借地建築物への融資
定期借地権付き分譲住宅は50年後に返還するなどの条件はありますが、所有権付き住宅価格の約6割程度と割安です。
フラット35の場合、通常の借地権、定期借地権について建物取得費と借地権取得地の9割までが融資の対象となっています。
いずれの取得費も地上権設定契約書または賃貸契約書により対価の支払いを確認できること、原則として保証金、敷金返戻請求権に住宅金融支援機構を質権者として質権設定することが必要です。
なお名義書換料、承諾料は融資の対象にはなりません。
フラット35以外の民間住宅ローンの場合、一般定期借地権についてはローンを組めない場合がありますが、なかには定期借地権に対するローンとして専用の定期借地権付き住宅ローンを扱っている金融機関もあります。
定期借地権付き物件への融資
定期借地権付き物件への融資は、一般的な住宅ローンや土地の購入に関する融資とは異なる特有の注意点があります。定期借地権とは、土地を一定期間借りる権利であり、その期間が終了すれば土地は地主に返還されます。このような特性を持つ物件に対する融資を検討する際のガイダンスを以下に示します。
1. 定期借地権の理解
- 借地期間の確認: 定期借地権は契約で定められた期間が存在します。融資を受ける際は、この借地期間が融資の返済期間に合致していることが重要です。
- 契約内容の詳細確認: 土地使用の条件や建築物に関する規制、更新条件など、契約内容を詳しく理解することが必要です。
2. 融資機関の選定
- 専門性を持つ金融機関の選択: 定期借地権付き物件に対する融資は、専門知識を要するため、この分野に経験豊富な金融機関を選択することが望ましいです。
- 融資条件の比較: 金利、返済期間、必要書類など、融資条件を複数の金融機関と比較し、最適な選択を行います。
3. 地主の同意の取得
- 地主の同意書の取得: 建築物の建設や融資の担保設定にあたり、地主の同意が必要な場合があります。事前に地主との協議を行い、必要な同意書を取得しておきましょう。
4. 融資申し込みの準備
- 必要書類の準備: 借地契約書、地主の同意書、建築計画書、収支計画書など、融資申し込みに必要な書類を事前に準備します。
- 財務計画の策定: 定期借地権付き物件への投資リターンとリスクを評価し、長期的な財務計画を策定します。
5. 返済計画の検討
- 返済期間の検討: 定期借地権の期間内に融資を完済できるよう、返済計画を慎重に検討します。
- 繰り上げ返済の可能性: 返済計画には、将来的な繰り上げ返済の可能性も考慮に入れ、柔軟な返済戦略を立てることが重要です。
6. 専門家のアドバイスの活用
- 法律相談: 借地権に関する法律や契約内容の確認には、不動産法務に精通した専門家のアドバイスを求めることが有効です。
- 税務相談: 投資の税務効果や節税対策についても、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
定期借地権付き物件への融資は、特有のリスクと機会が存在します。事前の準備と慎重な検討を行い、安全かつ効果的な投資を目指しましょう。
ではまた。