
起業にはさまざまなパターンがある。
例えば、以下のようなケースが考えられるだろう。
- 会社に努めなが起業(副業)する。
- 公務員を辞めて起業する。
- 主婦(夫)業を続けながら起業する。
- 定年退職を機に起業する。
- 起業するしか道がない。
起業後の収入形態は給与から事業所得・役員報酬などに換わり、それが個人のキャッシュフローの基準になる。
キャッシュフローの基準が変われば、当然ながら人生設計も変わる。
しかし、実際にはその変化に順応できないまま、廃業に追い込まるケースが多く見受けられる。
ある筋によると、起業から5年以内に80%以上が消え、10年以内に起業した90%以上が消滅しているという。
延べ28年の経営経験のある私には納得できることだが、起業願望を抱えた人からすれば耳を塞ぎたくなる話だろう。
しかし、それに臆して人生が飛躍するチャンスにつながる道を、自ら閉ざすようなことはしないでほしい。
ちなみに、延べと言ったのは途中で会社員に戻った経験が2度ほどあるからだ。
つまり、3度起業している。
最初は年商4億円程度、2回目は3億程度までいったが、それ以上は無理だった。
今のビジネスを開始(2000年~)して何となく18年が過ぎた。
また、業種でいえば2つ、業態は6つ、転職は6回経験している。
そんな私が起業について語るのはおこがましいが、私なりに感じていることを交えながら解説させていただきたいと思う。
起業には以下のようなメリトがある。
- 引退時期を自分で決められる。(時間の制約がゆるやか)
- 収入に限界がない。(ライフスタイルを変えられるかも)
- 就業時間を自由に選択できる。(フラストレーションの軽減)
- 多くの収入源を持つことも可能。(独自のリスクマネジメントが可能)
デメリットとしては、次のようなことが考えられる。
- 収入が0になる可能性もある。(収支コントロールの喪失)
- 廃業に追い込まれ多額の借金が残るケースもある。(マネジメントの喪失)
- 家庭不和を招く場合もある。(マネジメントの失敗)
- さらに自由を奪われる可能性もある。(マネジメント不足)
さらに、時間と労力が奪われる課題を抱える場合もある。
- 所得税や法人税などの課税問題。(タックスプランの増加)
- 事業保障を加味した死亡保障の見直し。(リスクマネジメント項目の増加)
- 老後資金の準備方法の再検討。(リタイアメントプランの再考)
など・・・・・
しかし、これらは前もって対策が可能なことばかりだ。
つまり、計画によってこれらの課題は難なく乗り越えられるし、ある程度まで回避することも可能だ。
起業する際の事業計画は足かせになりやすい。
法人を設立するかどうかでも準備は異なる。
法人を設立することを誰かに相談すると。。。
「まず最初に開業資金や事業計画が必要」と云われるだろう。
しかし、ほとんど必要ない。
いや、むしろそのようなものを作成しない方が実りやすい。
起業して、事業を継続するために不可欠なことは他にあるからだ。
それは、継続して売上を確保することだ。
つまり、見込み客を顧客に変える仕組みを構築することだ。
それさえあれば資金も調達できるし、ビジネスも成功する。
いや、資金を調達する必要すらない。
損益分岐点を十分上回る売上(利益)が確保できてから事業計画を作成しても遅くない。
むしろ、そうするべきだろう。
起業前に作成した事業計画に足元をすくわれる可能性が高いからだ。
「潤沢な利益が確保できる仕組み」それそのものが真の事業計画だ。
ちなみに私は事業計画を作成したこともないし、金融機関から資金調達をしたこともない。
それでも、最初から仕入先と1億程度の売上を確保できる目算があったので、短い期間であったが事業を維持できた。
ビジネスは入り口と出口を確保できる目算があってこそ成功する。
途中のプロセスは、さまざまな戦略によって馴染ませていかないとうまくいかないものだ。
※2回めと3回目はマイナス資産からのスタートだったことを、さらに付け加えておく。
もっとも大切な考え方は、ビジネスに常識は通用しないということだ。
ビジネスが常識で成功するなら、殆どの人が成功できているはずだからだ。
しかし、経済産業省「中小企業白書」のデータによると、起業してから10年後に約75%が倒産、若しくは廃業している。
5年後の生存率を見ても約40%と、厳しい現状だ。
むしろ非常識に考え、非常識な方法で市場に臨んでいる人の方が成功している。
そのことについてはここでは詳述しないが、詳しく知りたい人は「ビジネス・デザインコーチング」「仕事が面白くなる設計図」「ライフコーチング」などを参考にしてほしい。
個人事業主が注意しなければならないこと!
ついでに、個人事業主について少し触れておく。
事業と家計の区別ができていない個人事業主が多いので心配になったからだ。
極めて初歩的なことだが、それを軽視する人が事業に失敗している。
それが事業が続けられなくなる原因の一つだからだ。
まず、初期症状として、事業維持のための必要資金が確保できなくなる。
やがて、個人の貯蓄を取り崩したり、個人からの持ち出し資金の比率が多くなり、何のために働いているのかわからなくなる。
つまり、事業収支が不明瞭なため、事業の改善・修復の時期を逃してしまうのだ。
事業収支バランスを欠いた状態のまま無理に遂行すれば、個人の生活も成り立たなくなるのは当然だろう。
しかし、残念ながら9割以上が該当しているわけだ。
起業初期は、固定費を抑え、流動費の比率を増やしておくのがポイントだ!
例えば、自宅でビジネスをスタートし、できるかぎりPRや商品開発に投資していくといい。
いちばん大切なものをできるだけ早期から確保できる体制を調えておくことだ。
ビジネスで一番大切なもの!?
では、ビジネスでいちばん大切なもはなんだろうか?
例えば、L×CV×LTVという公式をご存じだろうか?
- Lはリード、つまり見込み客。
- CVはコンバージョン、つまり成約率とか契約率。
- LTVはライフタイムバリュー、つまり1人の顧客あたりの生涯購入額。
この中で一番大切なのは何だろうか?
それはCV(顧客化)だ。
成約率や契約率がビジネスの仕組み作りの中で一番大切になる。
つまり、顧客化(見込み客➾顧客)だ。
王道はコンテンツを研く、邪道は・・・
では、CVを向上させるにはどうしたらいいだろう?
例えば、コンテンツ(商品や製品)のクオリティーを向上させるのが王道だろう。
つまり、世の中に良い商品を供給し続ける方法だ。
コンテンツのクオリテーを向上させる方法については、「ピンチから脱して自由な時間も利益も同時に増やすビジネスコーチングの王道」を参考にしてほしい。
もっと効率的な方法もある。
それは、コンテンツそのものではなく、コンテンツを生み出している基を研くという方法だ。
ただ、最初の内は王道を目指すのが無難だろう。
いずれにせよ、CVのできが悪いと経費ばかりが増大して収益率が低下する。
CVが悪いと当然LTVも乏しくなる。
つまりそれは、失敗路線を歩き始めていることになる。
この仕組に成功すれば、法人化するのも満更ではない。
法人化する際にはあらかじめコーポレートファイナンスについても知っておいてほしい。
ということで次回はコーポレートファイナンスについて解説しよう。