優績セールスだった彼女が、「迷走の4年間」から自分のステージを組み替えるまで
このケースは、かつて生命保険の世界で「優績者」と呼ばれていた一人の女性が、その後の転職と挫折を経て、まったく新しいステージへと軸足を移していくまでの物語です。数字と評価に支えられたセルフイメージが崩れたとき、人は何を失い、何を取り戻していくのか──。そのプロセスには、Pathos Fores Design が大切にしている「視点の組み替え」の要素が濃く表れています。

ケースの背景──「優績者」として出会い、突然姿を消した彼女

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※ 医療的診断ではありません。セルフケアの参考情報としてご活用ください。

彼女と出会ったのは、今から数年前のこと。私のクライアント先の会社で、生命保険の販売をしているセールスとして紹介されました。「なかなかの優績者ですよ」と、当時の上司から聞かされていたとおり、数字も安定しており、周囲からの評価も高い人でした。

ところが、それから2年ほど経った頃、彼女は職場から突然姿を消します。異動の話も聞かず、連絡が取れなくなり、詳細は分からないまま時間だけが過ぎていきました。

何があったのか──。その答えが分かったのは、ある日の渋谷・東急ハンズでの“ばったり再会”でした。

渋谷での再会──転職と倒産、給料遅延の「迷走期間」

東急ハンズの店内で偶然すれ違った彼女は、こちらに気づくなり、ほっとしたような表情を浮かべました。そして、息せき切って、ここ数年に何があったのかを語り始めたのです。

・保険ビジネスを辞めてから、すでに3回転職していること。
・入社した会社が倒産したり、給料の遅延が続いたりと、大変な思いをしてきたこと。
・「前のほうがまだ良かったのではないか」と思いながらも、元の世界に戻ることもできず、宙ぶらりんのまま時間が過ぎてしまったこと。

立ち話で済ませられる内容ではありませんでした。場所も場所だったので、その日は最低限の近況だけを聞き、日を改めてじっくり話を聞くことにしました。

元・優績者が陥りがちなパラダイム──過去の「数字」がつくる呪縛

あらためて話を聞いていくと、彼女は「過去に優績だった人ほど陥りがちなパラダイム」にがっちりと絡め取られていることが分かりました。

・かつての成績を基準に、自分を評価してしまう。
・今の自分が、その基準に届いていないことを過度に恥ずかしく感じる。
・「以前のようにやればできるはず」と思いながらも、環境も市場も、思考プロセスも変わっている現実を直視できない。

その結果、「以前の自分」と「今の自分」のあいだに、大きなギャップが生まれていました。頭では分かっていても、心がそのギャップを受け止めきれず、行動は空回りし、セルフイメージはどんどん傷ついていきます。

ここまで崩れてしまったセルフイメージは、抽象的な励ましや精神論では立て直せません。彼女の場合も、単に「自信を持ちましょう」といった言葉では、何ひとつ動かないだろうと感じていました。

セルフイメージとコンフォートゾーンを組み替える──具体レベルまで伴走する

そこで取り組んだのは、まずセルフイメージそのものを丁寧に見直していくプロセスでした。

  • 「優績者である自分」ではなく、「どんなときも人の話をちゃんと聴ける自分」という軸を見つけること。
  • 「過去の数字」を基準にするのではなく、「今の自分が提供できる価値」を基準にコンフォートゾーンを設定し直すこと。
  • その上で、自分の経験や関心を統合した「コンテンツ(提供価値)」を具体的な形にしていくこと。

ここから先は、抽象的なアドバイスだけでは足りませんでした。彼女は、自分一人の力だけで立ち上がるには、まだエネルギーが足りない状態でした。そこで、

  • どの分野で、どのような形のサービスを提供するのか
  • そのサービスを必要としているのは、どんな背景を持つ人なのか
  • 実際に一週間で何件コンタクトを取り、どれくらいのペースで試行錯誤していくのか

といった「行動計画」のレベルまで踏み込み、かなり具体的なところまで一緒に設計していきました。セールスのマインドも、保険時代の「売る」「取る」という発想から、「届ける」「支える」というスタンスへと再構築していきました。

6カ月後──「〇〇の〇〇セラピスト」として、新しい肩書きを名乗る

こうしたプロセスを経て、およそ6カ月後。彼女は、ある分野に特化した〇〇の〇〇セラピストとして、正式に起業するところまでこぎつけました。

そこに至るまでには、何度も迷いや不安が顔を出しました。「本当にこれでいいのか」「保険に戻ったほうがいいのではないか」という揺らぎも当然ありました。それでも少しずつ、

  • 自分の経験を、他者への支援に変換すること
  • 数字だけでは測れない価値を、自分の仕事の中心に据えること
  • 「優績者」という肩書きではなく、「今の自分のあり方」によって人とつながること

に、彼女自身が納得を深めていったのだと思います。

別れ際に私は、「以前のセルフイメージがなかなか抜けないこともあると思うけれど、そのたびに視点を変え続けてくださいね」と伝えました。彼女の歩みは、過去の栄光にしがみつくのではなく、「今ここからの自分」を引き受けていくことの難しさと尊さを、あらためて教えてくれるものでした。

※上記はあくまでも一つの事例であり、絶対的な成果や効果を保証するものではありません。

あなたへの問いかけ──「過去の肩書き」が、今の自分を縛ってはいませんか

このケースは、一人の元・優績セールスの物語ですが、その背後にあるテーマは多くの人に共通するものです。

もし今、あなた自身が

  • 過去の成功体験や肩書きが、自分の基準になりすぎている
  • 以前よりも「できていない」自分を、過度に責めてしまう
  • 環境が変わったのに、かつてのやり方や物差しに、どこかでしがみついてしまう

そんな感覚を抱えているとしたら、一度立ち止まって、こう問いかけてみてもいいかもしれません。

「今の自分が本当に提供したい価値は何か?」
「その価値を届けるために、どんな『新しいステージ』を自分に許すのか?」

過去のセルフイメージを完全に捨て去る必要はありません。ただ、それに縛られすぎると、変化のタイミングで身動きが取れなくなってしまいます。「今ここから」の自分にふさわしいステージを一緒に描き直していきたいと感じたときは、どうぞ一度ご相談ください。

暮らしの輪郭を、内側から描きなおす

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