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こんにちは、MSインテグラル・デザイン研究所の斉木です。 今回は、「所得税の仕組みを知ることで、社会の仕組みが透けて視えてくる」の続きで各種所得金額の計算などについてです。
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所得金額の計算と税金

所得税の納税義務者は、次のように区分され、各区分に応じた所得に対して課税される。

個人である納税義務者(所法5、7)

個人である納税義務者を居住者と非居住者に区分し、それぞれの区分に応じた所得に対して課税している。

なお、次表に掲げる国内源泉所得とは、所得の発生した場所が国内であるものをいい、国外源泉所得とは、所得の発生した場所が国外であるものをいう。

法人である納税義務者(所法5、7)

所得税は個人に対して課税されるものであるが、法人であつても利子等の支払いの際に所得税が源泉徴収される。

このことから、法人についても所得税の納税義務がある。

課税の方法

居住者及び国内に恒久的施設を有する非居住者については、原則として、申告納税方式による総合課税の方法により課税になる。

国内に恒久的施設を有しない非居住者については、源泉徴収だけで課税関係が終了する源泉分離課税の方法により課税する。

各種所得の金額の計算

所得税では、所得の種類に応じた課税を行うため、課税所得を発生源泉別に10種類の所得に分類している。

所得の分類は、すべて各種所得の意義に基づいて行われ、分類した所得について各種所得ごとに所得の金額を計算している。

各種所得の金額の計算方法は、次表のとおりである。

図表2‐6 各種所得の計算方法

所得の種類 具体的内容 計算方式
利子所得 公社債、預貯金の利子、並びに公社債投資信託等の収益の分配による所得 注:源泉分離課税が原則 収入金額
配当所得 剰余金の配当、1利益の配当、剰余金の分配:基金利息、証券投資信託の収益分配等による所得 収入金額-元本取得のための負債利子
事業所得 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業等の事業による所得 総収入金額-必要経費
不動産所得 不動産、不動産上の権利、船舶、航空機の貸付けによる所得
給与所得 給料、賃金、俸給、歳費、及び賞与並びに当該性質を有する給与による所得 収入金額-給与所得控除額
雑所得 各種所得以外の所得 総収入金額-必要経費
一時所得 事業等(雑所得を除く)の所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時的な所得で労務等または資産の譲渡の対価の性質を有しないもの。 総収入金額-当該収入取得のための支
出金額-特別控除額(50万円)。※1/2が課税対象。
譲渡所得 資産の譲渡による所得(営利を目的とする継続的な資産の譲渡による所得を除く)注:特定のものは分離課税。 (総合課税の場合)総収入金額-(資産の取得費+譲渡費用)-特別控除額(50万円) 注:総合長期は1/2が課税対象となる。
山林所得 山林の伐採または譲渡による所得(5年超のものに限る)注:(申告)分離課税 総収入金額-植林費、伐採費等-必要経費特別控除額(50万円) 注:5分5乗方式により課税される。
退職所得 退職手当、一時恩給等及びこれらの性質を有する給与による所得 注:(申告)分離課税 (収入金額―退職所得控‐除額)×1/2
注:勤続年数5年以下の法人役員等の退職金については1/2の適用なし

利子所得の金額

利子所得の意義(所法23①)

利子所得とは、公社債及び預貯金の利子並びに合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配(利子等という)に係る所得をいう。

公社債には、国債、地方債などのほか、会社以外の法人が特別の法律に基づいて発行する債券及び国外で発行される債券も含まれる。

預貯金には、銀行その他の金融機関に対する預金及び貯金のほか勤務先預金等が含まれる。

合同運用信託とは、金銭信託及び貸付信託などをいう。

また、公社債投資信託とは、中期国債ファンドなど公社債のみに投資運用される投資信託をいい、株式に投資運用されるものは配当所得に分類される。

利子所得に該当しないもの

次に掲げる所得は利子所得に該当せず、他の所得に分類される。

  1. 金銭の貸付けによる利子……事業所得または雑所得
  2. 役員、退職者の勤務先預金の利子注5。..…雑所得
  3. 学校債及び組合債の利子……雑所得
  4. 定期積金の給付補てん金……雑所得
  5. 国税または地方税の還付加算金……雑所得
  6. 外貨建預金注6の為替差益……雑所得

利子所得の金額の計算方法(所法23②)

利子所得の金額=収入金額

課税の方法(措法3)

参考▼

国内における利子等の支払者は、その支払いの際に15.315%の所得税及び復興特別所得税と5%の住民税を徴収して国等に納付しなければならない。

利子等の支払いを受ける者は、合計20.315%の割合による税額が控除された後の金額を利子として受け取る。

利子所得は、原則として上記の税額だけで納税が終了する源泉分離課税注7を採用しているが、平成28年1月1日以後の公社債等の利子等の所得については、特定公社債注8及び公募公社債投資信託等について申告分離課税とされた。

配当所得の金額

配当所得の意義(所法24①)

配当所得とは、

  • 法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く)から受ける剰余金の配当(特定目的信託の収益の分配を含む)
  • 利益の配当、剰余金の分配(出資に係るものに限る)
  • 基金利息並びに公社債投資信託及び公募公社債等運用信託以外の投資信託
  • 特定受益証券発行信託の収益の分配

