
- 元本保証の意味をよく理解する。
- 自分のリスク許容範囲をどのように把握するのか。
- リターンとリスクの関係を考える。
- 自分の失敗パターンを知る。
- 関係ないことを見極める
- 分散投資の意味をよく理解する。
元本保証の意味をよく理解する
一般的に投資で失敗する人の特徴に、元本保証に執着しすぎる傾向が見受けられます。
「元本保証はどこまでいっても善である」
そういう考え方を長い間刷り込まれてきたからです。
元本保証は本当に善なのでしょうか?
誰しも元本割れは避けたいところですが、そのために犠牲にしているものがあります。
そのことにほとんどの人が気づいていません。
どういうことかというと。
リスク回避ばかりに着目していると、チャンスを作り出す能力が低下して、やがてその能力が消滅します。
一昔前はあらゆるところにチャンスらしきものがゴロゴロ転がっていました。
しかし、今やチャンスは転がっているものではありません。
チャンスを作り出す方法がわからないと、いつまでも浮上できない時代です。
リスクを嫌う習性が身につき、変化を怖がるようになり、資産が目減りしていく仕組みの中に押し込まれる。
こうしたプロセスでどんどん経済的追い込まれていくわけです。
この世界には常にリスクが存在しています。
未来は、リスク(不確実)そのものだからです。
その吐き出したリスク、請け負います!
一方、そのリスクを引き受けて儲けている機関や組織、あるいは団体や人がいます。
誰かが吐き出したリスクを請け負うことで儲けているのです。
例えば、元本保証の商品を売っている代表機関は銀行です。
あなたもお金を預けていると思います。
銀行はリスクを取りながら、あなたのお金を活用することによって利益を享受しています。
銀行は一円のお金も使わず利益を得ているのです。
つまり、リスク(変化)を利益に変えているのです。
最大限の注意を払ってリスクを判断し、コントロールしながら、国の保証をバックボーンにして巨大化した組織が金融機関です。
この銀行の仕組みを個人で所有できれば、簡単にお金を増やすことができます。
想像してみてください。
その1万分の1だとしても相当な資産家になれるはずです。
これは極論ですが、安定を求めることはお金を増やす機会を減らすことを意味しています。
人生設計にも同じことがいえます。
リスクを引き受ける覚悟があると、豊かになる可能性が広がります。
リスク許容範囲を把握する!?
そもそも投資経験のない初心者にリスク許容度を求める意味があるでしょうか?
リスクの想定ができないからです。
したがって、「誰かにそれを決めてもらう」ことになります。
しかし、経験が豊富な専門家であっても、他者の許容範囲を正確につかむことはできないでしょう。
なぜなら、そのようなものは最初から存在しないからです。
リスク許容範囲を設定したがために起こった悲劇もたくさん発生しています。
安心感(固定点)が悲劇を生んでしまったのです。
「リスク許容度を測りましょう」これは売る側の誘導尋問であって、運用成果を高めることとなんら関係ありません。
成功率を高めるためには、許容範囲ではなく対象とする市場と対峙していく必要があるからです。
例えば、利益15%で売り、損失3%で損切り、これも目安であって一定ではありません。
あなたの生活環境は、微妙ではあっても毎日確実に変化しているからです。
”リスク許容範囲は当てにならない”このことを認識した上でルールを決めるといいでしょう。
つまり、許容範囲ありきではないということです。
仕事もビジネスも投資も、今起きている事実に冷静に対処し続けることが重要です。
これは特殊なことではなく、ごく当たり前のことだと思います。
その当たり前の考え方が、不確実な言語で構成された理論に絡め取られ、いつしかどこかに消え去ってしまう。
これは非常に怖いことです。
「どんなに強く念じても金融市場は自分の思い通りには動かない」
べてらんでも常に意識していないと忘れがちな大前提です。
リターンとリスクの関係を知る
リターンとは、投資で得られる収益のことです。
リスクとはリターンのブレの幅です。
もちろん、収益だけではなく損失もあります。
一般的には、リスクとリターンの関係は、表裏一体の関係だと云われています。
つまり、リスクが大きなものはリターンが大きく(ハイリスク・ハイリターン)、リスクが小さいものはリターンが小さい(ローリスク・ローリターン)という傾向があるという理屈です。
しかし、何にでも例外はあります。
ローリスク・ハイリターンも、ハイリスク・ローリターンも存在します。
月利20%以上あるいは半年で投資額の倍の利益が得られる。
月に20%損する、半年で資産が半分になる。
それが実際の投資の世界です。
ペーパーアセットに限っては、リターンとリスク相関がある程度成り立つのかもしれません。
しかし、投資はペーパーアセットだけではありません。
もっと広い視野で投資をとらえていく必要があるでしょう。
失敗パターンを知る!
