
ライフプランニング:価値を創り、内的経験を設計する
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※ 医療的診断ではありません。セルフケアの参考情報としてご活用ください。
ライフプランニングは、外側の出来事を並べ替える作業ではありません。
私たちが何を「価値」と感じ、どのような内的経験(感情・意味・納得・充足)を日々味わいたいのかを先に定義し、その状態を再現しやすい生活設計へと落とし込むことです。
外界の出来事は制御できませんが、出来事をどう体験するかは設計できます。
1. 価値創造を中心に据える――「望む体験」を先に言語化する
価値創造を起点にすると、計画は「何を買うか・持つか」から「何を体験し、どんな心の状態でいたいか」へ移ります。
たとえば「家族と温かい時間」「専門性が活きる貢献」「静かな集中」「自然との接触」――
これらはすべて価値の源泉であり、予算や時間配分の羅針盤になります。
実務では、次の三段階で価値を運用に接続します。
① 言葉:「私が日常で安定して味わいたい内的経験は______である」
② 数字: その経験の再現に必要な時間・お金・環境を定量化(例:週2回の無通知90分/月2万円の学び/静かな作業場所)
③ 行動: カレンダー固定・自動積立・環境整備(通知遮断、道具の常設)で習慣化
2. 人生は「外的経験」ではなく「内的経験」だという前提
同じ出来事でも、受け止め方が異なれば体験の質は変わります。収入の増減や肩書きの変化だけでなく、
「意味づけ」「注意の向け先」「身体状態」が日々の満足度を左右します。だからこそ、ライフプランでは
感じたい状態を先に決め、それを支える行動と環境を組み込む必要があります。
具体策としては、朝晩1分の「状態チェック」(いま感じたい言葉を一つ選ぶ)、週1回の「出来事→意味づけ」の振り返り、
月1回の「カレンダーと支出の“内的整合性”点検」が有効です。数字が合っていても、心が摩耗していれば
計画は続きません。逆に、内的経験が満たされる設計は驚くほど粘り強く機能します。
3. プラン前に知っておきたい「4つのファクター」
人には本能的な傾向として、結びつき・習得・防衛・学習の意欲が備わっています。これらを無視した計画は
形は整っても、エネルギーが通らず継続しません。むしろ、4つを設計に取り込むと、行動が自発的になります。
結びつき(関連性)
関係が増えるほど、意味と安心が増えます。家族・仲間・コミュニティ・顧客・師との接点を、時間と場所で具体化しましょう。
例:月1回の家族会議/週1回の同業交流/四半期に一度メンター面談。支出は「交際費」ではなく
「関係資本への投資」として予算枠を固定します。
習得(新しいスキル)
成長の手触りは自己効力感を上げます。半年で可視化できるスキルを一つ決め、証明(成果物・資格・売上)まで設計。
「学ぶ→つくる→公開する」の短いサイクルを回し、学びを収益・貢献・時間短縮のいずれかに変換します。
防衛(自己保護・危機回避)
不安を放置すると、意思決定は縮みます。緊急資金(生活費6〜12か月)、最低限の保障(高額医療・就業不能・賠償)、
情報のバックアップ、連絡網の整備――これらは“安心の土台”。一度整えると、攻めの意思決定が可能になります。
学習(情報吸収と応用)
学習は入力だけで完了しません。週の終わりに「今週試したこと」「次に試すこと」を3行で記録し、翌週に一つ実装。
インプット:アウトプット=2:1を目安に。「知っている」を「使える」へ翻訳します。
4. 4ファクターをプランに落とす設計図
(1)カレンダー設計
まず時間に「席」を用意します。結びつき=定例の会合、習得=無通知の学習ブロック、防衛=月次点検日、
学習=週次ふりかえり。小さくても固定化がコツです。予定は「誰と・何を・どの状態で」を書きます。
(2)予算設計
4ファクターにそれぞれ予算を割り当てます。例:関係資本1万円/月、学び2万円/月、防衛(保険・備蓄)固定費、
学習のための書籍/コース枠5千円/月。使途は毎月レビューし、「効いた支出」を残して磨きます。
(3)環境設計
持ち物・アプリ・場所を最適化します。学習の席にツールを常設、通知を時間で遮断、家族会議の議題テンプレを用意。
