
資産運用の基本原則は、リスクを管理し、目標リターンを追求することにあります。
特に金融資産運用においては、損失額を許容範囲内に抑えることが重要です。
分散投資はその一つの方法で、多くの銘柄に投資することで、株式価値が同時にゼロになるリスクを軽減できます。
この考え方は「ポートフォリオ理論」としても知られています。
例えば、定期的な所得から安全資産とリスク資産に分散して貯蓄することが望ましいです。
これにより、金融資産を一度に失うリスクを防ぐことができます。
また、徐々にリスク資産残高を増やしながら、投資経験も積むことができます。
ただし、分散投資は利益最大化を目的としているわけではありません。
また、リスク軽減の観点から考えると、投資そのものの視点が欠けているとも言えます。
資産運用の本質は「リスクを管理し、目標リターンを追求すること」です。
可処分所得を最大限に増やす!?
つまり、「可処分所得を最大限に増やすこと」を基準にした場合、ポートフォリオ理論はややずれた考え方となります。
実際、資産を増やしている人たちの共通点として、「分散せずに得意な分野に集中して投資している」という傾向が見られます。
彼らにしてみれば、分散が機会損失の要因になる場合もあるのです。
現在は金融自由化が進み、金融商品のバリエーションも豊富になっています。
個人投資家にもデリバティブやオプション、海外の金融商品への投資が可能な時代です。
投資はポートフォリオ理論を優先させるものではありません。
どの投資がその人に適しているのか、どのカテゴリーで長期的に取り組めそうかを明確にしてください。
そして、メンタル面を補っていく能力が今後ますます重要になるでしょう。
個人を取り巻く環境や経済状況は時々刻々と変化しています。
PDCAサイクルを活用して変化に対応する
たとえば、PDCAサイクルを活用して変化に対応することも可能でしょう。
変化を「可能性」ととらえるなら、それを利用して新たな収益を生み出すこともできます。
一見しただけでは、マクロ経済に大きな変化が見られないかもしれませんが、家計や個別企業の経営状況に目を向けると、変化が日々起こっていることに気付くでしょう。
例えば、あなたの家計の状況はどうでしょうか?
日常生活の中にも変化が見られます。
あなたが所有している家や車の資産価値は日々変動していますし、利用しているスーパーの食材価格も常に変動しています。
これらの小さな変化を侮ってはいけません。
その積み重ねがやがて大きな変化につながります。
本来であれば、その変化に伴って運用対象や資産配分も見直す必要があります。
資産の時価を一定の頻度で確認することが望ましいです。
最初に意図した配分比率が効率的でなくなる場合もあります。
例えば、株式と債券に50%ずつの配分比率で運用するポートフォリオを考えると、株価が他の資産よりも上昇すると、時価ベースでの株式配分比率が上昇します。
したがって、この見直しのために、超過分の株式を売り、過小となった債券を買うなどの売買を行い、ポートフォリオを整える必要があります。
意図した配分比率との差が大きくなると、想定以上のリスクを保有することにもなります。
ただし、頻繁に売買を行うと、売買コストも無視できなくなります。
そのような場合、PDCAサイクルを適用して考えると効率的です。
最後に、ポートフォリオ理論では、リターン、リスク、時間が共通の軸になることを付け加えておきます。
これらの要素を考慮に入れながら、資産運用を適切に行うことが重要です。
これらの考え方は、ファイナンスの基本原則であり、お金を時の流れに沿って価値を評価する際に用いられます。
時間をみかたに付ける
時とお金の関係を理解することで、投資や資産運用においてより適切な判断ができるようになります。
時の流れによって、お金の価値が変わることを考慮することは、インフレやデフレの影響を考慮することでもあります。
インフレが進むと、同じ金額のお金でも将来的には買える物が減るため、その価値が低くなります。
一方で、デフレが進むと、同じ金額のお金で将来的には買える物が増えるため、その価値が高くなります。
また、現在価値と将来価値を考慮することは、リスクとリターンのトレードオフを理解する上でも重要です。
通常、リスクの高い投資ほど高いリターンが期待されますが、そのリターンは将来の価値に影響します。
リスクの高い投資によって得られる将来価値が高い場合、その投資は現在価値に対して十分なリターンを提供していると言えます。
しかし、リスクの高い投資によって得られる将来価値が低い場合、その投資は現在価値に対して十分なリターンを提供していないと言えます。
このように、時とお金の関係を理解し、現在価値と将来価値を考慮することで、資産運用や投資においてより適切な判断ができるようになります。
市場参加者がこの考え方に基づいて取引を行うことで、金融商品の価値が決定され、市場が効率的に機能することが期待されます。
ただし、実際の市場ではリスクが存在し、将来価値が確実ではないため、適切なリスク管理が不可欠です。
次回はリターンの期待値とリスクの評価です。ではまた。