不動産運用

税金とファイナンシャルプランニング、№3

こんにちは、CFP&BTPの斉木です。

所得税に関する知識はFP資格を所有し、FP業務を実行する上においてとても重要です。

また家計の見直しなど、キャッシュフローを改善する上でも欠かせない知識です。

そして更に、会社経営等においても、税の知識によって大きなアドバンテージを得ることができます。

今回は、不動産所得を始め、その他11種にかかる税金について解説します。

1,不動産所得の金額

1-1,不動産所得の意義(所法26①)

不動産所得とは、不動産、不動産の上に存する権利、船舶または航空機(不動産等という)の貸付け(地上権または永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含む)による所得(事業所得または譲渡所得に該当するものを除く)をいう。

なお、不動産所得の収入金額として一般的なものは、地代収入、家賃収入、駐車場収入、更新料、敷金・保証金注9のうち返還不要が確定している部分などがある。

また、不動産所得の必要経費として一般的なものは、租税公課(固定資産税・登録免許税・不動産取得税)、損害保険料(業務用資産に対応するもののみ)、修繕費・管理費、通信費、広告宣伝費、減価償却費、専従者給与、借入金利子(損益通算については一部制限あり)などがある。

  • 注9:敷全 保証金 礼金及び権利金は、不動産所得として課税される。しかし、敷金や保証金のように将来返還することが予定される金額は預り金として扱われ、所得として課税されない。

1-2,不動産所得に該当するもの、該当しないもの

該当するもの 該当しないもの
ケース貸し 従業員宿舎の家賃収入⇒事業所得
アパートなどの家賃収入(食事を提供しない) 下宿などで食事を提供する貸室の賃貸料収入⇒事業所得または、雑所得
有料駐車場または有料自転車置き場の貸付で保管責任がない場合の賃料 有料駐車場または有料自転車置き場の貸付で保管責任がある場合の賃料⇒事業所得または、雑所得
広告宣伝のための看板設置による屋上使用料
アパートの貸付等に係る礼金及び権利金・更新料

1-3,不動産所得の金額の計算方法(所法26②)

不動産所得の金額=総収入金額―必要経費

1-4,課税の方法

不動産所得の金額は総合課税され、総所得金額に含まれる。

2,事業所得の金額

2-1,事業所得の意義(所法27①)

事業所得注10とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で一定のものから生ずる所得(山林所得または譲渡所得に該当するものを除く)をいう。

2-2,事業所得の金額の計算方法(所法27②)

事業所得の金額=総収入金額―必要経費

2-3,課税の方法

事業所得の金額は総合課税され、総所得金額に含まれる。

3,給与所得の金額

3-1,給与所得の意義(所法28①)

給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(給与等という)に係る所得をいう。

3-2,給与所得の金額の計算方法(所法28②~④、所法57の2)

給与所得の金額=収入金額-給与所得控除額

  • 注10:事業所得 事業とは、自己の責任と危険負担をもって独立的に対価を得て継続的に行う経済活動であるものをいい、事業であるかどうかは社会通念によって判断される。従って、その人の行為が主たる職業または商売であると判断されれば、事業所得に該当することとなる。
  • 注11:給与所得の金額 収入金額から給与所得控除額を控除して計算される。
3-2-1,給与所得控除額注12

給与所得控除額は、次の速算表により求められる。

図表2‐8 給与所得控除額速算表

給与等の収入金額 給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40%(最低65万円)
180万円超  360万円以下 収入金額×3o%+18万円
360万円超  660万円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超 1,000万円以下 収入金額×10%+120万円
1,000万円超  1,200万円以下 収入金額×5%+170万円
1,200万円超 230万円(上限)
  • 注:平成29年分からは給与収入が1,000万円超について一律220万円にそれぞれ上限が引き下げられる。

図表2-9 給与所得控除額改正による比較

平成28年分 平成29年分
給与収入 13,000,000円 13,000,000円
給与所得控除額 2,300,000円 2,200,000円
給与所得控除後 10,700,000円 10,800,000円
その他控除額 1,500,000円 1,500,000円
課税所得金額 9,200,000円 9,300,000円
所得税額
(復興特別所得税額を含む)
1,531,500円 1,565,1001円

