセット
- 感情のラベリング(日次1行ジャーナル)
- 価値観カード(自作の5語)を朝読む
It:行動の整え
- 睡眠・運動・食事のベースをルーチン化
- 「5〜15分で着手できる最小行動」を常に用意
- デジタル断食の時間帯を固定
We:関係の整え
- 週1回の「丁寧な対話」(聴く7割・話す3割)
- 感謝のメッセージを一行で送る
- コミュニティでの小さな奉仕(30分)
Its:環境の整え
- 机上の可視化(やること3件のみを残す)
- カレンダー/ToDoの週次レビュー30分
- 寄付・参加・投票など社会的アクション
統合的エコロジー:技術×制度×意識を束ねる
環境問題は技術や政策(Its)だけでは解けません。価値観(I/We)と生活行動(It)の
変容がセットで必要です。AQALで見ると、介入の抜け漏れが減ります。
- I(価値の更新):自然体験/物語/アートで「大事にしたい感覚」を回復。
- It(行動変容):移動・食・エネルギーの小さな選択を定着化。
- We(文化形成):地域のリペア会やシェア会で共助の物語を育てる。
- Its(制度整備):再エネ切替、リサイクル動線の改善、参加型予算など。
ポイントは、理念だけでも、仕組みだけでも前に進まないという現実認識です。
統合的な生活実践(ILP)ミニプログラム:4週間
- Week1|基礎を整える:睡眠時間帯固定/朝3分呼吸/夜1行振り返り。
- Week2|関係を温める:感謝の一行を毎日/週末に60分の深い対話。
- Week3|自然とつながる:屋外の静かな散歩20分×3回/ゴミ拾い15分。
- Week4|社会へ返す:小さな寄付/ボランティア/ローカル会合に1回参加。
各週の合言葉:完璧より継続。小さく、しかし確実に。
タイプ(類型)とステート(状態)の活かし方
タイプ:方法を自分仕様に微調整
- 内向優位:個人練習→小さな共有の順に広げる。
- 外向優位:仲間と一緒の時間を先に確保してから個人練習へ。
- 直観優位:抽象→具体の橋渡しに「最小行動リスト」を併設。
- 感覚優位:具体→抽象へ。体験メモ→意味づけの順で言語化。
ステート:瞬間の資源を意図的に起こす
静けさ・集中・親和の状態は練習で再現可能です。
呼吸3分→姿勢→一行アファメーションの「状態トリガー」を作り、要所で起動しましょう。
ケースで学ぶ:スピリチュアルを「働く知」にする
ケースA|瞑想は続くが、現実が変わらない
- 問題像:Iのみ強化。It/We/Itsへの波及がない。
- 処方:行動の最小化(15分ブロック)、週1の共学会、職場ルールの見直し提案。
ケースB|環境活動で燃え尽きる
- 問題像:Itsへ過集中。I/Weの回復設計が不足。
- 処方:回復ルーチン(睡眠・食・同伴者とのケア対話)/役割のスリム化。
週次レビューの5問(5〜10分)
- 今週、一番よくできた1つの行動(It)は?証拠は?
- 心に残った体験(I)は?それが示す価値観は?
- 関係(We)で感謝したい人は?一言を今送るなら?
- 環境/制度(Its)で1つ整えられることは?(5分で着手)
- 来週の最小の一歩は?(5〜15分で開始可能)
注意点:スピリチュアルと現実の“橋”を外さない
- 序列化を避ける:段階は優劣ではなく、レンズ。
- 四象限の偏りに気づく:得意象限に閉じない(I偏重/Its偏重など)。
- 検証可能性を残す:意図→行動→指標→振り返りのループを必ず設計。



