不動産投資は、投資家の間で人気のある投資手段の一つです。
不動産投資の利回りやレバレッジ効果を理解し、その評価指標を適切に使うことで、成功の可能性を高めることができます。
不動産投資とレバレッジ効果
不動産投資とは、土地や建物などの不動産に資金を投じ、賃料収入や売却益を得ることを目指す投資手法です。
多額の資金が必要なため、自己資金だけでなく、借入金を利用して投資を行うことが一般的です。
レバレッジ効果とは?
レバレッジ効果とは、借入金を用いることで投資効果を増大させる現象を指します。
投資物件の期待収益率が借入金利を上回る場合、レバレッジ効果が生じ、自己資金利益率が高くなります。
しかし、収益力の低下や借入金利の上昇など、レバレッジが逆に作用しリスクを増大させる可能性もあります。
そのため、投資の安全性やキャッシュフローの健全性を判断する指標が必要になります。
LTV(Loan to Value)
不動産投資におけるLTVとは、総投下資本に対する有利子負債額の割合のことです。
具体的には、LTV=有利子負債額/総投下資本と計算します。
例えば、物件の購入に2,400万円を投じ、そのうち1,680万円を借入金とした場合、LTVは70%(1,680万円÷2,400万円)になります。
DSCR(Debt Service Coverage Ratio)
DSCRは、投資物件が生みだす年間のキャッシュフローが、その年に支払う元利金に対してどの程度の余裕があるのかを示すものです。
DSCR=元利金返済前のキャッシュフロー(純収益)/元利金返済額と計算します。
DSCRが大きいほど、投資物件から生み出されるキャッシュフローに余裕があると言えます。
これは、投資物件が安定して利益を生み出し、金利や元金の返済に余裕があることを意味します。
反対に、DSCRが1.0未満の場合、不動産からの収入だけでは借入金の返済が難しい状況を示し、投資リスクが高まる可能性があります。
不動産投資の利益と投資利回り
不動産投資の利益は、毎年(または毎月)の正味営業収益(NOI)と、将来不動産を売却した時の正味売却価格の二つに分けられます。
不動産投資利回りとは、これらの利益を初期投資額に対する割合で表したものです。
初期投資額は物件価格と取得費用(手数料や税金)の合計で、投資利回りは投資家の資産の増減の程度を示す重要な評価指標です。
例えば、初期投資額が3,000万円で投資利回りが10%なら、300万円の増益を示します。
逆に投資利回りがマイナス10%なら、300万円の損失となります。
不動産投資利回りの種類
不動産投資利回りは大きく二つに分類されます。
会計上の利回りは物件間での比較に用いられ、経済的な利回りは投資判断に利用されます。
不動産投資は、その高いレバレッジ効果と定期的な収入源としての魅力から、多くの投資家が利用しています。
しかし、その効果を最大限に活用するためには、投資物件や市場状況の適切な評価が必要不可欠です。
LTVやDSCRなどの財務指標を理解し、適切に使用することで、投資家は賢い投資決定を下すことができます。
次回は不動産の証券化で使われる器、SPVを設立する時のポイントについて解説します。