
こんにちは、MSiデザイン研究所の斉木です。
これは、私のコンサルテーションを1年以上続けて受けている方や塾生に向けて投稿したものです。
前回は私がこの卓越した理論と出会った経緯を話した。
まず最初に概要や要点について解説しよう、卓越した理論をできるだけわかりやすく伝えたいと思う。
パーソナリティーを際立たせる
ここ40年間、私たちは歴史上今までに体験したことがないことを目撃してきた。
私たちが望めば、瞬時にして世界中の文化を知ることができるようになったからだ。
わざわざ現地へ行かなくても、ネットを経由して世界中の様子をある程度まで認識することも可能になった。
それ以前は、一定の領域内で学び、悩み、争い、愛を育み、一生を終えるというパターンが大方の慣習だった。
今では地理的な移動が短時間で可能であるばかりか、地球上のほぼすべての様子を一瞬で知ることもできる。
その恩恵によっていろいろなスタイルや時間帯で学習することもできるようになった。
インターネットの発達により一個人が大きなチャンスを作り、ビジネスで大きな成果を得たり、ソーシャル・ネットワークの展開により、どのようなカタチであれ、個人的なPRも可能になった。
これは知識(情報含む)の調達そのものが、グローバル化したことを意味する。
ウィルバーは、長い歴史の中で初めて人間の知識の総体を瞬時に調達することが可能になったことを意味している
と言っている。
これは主要な文明の知識、経験、知恵、思想などが気の遠くなるような時間をかけて分析され、研かれ、開かれてきた結果だ。
認識外の成長、心理的な成長、社会的な成長など、人間のポテンシャル(潜在的な可能性や能力)について、それらすべてに役立つ教えを一覧できるようにテーブルにのせてみたらどうなるだろうか。
とウィルバーは考えていた。
広範な比較、文化的な研究によって、世界のさまざまな叡智(えいち)の伝統を使い、それら一切の伝統の中の最良の要素を含む、包括的な総体的な設計図が作れるとしたらどうだろうか。
このような仮説に基づいて研究が始まったわけだが、あまりにも複雑で思わず逃げ出したくなるようなプロジェクトだ。
でも驚くほどシンプルで、エレガントなものになった
とウィルバーはいっている。
人間のポテンシャルに関する総体的な理論を確立するために、これまでにあらゆる分野にわたり徹底した調査が、さまざまな形でさまざまな人の手を介して行われてきた。
彼は、人間の成長のために必要な既知のそのシステムやモデルの包括を試みたわけだ。
古代の祈祷的(きとうてき)な祈りを始め、賢者や聖者の叡智、認知科学による発見など、そのすべての包括だ。
その主な要素はシンプルな5つのファクター(要因)にまとめられる
と彼は解釈した。
その要因こそが、人間の進化の扉らを開き、躍進する本質的なエレメント(要素)であるとも・・・
総体的で包括的(インテグラル)な設計図 、5つの要素
総体的で包括的な設計図 における5つの要素とはなんだろう ?
- 象限(quadrants)
- レベル(levels)
- ライン(lines)
- ステート(states)
- タイプ(types)
※上記は現代思想家であり、インテグラル理論の提唱者であるケン・ウィルバーが定義しているものだ。
あまりにも抽象的すぎて今の段階では理解できないかもしれない。
それぞれの要素について後ほど詳しく解説するので辛抱してついてきてほしい。
とにかく、この5つの要素が、「今あなたの意識下において現前している」と思ってほしい。
現段階ではそれで十分だろう。
概念に限定されない認識可能な設計図とは?
『この5つの要素{象限(quadrants)、レベル(levels)、ライン(lines)、ステート(states)、タイプ(types)}は、理論的に後付された概念に限定されるものではなく、経験や体験からくるアスペクト(諸相・類似性)、同様の高さの地点を連ねて描いた意識のなど高線
のようなものだ。』
彼は何をいっているのだろうか?
「自分自身でも簡単にその妥当性を確認できる」と言いたいのだ。
①ビジネス、仕事、毎日の生活や学習ばど、そのすべての行動を認識し得る。
あなたがどのような状況にあってもより多くの成果を得られるように、あらゆる知恵のリソース(資源)を使えるようにする役割。
②5つの要素を見分ける手段を得ることによって、より簡単にその要素を使うことができる。
自分自身の成長と発達を加速させ、より高い、より広い、より深い領域に到達することができるようにする役割
方向性をより容易に定めることができるようになり、発見と覚醒(かくせい)が繰り返し訪れるようになる。
このアプローチは、あなたの世界観と、あなたを取り巻く世界を、より包括的により効果的にとらえていこうとする試みなのだ。
注 意!