防衛では保険証券・緊急連絡先・手順書を1ファイルにまとめ、家族と共有します。
(4)指標設計(感じたい状態のKPI)
数字は「安心」と「充足感」の代理指標です。例:週の“満ち足り度”を10点で自己評定/
結びつき=今週の対面時間、習得=成果物の数、防衛=点検完了フラグ、学習=試した回数。
高度な分析は不要。続けられる簡単さを優先します。
5. 90日プロトタイプ(今日からの小さな実装)
Day 1: 欲しい内的経験を一言で定義(例:「静かな集中」「温かい安心」)。
Week 1: カレンダーに4ファクターの最小ブロックを各1コマずつ固定。
Week 2: 予算に4つの封筒(関係・学び・防衛・書籍/コース)を追加。
Week 3: 緊急資金の自動振替を設定、保険の必要保障だけを棚卸し。
Week 4: 学んだことを小さく公開(SNS・社内・家族)し、翌週の改良点を一つ決める。
以後は、四半期ごとに「内的経験の充足度」と「時間・予算・環境」の整合性を見直します。合っていないものは削り、
効いているものを太らせる。これだけでプランは自然に洗練されます。
結論:視点を変え、価値を創り、内側から暮らしを設計する
視点を変えるとは、外的指標から内的経験へ焦点を移すことです。価値の創造を中心に、
結びつき・習得・防衛・学習という人間の自然な駆動力を設計に織り込むと、計画は自走を始めます。
数字の正しさと同じくらい、日々の納得と充足が大切です。あなたが「こう在りたい」と思う
内的経験こそ、ライフプランの出発点であり、到達点です。
ケーススタディ:4つのファクターで計画が“自走”する
事例A:30代・共働き夫婦/時間に追われて貯蓄が伸びない
背景:収入は安定。家事・育児で常に時間切れ。投資は開始済みだが増額できない。
望む内的経験:「静かな集中」「家族と温かい時間」。
設計:週1回の90分「無通知ブロック」を双方のカレンダーに固定(習得)。月1回の家族会議で翌月の残業・保育・病院を先読み(結びつき)。
緊急資金6か月をまず満たし、保険は就業不能と賠償に絞って過不足を削減(防衛)。学びは「家事省力の仕組み」をテーマにし、食材宅配・掃除外注のA/Bテストを2週間単位で実施(学習)。
結果(90日):家事外注で週4時間の余白を確保。余白を投資積立+1.5万円/月に回し、睡眠時間が平均+35分。主観KPI(満ち足り度10点法)は6.2→7.8へ。
事例B:40代・シングルマザー/収入不安と将来の教育費が心配
背景:フルタイム+残業。貯蓄は少額。学童と塾の費用が増加。
望む内的経験:「安心」「誇り」。
設計:先に緊急資金3か月→6か月へ段階設定(防衛)。「教育費・進路の話」を月1回15分、子と対話する定例に(結びつき)。半年で収益に直結するスキル(表計算+PowerQuery)を選び、社内で業務改善を1件提案(習得)。提案の記録を週次で3行ログ(学習)。
結果(90日):残業代の一部を手当化、固定収入が増加。家計は赤字月0に。子の学習計画が可視化され、奨学金・公的支援の下調べが前倒しに。
事例C:50代・管理職/退職後の時間がイメージできない
背景:退職金見込みはあるが、役割喪失が不安。
望む内的経験:「貢献」「好奇心」。
設計:週2時間の地域プロジェクトに試験参加(結びつき)。過去の専門を再編集して無料講座を月1回オンライン開催(習得)。資産は「当面・中期・長期」の三層取り崩し順を確定(防衛)。講座のフィードバックを毎回1つ改善に反映(学習)。
結果(90日):退職後の週スケルトンが固まり、不安が「準備リスト」に変換。講座資料を基に小規模な有償相談が発生。
数字の裏側(リスク・感度・逆算)まで1画面で可視化。
未来の選択を「意味」から設計します。
- モンテカルロで枯渇確率と分位を把握
- 目標からの逆算(必要積立・許容支出)
- 自動所見で次の一手を提案
セルフアセスメント:内的経験と4ファクターを言語化する質問票
印刷またはコピペしてお使いください。各設問は10点法(0=全く違う〜10=完全にそう)で採点し、最後に自由記述を加えます。
1. 内的経験(感じたい状態)
今の暮らしで安定して感じたい言葉を3つ挙げる(例:静かな集中/温かい安心/達成/貢献/好奇心)。
