目的リターンの算出とリスク許容度の把握

マンープランの目的は、人生におけるさまざまな目的を果たすための財政的な基盤を構築していくことにある。

したがって、そのためさまざまな目標設定が必要になることは前回も若干触れた。

例えば、結婚・子育て・教育・住宅取得・リタイア後の計画など各ライフステージに必要な資金の見積もり。

個々のライフスタイルに見合った金融資産運用設計。

そのプランが実行可能かどうかを見極める基準。

これらを踏まえた上で実行に移していく必要があるだろう。

そして、プランを実行する際には、必ず資金的な問題が絡んでくる。

金融や経済情勢などの変化に応じて、定期的に投資比率などを見直し、プラン変更を適宜行わないとマネープランの効力がなくなる。

したがって、経済動向、適切な金融資産運用のリターン値、不確実性の要素なども考慮しつつ適宜対応していく必要がある。

もちろん、不確実性の要素をできる限り軽減していくことも重要だ。

そのためには、プラスキャッシュフローを確保するための手順が必要になる。

  1. 目的リターンの算出。
  2. リスク許容度の把握。

目的リターンの算出

将来のある特定時点の残高を目標値にしたい場合に、それに応じたリターンを算出する。

例えば、以下のようなケースについて考えてみよう。

  • 現在の資産残高を500万円
  • 今後20年にわたって年間収支額がプラス100万円
  • リターン率が年1%~4%

上記の条件に従って各ケースを算出すると以下のようになる。

※ここでは不確実性を無視して、必ずこのリターンが毎年実現すると仮定する。

ある年の金融資産残高(円)=前年の金融資産残高(円)×(1+リターン率/100)+その年の年間収支額(円)

  • 10年後に1500万円が必要な場合には、目標リターンは1%。
  • 20年後に4,000万円を目標とした場合には目標リターンは4%。

※実際には経済動向など他の要素も考慮した上で対応していく必要がある。

いずれにせよ、、、、

  • ライフイベントに基づくキャッシュフローシミュレーションを基準にする。
  • 適切な目標リターンを決定する。
  • リスクの高すぎる目標リターンを選択しないように注意する。

などがポイントだ。

リスク許容度の把握

先程のケースのリターンを4%に設定した場合、20年後の金融資産残高は計算上では4,073万円になる。

しかし、目標リターンを4%にすれば、金融資産残高が必ず4,073万円になるというわけではない。

実際にはそうならない。

現時点において、4%のリターンを20年間にわたって保証している金融商品は存在しない。

したがって、その金融商品の仕組だけで目標リターンを確保し続けることは非常に困難だといえる。

リスクをすべて回避し、高いリターンを長期に渡って実現させる仕組みはないからだ。

それは、特定の商品に限定して観察してみたらわかる。

  • 具体的なリスクとリターンの関係性もその時々の経済状況によって異なっている。
  • 何かの数式があってそこに当てはまれば自動的に結果が得られる仕組みはない。

したがって、まず最新の情報を基にして経済環境と各商品のリターンとリスクの関係を把握しておく必要がある。

これは、最低限必要な作業だ。

その他には、、

  • 自分のリスク許容度を仮定しておくこと。
  • 情報収集により把握していくこと。

これらも忘れないでほしい。

もちろん、本人の願望もあるだろう。

しかし、損失が大きくなった場合には、生活基盤も損なわれかねない。

漠然とした感覚的なものではなく、しっかりとした裏付けが必要だろう。

リスクを汲み取る力こそ必要

機関投資家でない限り、生活水準の維持や万が一の時に備える資金確保が優先する。

機関投資家かとは、個人投資家以外の証券投資を行っている団体などのことだ。

したがって、それらを確保した後の余裕資金で投資するのが一般的だ。

しかし、いくらまでが余裕資金に該当するかは、その時点になってみないと実際にはわからない。

今の収支バランスがずっと同じとは限らないからだ。

だから、運用で成功し続けるためには、余裕資金が必要になる。

損失に対する免疫は?

また、どの程度の損失までなら耐えられうるのか、といった精神的な尺度も重要だ。

これは経験で得るしかない。

例えば、投資経験の全くない人が、500万円投資したと仮定しよう。

その直後に200万円の損失を被った時の心情を想像できるだろうか?

相当ショックを受けるに違いない。

しかし、これは投資の世界で十分起こりうる現象だ!

金融商品知識はどの程度か?

また、自分がどの程度、金融商品に対する知識を持っているかも把握しておく必要がある。

投資は100%自己責任だからだ。

商品を見極め納得のいく選択をするためには、投資と金融商品に関しての基本的な知識は最低限必要だ。

豊富な知識と経験を兼ね備えたエキスパートにアドバイスしてもらうのも一つの方法だが、その人に100%依存するわけにも行かないだろう。

繰り返しになるが、投資の責任は100%自分にある。

収入とリスク許容度の関係

収入増減もリスク許容度に大きく影響する。

例えば、

  • 不況になれば所得減少と株式相場の下落が同時に発生する可能性がある。
  • その影響によって最悪は失業するということも十分考えられる。

つまり、保有資産の減少とキャッシュフローの滞りが同時に発生することもある。

したがって、自分の年齢や家族構成も考慮した上で、以下のようなことも考えておく必要があるだろう。

  1. 景気に対して安定的な収入なのか?
  2. 転職や副業などによって所得を増やすことは可能なのか?
  3. 起業は可能なのか?

収入変動による生活への影響を十分に把握し、少し余裕のあるシミュレーションを!

次回は、この続き「分散投資に依存しないマインドセットでマネープランを!」です。

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