「負け」には決まったパターンがあります。
その負けパターンを選択している人は、非常に高い確率で何度も失敗します。
気づかないまま、不得意な科目で勝負しいる場合などがそうです。
私は将棋が好きで得意な方ですが、チェスは苦手です。
したがって、誰かと勝負をするなら将棋を選びます。
練習であればチェスを選ぶでしょう。
上達したいと思っているゲームだからです。
どういうことかというと。
ほとんどの人が自分の強みがわかっていない、ということを言いたいのです。
自分で自分の強みを見極めるのは、難しいことなので仕方ありません。
不可能だとは言いませんが、自分の強みを自分で理解するのは非常に難しいいのです。
もし、自分ひとりで強みを見極めたいのなら、「弱み」から考えることをお勧めします。
自分の弱点は何だろうか?
自分が嫌がっていることはなんだろうか?
不得意なことはなんだろうか?
人から指摘されてきた短所はどんなことだったろうか?
といった具合にです。
それが自分の失敗パターンに気づくきっかけにもなるからです。
「他人の失敗から学ぼう」・・・よく云われていることです。
しかし、他人の失敗とあなたの特性が絡まない可能性は高いです。
その失敗は、他者の思考を通して語られた二次情報だからです。
つまり、事実に基づいてはいますが、事実そのものではありません。
他人の失敗パターンは、あなたの失敗パターンと直接関係ありません。
むしろ、他者の失敗パターンが、あなたの成功パターンになりえます。
逆に、あなたの失敗パターンが、他の誰かの成功パターンになることもあるわけです。
真面目に受け止めすぎると、必要な行動まで抑制しかねません。
過ぎたるは及ばざるが如し。。。です。
失敗事例を鵜呑みにせず、適当に参考にしながら、行動結果と照合しつつ、自分自身でよく考えるようにしましょう。
関係ないことは避ける
資産を増やすために、その類の資格取得に取り組んでいる人がいます。
資格取得を否定しているわけではありません。
資格を取得しないと営業できな業種もありますからね。
しかし、資産を増やすことが目的なら、資格取得ではなく、いち早く資産を増やすことに取り組んだ方がいいです。
これはどの分野にも言えることです。
全く無意味とまでは言いませんが、資格と実益とはほとんど関係ありません。
例えば、ファイナンシャルプランナーや証券アナリストなどなど。。。
実際、実践で利益を得られないでいる人の方が多いくらいです。
これは、理論が結果から類推された後付けにすぎないことも証明してくれています。
つまり、理論だけを重視すればするほど、現実とのズレや矛盾が大きくなります。
例えば、「経済学者たちの言っていることを真に受けて政策を行ってしまったがゆえに、現在の経済状況になってしまった。
」
よく知られている事実です。
そのことと非常に類似しています。
経済は生き物!