上記に係る所得をいう。

注意点▼

剰余金の配当とは、株式または出資に係るものに限られ、資本剰余金の額の減少に伴うもの及び分割型分割によるものを除く。

剰余金の分配のうちには、配当所得にならないものがある。

配当所得に区分される剰余金の分配は出資に係るものに限られ、事業に従事した程度または事業を利用した程度に応じて支払われる分配金は事業所得などに分類される。

また、基金利息とは相互保険会社が支払う、基金に対する利息
をいう。

 

注意点▼

注5:勤務先預金の利子 役員、退職者などの勤務先預金の利子は雑所得に分類されるが、使用人が預け入れた勤務先預金の利子は利子所得に該当する。なお、利子所得に該当する場合のみ源泉徴収が必要である。

注6:タト貨建預金 外貨建預金の為替差益は雑所得であるが、外貨建預金の利子は利子所得に分類される。

注7:源泉分離課税 源泉徴収税額は所得税の前払いであり、確定申告の際にその納付すべき所得税額から控除する方法によって精算される。従って、源泉徴収される所得であっても所得の金額に含めて総合課税するのが原則である。しかし、銀行預金の利子などは総合課税せず、その徴収税額だけで納税を終了させる源泉分離課税を採用している。なお、平成28年1月1日以後に支払を受ける特定公社債の利子、公募公社債投資信託等の収益の分配及び特定公社債以外の公社債の利子で、同族会社の役員等がその同族会社から支払を受けるものについては、源泉分離課税の適用対象から除外され総合課税の対象とされた。

注8:特定公社債とは、国債、地方債、外国国債、公募公社債、上場公社債、平成27年12月31日以前に発行された公社債(同族会社が発行したものを除く)など一定の公社債をいう。

配当所得の金額の計算方法(所法24②)

配当所得の金額=収入金額―負債の利子

配当等

配当等は、原則として、その支払いの際に一定の所得税が源泉徴収される。

配当所得の収入金額には、源泉徴収税額を控除する前の支給総額で計上し、徴収された源泉徴収税額は確定申告の際に精算される。

負債の利子

負債の利子とは、その株式等の元本の取得に要した借入金利子のうち、その元本の所有期間に対応する部分の利子を言う。

次の算式により計算した金額が負債の利子として控除される。

a)原則(所令58)

  • 1年間に支払う負債の利子×元本所有期間の月数/12

b)申告不要を選択した場合の負債の利子(措法通達8の5-2)

申告不要を選択した配当等に係る負債の利子は、控除することはできない。

申告不要を選択した株式と同一銘柄の株式に係る負債の利子のうち、次の算式により計算した金額が配当所得の金額の計算上控除される。

  • 同一銘柄につき1年間に支払う負債の利子(A)-(A)×同一銘柄の配当等の収入金額のうち申告不要の適用を受ける金額/同一銘柄の配当等の収入金額

課税の方法

基本的な課税の区分
区 分 課税方法
下記以外の配当金 総合課税、
申告分離課税
公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託注1以外の証券投資信託の収益分配金 特定株式投資信託注2等(ETF)
公募株式投資信託など
私募公社債等運用投資信託など 源泉分離課税

 

注意点▼

注1:公社債投資信託、公募公社債等運用投資信託は利子所得に分類される。

注2:一定の上場株式に対して投資運用するもののうち、その受益証券が証券取引所に上場されている証券投資信託である。日経300株価指数連動型上場投資信託などがこれにあたる。

申告不要なもの

配当等は、総合課税、申告分離課税または申告不要を選択することができる。なお、申告不要とは配当所得について、他の所得と総合しない制度である。申告不要を選択(手続き不要)すると、一定の源泉徴収税額のみで納税が終了する。

図表2‐7 配当の課税

配当の支払いを受ける日
平成26年1月1日以後
上場株式等(大口株主を除く) 所得税 源泉15%注4・総合課税
源泉15%注4・申告分離課税注3
金額にかかわらず申告不要可注2
住民税 5%配当割注4.総合課税
5%配当割注4・申告分離課税注3
金額にかかわらず申告不要可注2
上場株式等(大口株主注1 所得税 源泉20%・総合課税
少額配当のみ・申告不要可注2
住民税 総合課税
非上場株式等 所得税 源泉20%・総合課税
少額配当のみ・申告不要可注2
住民税 総合課税

 

注意点▼

注1:発行済株式総数の3%以上を所有している株主。

注2:申告不要の場合も源泉徴収、配当割あり。

注3:申告分離課税を選択した場合には、上場株式等の譲渡損失と上場株式等の配当と通算できる。また、平成22年1月からは特定口座内で損益通算可能。

注4:平成26年1月1日以後に支払いを受けるべき上場株式等の配当等及び譲渡所得等については従前の軽減税率が廃止され、本則である所得税15%、住民税5%の税率により源泉徴収されている。なお、平成26年1月1日から平成35年12月31日までの期間内に得た①非課税口座内の上場株式等の配当等②非課税口座内の上場株式等の譲渡所得等の非課税措置が一定要件のもと講じられている。

注5:平成25年1月1日以後に支払われる配当等について、上記の源泉所得税のほか、源泉所得税額に21%の税率を乗じて計算した金額が、復興特別所得税として源泉徴収されている。

次回は不動産所得にかかる税金について解説します。

不動産所得とは、不動産、不動産の上に存する権利、船舶または航空機(不動産等という)の貸付け(地上権または永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含む)による所得(事業所得または譲渡所得に該当するものを除く)をいう。

ではまた。

CFP®Masao Saiki

※この投稿はNPO法人日本FP協会CFP®カリキュラムに即して作成しています。

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