今回は、あなたの成長を妨げているフラストレーションの正体についてだ。
これまで紹介したスキルに第4の武器、プランニングスキルを組み込むには、これらの障害と、それらを乗り越える手法を熟知しておくことが必要不可欠だ。
さあ、教授風にならずに、手短に進めましょう。
以下は、セルフヘルプ系でよく言われる障害の代表例です。
- セルフコントロールが不十分
- 自己評価が低い
- 欲求を満たす手段が見つからない
- 決断力が不足している
- 問題解決スキルが欠けている
- 協力者がいない
- 言い訳が多い
- 学ぶことに無頓着
- エネルギー不足
- 怠惰でルーズ
これら10の項目はよく取り上げられますが、実は2番目から10番目まで、全てはセルフコントロールの一部とも解釈できます。
これらは、我々自身の思考と行動が影響を及ぼす要因ですからね。
「ライフプラン最適化マスタープラン」の真髄
セルフコントロールが全てのキーであると言っても過言ではありません。
では、「セルフコントロールができていない」とは具体的にどのような状態でしょうか?
一般的に、感情や行動が手に負えないとされます。具体例として、健康、財政、時間管理、行動、意識などが挙げられます。
しかし、ストレートに感情や行動をコントロールするのは不可能です。
この一般的な解釈は、セルフヘルプ分野でよく目にしますが、この考え自体が新たな悩みを生む元凶です。
つまり、「セルフコントロールができない=悪」とする考えそのものが問題なのです。
実際、障害や問題を感じる人が感じない人よりも成長する可能性が高いのです。
もし、上記の1〜10の問題を抱えているとしたら、それは成長する機会がたくさんあるということです。
ただし、真実を言うと、障害などもともと存在していないのです。
この理解には多くの時間がかかるかもしれません。
それは、「言葉にされていないもの」を感じ取る洞察力が求められるからです。
これは非常に言語化しにくい深遣いな領域です。
一気に理解するのは難しいかもしれませんが、できる限り分かりやすく解説していきたいと思います。
知るべきは支配者の正体
私たちが抱える代表的な5つの欲求は、根底にリビドー(快楽を求める本能)がある。この欲求を引き起こすのは「エス」、即ち本能的な部分だ。
このことから、「自分をコントロールしたい」といった欲求も、実は私たちのエス(本能)からの指令に基づいていると言えます。
しかし、それだけではない。実は、超自我というものも影響しています。これは、社会的な原則やルールに従う部分です。
具体的には、私たちが欲求を満たそうとしても、社会的なルールによって制約され、結局はそれらのルールの範囲内でしか満足することができません。
なぜかというと、私たちが育つ過程で、「自分の欲求よりも社会的なルールを重視せよ」という教育を受けているからです。
結果として、完全な個人的な満足は得られないのです。
私たちがルールを守り、欲求を抑える理由は、それが教育で叩き込まれているからです。
例えば、赤信号で道路を渡ろうとしたが、周囲の人々の視線を意識してやめる。もし誰も見ていなければ実行したかもしれない。これは、私たちが「世間の目」を気にする性質の表れです。
たまにこのルールを破って行動すると、罪悪感や背徳感が生まれるでしょう。
これが善と悪の感情です。しかし、本能の領域には善悪の概念は存在しません。
善悪が存在するのは、社会的な原則と比較した場合だけです。その基準に照らして、初めて「これは悪だ」「これは善だ」という判断が生まれるのです。
これから見ていくように、私たちは皆、本能と社会的な原則の間で揺れ動きながら、意識(自我)を使って何とかバランスを保ちつつ生きています。
それゆえ、最終的に私たちは、感情や行動を完全にコントロールし、欲望を100%満たすような完璧な生き方はできないのです。
私たちが行動する上での「支配者」、つまり、本能(エス)と社会的な原則(超自我)を理解し、それらと上手く付き合っていくことが重要です。
不可能なことをコントロールしようとする苦しみ
まず、不可能なことをコントロールしようとすると、その努力が逆に苦しみを生むことがあります。自己啓発書や成功哲学でよく語られる「自分らしく生きる」や「愛と貢献に生きる」などの言葉に触発されて、自分の内面と向き合おうとすると、悩みや苦しみが増え、行き詰まってしまうことがあります。本能的な欲求を意識でコントロールしようとし、社会のルールの中で自由に行動しようとするが、それが非常に難しいためです。
さらに、自分の願望をかなえようとするほど、障害が大きくなり、解決が難しくなることもあります。これは、実際にはない障害を自分自身が作り出してしまっているからです。
しかし、これらの障害を克服することで、自分自身の成長があるとも言えます。自分の意に沿ってこれらをコントロールできれば、ストレスと共に意図的に成長する構造を作り出すことが可能です。
では、どのようにしてこれを実現するのでしょうか?
