今回は老後のライフプランについてです。
ほとんどの人がマイナス収支になる理由、老後の前提を変える重要性、リタイアメント・デザインの事例をご紹介します。
6,老後はどの程度の暮らしを希望するのか。
老後の相談に来られる9割以上が53歳以上の方。
そして、その100%が富裕層。
老後はなんとかなると確実に分かっているので、その振り分けを相談しに来られるわけです
これは、人生経験を重ね、信念も固まっている状態から計画を練っていくということを意味します。
柔軟性は低下してますが、年齢脳の特性をうまく活用すればカバーできます。
つまり、それ以前とは違った学習法やアプローチ方法を選択すればいいわけです。
老後がマイナス収支になる確率は高い
一方、30代、40代で老後を考えるのは、難しいことかも知れません。
私の場合は38歳のときでした。考えざるを得なかったからです。
つまり、そういう環境に追い込まれでもしないと考えようとしないでしょう。
ライフプランの際に老後収支シュミュレーションを確認してみると、現状ほとんどの方がマイナス収支になります。
※収支を修正しない状態で、資産運用も考慮しない場合。
薄々そういうことが分かっているので、怖くてシミュレーションできないのかもしれません。
つまり、国の年金制度に不安や不満を懐きながらも、依存しなければならないと決めつけている状態です。
ライフ・シフトの受け売りもあって、人生100年などと政治家が言い始めました。
現在でも100歳を越える方もいらっしゃいます。しかし、もっとずっと手前でお亡くなりになる方もいらっしゃいます。
それで平均寿命が79.64歳だとか86.39歳という統計上の数宇になっているわけです。
この統計パターンを類推した場合、長寿の人が125歳程度になれば平均寿命が100歳になるということでしょうか。
そうなったら年金額はどうなるのか・・・まだ当分先の話だとは思いますけどね。
いずれにせよ、生きていくためには経済的なバックボーンが必要なわけです。
では、これからその収入をどうやって確保していったらいいのか?
生活保護を受けるか、盗人になるしかないかも!?
日本経済がこのまま推移した場合、会社にそれを望むのが難しいことは誰もが承知しています。
ですから、それなりの資金を既に確保している人、再就職によって不足額をカバーできる人、起業して成功している人が、自活していけるという環境になります。
それ以外の人は国から手当をもらって生活するか、盗人にでもなるしかありません。
そして、その原資は働いている人が捻出し続けなければならないわけです。
場合によっては、生活保護を受けている人の方が、懸命に働いている人よりも豊かな暮らしができる構造になるかも知れません。
すべての人が公務員や政治家になれればいいのですが、そうもいかないでしょう。
老後のイメージを変えよう
つまり、何を言いたいのかと言うと、老後はいくら必要か?
ではなく、今日から「老後はいくら稼げばいいか」という考え方にシフトしてほしいという事です。
稼ぐ方法は3つあります。
- 再就職
- 起業
- 資産運用
一番いい方法は同時に3つとも進行させることです。現在の私はそういう状態です。
具体的には・・・
- 給与所得控除なども活用する。
- 起業して節税のメリットなども生かす。
- それらで得た所得や収益と既に所有している資産を合わせて運用する。
- 運用で得た利益を再投資と浪費(趣味・趣向・贅沢品など)に振り分ける。
税制や運用知識もあり、投資とは何かを理解していれば、これらのことは簡単に実行でき、成功するはずです。
その際には、何事も速やかに実行できるかどうかがポイントになります。
速やかに実行するためには、実行力(意志)に頼るのではなく、それ相応の環境(仕組み)づくりが必要になります。
もちろん、投資には自己投資も含みますし、資産も物に限ったことではありません。
資産には情報、経験、ノウハウ、スキル、人脈、特許、USPといった無形のものも含まれます。
しかし、いちばん重要なのは、これら「全てを結びつけ作動する仕組み」をつくるスキルです。
それがレバレッジを効かせるということではないでしょうか。
老後ライフプランの事例
ここで老後ライフプランの事例を1つご紹介しましょう。
彼は59歳、ある研究分野ではちょっと知られてた人です。
ずっと研究畑で仕事をしてきたので、驚くほどの資産ではありませんが、株式と現金で1億3,000万ほど所有していました。
それでも将来が不安で相談に来られたのです。
そう、どんな状態にあろうと、それなりに不安はつきまとうものです。
資産が有ればあったで、相続対策のことが気がかりで、夜もおちおち寝てられないという人もいます。
自分はもうこの世にいない頃なのに、それでも自分の蓄財の行方が気になって仕方ないのです。
当初は、その1億3,000万円を生かし切れる老後プランに仕上げてほしいという希望でした。
また、一人娘が心配だから、ある程度の資産も残してあげたいとも言っていました。
それも一つの方向性ではありましたが、彼の実績とスキルを考えると非常にもったいないと思ったのです。
それで、「その経験とスキルを販売」したらどうだろうかと提案しました。
「経験とスキルを売るというのはどういうことなのか」という話になり、マーケティングとセールスのコーチングに変更することになりました。
するとどうでしょう。なんとその2カ月後には、コンサルタントとして3件の契約を取り付け、フィー収入で1,000万近い収益を確保していました。
ということで、それまでの老後プランが一変して、全く別ものになりました。
つまり、老後プランではなく、事業計画になったわけです。
これほどの変貌例は、そう頻繁にはありませんが、それでもで年に2,3はあります。
プロファイリングのスキルでも身に着けていれば別ですが、本来の特性や強みというのは、自分では気づかないものだからです。
本人にしてみれば、何時も通りやっていることなんですが、それが傍から観ると凄かったりします。
ライフコーチングとは、合気道のようなものだと私は思っています。
もっとも相手の力を生かしてねじ伏せるのではなく、飛躍させる方向ですがね。・・・
次回は最後、7番目の相続についてです。
ではまた。