病気への脆弱性や回復力には著しい個人差がある。

今回は、性格タイプの違いによって起こる疾病についてだ。

タイプという言葉を聞いて、どのようなことが思い浮かぶだろうか。

血液型や体質、あるいはエニグラムや統計学といった類のものだろうか。

中にはユングのタイプ論といった臨床心理学に基づくものを思い浮かべる人もあるかもしれない。

ユングはこのタイプ論に関して、

臨床心理学の分野における、ほぼ20年間にわたる研究の成果である。このアイデアは、一方では精神科および神経科における臨床やあらゆる階層の人々とのつき合いによって得られた無数の印象や経験から、他方では友人や反対者との私の個人的な討論から、そして最後に私自身の心理的特質の批判から、しだいに生まれてきたものである。

と言っている。

タイプと病気の関係

前回の投稿でも触れてきたように、病気への脆弱性や回復力には著しい個人差がある。

これらの個人差の一部は遺伝的に規定されているのだろう。

しかし、個人差のすべてが、生まれた時から決まってるわけでもない。

確かに遺伝子は生体の基本的な設計を担っているとは思うが、その他にも色々な因子が加味されている。

例えば、生理学的、社会的、心理的などの因子によって、病気への脆弱性や回復過程に複合的な影響を与えてると考えるのが妥当だろう。

その因子の中で心理的要因の1つが、性格やライフスタイルだろう。

また、ライフスタイルは個人の性格に依存するところが大きい。

だから、性格を無視した人生設計や行動計画は無意味になる可能性が高い。

また、外界のストレス状況は、気質が深く関わる。

なぜなら、外部環境は脳において主観的な世界となって表象される。

そのときに強い感情を生み、体の変化をともなう。

なぜなら、体温 ・ 血糖値 ・ 血液酸性度などの生理的状態を一定に保とうとする機能を揺るがそうとするからだ。

こうした一連のプロセスは、ストレスの対処行動も含むライフスタイルの決定にも大きく関わり、個人差となって現れてくる。

したがって個人の性格やライフスタイルが病気への脆弱性や回復力に影響を与えていると考えられるようになった。

そのような経緯もあって、ある程度まで客観的に評価できる特徴的な行動パーターンを抽出して、性格と病気との関係が調べられてきた。

タイプA性格とタイプB性格

例えば、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を発症する人は、「タイプA性格」と呼ばれていて、その特徴的な行動としては、生活の中心は仕事、負けず嫌いで、せっかち、支配欲や成功への欲求が過度に強く、他人に攻撃的だとされている。

また双生児の研究によって、ある程度の遺伝規定性(遺伝子によって決まる性質)が認めているらしい。

もちろん、タイプはAだけではない、BもCもある。

タイプB性格は競争的ではなく、癇癪(かんしゃく)を起こしたり、敵対することが少なく、心からくつろいで、ゆったりとした生活をおくるとされている。

米国の研究グループはタイプA性格はタイプB性格よりも虚血性心疾患リスクが約三倍高いということを言っいてる。

タイプAが狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を発症しやすいのは、ライフスタイルが、緊張感の高まるような状況を頻繁に作り出すからかもしれない。

また逆に体質的に交感神経系が過剰に活動しやすいためにタイプAの行動があるといった二項対立関係にあるプロセスが指摘されていたりする。

また、このタイプAは虚血性心疾患の危険因子とされている赤身の肉を好み、飲酒や喫煙量も多いといったライフスタイルをしている。

因みに私は42歳まではタイプAで、それ以降はどちらかといえばタイプBのグループになると思う。

性格が変わったという自覚は全くないが、ライフスタイルは明らかに変わった。

老化によってもタイプ変更は起こり得るのではないだろうか?

だから、予め老化を人生設計や行動計画に上手く組み入れておく必要があるだろう。

タイプC性格とは?

残るはタイプCということになるが、Cは前のAとBとは若干ニュアンスが違う。

Cは単なるタイプではなく、Cancer(キャンサー)つまり癌を表している。

あなたもご存知のように、がんと心理的な因子との関係性は実に多様だ。

したがって、がんに罹りやすい性格や行動パターンがあるのか、また宣告を受けた後の生存期間にどのように影響しているのかなど、多くの研究が行われてきた。

がんの発症や増殖には、活性酸素・ウィルス・化学物質・放射線・ホルモン・慢性的な炎症・寄生虫・遺伝的な体質などが主な原因だと考えられている。

これら主因とされていることから比較すれば心理的な因子というのは小さなものかもしれない。

しかし、外部環境が脳において主観的な世界となって表象されるとき、ときに強い感情を生み、体の変化をともない、体温 ・ 血糖値 ・ 血液酸性度などの生理的状態を一定に保とうとする機能を揺るがそうとするプロセスを無視することはできないだろう。

これはガンに限ったことではないと思う。

したがって、私たちが健康を維持していくためには、予防医学や健康管理の総合的な知識は必要不可欠だろう。

この知識は、当然ながら各方面のデザインにも繋がっていく。

では、予防医学と健康管理の総合的な知識とはいったいどのようなものだろうか?

彼らはこう言っている。

それは「生命の科学」もっと正確には「生命の範囲に関する知識だ」と。

次回はその生命の知識についてです。

それではまた。

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