この試みをスタートさせる前に、注意してほしいことがある。
これは、あくまでも設計図であって実際の建設物ではないとういうことだ。
設計図と建造物を間違えないでほしい。
しかし、今のところ最も卓越した設計図であることは間違いない。
なぜなら、既に驚くほどの実績を残している理論だからだ。
包括的な設計図というカテゴリーで、現段階においてウィルバーの理論をこえるものは存在しないと思っている。
こえるものがあると自信をもって主張できるものがあれば、ぜひ教えていただきたい。
これは、誰かに対する挑戦状ではない。心底知りたいと思っている。
パーソナルデザインとは何か?
パーソナルデザインとは「包括的、総体的な設計図」を活用してパーソナリティーを際立たせる試みだ。
何度も申し上げるが、パーソナルデザインはケン・ウィルバー氏が提唱するインテグラル理論を骨格としている。
たとえば、情報ネットワークの世界では、さまざまなソフトウエアーを作動させる中核的であり、基礎的なシステムのことをOS(オペレーティング・システム)と呼んでいる。
彼は「総合作動システム(Integral Operating System)
」を統合地図の別名として使っている。
私は彼の総合地図(IOS)をスピリチュアリティ(量子力学的)健康法と同じようにパーソナルデザインに組み込みたいと考えた。
彼はIOSについて次のような解釈をしている。
「そのポイントは簡単に言えばあなたがビジネス、仕事、遊び、家族関係などでソフトウエアを作動させようとすれば、最良のオペレーティング・システムがほしいと思うに違いない。
IOSはその価値のあるものであるということである。すべての重要なポイントを見逃さないため、IOSはもっとも効果的・効率的なプログラムとなる。
これは別の言い方で云えば、統合モデルの包括的内包性を表しているのである。
IOSはダンスからビジネス、心理学、政治、エコロジー、スピリチュアリティにいたる、あらゆる活動の指標を作るのに役立つ。
それぞれの領域間の対話が可能になる。
IOSを使えば、ビジネスとエコロジーの対話、エコロジーと芸術の対話が可能になる。
さらには、法律、詩、教育、医学、スピリチュアリティなどとの対話、あるいはその中のお互いの会話が可能になる。
かつて人類の歴史の中で、こうしたことが起こったことはなかった。
統合地図またはIOSを使うことで私たちは領域間のあるいは領域を超越した知識の獲得を劇的なまでに促進することができる。」
何を言っているのかさっぱりわからないメンバーもいるだろう。
日頃お伝えしているように、理解できることばかりに向き合っていては思考は研かれない。
自分が理解できない、違和感を感じるものにあえて挑戦することで思考は研かれていく。
これで準備は整った。
いよいよあなたの意識のなかにあるシンプルな5つの要素のうち、意識の状態からスタートしよう。
意識の状態(ステート)
あなたの意識下でも5つの要素を簡単に認識することができるようになる。
それは、主観的な現実、客観的な現実、お互いに共有する集団的、共同的な部分も含んでいる。
※正確に言えば、客観的な現実というものはなく、間主観的(主観と自分が類推する主観)な現実ということになる。
意識の状態とは、主観的な現実のことだ。
誰もが主要な「意識の状態」についてよく知っている。
例えば、夢を見ている状態、深く眠っている状態、目覚めている状態などのことだ。
今、この記事を読んでいるあなたは目覚めている状態にある。
その他、さまざまな異なった意識の状態がある。
- ヨーガ、観想的な祈り、瞑想などによって誘発される瞑想状態
- ドラックなどで誘発される変性意識状態
- 性愛や自然の中を歩くことや、美しい音楽を聴くといったような濃密な体験によって引き起こされるさまざまな「至高体験」
偉大なる叡智(えいち)の伝統は、3つの自然な意識の状態を主張している。
3つの自然な意識の状態とは、覚醒、夢見、深い混沌とした眠りのことだ。
適切な使用方法がわかれば、知恵と覚醒の宝が隠されているのを認識することができるだろう。
私たちは、夢は現実ではないと解釈している。
もしも目覚めたまま、夢を見ている状態を作れるとしたらどうだろうか。
あるいは深い眠りの中へ目覚めたまま入っていく。
まず言えることは、驚異的なスピードで学習が可能になる。
速読とかフォトリーディングもこの原理だろう。
手始めに、それを試してみてはいかがだろうか。
覚醒、夢見、深い眠りという3つの状態には、スピリチュアリティな覚醒へ向けて、あらゆるスペクトルが含まれている。
誰もがさまざまな意識状態を経験し、自己や他者に対する深い動機づけや意味や衝動をくみ取ることができるようになる。
通常はごく自然に行われているので、特定の状況であったとしても、意識の状態は決定的な要素とはみなされない。
しかし、IOSを介した場合は、主観的な要因に触れているかどうかを意識することができる。
このことは、存在していることにすら気づかない領域へIOSや統合地図があなたを導く証明にもなる。
CFP® Masao Saiki
主な引用元:インテグラル・スピリチュアリティ(ケン・ウィルバー著・松永太郎訳)