図表2-9のように、給与所得控除額の改正により、同じ給与収入であっても平成29年分所得税額は平成28年分に比べて33,600円増加する。

3-2-2,給与所得者の特定支出控除

給与所得者が特定支出をした場合、その年の特定支出の額注の合計額が下記区分に応じ、それぞれ「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を超えるときは、確定申告によりその超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができる制度がある。

これを給与所得者の特定支出控除という。

  • 注:特定支出の額とは、給与所得者が支出した通勤費、転居費、研修費、資格取得費(弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得を含む)、帰宅旅費、図書費、衣服費、交際費等一定のものをいう。ただし、通勤費などのように、給与等の支払者により補てんされ、その金額につき所得税が課されないものは、特定支出の額に含まれない。

3-3,課税の方法

給与所得の金額は総合課税され、総所得金額に含まれる。

3-4,年末調整(所法190)

給与所得について納税者本人が所得税を計算し、申告・納付することは手間が多く、すべての給与所得者について申告・納付を求めるのは不可能に近い。

そこで、申告手続きを簡略化するために、給与所得者については、その給与所得以外の所得がない場合、源泉徴収税額のみで納税を終了させる。この手続きを年末調整という。

  • 注12:給与所得控除額 給与等の収入金額が660万円未満であるときは、速算表によらず所定の表(「簡易給与所得表」)により給与所得控除後の金額を求める。

年末調整は、その年最後に給与を支払う際、給与等の支払者が正しい所得税額を計算し、正しい所得税額と源泉徴収税額の差額を調整して行う。

3-4-1,適用対象者

給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者で、1年間に支払われる給与等の金額が2,000万円以下である者、その他一定の者が年末調整を受けられる。

3-4-2,年末調整

次のa)に掲げる金額とb)に掲げる金額に差額が生じた場合、不足額は、その年最後の給与等の支払いの際に徴収し、超過額はその年最後の給与等の支払いの際徴収すべき所得税に充当し、充当しきれない金額は還付する。

  • a)1年間の源泉徴収税額
  • b)1年間の給与‐等について所定の表により求めた給与所得控除後の金額から、雑損控除、医療費控除及び寄附金控除以外の所得控除注13を控除した残額に、超過累進税率を乗じて計算した所得税額

上記b)の所得税額は、年末調整の際に適用がある住宅借入金等特別税額控除額注14を控除した金額である。

3-4-3,扶養控除等申告書等の提出

年末調整の適用を受ける者は、次の中告書をそれぞれの提出期限までに給与・等の支払者に提出する。

図表2-10 扶養控除等申告書等の提出期間

提出する申告書 提出期限
扶養控除等申告書 その年最初の給与等の支払日の前日
配偶者特別控除申告書
保険料控除申告書
住宅借入金等特別控除申告書
その年最後の給与等の支払日の前日

3-5,パートタイマーと税金

パート収入は給与所得とされるが、妻のパート収入の多寡により、夫婦の可処分所得に違いがある。妻のパート収入をどこまでに抑えるかということも1つの課題である。そこで、夫の給与収入と妻のパート収入の具体例を挙げ、所得税(住民税は考しない)の違いを見てみる。

【前提条件】

  • 給与収入には、家族手当は含まれない。
  • 家族手当は、妻の課税所得金額がゼロのとき、月額3万円支給される。
  • 夫の所得控除額は、配偶者控除及び配偶者特別控除を除き、一律150万円とする。
  • 妻の所得控除は、基礎控除額38万円のみとする。
  • パート収入等が103万円以下の場合には、配偶者特別控除の適用はない。
  • 平成28年分の所得である。

注13年末調整の際に適用がない所得控除:雑損控除、医療費控除、寄附金控除は、年末調整の際に適用がなく、これらの所得控除の適用を受ける場合には、確定申告を行う必要がある。
注14年末調整の際に適用がある所得控除: 年末調整の際には、税額控除の適用がないのが原則である。ただし、住宅借入金等特別税額控除について適用初年度に確定申告を行い「控除証明書」の交付を受けた場合には、翌年以後の年において、年末調整の際に住宅借入金等特別税額控除の適用を受けることができる。

【設例】

図表2-11 夫の給与収入が600万円である場合 (単位:円)