1)________ 2)________ 3)________
今週、その状態を感じた時間は合計で何分くらいでしたか?(目安でOK) ______ 分
2. 結びつき
家族・友人・同僚・コミュニティ・師との関係で、エネルギーが増える接点は何ですか? 3つ書く。
1)________ 2)________ 3)________
次の30日で、その接点を「時間」と「場所」で固定するなら?(例:第○土曜10:00–10:45、ビデオ通話)
3. 習得
半年以内に証明(成果物・資格・売上)できるスキルを1つ。________
最小成果物(MVP)は?(例:テンプレ1枚/5分講義/試作1本) ________ 締切 ________
4. 防衛
緊急資金はいま生活費の何か月分ですか? ______ か月分 → 目標 ______ か月分(到達期日 ______)
保険・備えで「高額・低頻度」だけを列挙(医療上限/就業不能/賠償/災害 など)。過不足は? ________
5. 学習
今週「試したこと」を3行で:
① ________/② ________/③ ________
来週「試す一つ」は? ________(何曜日の何時に実行? ________)
6. 配分と環境
今月、4ファクターの予算(関係・学び・防衛・書籍/コース)をいくらにしますか?
関係 ______円/学び ______円/防衛 ______円/書籍・コース ______円
状態を守る環境調整(通知遮断・道具常設・作業場所)は? ________
7. 自由記述
「いまの暮らしに、何を足し、何を減らすと“ちょうど良い”に近づきますか?」 ________
家族会議アジェンダ:合意を“形”にして、行動へつなぐ
目的は「情報共有」「合意」「次の行動の明確化」。時間は60分版と120分版の2種を用意しています。
60分版(毎月)
0–5分|チェックイン:一言ずつ今の気分と今月のハイライト。
5–20分|数字の確認:手取り推移、固定費の変化、イベント月の再確認。
20–35分|4ファクター点検:結びつき/習得/防衛/学習の進捗と詰まり。
35–50分|意思決定:来月のブロック時間、予算配分、やめること。
50–60分|ログ化:決定事項のメモ、担当・期日・完了条件を1行で。
120分版(四半期)
前半60分:価値観の再確認(感じたい内的経験がずれていないか)、大型イベントの前倒し・後ろ倒し検討、保険・住宅・教育の見直しトリガー点検。
後半60分:学びの収穫祭(各自の成果を共有)、来期の習得テーマ選定、家事・育児・介護の役割再配分。
会議のルール(推奨)
①非難しない。②事実→解釈→提案の順で話す。③時間内に「誰が・いつまでに・何を」が1件でも決まれば成功。
合意メモのテンプレート(コピー用)
合意メモ|YYYY/MM/DD 家族会議
1. 内的経験のキーワード:______/______/______
2. 来月の固定ブロック:
・結びつき ______(曜日・時間・場所)
・習得 ______(曜日・時間・教材)
・防衛 ______(点検日・対象)
・学習 ______(ふりかえり曜日・方法)
3. 予算配分:関係 ______円/学び ______円/防衛 ______円/書籍・コース ______円
4. ToDo(担当・期日・完了条件):
① ______(担当:__/期日:__/完了条件:__)
② ______(担当:__/期日:__/完了条件:__)
5. 次回開催:____月____日(__:__–__ : __)
運用リズム:更新を“軽く”して、継続を強くする
毎日30秒:今の気分を10点で記録。感じたい言葉に合っているかを一言。
毎週10分:試したこと3行、来週試す1つを決定。
毎月60分:家族会議(60分版)。固定ブロックと予算を更新。
四半期120分:大型の見直し(120分版)。
年1回:「住まい・保険・教育・退職・相続」を総点検。
見直しトリガー(変更のサイン)
①手取りが±10%動いた/②固定費が増えた(年払い更新など)/③睡眠が平均−30分/④週の満ち足り度が継続して5点未満/⑤家族のライフイベントが確定。
小さく設計し、軽く更新する――それが継続のコツです。合わない施策は捨て、効いた施策だけを太らせましょう。



