2000件以上のキャッシュフロー・デザインに携わってきた経験から、人々のお金に対する考え方には大きく二つのパターンがあることが見えてきました。
一つは、お金を稼ぐために働くという直接的な方法を取る人々です。
これらの方々は、日々の忙しさに追われ、時間に対して得られる収入が比較的低いという特徴があります。
言い換えれば、彼らは入力と出力のバランスが取れておらず、生産性がいまひとつと言える状態にあります。
一方で、お金が流れる仕組みを作ることに注力する人々がいます。
このアプローチを取る方々は、時間的に余裕があり、時間当たりの収入も高い傾向にあります。
例を挙げれば、月に5日だけ働いて億単位の収入を得るというような方々です。
彼らは労働時間と収入の関係が必ずしも直接的ではないことを理解しています。
しかし、これらの方々が余った時間を単に遊んで過ごしているわけではありません。
その時間は、自分自身のパフォーマンスを最大化するための準備に充てられています。
様々なタイプのクライアントと接してきた経験から、これらの違いを深く理解することができました。
これらの洞察を踏まえて、人々がお金に対してどのようにアプローチしているのか、その根本的な違いを明らかにすることが私の役目でもあります。
お金を直接稼ぐ方法と、お金を生み出すシステムを構築する方法、それぞれの選択が、人生にどのような影響を及ぼすのかを理解することが重要です。
お金の流れを生み出す秘訣とそれを失う理由!?
クライアントさんに最初にお願いしていることがあります。
それは、ご自身のために暇を作っていただくことです。
なぜなら、この暇が圧倒的なキャッシュフローを生み出すための源泉となるからです。
その貴重な時間を使って学び、得た知識を迅速に実践に移していただきたいのです。
ところで、エドガー・デールというお名前を聞いたことがありますか?
おそらく、彼の名を聞いてピンとくる方もいらっしゃるでしょう。
エドガー・デールは「エドガー・デール学習の法則」で広く知られるようになった方です。
この法則は、人がどのようにして最も効率良く学び、知識を習得するかについて、数値化したものです。
- 読むことでの習得率は10%
- 聞くことでの習得率は20%
- 見ることでの習得率は30%
- 見て聞くことでの習得率は50%
- 自分で言うか書くことでの習得率は70%
- 他人に教えることでの習得率は90%
この法則によれば、受動的な学習方法では「見てかつ聞いて」の段階で50%の習得率が限界とされています。
もちろん、この法則を全ての場合に適用するわけではありませんが、能動的に行動したり、実際に体験を積むことで学習の効果が高まることは明らかです。
何か新しいことを学んだ後、それを基に行動したり、他人とコミュニケーションを取ることで、受動的な状態よりも強い感情や痛みを感じることがあります。
これは、学びが深まり、より強く定着する過程であると理解できます。
ロールプレイとOJTの有効性
例えば、保険セールスの研修生として過ごした時期は、ロールプレーイングとOJTが我々のスキルアップに欠かせない要素であったことを良く覚えています。
私は同僚や後輩たちの指導役も務めており、これらの訓練方法を積極的に取り入れて実践していました。
また、常にシミュレーションを思考し続け、その理解を深めるよう、彼らにアドバイスしていました。
しかし、この訓練の重要性を軽んじた研修生たちは、現場での対応に苦労し、期待通りの成果を出すことができませんでした。
中には、セールスに対する自信を築くことができずに長い間悩む者もおり、そのプレッシャーに耐えかねて姿を消してしまった同僚もいます。
時おり、その同僚が今どうしているのか、心配になります。
これらの経験は、私がセールスを推進する際の大切な教訓となっています。
疑似体験の価値は非常に大きい、ということを強調したいのです。
この実体験から得た教訓は、私が指導する際の基盤にもなっています。
セールスの世界では、実践的な訓練と実際の体験を通じてのみ、真のスキルが身につくのです。
疑似体験を生かす!