パート収入 650,000 1,030,000 1,400,000
合計所得金額 0 380,000 750,000
源泉所得金額 0 0 370,000
所得課税 0 0 18,800
給与収入 6,000,000 6,000,000 6,000,000
家族手当 360,000 360,000
収入金額合計 6,360,000 6,360,000 6,000,000
給与所得控除後 4,548,000 4,548,000 4,260,000
配偶者控除 380,000 380,000
配偶者特別控除 30,000
その他の控除額 1,500,000 1,500,000 1,500,000
課税所得金額 2,668,000 2,668,000 2,730,000
所得税額 172,800 172,800 179,100
可処分所得 6,837,200 7,217,200 7,202,100

注:復興特別所得税額を含む。

図表2-11のように妻に課税所得が発生すると、夫の家族手当と配偶者控除がなくなり、パート収入が103万円までの場合に比して可処分所得が減少する。

このほか、妻のパート収入については、100万円を超えると住民税の負担があること、130万円以上あると社会保険料の負担があることなども考慮すべきである。

3-6,家内労働者注15等の所得金額計算の特例(措法27)

3-6-1,家内労働者等の意義

家内労働者等とは、家内労働法第2条2項に規定する家内労働者(内職者等)、外交員、集金人、電力計の集金人その他特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする個人をいう。

3-6-2,所得金額計算の特例

上記3-6-1に該当する者の所得は、給与所得ではなく、事業所得または雑所得に区分される。従って、これらの者の所得の金額は、総収入金額から必要経費(実際に要した費用)を控除して計算される。

このため、家内労働者等は、パートタイマーなどの給与所得者と比して控除額が過少となることが多い。そこで、給与所得者と同様に、実際の必要経費に代えて65万円を必要経費として控除することができる特例が設けられている。

4,退職所得の金額

4-1,退職所得の意義(所法30①)

退職所得とは、退職手当、一時恩給その他退職によリー時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与(退職手当等という)に係る所得をいう。次に掲げる金額も、退職手当等のうちに含まれる。

4-1-1,解雇予告手当
4-1-2,みなし退職手当等
  • 注15:家内労働者 家内労働者が給与所得も有する場合には、家内労働者の特例である65万円から、給与所得の金額の計算の際、給与所得控除として控除した金額を差し引いた残額が、事業所得または雑所得の必要経費とされる。

a)国民年金法、厚生年金保険法等の特別の法律の規定に基づいて支給される一時金。

b)厚生年金基金から受ける一時金で、加入者の退職に基因して支払われるもの。

c)確定給付企業年金法に基づいて支給される退職一時金(自己負担部分を除く)。

4-2,退職所得の金額の計算方法(所法30②~⑥)

退職所得の金額=(収入金額-退職所得控除額)×1/2

注:勤続年数が5年以下の役員等に対して支払う退職手当等について、2分の1課税の適用はない。

4-2-1,退職所得控除額

退職手当等を取得した者の勤続年数を基礎とし、次の算式により計算される。

a)勤続年数が20年以下である場合……40万円×勤続年数(最低80万円)。

b)勤続年数が20年超である場合・……800万円+70万円×(勤続年数-20年)。

c)障害者となったことに基因して退職した場合・……上記a)またはb)に掲げる控除額に100万円を加算する。

4-2-2,勤続年数の計算

勤続年数は、就職した日から退職した日まで、その会社に実際に勤務していた期間による。この勤務していた期間に1年未満の端数がある場合には、これを1年とする。また、長期欠勤または休職の期間も勤続年数に含まれる。

【例】勤続年数35年3カ月(うち、病気による休職期間6カ月)

  • 勤続年数……36年
  • 退職所得控除額……800万円+70万円×(36年-20年)=1,920万円

4-3,課税の方法

退職所得の金額は分離課税され、退職所得金額に区分される。

5,山林所得の金額

5-1,山林所得注16の意義(所法32①~②)

山林所得とは、山林の伐採または譲渡による所得をいう。ただし、保有期間5年以下の山林の伐採または譲渡は、山林所得に含まれないものとする。山林に係る所得の分類は、次のようになる。

保有期間5年超・・・・山林所得

保有期間5年以下

  • 事業的規模・・・・・・事業所得
  • 非事業的規模・・・・雑所得

5-2,山林所得の金額の計算方法(所法32③~④)