コントロールの対象を変更することです。言い換えれば、手の届く範囲でコントロールできることに焦点を当てるのです。
多くの人が行動や感情を意識でコントロールしようと考えていますが、これが悩みや苦しみの原因となってしまうことが多いです。
従来の自己啓発やコーチングのアプローチは、意識を通じて感情をコントロールし、言語を管理するという順序が多いです。しかし、これは古い考え方であり、問題を増やしてしまう可能性があるのです。
重要なのは、実際には意識よりも先に行動があるということです。養老孟司氏などの研究によれば、意識は行動を止めることしかできません。
この誤った認識が、さまざまな障害を生み出しているのです。そして、これらの障害を解消するためのビジネスも生まれます。しかし、これに取り組むことができる人はごくわずかで、多くの人は問題を自分で作り出し、それによって苦しんでいます。
したがって、管理の方法を変える必要があります。意識を通じて感情をコントロールするのではなく、言語を管理し、意識を管理することで、感情管理は必要なくなります。これは、行動の「前提」を変えることで、行動に関する認識が変わり、新しいアプローチが可能になるからです。
不可解なことを管理する手順
私たちが自分の欲求を満たそうとしても、結局、社会的な枠組みによってその願望が制限されることを述べました。
それでは、その社会的な枠組みは何から成り立っているのでしょうか?
私たちの本能的な欲求を抑え、空虚さを感じさせるこれらのルールや規範は、何によって構築されているのでしょうか?
欲求、感情、行動、意志、規則、自分、自己、自由、愛、幸せ、充実、豊かさ、~したい、~したくない…
そう、言葉です!
言葉を使用する度に現れる無形のルール(しばしば意識の外)が私たちの感情や行動を支配しています。
消費行動、ボランティア活動など、私たちのあらゆる行動は、言葉によって動機づけられています。
洗脳がどのように行われるかを考えてみると、これがはっきりと理解できます。
決定的なのは事実そのものではなく、言葉とその使われ方です。
言葉によって作り上げられた信念や価値観が重要なのです。
その言葉が私たちにリアリティを感じさせ、意識が刺激され、感情が変化し、そしてバランスを取るために行動します。
逆に、行動する必要がないと感じた場合は、行動しません。
例えば、上司から「今月の目標まで◯◯円足らないから頑張れ!」と言われても、即座に行動する気にならないかもしれません。
しかし、「今月あと◯◯円達成しないと、クビになる」と真顔で告げられたらどうでしょうか。
あるいは、信頼する主治医から「飲酒をやめないと命が危ない」と言われた場合は?
どちらも、心の不安や恐れを回避するために行動するでしょう。
これが、私たちが最優先でコントロールすべきもの、そしてコントロールできるものです。
それは、言葉です!
行動しなければならない状況にある場合、本能とのバランスを崩すような言葉を自分自身に使うと良いでしょう。
例えば、「今日これを達成しなければ、明日の生活が危うくなる」など。これが本能に響くと、驚くべきエネルギーが生まれ、予想以上の成果を生むかもしれません。
ただし、感情に近い下位概念に依存して高品質なパフォーマンスを得るのは難しいです。
これは、未来に対する期待が過剰であるためです。
未来は不確定であり、その不確定性に期待をかけても、わずかなエネルギーしか生まれません。
たとえば、ジェダイの騎士に一時的に自分を投影できても、現実の世界ではフォースを使うことはできません。
あなたがもっとエネルギーを生み出し、パフォーマンスを向上させたいのなら、未来への思考を控え、現実に焦点を合わせる必要があります。
これは経済面にも影響を及ぼします。
「どんなに努力しても、自分の思い通りには生きられない世界にいる」という事実を真摯に受け入れることで、多くの障害が取り除かれ、生活そのものが劇的に変わります。
例えば、何不自由なく生活できる状況で、私たちが求めて購入しているものは何でしょうか。
それは物品でもサービスでもなく、「言葉の魅力」です。
「安い」「限定」「特別」「レア」などの言葉に引き寄せられます。
この現実を深く理解することで、個人の消費行動が変化し、ビジネスの方向性が転換し、収入にも大きな変化が生まれます。
最後に
これまで、上位概念の基本について解説してきました。
これだけでも、未来が変わる可能性があります。
また、これらの知識は仕事やビジネスにも応用でき、コミュニケーションが必要な様々な場面で優位に立てます。
これが収入や人生設計に大きく影響するため、積極的に取り組む価値があります。
次に、下位概念の領域を探る前に、ここで学んだ知識を胸に、全体を広い視野で見ることが重要です。
次のトピックはプランニングについてかもしれませんが、これは重要な部分なので、引き続きご一緒いただければと思います。