疑似体験の価値を最大限に活かすことの重要性は、特に人命を預かる職業において、計り知れないものがあります。
このような分野では、現場でのミスは決して許されません。そのため、関係者は訓練に対して極めて真剣に取り組む必要があります。
救急医療従事者、消防士、パイロットなど、命を守る責務を負う職業の方々は、何度も繰り返しシミュレーションを実施します。これにより、失敗を経験し、その痛みを身に染みて感じることで、現場で求められる水準の業務遂行能力を身につけていきます。
日々、同じ訓練を繰り返し、理想的な疑似体験を習慣化することにより、実際の状況に直面した際にも迅速かつ適切に対応できるようになります。
この習慣化は、いざという時に体が本能的に反応するようにするために不可欠です。
実際の危機状況では、考える時間がほとんど与えられないため、事前の疑似体験が即座の行動に直結します。
従って、研修や訓練における失敗や痛みを通じた疑似体験は、現場での対応能力を高めるために極めて重要です。
このプロセスを通じて、専門家たちは現場で求められる高度な判断力と技術を磨き上げています。
疑似体験を生かすことで、実際の緊急事態においても冷静かつ効果的な対応が可能になるのです。
教育が刷り込むミスへの恐れ!?
「ミスを恐れるな」という警句は、私たちが社会に出てから頻繁に耳にするものです。
しかし、学校教育を振り返ってみると、その風景は大きく異なります。
講義を受け、一定の学習法に従うこと、校則を守ることが強調され、規範から逸脱する行動は罰則の対象となりました。
私自身も、この枠組みから外れたために、何度も叱責された経験があります。
この教育システムが私たちに植え付けたのは、ミスを犯すことへの深い恐怖です。
この恐怖は、仕事やビジネスの世界での成長と発展を阻害する「暗闇」となり得ます。
私たちは生まれた瞬間から親の影響を受け、学校で誠実な労働者になるための教育を受けてきました。
社会人になってからは、その教育の延長線上で努力を重ね、誰かが定めたルールの中で生きることで、ある程度の安定と収入が約束されると信じてきました。
しかし、その「約束」は、時代が変わるにつれてますます不確かなものとなってきました。
その結果、自分自身の力で道を切り開くこと、自助努力がより強く求められるようになりました。
この変化は、私たちが学校で学んだ「ミスを恐れる」姿勢とは根本的に異なり、自己成長という新たな挑戦を促しています。
学校での経験は、私たちに多くの基本的な知識と技能を教えてくれましたが、真の成長は、ミスを恐れずに新たな挑戦を受け入れ、それから学ぶ勇気を持つことから始まります。
この意識の転換が、今日のビジネスや職場で成功するための鍵となるでしょう。
金融危機の根源とファイナンシャル教育
例えば、貧乏父さん 金持ち父さんの著者でもあるロバート・キヨサキ氏は、現代のファイナンシャル教育の根本的な問題点を鋭く指摘しています。
彼によれば、学校が金融危機の一因とされる銀行員やファイナンシャル・プランナーを招いて子どもたちにお金の知識を教えさせていること自体が、問題の本質を見失っているのです。
彼は、これをファイナンシャル教育とは名ばかりの、実質的な富の搾取行為とみなしています。
このような教育形態が続く限り、金融危機の終焉は望めないと彼は警鐘を鳴らしています。
この見解は過激に聞こえるかもしれませんが、世界中どこでも似たような形で、私たちの富が奪われているという事実に目を向けるべきです。
「散髪が必要かどうかは床屋に聞いちゃいけない」これはウォーレン・バフェット氏の言葉ですが、彼が忠告しているように、特定の組織の一員がその市場におけるアドバイスを提供する限り、利害の対立は避けられないのです。
そして、市場の一員として活動する人々も、多くのルールに縛られ、高い税金を支払い続けることに早く気付くべきです。
確かに「お金を稼ぐために働き続けなければならない」というシステムから抜け出すことは容易ではありません。
私自身も、起業家として26年の経験を持ち、また会社員としての経験も合わせて10年ほどあります。
さらに、ある団体で責任ある立場を務め、組織の一員としても活動しています。
このような経験から、起業家思考とファイナンシャル知識の重要性を強く実感しています。
この論点は、単にお金の管理方法を学ぶだけではなく、私たちが経済システム内でどのように生き、どのようにして自らの富を守り増やすことができるかについて、深く考える機会を提供しています。
ファイナンシャル教育の真の目的は、単なる知識の提供にとどまらず、私たち一人一人が賢明な経済的決定を下せるようになることにあるのです。
次回は「浪費をやめて浮いたお金を1年後に2倍に、さらに4倍以上にする」です。
ではまた。