山林所得の金額=総収入金額-必要経費-特別控除額

  • 注16:山林所得 山林の伐採または譲渡による所得をいい、林地(土地)の譲渡による所得は山林所得ではなく、譲渡所得となる。

山林の譲渡による所得は、過去の累積費用が必要経費となる。また、特別控除額として最高50万円控除できる。

5-3,課税の方法

山林所得の金額は分離課税され、山林所得金額に区分される。

6,譲渡所得の金額

6-1,譲渡所得の意義(所法33①~②)

譲渡所得とは、資産の譲渡注17による所得をいう。ただし、棚卸資産(棚卸資産に準ずる資産を含む)の譲渡、その他営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡による所得及び山林の伐採または譲渡による所得は、譲渡所得に含まれない。

6-2,譲渡所得の金額の計算方法(所法33③~①、措法31、32)

譲渡所得の金額は、次の①~④の順序により計算する。

6-2-1譲渡損益

譲渡損益の計算は、次の式を用いてa)~d)の区分ごとに行う(図表2-13参照)。

譲渡損益=総収入金額-(取得費+譲渡費用)

  • a)分離短期
  • b)分離長期
  • c)総合短期
  • d)総合長期

図表2‐13 譲渡損益の区分

譲渡所得の分類

  • 注:株式等……株式等の譲渡については所有期間により長期、短期の区分はない。
  • 土地等または建物等……土地等とは、土地または土地の上に存する権利をいう。建物等とは、建物及びその付属設備または構築物をいう。それらを取得した日から譲渡した日の属する年の1月1日までの期間を所有期間という。
  • 上記以外の資産……取得した日から譲渡した日までの期間を所有期間という。
6-2-2,内部通算

内部通算とは、前記6-1-1の区分により計算した金額のうちに黒字の金額と赤字の金額がある場合、赤字と黒字の相殺を行うことをいう。

次の順序により譲渡益と譲渡損の通算を行う。

a)総合短期と総合長期との通算

注17:資産の譲渡 譲渡所得に対する課税は、資産を所有していた者に帰属する値上がり益を、所有者の支配から離れて他に移転するのを機に、精算して課税しようとするものである。「譲渡」とは、売買はもとより交換、代物弁済、現物出資、収用など資産の所有権が移転する一切の場合をいう。

b)分離短期と分離長期との通算

6-2-3,生活に通常必要でない資産の災害等による損失

損失額を分離短期、総合短期、分離長期、総合長期の順序により控除する。なお、生活に通常必要でない資産に災害または盗難もしくは横領により損失を受けた場合には、次の算式により計算した損失額を譲渡所得の金額の計算上控除する。

  • 損失額=損失直前の取得費-損失直後の時価-廃材等の処分価額-保険金等により補てんされる金額

生活に通常必要でない資産には、次のようなものがある。

  • レジャー用ヨット。
  • 競走馬(事業を除く)その他射こう的行為の手段となる動産。
  • 通常自己及び自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で主として趣味、娯楽、保養の用に供する目的で所有するもの(別荘など)、その他主として趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産。
  • 1個または1組の価額が30万Flを超える貴石、貴金属、絵画、書画、骨董品等その他一定のもの。
6-2-4,特別控除額

最高50万円を総合短期、総合長期の順序により控除する。

6-3,課税の方法

区分 課税の方法 課税標準への区分
分離短期 分離課税 短期譲渡所得の金額に区分される
分離長期 長期譲渡所得の金額に区分される
総合短期 総合課税 全額が総所得金額に含まれる
総合長期 その金額の1/2が総所得金額に含まれる

7,一時所得の金額

7-1,一時所得の意義(所法34①)

一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得以外の所得のうち営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で、労務その他の役務または資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。

