借金をしてまでギャンブルをしてしまったり、生活費をブランド品に費やしてしまったり、経済的な問題で離婚に至る夫婦も多いようです。しかし、この背後にはどのような心理的な過程があるのでしょうか?
まず「認識」のフェーズ。ここでは、例えば、夫がギャンブルに生活費を使い始める、または妻が生活費をブランド品に使うといった問題の存在を認識します。最初は小さな出費で、家計に大きな影響はないかもしれません。しかし、徐々にその支出が増えていくと、この問題を無視できなくなります。
次に「評価」のフェーズへ。ギャンブルやブランド品への支出が増えるにつれ、家計に対する影響も大きくなります。貯蓄が減っていく、または借金が増えていくといった実態を目の当たりにし、問題が深刻であると評価します。しかし、この段階では、まだ自分一人の努力で何とかなると考え、外部に助けを求めることは少ないです。
そして「行動」のフェーズへ。問題がエスカレートし、借金が返済できない程度に増えてしまったり、生活費がまかなえない状況に陥ったりすると、自己防衛のために行動を起こさなければならない状況になります。この段階で、離婚を考えるようになる人も少なくありません。
具体的な例として、妻の浪費癖がなかなか治らず、その妻の借金を背負った状態で離婚する人もいます。養育費を支払いながら借金も返済していかなければならないので大変です。なぜ、浪費癖が治らないのか?大きな不安を抱えているからです。彼女が金銭感覚に問題を感じ始め、「認識」フェーズに入ります。
その後、彼女の浪費が慢性化し、家計に重大な影響を及ぼすようになったとき、「評価」フェーズに移行します。ここで彼女の浪費癖の深刻さを評価し、問題解決のための措置を考え始めます。
最終的に、彼女の借金が返済不可能なほどに膨らんだとき、「行動」フェーズに突入します。この段階で彼は離婚を選択し、新たな人生を始める決断を下します。
以上が経済的な問題を抱える夫婦が離婚に至るまでの心理状態の変遷です。自分がどのフェーズにいるのかを把握し、それぞれの段階で適切な行動をとることが重要です。問題が解決しない場合、早めに専門家に相談することをお勧めします。
次回は離婚の原因と扶助義務についてです。