エネルギーの構成要素を感じ取る、そして具現化された感情を認識する

タイプには健全なものと不健全なものがある。

しかし、誰かが不健全な方向に傾いているからといって、それを裁いてはいけない。

発達段階において、誰もがそのような状態になる可能性がある。

それを「病気」と言う名称で呼ぶこともある。

これから解説する内容は、上下のない類型論の一例だが、非常に有効な事例となり得る。

参考▼

※類型論:個々の事象からいくつかの類似点を抽出し、典型的な類型をもって代表・記述することにより、それらの事象群の本質や構造を考察しようとする学問的方法論。
※男性性、女性性:肉体的な性別とは別に、心理的・精神的な部分における違いを指します。

健全な男性性の乱れ

大概、健全な男性性は、自立性、強さ、独立性、自由などの方向に向かう。

不健全になると、これらの性質が過剰になるか、不足する。

健全不健全
自立性疎外感
強さ支配欲
独立性関係性への恐怖
自由への欲求破壊への欲求

特に、それが病的になると、恐怖によって人を支配しようとするようになる。

健全な女性性の乱れ

健全な女性性の大半は、流れ、関係、思いやり、憐れみなどの方向に向かう。

それが不健全な状態になると、それらのなかにおぼれてしまう。

健全不健全
関係性をみいだす関係性の中の迷子
自己と他との交流の中自己を見失い、関係性に支配される
結びつき融合
流れの状態パニック状態
交流溶離を起こす

※溶離:物が熱をうけて液体になること。

不健全な女性性は、結びつきのなかの豊かさを見るのではなく、融合の中のカオスを見るのだ。と彼は言っている。

だから、自分や他に働いている男性性と女性性の次元を特定する道を見つけるには、IOS(インテグラル・オペレーティング・システム)を使う必要がある。

叡智からの贈り物

さまざまなタイプの分類は、自分をよりよく理解するとともに、他者と通じ合うことにおいても非常に有効だ。

それぞれのタイプには、健全なものもあれば、不健全なものもある。

だから、より明確により有効にそれらと通じ合うために、病的なタイプを指摘することもある、というだけのことだ。

人を裁くために分類するわけではない。

これまで話してきたことすべてを包括して統合的な結論に導く前に、再度確認しておきたいことがある。

意識の状態についてだ。

まず、意識の状態とは、身体から切り離されて空中に漂っているものではない。

そのすべてに感じ取れるエネルギーの構成要素があり、具体化された感情がある。

そして、あらゆる気づきの状態を支える具体的な輸送手段がある。

ここで叡智の伝統から、ひとつシンプルな例を取り上げてみよう。

私たちは、覚醒、夢見、無形の眠り、という3つの意識の状態を持っている、という考え方だ。

そのため、それぞれに対応する3つの身体がある。

それぞれグロス・ボディ、サトル・ボディ、コーザル・ボディと呼ばれている。

参考▼

グロスボディ(粗大な身体)、サトルボディ(微細な身体)、コーザルボディ(原因の身体)

これは、マラヤーリ人の8世紀に活躍した中世インドの思想家、アディ・シャンカラが定義した概念と言われている。彼の概念は、原因を必要とせず存立するところのブラフマン(梵)と、アートマン(我)は同一であるという主張に基づいている。

こうした発想は「身体」を経験の様態、エネルギーの感覚という解釈に基づいている。

そこから、粗大な経験、微細な経験、非常に微細な原因的な経験、という概念も誕生する。

グロス・ボディと粗大なエネルギー、サトル・ボディと微細なエネルギー、コーザル・ボディと原因的なエネルギーに、それぞれアクセス可能だ。

哲学者は、ときに「現象学的なリアリティ」と呼んだ。

この3つの身体について、もう少し詳しく解説しよう。

グロスボディ

今、これを読んでいるあなたは、覚醒状態の意識にある。

グロスボディを意識している状態だ。

別な言い方をすれば、それは物理的、物質的、感覚運動的な肉体だ。

サトルボディ

光、エネルギー、感情、流れるようなイメージを感じる。

この感覚がサトルボディの状態だ。

心とソウル(魂)は解放され、物理的なルールや肉体に束縛されず自由に想像する。

他のソウル(魂)、世界、遠くの土地など、自由に思いを巡らすことができる。

夢のなかでは、感覚、イメージ、光といったサトルボディを所有している状態だ。

ただ、「自分にはこれこれこういう夢がある」とはっきりと自覚している状態の時の夢に限定される。

最も高次の可能性に向かって、サトルボディと心が自由に羽ばたいている。

コーザルボディ

さらに、そこから深い眠りに入ると、思考やイメージも抜け落ちて広大なエンプティネス(空)の世界になる。

これは自我を越えた、広大な無形の広がりを意味する。

一見すると単なる空白や無に思えるが、この状態において、ほとんど無限の意識の広がりに入っていける。

この広がりのなかには、ほとんど無限のエネルギーや身体がある。

このような状態がコーザルボディで、経験し得るなかで最も微細な身体だ。

この状態に入れた時に、あらゆる創造的な可能性が生まれてくる。

しかし残念ながら、多くはこの深い状態を完全に経験することができない。

※3つの身体については「スピリチュアリティな健康法」も合わせて読んでいただけると、もっと理解が深まると思う。

無形の可能性の基盤への接触

語り継がれてきた世界の叡智によると、この状態に意識を持って入っていくことができ、そこには成長と意識の驚くべき可能性が開かれている、という点で 一致している。

IOSを活用すれば、自身の開かれた無形の可能性の基盤にいつでも接続できるのだ。

可能性の基盤とは、夢、幻、革新的なアイデア、非常に大きな創造性の源泉のことだ。

統合的アフローチで大切なことは、できるだけ多くの潜在的可能性に触れていくことだ。

だから、問題の解決、成長、変容のプロセスにおいて落ち度のないようにする必要がある。

3つの身体という概念は、飛躍しすぎていると思う人もあるだろう。

そこで、堅実な科学に根ざした考え方を紹介しよう。

内面的な意識のレベルは、外面的身体的な複雑性を伴う

すべての内面的な意識のレベルは、外面的身体的な複雑性を伴うという考えだ。

意識が高次に進むにつれ、その器であるシステムもより複雑になっていく。

例えば、爬虫類の脳幹は、基本的な欲動としての飢餓、生理的な感覚、感覚運動的な行動というような原初的な内面的な意識を伴っている。

統合的な見地から観れば、これはほぼ「私」を中心に展開する粗大な領域だ。

哺孔類の辺縁系は、基本的な情動は拡大進化して、かなり洗練された感覚、欲求、感情的、性的な衝動を含むようになる。

叡智から見れば、これは微細な経験、サトル・ボディの始まり。

統合的な見地から観れば、「私」から「私たち」へのアイデンティティの拡大だ。

さらに、新皮質のような複雑な構造になると、意識はさらに拡大して、コーザル・ボディの領域に入っていく。

統合的な見地から観れば、世界中心的な「私たちすべて」という視点を得ることだ。

これは、内面的な意識が拡大していくに従って、その器であるシステムの複雑性の拡大が伴う単純な例だろう。

IOSを使うと、私たちは意識の内面的レベルが、身体的複雑性の外面的レベルに対応していることを、しばしば見るようになる。と彼は言っている。

だから、この2つを含めることで、よリバランスの取れた包括的なアプローチをとることができる、とも・・・

次回は「統合パターンのアウトラインと4視点からのアプローチ」です。

ではまた。

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