7-2,一時所得に該当するも。

  1. 懸賞の懸賞金、福引の当せん金(業務に関して受けるものを除く)
  2. 競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものは、雑所得に分類される)
  3. 生命保険契約等に基づく一時金(業務に関して受けるものを除く)
  4. 損害保険契約等に基づく満期返戻金等
  5. 法人から受ける金品(業務に関して受けるもの及び継続的に受けるものを除く)
  6. 人格のない社団等の解散により受ける清算分配金または脱退により受ける持分の払戻金(人格のない社同等から受ける分配金で上記に掲げるもの以外は、雑所得に分類される)
  7. 借家人が賃借している家屋の立ち退きに際して受ける立退料
  8. 売買契約が解除された場合に、契約の当事者が取得する手付金または償還金(業務に関して受けるものを除く)
  9. 遺失物拾得者または埋蔵物発見者が受ける報労金
  10. 住民税及び固定資産税の報奨金注18(業務に関して受けるものを除く)

上記に掲げるものに記載されてぃる「業務に関して受けるものを除く」とは、一時所得に分類せず、事業所得等その業務に係る所得に分類されるためである。

7-3,一時所得の金額の計算方法(所法34②~③)

一時所得の金額=収入金額―収入を得るために支出した金額―特別控除額収入を得るために支出した金額とは、収入に係る行為または収入に係る原因の発生につぃて直接支出した金額をいう。また、特別控除額として、最高50万円控除できる。

7-4,課税の方法

一時所得の金額は総合課税され、一時所得の金額の2分の1が総所得金額に含まれる。

8,雑所得の金額

8-1,雑所得の意義(所法35①)

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいぅ。

8-2,雑所得に該当するもの

雑所得に該当するものの例示としては、利子所得から一時所得まででぃくっか説明してきたが、そのほかに次に掲げるものがある。

  1. 法人の株主が、株主の地位に基づいて、その法人から受ける株主優待券等(配当所得とされるものを除く)。
  2. 生命保険契約等に基づく保険金または退職手当金等(このほか次の(3)の②に掲げる公的年金等に該当するものも含まれる)を年金の方法により支払いを受ける場合には、雑所得に該当する。

具体的には、次表のように区分される。

図表2‐14 所得の分類

区分 支払い方法 所得の分類
生命保険契約等に基づく保険金 一時金 一時所得
年金 雑所得(公的年金等以外)
公的年金等に該当する保険金 一時金 退職所得
年金 雑所得(公的年金等)

【課税される税金の区分】

a)保険金を一時金で取得する場合

一時金で取得する場合には、保険料の負担者の違いにより、がある。

図表2-15 保険金を一時金で取得する場合の課税

取得保険金 保険料負担者 税金の種類
取得保険金 保険金受取人 所得税
被保険者 相続税
上記以外の第三者 贈与税

b)保険金を年金で取得する場合

保険料負担者が誰であるかに関係なく、すべて所得税が課される。具体的な計算方法は、保険金を年金の方法により取得した場合の所得の金額は、収入金額から次の算式により計算した保険料を必要経費として控除した金額である。

  • 年金の額×保険料の支出額/保険金の総額または見積額(ただし、分数式は小数点第3位以下切り上げ)

8-3,雑所得の金額の計算方法(所法35②~④)

8-3-1,計算の手順

次のa)~c)の順序により、雑所得の金額が求められる。

  • a)公的年金等……収入金額―公的年金等控除額
  • b)上記a)以外……総収入金額―必要経費
  • c)a)+b)=雑所得の金額
8-3-2,公的年金等とは次に掲げるものをいう。
  • 国民年金法、厚生年金保険法等の規定に基づく年金。
  • 恩給(一時恩給を除く)及び過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金。
  • 確定給付企業年金法に基づいて支給を受ける年金(自己負担部分を除く)その他一定のもの。
8-3-3,公的年金等控除額

公的年金等控除額は、次の速算表により求められる。

図表2-16 公的年金等控除額速算表(年齢65蔵以上である者)

公的年金等の収入金額 公的年金等控除額
330万円未満 120万円
330万円以上 410万円未満 収入金額×25%+37.5万円
410万円以上 770万円未満 収入金額×15%+78.5万円
770万円以上 収入金額×5%+155.5万円

年齢65歳未満である者

公的年金等の収入金額 公的年金等控除額
130万円未満 70万円
130万円以上 410万円未満 収入金額×25%+37.5万円
410万円以上 770万円未満 収入金額×15%+78.5万円
770万円以上 収入金額×5%+155.5万円

