私が次に共有したい考え方は「自分」という存在についてです。

私はこの本を気に入っているのですが、それを無理強いするつもりせん。

ただ、あなたにも共感していただける部分が有るのではないかと思います。

「自分の壁」というタイトルで養老孟司先生の本です。

この本からいくつか気になる部分を読み上げて、その考え方を共有したいと思います。

第1章「自分」は矢印に過ぎない

戦後、日本人は「自分」を重要視する傾向が強くなりました。これは欧米からの影響によるところが大きいでしょう。その結果、個々人の「個性」「独創性」が大切だとさんざん言われるようになったのです。教育現場ではもちろんのこと、職場などでも「個性の発揮」を求める風潮が強くあります。そんなものがどれだけ大切なのかは疑わしい。

個性あるいは独創性とは何か・・・

という定義も気になるところですが、そうした区別はせいぜいビジネスの世界だけにとどめておいて欲しいと思います。

馬鹿げた境界線をこしらえると、余計に新たな争いがあちこちで起こってしまうからです。

如何に競争優位性を見出し保つかで勝敗が決る、これはビジネスの成否に関して一般的に言われていることですが、それを個人の営みにまで持ち込まないで欲しいのです。

また、個性や独創性を主張したところでビジネスで成功できるわけではありませんしね。

世間と折り合いをつける接点を生み出さなければ、収益には結びつかないからです。

個性は放っておいても誰にでもあります。だから、この世の中で生きていくうえで大切なのは、「人といかに違うか」ではなくて、人と同じところを探すことです。

人と同じところを探そうと努力しはじめると、世間に受け入れられ、人から愛されるようになります。

だから、人と同じところを見つた人だけが、消費者心理を確り掌握でき、収益に結びつけることができます。

放っておいても誰にでもある個性、それにさらに磨きをかけようとすると、ろくな事になりません。

私たち日本人は、そういうタイプの人が、本質的に好きではないからです。

だから、一時的に注目を集めたとしても、すぐに疎ましく思われ、飽きられてしまうのです。

やりたくないことはわかっていても、何になりたい、というものはなかった、継ぐべき家業があれば、それをやればよかったのですが、そんなものもない。

やりたくないことがわかっていればいい。

そういう世間の考え方が、いつしかお蔵入りしてしまったのではないでしょうか。

「アイ・ラブ・ルーシー」や「奥さまは魔女」といったTV番組あたりから強まっていったような気がします。

あちこちで「やりたいこと探し症候群」が目立つようになりました。

しかし、「やりたいこと探し」を続けている人ほど仕事も人生も充実していません。

現状が充実してないから、違うことを必死に探しているんでしょが、残念ながら、いつまでたっても探し当てることはきないでしょう。

そういう人は不釣り合いな願望が多すぎて、バランスを欠いているんだと思います。

そういう人からは、地に足がついてないと言うか・・・

どこかフワフワ浮いてる印象を受けます。

重みを感じられないので、他人から軽く扱われることも多いでしょう。

思い当たる節がある人はとりあえず「やりたくないこと」「自分の人生に望まないこと」を明確にするといいでしょう。

それで残ったことを、世間と折り合いをつけながらやればいいわけです。

色々なことが好転し始めるので、試してみる価値はあると思います。

次の段階として「やりたくないけど、やらなければならないこと」に取り組むと人生が変わり始めます。

またその次の段階として「やりたくないけど、やらなければならないこと」、それがなんとなく快楽に思えるようになるまで辛抱すると、人生が大きく変わります。

生物学的に見ても「自分」などというものは、地図の中の矢印に過ぎない、そして社会的に見ても、日本において「自分」を立てることが、そう重要だとも思えない、このように考えると、戦後、私たち日本人はずいぶん無駄なことをしてきたのではないか、と思えてしまうのです。

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