私たち人間の損得に関する感情が大きく影響しているので、そう云われているわけです。
理論では測れない力、実はこちらの影響力の方が大きいのです。
分散投資の意味をよく理解する
「特定の銘柄に絞って投資に臨むのは、ギャンブルをしているようなもの、だから分散投資が重要」これは巷でもよく言われていることです。
でも、その方たちが分散投資の意味を履き違えている可能性は高いです。
なぜそう言えるのかと云うと・・・
そう勧められて購入した商品を診断してみると、分散投資になってないケースがよくあるからです。
それで、勧めた本人に確認してみると、大真面目に分散投資商品だと言い切るのです。
つまり、その程度の人たちから商品を購入しても資産は増えないということです。
分散投資だと思って購入したものが全てペーパーアセットだった。
しかも、カントリーリスクの分散もできていない。
これはよくある話です。
非常に狭い視野で投資というものを解釈していることから生じる現象です。
投資の世界には、自己(子どもの教育も含む)、ビジネス、コモディティ、不動産、ペーパーアセット(株、債券など)があります。
この観点から捉えた場合、ほとんどの人が分散投資できていません。
それが現実です。
そしてまた、多くの収益を上げている人たちには特徴があります。
それは、例外なくビジネスを所有しているということです。
ビジネスに投資している、あるいは投資そのものをビジネスに昇華させてきた人たちです。
そうしたセンスをビジネスで磨いてきた人たちが、投資の世界においても勝利しているわけです。
片手間で投資をしている人が敗者になる。
これはごく当たり前の構図です。
幼稚園の学力で大学受験に臨むようなものなのです。
また分散投資が絶対にいい、などということも言い切れないでしょう。
実際、極端な収益を上げている人たちは、巷で言われているような類の分散投資を行っていません。
最も自分が得意とする投資対象に資金の大半を集中しています。
自分がわからない、得意ではないものには手を出しません。
仮に投資するにしてもテスト的な意味合いが強いです。
資産家として有名な人たち、例えばビル・ゲイツ氏、ウォーレン・バフェット氏、ドナルド・トランプ氏などが何によって資産を形成してきたかリサーチすれば一目瞭然です。
皆、自分の得意な分野を見つけてそこに集中して投資しているのです。
陸上競技で中距離が得意な選手が、万が一のために短距離や長距離の競技に参加しても勝てません。
それどころか、エネルギーを分散してしまったことで、本来得意だったはずの中距離走の勝率も低下させてしまうでしょう。
「自分の能力の輪の中にめぼしいものがないからといって、むやみに輪を広げることはしません。じっと待ちます。」
「私が成功した理由は、飛び越えられるであろう30センチのハードルを探すことに精を傾けたから。」-ウォーレン・バフェット
ドルコスト平均法に依存しない。
分散投資、ドルコスト平均法で云々・・・・
これらはあくまでもリスク回避からの視点であって、運用で資産を増やす目的からはズレている手法です。
つまり、リターンから見た場合、分散投資、ドルコスト平均法、これらは収益力を減退させる方法ということになります。
また分散投資、ドルコスト平均法を用いればリスクが必ず軽減できるわけでもありません。
投資の世界には、そもそもリスクはつきものだからです。
したがって、どのような方法を用いたとしてもリスクから逃れることはできないのです。
投資のなかにリスクが含まれているからです。
分散投資、ドルコスト平均法を勧めてくる人は、たとえばどんな人でしょうか?
なぜその方法を勧めるのでしょうか?
そう、実は売る側の責任リスクを回避したいからです。
売る側が犯すミスによって被る損害を軽減すために、分散投資やドルコスト平均法という言葉と理論を利用しているに過ぎないということです。
その言葉が何を言っているのか、ではなく「その言葉が何をいっていないのか」その方が市場原理を捉える上でより重要だったりもします。
分散とは無知に対するリスク回避だ。だから勝手知ったる者にとって分散手法はほとんど意味を成さない。広範囲な分散投資が必要となるのは、投資家が投資にうとい場合のみだ。50から75の銘柄管理は私の手に余る。ノアの箱舟の投資をすれば、結局は動物園みたいなありさまになるだけだ。私は数銘柄を大量に持つのが好きだ」-ウォーレン・バフェット
次回は9つの主な運用方法についてお話させていただく予定です。
ではまた。
CFP® Masao Saiki