8-4,課税の方法

雑所得の金額は総合課税され、総所得金額に含まれる。

8-5,相続等に係る生命保険契約等に基づく年金に係る雑所得

相続等(相続、遺贈または贈与)に係る生命保険契約等に基づく年金の支払いを受ける場合の年金については、課税部分と非課税部分に振り分けた上で課税部分の所得金額についてのみ課税対象とする新たな計算方法が設けられた。

9,収入金額の通則

9-1,収入金額の通則(所法36)

各種所得の金額の計算上、収入金額とすべき金額または総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額注19(金銭以外のものまたは権利その他経済的な利益をもって収入する場合には、その金銭以外のものまたは権利その他経済的な利益の価額)とする。

10,収入金額の評価の特例

10-1,欄卸資産の自家消費(所法39)

棚卸資産を家事のために消費した場合には、消費した資産の価額(時価)を総収入金額に算入しなければならない。棚卸資産の自家消費は対価がないため、通則によると収入に計上する金額はないが、消費した商品の原価が自動的に売上原価に含まれているため、費用(家事費)のみが事業所得等に計上されることとなる。

そこで、この費用に対応させる収入を計上させる。

10-1-1,収入計上額

実際の収入計上額は時価によらず、次のいずれか多いほうの金額とする。

  • 通常の販売価額×70%
  • 仕入価額

10-2,棚卸資産の贈与及び低額醸渡注20(所法40)

棚卸資産を贈与した場合、または著しく低い価額の対価により譲渡した場合には、その贈与等した資産の価額(時価)までを総収入金額に算入しなければならない。

10-2-1,収入計上額

実際の収入計上額は時価によらず、次の区分におけるそれぞれに定める金額とする。

  • 注19:収入すべき金額 収入すべきことが確定した年に、収入が確定した金額を計上することである。なお、別段の定めとは、家消費など通則によらない特例をいう。
  • 注20:低額譲渡 低額譲渡には、棚卸資産の販売がバーゲンセールなどで広く一般の者に行われるもの、または型崩れにより値引き販売されるものなどは含まれない。これらは、実際の販売価額により収入に計上する。

図表2-17 実際の収入金額計上額

区分 収入金額計上額
贈与 次のいずれかのうち多い方の金額

  1. 通常の販売価格×70%
  2. 仕入れ価額
低額譲渡 次のいずれかのうち多い方の金額

  1. 通常の販売価格×70%
  2. 販売対価

10-3,譲渡所得の基因となる資産の贈与等(所法59、60)

山林(事業所得の基因となるものを除く)または譲渡所得の基因となる資産を次に掲げる事由により移転した場合には、それぞれ掲げる方法により課税を行う。なお、低額譲渡とは、時価の2分の1未満の対価による譲渡をいう。

図表2‐18 譲渡所得の基因となる資産の贈与等の課税

個人に対する譲渡 贈与、遺贈、相続 課税しない
低額譲渡 譲渡損が生ずる場合 なかったものとみなす
譲渡益が生ずる場合 通常通り課税
法人に対する譲渡 贈与、遺贈、低額譲渡 時価課税
  • 注:個人に対して財産を相続または遺贈により移転させた場合には、所得税の課税は行われない。ただし、限定承認に係る相続または遺贈により財産の移転があったときは、その死亡した者が時価により譲渡したものとみなされる。

11,必要経費の通則

11-1,山林以外(所法37①)

その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額または雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他その総収入金額を得るために直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用の額とする。

これは、償却費以外の費用で、その年において債務の確定しないものはその年分の必要経費に算入されないとする債務確定主義に基づいている。なお、山林に係る必要経費も同様である。

さいごに

11-2,山林(所法37②)

山林を譲渡した年分の事業所得の金額、山林所得の金額または雑所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、山林の植林費、取得に要した費用、管理費、伐採費その他山林の育成または譲渡に要した費用の額とする。従って、山林は過去の累積費用が譲渡した年分の必要経費に算入される。

ではまた。

※この投稿はNPO法人日本FP協会CFP®カリキュラムに即して作成しています。

初回カウンセリング

小さな改善で大きな成果を!

将来が漠然としているからこそより大きな成長が期待できる。もしも、既に適切なプランがあるとしたら一気に飛躍できる。

あなたのライフデザインについて一緒に考えてみませんか?