今回は、人知をこえた智慧と理論を融合させトランスパーソナルの概念さえも凌駕する理論についてだ。
所詮、理論はすべて後付されたもので、現実に目の前で起きていることだけが真実。
本当にそうだろうか?
多くの人が信じて疑わない根拠も、まだ反証可能性が残されている。
実際は理論通りに実践できないことも十分理解しているつもりだ。
しかし、多くの人に適応可能な有意義な理論はたくさん存在する。
これらの卓越した先駆者の理論を融合して人知を越えた知恵と理論を所有すること。
たとえば東洋哲学と西洋哲学、言語世界とスピリチュアリティ領域などを網羅し、包括的にデザインすることはできないだろうか。・・・・
これがこれまでの考え方を改める1つの切っ掛けとなった。
だが、いざ始めてみると、それがいかに無謀であるかを思い知らされた。
パーソナルデザインの概念を変えた人
つまり、何年も追求した結果、待ち受けていたものは「絶望」だった。
自分には不可能であることを悟った時、気が遠のいていくのがわかった。
その日の夜、私は救急外来のベットの上に横たわったいた。
忘れもしない6年前、平成23年夏のでき事だった。
極度のストレスからだろう、これ以降メニエール、前立腺ガンの疑い、耳鳴り、高血圧、腎機能など多くの機能障害に長いこと悩まされ続けていた。(現在はすべて完治している)
正直死んだほうが楽だと思ったくらいだ。
もちろん、その絶望だけが原因で哀れな状態になったわけではないが、多くのことが一度に決着のついた時期だったことは確かだ。
その後しばらくの間、仕事が手に付かない状態が続いた。
そんなあるとき、意識が薄い中でキーボードをたたいていた手が止まった。
「インテグラル」・・・「スピリチュアリティ」・・・
なにげなくそのキーワードを打ち込んでいた。
まだ何かを超越する企みに未練があったからだろう。
「インテグラル・スピリチュアリティ」という言葉と出会った瞬間だった。
「インテグラル」と「スピリチュアリティ」が一緒になっていることに衝撃を受けた。
興味のない人にはどうでもいいことだと思うが、久しぶりに体感する衝撃だった。
そして、瞬時にしてある感覚も得た。
自分は「ずっと以前からこの理論を知っている」
ずっと以前とは、数十年前という短いスパンではなく、もっとずっと長い。
これまで、私はこの理論との出会いを公にはしてこなかった。
1つには誤解されることを恐れたためだ。
スピリチュアリティという響きが誤解を招きやすいスピリチュアルワードだからだ。
当時この手のジャンルのワードは「あやしい」とか「まやかし」というイメージが一般的だった。
最近ではだんだんと市民権を得るようになってきたが、それでもまだ怪しい雰囲気は拭いきれていない。
私が高層に弟子入りして修行していることを明かすことさえ長い時間を用したが、それよりも更に慎重さを必要とする言葉。
ビジネスに関してだけ云えば、それを明かさないで隠しながら応用していた方が楽だ。
クライアントや市場が競争優位性として暗示的に認識していてくれていたからだ。
ではなぜ、ビジネスの骨格の1つでもある重用な理論をわざわざ公開する気になったのか?
この理論を温存してビジネを続けていくことに苦痛を感じ始めたからだ。
その負担を少しでも軽くして、もっと快活に新たなビジネスをスタートしたいと思い始めたからだ。
その卓越した理論を私に提示してくれた人物。
その人の名は「ケン・ウィルバー」。
彼はアメリカの現代思想家であり、インテグラル思想の提唱者だ。
著名な思想家たちに天才と言わしめた人物でもある。
彼は、1949年1月31日、アメリカ合衆国のオクラホマ州に生まれた。
1968年にデューク大学の医学部に進学し、そこで「老子」(Tao Te Ching)と出逢う。
それがきっかけとなり、アイデンティティが大きく揺さぶられ、深刻な精神的危機を経験することになる。
その後デューク大学を退学し、University of Nebraskaに再入学し、化学と生物学を専攻しながら、東西の哲学書を読破し、瞑想などの実践に集中的に取り組み始めるようになった。
その後、生物化学の専攻生として大学院に進学するが、哲学的思索と修行の実践を重んじていた彼は、学位の取得目前に退学し願望を実現させる。
- 1973年『意識のスペクトル』(The Spectrum of Consciousness)を完成。
- 1978年ジャック・クリッテンデン(Jack Crittenden)と協力して、雑誌ReVisionを創刊。
- 1984年から1987年まで執筆活動をほぼ完全に停止。
- 1993年10年ぶりの理論書を完成させ『進化の構造』(Sex, Ecology, Spirituality)
- 1996年『進化の構造』の「要約」として『万物の歴史』(A Brief History of Everything)
- 1997年『進化の構造』について投げかけられた批判に応答し『統合心理学への道』(The Eye of Spirit)
- 1998年Random Houseより、『科学と宗教の統合』(The Marriage of Sense and Soul)
- 1999年に『ワン・テイスト』(One Taste)
- 1999年にIntegral Psychology
- 2000年『万物の理論』(A Theory of Everything)
引用元-Wikipedia
さいごに
彼の経歴の極一部を紹介したが、とにかくたくさんの書物があるので、ご存知の方もいらっしゃることだろう。
はずかしながら、私は4回目の絶望に至るまで彼のことをまったく知らなかった。
彼の理論を気ままに解釈した下位概念には知らずに触れていたらしいが。
自己成長と卓越した理論に興味のある方は、一度読んでみたらいいと思う。
もちろん、文章だけで彼の「義」と「意」をとらえることは困難だとは思うが、読者のパーソナリティーがこれまでとは一味違った色彩を放つことだろう。
そして、彼の生き方そのものに共感を覚える方もいらっしゃると思う。